ソードアート・オンライン handle a system~second~   作:ハマT

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4第一層ボス攻略

トールバーナの町

デスゲームが始まって約二ヶ月が経過した今日、ここで第一層ボス攻略会議が行われることとなっていた。

「はーいそろそろ時間だし始めさせてもらうよ俺はディアベル職業は気持ち的にナイトやってます」

今回の会議の司会を務めるのはこのディアベルという男だ。

「リュウヤ君あの人知ってる?」

「・・知ってるよβテストのとき実力も高くないくせにボス攻略の指揮をやってはレイドを半壊させていた」

その話は一度リーファもキリトから聞いたことがあった。βテスト時代何度もボス攻略の指揮をやっていた男がいると。

「まず初めにみんな六人のパーティを組んでくれ」

ディアベルの言葉でみんなパーティを組み始める。

「リュウヤ君どうしよう・・あと四人見つけないと・・・」

「スグ?」

焦るリーファに声をかけたのはキリトだ。横にはアスナもいる。

「お兄ちゃん!!アスナさん!!」

「スグこそ・・なんでここに?」

「私はリュウヤ君と第一層のボス攻略に参加しようと思って・・」

「それよりいいのかリーファ?周りみんな組み終わってみたいだぞ」

リュウヤの言葉で周りを見るとみんなパーティを組み終ったのかみんな雑談をしている。

「そういうことなら私たちとパーティを組まない?私たちもボス攻略に参加するつもりだったし」

アスナたちとパーティを組んだリーファたち。その後ディアベルがそれぞれのパーティの役割を決める。リーファ達に与えられたのはボスの取り巻きであるセンチネルと言うザコの相手だ。

 

ボス攻略当日

皆それぞれポーションの確認をしたりしてボス戦の準備をしている。

「リュウヤ君今日の話だけど……」

「気に入らねぇな」

「え?」

「コイツらこれから始まるボス攻略をそこまで大事に考えてない……リーファこのボス戦もしかしたら俺達がボスを叩く可能性があるぞ」

 

それから五分後ボス攻略が開始された。β時代の情報を元に戦った結果恐ろしい程に上手くいった。リーファ達も他のパーティーと比べセンチネルを早く倒し他のパーティーの援軍をするほどだった。情報によるとボスのHPがレッドゾーンになるとボスは武器をタルアールに変更してくるらしい。そしてHPがもうすぐレッドになる瞬間異変は起きた。

「リーファ!!前に出るぞ!!」

「え?リュウヤ君!?」

突然リュウヤが前線に上がる。リーファもセンチネルをキリト達に任せリュウヤに続く。

「リュウヤ君どうしたの?」

「戦闘中アイツの背中の武器が一瞬だけ見えた……タルアールじゃなくて野太刀がな」

「?!それって……」

もしリュウヤの言っている事が本当ならβ時代の情報で戦っているディアベル達が危ない。リュウヤ達が前線の部隊と合流するとディアベルが一人でボスに向かって走り出していた。そしてボスもリュウヤの言う通りタルアールではなく野太刀に武器を変えていた。

「リーファ!!ボスがスキルを発動したらディアベルに接近したあとディアベルに向けてスラントを打て!!」

「了解!!」

リュウヤの言うことに少し疑問を持ちながらも返事をするリーファ。

「お、おい!!お前達!!何してんだよ!!」

前線のメンバーの一人がリーファ達に気付くがリーファは無視してタイミングを待つ。そしてボスがスキル発動しリーファはディアベルに接近した。

「リーファさん?!」

急に接近してきたリーファに驚くディアベル。リーファはそれに関係なくスラントを放つ。その瞬間突然大きな衝撃波が部屋全体を襲った。ディアベルを始めとしたほとんどのプレイヤーは衝撃波に耐えられずその場に倒れてしまう。

ーー獣系モンスターの固有スキル雄叫びだ。

このスキルは獣系のモンスターのみが使えるスキルで相手を怯ませる事ができる。ザコが使うのは数秒行動不能になる程度だがボスが使うのは部屋全体にしかも一定の時間スタン効果があるものだ。しかしリーファとリュウヤには一切その効果がなかった。それもそのはずリーファ達が手に入れていた装備≪アニールコート≫には雄叫びの効果を半減させる効果がある。更に雄叫びはスキルの発動中は大きな効果が働かない。その為スラントを放っていたリーファには一切の効果がなかった。スラントもディアベルの頭上を通過しディアベルにもダメージはない。

「リーファ!!このまま決めるぞ!!」

「了解!!」

リーファがボスに攻撃しすぐにスイッチでリュウヤが畳み掛ける。

「二人とも!!そのまま行け!!」

ディアベル達がリーファ達に声援を送る。ボスはリーファの攻撃で吹き飛ばされ後ろの壁に叩きつけられる。

「行くぞ!!」

吹き飛ばしたボスに一気に接近する二人。同時にスキルを放とうとした瞬間ボスが雄叫びをあげる。それと同時に二人の目の前にセンチネルが十体程現れる。

「ザコの追加POPとかきいてねぇぞ!?」

二人のスキルはセンチネル数体を倒すもボスには届かなかった。

「二人とも!!肩借りるぞ!!」

二人の後ろからキリトが走ってきた。キリトは二人の肩を使ってジャンプしセンチネルの壁を飛び越える。

「届けぇ!!!!」

キリトがスキルを放ちボスに命中する。わずか数秒の間の後ボスの体は四散した。

 

