VRMMORPGって大体こんな感じのゲームなんじゃないの? 作:プソFブル
結局、昨日1日はあの場でレベリングをして過ごした。多少レベルが進み余裕が出てきたら、雑魚のレベルが上がる中ボスの奥でまた似たような地形を使ってハメリング。
あの場所は最大50Lvまで雑魚敵が出てくるらしい。自分と敵のレベルが違いすぎると経験値補正が入ってマズくなるんだけど、ちょっとずつ移動すればいいだけだからあそこはレベリングに最適だ。
え? 折角のVRMMOなんだからもっと探索とかを楽しめよって? いやぁ、飽きたらね。何もかにも、MMOなんてレベルマックスまでがチュートリアルなんだから、レベリングを優先するのは当然の話である。
というか、今作がそうかは知らないけど、MMOにおいてジョブスキルがあるものはレベル上がってないとただのカスだ。
ジョブスキルにはだいたい必須スキルがある。タンクであれば挑発だったり、ヒーラーだったらデバフ解除だったり……。で、そういったのはスキルポイントで取得できる。で、そのスキルポイントの取得方法は? レベルアップだ。
つまりレベルが上がってなかったら必須スキルが取れてないので、そのジョブとしてはカスになる。レベル上げて出直しな。必須スキル取ってない戦犯め。
だからレベリング優先してオッケー。レベルだけは最後まで裏切らない。あぁ、レベルお前は私から離れなかったゆえに。
……レベルを優先することによって限定モノを取りこぼすことなんて、無い。創作と違って、MMOないしオンラインゲームはプレイヤーの競争を煽りに煽り、そして離れさせず続けさせるために調整を行う。
性能がぶっ壊れている、先着順! このプレイヤー限定! 特殊イベ取った人のみ! ───なんてものは基本出さない。
スキルもアイテムも装備も、万人に渡る可能性があってこそ競争が生まれるのだ。MMOでも公平性というものは最低限存在する。課金したって手間が減るだけで無課金でもいずれ辿り着けるのが常だ。
よって、限定モノを取るために別に探索を広く深くしたりAI入ってるNPCと仲良くしたり奇行奇声で検証したりする必要が基本ない。
もし限定モノがあったとしてもどうせ、カスみたいなステータスのカスみたいなアクセ以外は後から回収できる(たまにファッション自由度アプデで神になるアクセもある)。兎にも角にもレベリングが最初! しばらくはあそこに籠もるぞー!
そう考えながらXitterを開いた私は、飛び込んできた「下水道隠しダンジョン踏破プレイヤーが専用スキルをゲット」の文字を見て発狂した。
「情報だ。何でもいいから情報が欲しい⋯⋯っ!」
Xitterを再読み込み読み込み込み⋯⋯。
ダメだこいつら、感想文しか書いてねぇ。これだから玉石石石石石磊混交のXitterは嫌なんだ。
辛うじて得られた情報が「NPCをパーティーに含むとき与ダメ上昇」という微妙な専用スキルだったことはどうでもいい、大事な事じゃない。
大切なのは、専用スキルが存在するという事実だ。
0から1は難しいが1から10は簡単だ。一度実装した以上ハードルは下がる、ということはつまり。
運営、この専用スキルって奴、さてはまだ用意してるだろ。
……傾向だけでも掴んで私も欲しい⋯⋯っ! できれば微妙な効果じゃなくて有用な奴で!
仕事先でEGにログインできない=ゲーム内掲示板や公式Wikiを見れないので、調べるのは外部サイト(EG公式サイトは基本役に立たない。アプデ情報欄には内容なんて無く、『○月○日 アプデしました』しか載ってないからだ。社員が飼ってる猫の写真が毎日更新されているコーナーだけ人気)だけ。そのメインの信頼度低低Xitterは今ゴミだったことが証明された。
となるとまずはWikiだが……。
「わっかりにくい企業Wikiしか無いなぁ!」
何せまだサービス開始から三日も経ってないゲーム、しかも正気じゃないことに宣伝と鯖耐久を兼ねるβテストすらしてなかったEGだ。企業Wikiが準備しておく時間を設けていない。
おまけにゲーム内であればとっても使いやすい公式Wiki(コピペ、スクショ不可)がある。注目はあるが転載は難しくEGやってる人間は企業Wikiの方は見ないという理由からか、企業Wikiは過疎っていた。あるいは運営が企業Wikiに金を渡していない。
EG運営はこの結果にニッコリだろうが、知りたい情報を即ctrl+Fできない私はがっかりである。
さて企業Wikiがアテにならないとなると、第二の矢、個人ブログだ。個人でやってるからと侮るなかれ、彼らはお仕事でもない趣味だからこそ、時にあらゆるものより情熱を掛けてとんでもクオリティで仕上げて来ることも多いのだ。
EGは企業Wiki嫌悪はあるが、反面個人Wiki寄り合いWiki、個人ブログには優しい。そのお陰か個人ブログを書いている人間もそこそこいて、冒頭に話した『とーぷ』とかも元は個人ブログ主だったのだが……。
「うーん……まだ少ないな……」
更新はされている。⋯⋯だがやはりまだ情報が少ない。企業Wikiより乗ってる情報が多いのは流石の執念としか言いようがないが、それでも専用スキルが発見されてからまだ2時間も立ってないこともあり、個人的なデータや周囲の感想を纏めたものの記事が大半だ。
参考にはなるが信頼にはならない。そのぐらいの情報量だった。
⋯⋯となると、残るは一つ。
なぜか編集者が多く全員の統率が取れており、申し分ない情報に解説、文体のブレもなくあくまでもユーザーに寄り添った使用感⋯⋯! そう!
「淫夢Wiki!」
最終更新、2分前(迫真、大迫真、超迫真)。
淫夢であることを除けば、分かりやすく(特定のネットミームが混じりまくるのでこれを見やすいと思ったら汚染済みである)常に最新情報があり導線も整備され安定している。淫夢であることを除けば完璧なWikiだった。普通に読み物としても面白い。
時は流れ完璧没入VRが蔓延る時代になっても、淫夢の人気は衰えず相変わらずの人気ネットミームだった。恐ろしい話やで⋯⋯。
私は戦慄した。戦慄したがそれはそれとしてとっても有用なので躊躇なくページを開いた。オタク道を通りし者は少なからず淫夢を履修する。最悪な必須科目だった。
で、えーとなになに?
『当プレイヤーは初踏破だったが、どうも初踏破プレイヤーというより下水道で泳いだことが取得の条件として引っかかったことが可能性として濃厚。(えっ何で下水道で泳いだんですか⋯⋯やだ怖い⋯⋯アイロンマン⋯⋯ ??「下水まみれになろうや」(専用スキル取得したプレイヤーがNPCから専用の反応をされている)
さて結論から言うとぶっちゃけるとここの運営が専用スキルありきにすることは(嫌がらせの観点から)ないです⋯⋯。一般ノンケは安心してゲームプレイ、しよう! (とかいってそのうち専用のロマンスキルとかガチャスキルとかはここの運営好きだから発見されるゾ)
ま予想される条件としては、狂人っぽい行動ですぁね⋯⋯EG3の運営インタビューで、「ゲームだからこそできるモノは全て実装したいし、プレイヤーにもやって欲しい」と発言してるゾ。これは壮大な伏線だった⋯?』
ぱたん。
私はPCを閉じた。
なるほど、狂人プレイか。
「⋯⋯うーんちょっと難しいな」