毒蠍の出現は、此の宿屋にも危険が迫っている事を意味していた。俺とキフミは顔を見合わせ、言葉なく頷いた。手分けして敵を探す事に成ったので有る。其の頃、部屋の老人と少年にも恐怖の蠍が迫り
「マハト!老人さんが馬車で連れ去られたぞ!先に追うわ!」と言うキフミの声が響き、俺たちは急いで後を追った。馬車を追いかけ、ようやく追いついた俺たちが屋上で待機しようとしたその時、キフミがアジトらしき場所へ落ちてしまった。いや、落ちた場所がそのままアジトだったのか。
「此奴、マハトと一緒にいた奴だぞ!マハトはどうした!」下級魔族の一人がキフミに詰め寄る。「言うもんか!」と、キフミは毅然と言い放つ直後、俺も其のアジトへと落ちて来たので有る。
「キフミ!老人を頼む!」俺は間一髪で助け出した老人をキフミに渡し、下級魔族たちに問い詰める。「貴様らを指揮する上級魔族は!?何処だ!?」っと言うと、キフミが不敵な笑みを浮かべた。
「ふっはっ!キフミとは昔の名よっ!うふふっ!私は蠍の魔物と融合し、蠍の魔族に進化したのよっ!うふふっ!」衝撃だった。元々魔族であるキフミが、さらに蠍の魔物と融合して力を増し、この事件の首謀者と成っていたとは…。
感情の混乱を押し殺し、俺はキフミと対峙した。俺は躊躇なく跳び上がり、彼女の首を両足で挟み込むヘッドシザースを放つ。上空で一回転し、足の力で彼女を投げ飛ばし、岩盤に叩きつける。その衝撃で、彼女は撃破されたので有る。
キフミとの戦いの衝撃で、俺は意識が朦朧としていた。気がつけば、近くの湖で顔を洗っていた。その時、湖面に映る自分の顔の横に、不気味な影がよぎった。現れたのは、白(もしくは黄色)地に黒の斑模様の体色が特徴の魔物だった。本来、眼があるはずの場所には、回転する三日月形の角があり、常にくるくると回っている。此れは周囲の状況を探るレーダーか、あるいは電波妨害を行うジャミング装置の様にも見える。一際長い尻尾を持ち、敵に巻きつけて50万ボルトの電流を流すエレクトリックテールという必殺技で暴れ回っているのだ。
俺はすぐに戦いを仕掛けたが、その電撃尻尾に巻きつかれ、何度も電撃を浴びせられた。まさに大ピンチだった。何とか角のアンテナに狙いを定め、一振りで縦方向に無数の斬撃波を乱れ撃ちする技を放ってみたが、それでも相手は強靭で、俺は苦戦を強いられた時、聞き覚えのある声が響いた。「デュアッ!」
ハイターだ。彼が投げた白銀のブーメランは、正確に魔物の首と胴体をダルマ落としのように輪切りにした。そして、首の断面から大爆発を起こし、魔物は完全に死亡したので有る。俺はハイターのおかげで、辛くも此の魔物から逃れる事が出来たので有る。
次回も御願い致しますっ!