「か、勝った!!」

ボスに勝利しボス攻略に参加したプレイヤーがそれぞれ歓喜の声をあげる。

「お疲れ様リュウヤ君」

「お疲れリーファ」

互いに声を掛け合う二人にアスナとキリトが近づいてくる。

「二人ともお疲れ様」

「にしてもよくボスの武器が違う事に気が付いたな」

「俺も半信半疑だったからな………模しあれでタルアールだったら色々と大変なことに……」

「なぁ……今回の戦い何かおかしくなかったか?」

ふと攻略に参加したプレイヤーの一人がそんな声をあげた。

「おかしいってどう言うことだ?」

「だってよぉ……ボスの武器、タルアールじゃなくて野太刀だったし……後後方から来たやつら何でボスのスキルが効かなかったんだ?」

一人が投げ掛けた疑問はやがて大きな疑問の渦を作り始めた。

「もしかしてコイツら初めから知ってて黙ってたんじゃないか?」

「知ってて黙っていたところで何かコイツらに利益があるのか?」

そしてその疑問の渦は最悪の形になってしまった。

「……もしかしてコイツらβ連中の仲間じゃないのか?」

「きっとそうだ!!お前らの中にいるんだろ?!β連中と繋がってるやつが!!」

その声を筆頭にプレイヤー達はβテスターと繋がってるプレイヤーがいるかを探し始める。

「ちょっと……みんな!!別にβテスターなんて……」

「お前らはアホか?」

騒ぎの中にリュウヤのその一言が静かに響き渡った。

「リュウヤ君?」

「お前らさ……βテストの意味知ってる?βテストってのはな製作者以外が実際にプレイしてその意見をもとにして修正するってことだ。つまりβテストの時はタルアールだったが製品版では修正されて野太刀にされてたってことだ……なぁお前らは知ってるか?千人いたβテスターの奴等が今何人生き残っているか」

「そ、そんなの分からないけどまだ900人近く……」

「10人だ……デスゲームに参加していたβテスターは約800人、デスゲーム開始後初心者を助けるためにログインしたプレイヤーは約50人、そして2ヶ月の間に死亡したプレイヤーは約840人……分かるか?βテスターのほとんどがβ時代のデータや情報を鵜呑みにして死んだ」

リュウヤの言葉にリーファやキリト、さっきまで喧嘩をしていたプレイヤーが戦慄した。キリトやアスナを始めとしたβテスターは1000人ほどいた。その内の850人がデスゲームに参加し九割以上が死亡したと言うことだ。

「ここにいる連中はそのバカどもとは違う俺はそう思っていたんだが……やっぱりお前らは信用できないな」

そう告げるとリュウヤはパーティーを解散し次の層への扉に向かってあるきだす。

「β時代はよく次の層に行く途中に初見のMOBに殺されるやつがいたからな……俺が行ってアクティベートしといてやるよ……まぁ殺される覚悟があるやつならついこい」

それだけ告げるとリュウヤは扉の奥に消えていった。その姿をみたリーファは何故かリュウヤを放っておけなくなりリュウヤの後を追いかける。

「リーファ…アイツの後を追いかけるんだろ?……だったら伝言を頼めるか?」

「分かったよお兄ちゃん」

「ちょっと待ってくれないかな?」

リーファに話し掛けてきた来たのはディアベルだ。

 

リーファがリュウヤを追いかけると2層に続く階段の中腹辺りでリュウヤが座っていた。

「リュウヤ君どうしたの?」

「少しだけ休憩……アイツ出したから少し疲れたんだよ」

「あいつ?」

「何でもねぇよ……てかお前は何でここに来たんだ?」

「殺される覚悟があるやつはついてこいっていったのは誰だっけ?」

リーファはリュウヤの横に座るとメニューウインドウを出して操作を始める。

「あの良かったらさこの先も私と……」

何故かは分からなかった。リュウヤに再びパーティー申請をするだけなのに胸がドキドキして何も言えなかった。

「……分かったよ」

そう言うとリュウヤはリーファにパーティー申請をした。自分からやろうとしていたのに逆にやられて申し訳なくなりながらもウインドウを閉じた。

「お兄ちゃん達から伝言があるよ……お兄ちゃんはこの先も一緒に戦おうって、で後攻略に参加したみんなから一言ごめんって」

「謝る必要はない……もしあのままにしてたらあそこで殺しあいが始まっていたからな」

「……リュウヤ君って以外と賢いんだね」

「お前みたいに敏捷力極振りするほどバカじゃないからな」

「別にいいじゃない!!敏捷力重視で!!そう言うとリュウヤ君も敏捷力の方が筋力より高いじゃない!!」

「こっちはちゃんと考えて振ってるんだ」

「私だって考えて振ってるんだよ!!」

もはや売り言葉に買い言葉。その後二人の喧嘩は三時間ほど続いた。

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