追記。誤字修正ありがとうございます…!
どこから話そうか。
わたしの名前は
簡潔に言ってしまえば、わたしはいわゆる転生をしてしまった。してしまっていた。生まれた時からやや強めの自我を持っていて、やけに派手な髪色をした両親の元に生まれた。そして、ここは前世のわたしが好んでいた、プロジェクトセカイというゲームの世界である。
それに気がつくのは遅かった。
小学校に入学したわたしは、すっかりその世界のロリとして順応をしていた。だからこそ遅れたのだ。
同じクラスの芯の強い女の子。名前を、東雲彰人と言った。
そう、彰人。
どこかで聞いた名前だなぁと記憶を巡らせ、とりあえずオレンジの髪が綺麗だったからお近付きになった。ツンデレの気質があるその子は面倒見が良く、2週目の小学生のはずなのに鈍臭いわたしと仲良くしてくれた。
そんな折、わたしは彰人の兄と出会う。お兄さんの名前は東雲絵名というらしい。
いや、東雲絵名さん。
プロセカのキャラじゃね?
そう思いながらお顔を良く見ると、チョコレートみたいな髪と瞳が、記憶と一致した。女の子から男の子には変わっているものの、容姿の特徴や性格なんかは、概ねあのゲームのキャラクターであった東雲絵名と一致したのだ。
つまり彰人も、元は東雲彰人という男の子のはずで__
そこまで考えたわたしはプロセカの世界に転生してしまっている、そう結論付けた。原作のストーリーが始まる年までまだ10年近くもあるのに、すでに原作の崩壊が成されていた。前述の通り、キャラクターの性別が原作から変わってしまっているのだ。恐らく、わたしが関与したからだろう。そうは思っても、カミサマとやらに会ったこともないわたしに真実は分からない。
鏡に写る白い髪、青い瞳。
まるで人形のようなこの世界の"わたし"の姿。プロセカのキャラの性別が変わってしまったこの世界において、もしかしたら"わたし"という存在も、元は男の子だったのかなだなんて考えていると、目眩がした。こんな儚い容姿を持った男の子だなんて、絶対イケメンじゃんね。
何をすればいいのかなんて分からない。
でも、わたしはわたしの欲求に素直である。
「みんなと仲良くなってみせる!!」
馬鹿じゃないの、辛辣に呟いた彰人の視線なんて知らない。わたしは、みんなが幸せでいてくれればそれでいいんだ。
あわよくばその良い声でわたしの名前を呼んでいてくれ。
かくして、綾瀬透の第2の人生は、複雑でありながらも当社比では華やかなスタートダッシュを決めるのであった。