GOD EATER ~幻想の神喰らい~   作:葱鴨 草餅

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第一章「No way back. 後戻りはできない。」
第一話「GOD EATER」


 

 

 

 ゴッドイーター。

それは、かつて大人気となったハンティングアクションゲーム。

 

そう。ゲームだ。

 

「ゲーム...じゃ、ないよな、これ」

 

 

 家でダラダラして寝ていたと思えば、いつの間にか荒廃したビルの残骸でぶっ倒れていた。何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何が起こってるのかわからん。たすけて。

ひとまず周りを見渡す。うん。軽く見ただけで分かるわ。あの特徴的な穴の開いたビルに遠くに見える教会、間違いなく贖罪の街だ。周りにはアラガミは居ないっぽいけど...ひとまずここは離れたほうがいいよな。

 

 

「ういしょ...あ?」

 

 

 起き上がろうとしたら、体に違和感。なんというか、え?ん?でも見覚えが...あ、そういうこと。えーと、簡単に伝えると、俺は前世?でVRChatっていうゲームをしてたんだけど、その時のアバターの姿になっているっぽい。いやなんで?

 

 

「このアバターは...ルルネの、あー、ゴッドイーター改変した時のやつか。なんか服違うけど。あ、だったら武器入れてたような..あでもメニュー出せないな。どうしよ」

 

 

 ちなみに声も女声になっている。元から両声類だったから慣れてはいるけど、多少違和感はあるな。

って、そんなことを気にしてる場合じゃない。さっさと移動だ。この世界、というかゴッドイーターの世界観的にいつ死んでもおかしくないぐらい危険だ。ゴッドイーターやったのなんて8年以上前だしマップは全然覚えてないけど、そこまで広くはなかった気がする。ゲームじゃないから広さが違う可能性もあるから、運よくゴッドイーターの人が来てくれればいいんだけど。

 

 

「うーむ、ひとまずあてもなく歩いてるが...そもそも、ここがマップ内である保証もないんだよな...。っ!?」

 

 

 物音がして、咄嗟に物陰に隠れた。ドスン、ドスンと、巨体が歩く音がする。ゴッドイーター...なわけがない。ちらりと覗けば、白銀の体に茶色の毛を持つ、ゲームでは最弱と揶揄されるアラガミ。オウガテイルがそこにはいた。

 

 

(...やばいやばいやばい!!今襲われたら死ぬ!!俺はゴッドイーターじゃないんだぞ!可憐な女の子ぞ!?エリック上田にはなりたくねぇ!!つかオウガテイルでけぇな!怖ぇよ!)

 

 

 ゲームではいくら弱くたって、もし現実にライオン以上の図体を持った、何でも食べる化け物が居たら、一般人にはどうしようもない。何なら今の俺は女の体、おそらく体力も前より減ってるはず。

 さすがに、ここでは死にたくねぇな。

 

 

「...ぁ」

 

 

 やば、顔出しすぎた。オウガテイル君めっちゃこっち見てるぅ~....思ったより可愛...くねぇよ畜生めぇ!あークソ、走るか?でもどうせ追いつかれるな。だったら一か八か賭けるしかないか。

 

 

「っすぅー.....だれかー!!!!たすけてー!!!!!」

 

 

 うっしゃ逃げるぞおらぁ!ダッシュ、ダッシュ、ダッーシュ!

 

とにかく走る!確実にマップ内であろう教会を目指して!

 

 くっそ、早ぇ!数十秒も持たねぇぞ!

 

 

「たーすけてーーーって、うぉあ!?」

 

 

 走っていたら石に足を引っ掛けてずっこけてしまった。そうか、ゲームと違って障害物もそりゃあるよな...!

 

 

「GRUUUUU.....」

 

 

オウガテイルがじりじりと寄ってくる。よだれをたらして...

あれ?これ、死....

 

 

 

「っとー、まじか。『こちらリンドウ、一般人を発見、救助する』」

 

 

「GUAAAAA!!」

 

 

「っ!」

 

 

 ついに嚙みつかれ死ぬ...と思ったその時、黒い影が白銀の絶望を攫っていく。

 

 

「ふっ!!」

 

 

 普通の人間では有り得ない質量の金属の塊を振り回し、右腕には赤い腕輪。アラガミを圧倒するその存在は。

 

 

 

「ゴッド、イーター...」

 

 

「...うし、死んだか。よ、大丈夫か?」

 

 

(か、かっけぇ...。これがゴッドイーターか。でも神機ちょっとグロいな..)

 

 

手慣れた様子でアラガミの死骸を捕食し、こちらに顔を向ける。

声から何となくは察していたけど、この人、雨宮リンドウじゃん...。実際に見ると50倍はイケメンだな...。ん?てことは時系列的にはまだ初代の本編開始前か?今が夜だったら月で確認できるけど、生憎昼だしなぁ。って、そうじゃない。

 

 

「...あ、えっと、大丈夫、です。ハイ。」

 

 

 だーっ!VRじゃ話せるのに現実(リアル)になった途端にこれだよ畜生!おのれコミュ障!!

 

 

「俺はフェンリル極東支部所属、雨宮リンドウだ。あー、嬢ちゃんはなんでこんなところに?」

 

 

 

「え、っと、実は僕もわからなくて。気づいたら、ここに」

 

 

 流石にこの姿で俺なんて一人称は使えないし変えとこう。

てか、嬢ちゃんって呼ばれるのすげぇ違和感だな。

 まあ、この姿ならしゃーないんだけどな。だってルルネのデフォ身長1.24mだし。ジェットコースターギリギリだぞ。そのせいもあってリンドウさんめっちゃでけぇ。

 

 

 

「ほーん?よー分からんが、行く当てもないってことか。じゃ、ひとまずついてきな。...腹も減ってるだろうしな。おじさんがクソでかいトウモロコシをごちそうしてやろうじゃないか」

 

 

 ...腹がぐ~、となってしまった。恥ずかしい。

この世界じゃ確かに身寄りもないし、リンドウさんに付いてくか。...それに、ゴッドイーターにもなれるかもだしな。

 

 

「あ、は、はい。わかりました」

 

 

 

 こうして俺はなぜこの世界に来たのか、なぜVRChatのアバターの姿なのか。何もわからないまま、極東支部で保護されることになったとさ。

 

______________

 

登場人物

 

【主人公】

 

 

名前:不明

 

コードネーム:不明

 

使用神機:不明

 

性格:臆病だが思い切りがよく、環境に適応しやすい。軽度のコミュニケーション障害を持っている模様。

 

特記事項:記憶喪失で雨宮リンドウ少尉に保護されたため、身元が不明である。

______________

 

 




2025/10/07 贖罪の街の象徴として教会を追加。それにより走る目的を穴あきビルから教会へ変更。
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