あれからヘリに運ばれること...多分数時間?緊張が解けたのかいつまにか寝てしまっていた。どうやらアナグラに着いた後、リンドウさんに医務室まで運ばれたようだ。
「ぅーん...あえ?知らない天井?」
「よう、起きたか嬢ちゃん。ぐっすりだったな。さて、極東支部、いや、『アナグラ』へようこそ。盛大...ではないが、歓迎するぜ」
起きたらイケメンが横にいるっていいなぁ、と寝ぼけまなこをこすりつつ思う。
そういえばアナグラ、というよりゴッドイーターの拠点ってゲームでは詳しく描かれてないが、どんな感じなんだろうか。アナグラに来るときは寝てたし分らんな。まあ、いつか見る日は来るだろうし、気にしなくていいか。
「ところで嬢ちゃん、早速で悪いが、ついてきてくれないか。起きたら連れてこいって榊博士に...あー、言ってもわからねぇか。ま、呼ばれてるんで来てくれ。立てるか?」
「あ、はい。了解です」
「了解って...若いのにちゃんとしてるねぇ。おじさん感心感心。」
榊博士かぁ...リンドウさんには悪いけど全部知ってるんだよなぁ...。なんかあの人変な人体実験してきそうで怖いんだよな。こんなよく分からない体だし。
「やあやあ、リンドウ君。予定より342秒早いね。それに...あー、キミは、何と呼べばいいかね?」
「あ、えっと...」
名前、どうしよう。体の名前だし、ルルネと、あと、うーん。前世の名字でいいか。
それと、記憶喪失ってことにしとこう。ボロが出るかもしれないけど、このマッドサイエンティストにありのままを話すよりかはいいでしょ。
「僕の名前は神宮 ルルネ(かぐみや るるね)...だと思います。すみません、それ以外は、分からないです。」
「あぁ、分らんだぁ?」
「ふむ、記憶喪失かね。まあ何かしらのショックで記憶喪失になる者も稀に居る。不自然ではないさ。ところでルルネ君、キミが寝ている間にバイタルチェック等をさせてもらったが...キミにはどうやらゴッドイーターの才覚があるようだ。キミさえ良ければ、偏食因子を投与し...神を喰らう者にならないかね?」
「えっ?」
ゴッドイーターの才覚って...まじか。俺がゴッドイーターに...なんか嬉しいような、怖いような。正直、あのオウガテイルに襲われたのがかなり心に傷を負わせているみたいだ。でも、元ゴッドイータープレイヤーとして、戦ってみたくもある。...複雑だな。
「おいちょっと待てよ榊博士。嬢ちゃんはまだこんな小っちゃいんだぞ?こんな子に戦わせるなんて酷じゃねーのか?」
「ふむ、だがねリンドウ君。キミも入隊は11歳だろう?それに、フェンリルには労働基準法なんてないからね。遥か昔の社会ではあったようだけど。」
「ちっ..でも、本人の意思は尊重するんだろうな?」
「ああ、勿論。で、ルルネ君。キミはどうしたい?」
.....。
「僕...。なります。ゴッドイーターに。ちょっとこわいけど、戦う、戦います。」
「そうかね!ふむ、では早速適合試験をしようか。きっとなってくれると思って、既に準備していたのだよ。さ、ルルネ君はリンドウ君についていきたまえ。私はここからモニタリングさせてもらうよ」
「はぁ~ったく、嬢ちゃん、後悔しても知らねーぞ?」
そう言ってリンドウさんは研究室から出てエレベーターに歩いて行く。あ、ついていかないと。
歩幅が小さいから、俺は小走りでリンドウさんについて行った。
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リンドウたちが去った後、研究室にて。
「本当に、P126因子をあの子に投与する気かい?ヨハン」
「ああ。試作段階とは言え、適合に成功すればかなりの戦力になるだろう。身元不明で適合率の高い子供...こう言っては何だが、こうもテスターとして優秀な素体はそうそういない。...これは支部長命令だ。頼んだぞ、榊。」
「...はぁ。わかったよ」
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広い訓練室の真ん中に、手術用ベッドと神機が置かれた機械が置いてある。
そしてベッドには俺が寝転んでいる。なんともシュールだ。
...まさか、ここに俺が立つことになるとは。ま、立つんじゃなくて寝てるんだけど。
『さて。ルルネ君。準備はいいかね?よければキミの右にある...キミの神機へと手を伸ばすといい』
「はい。...いきます!」
特に理由はないけども、気合を入れて宣言する。手を伸ばして、神機を握る。
それを察知したのか、神機を包む機械がギギギと軋む音を立て...俺の腕をプレスするかのように挟み込んだ。
「っっっ!!!??!?!?!あっがぎがあああぁっ!!.....あっぅぐい゛ぎぎがあーーっっ!!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!!!熱い!!苦しい!!!!なんだこれ!?!?!??!?
くそ!適合率が高けりゃ痛くないんじゃないのかよ!!榊博士め、ほら吹きやがったな!!!
『おい、嬢ちゃん大丈夫か!?』
『心配しないでいいよ、リンドウ君。彼女の適合率はキミも見ただろう?』
『でもこれは...』
『まあまあ、見ていてくれたまえ。』
なんか喋ってるような気がするけど何も分からん!!ほんとにつらい時って言葉を言葉として認識できないってどっかで見たけどほんとだったのかよ!
しんどい!!しんどい!!
てかなんか腕輪の色変じゃね!?黒と紫の腕輪なんぞ知らんのだけど!?ほんとにこれ騙されたやつ!?
「っ、はぁ、はぁ、はぁ。い、痛かった...。でも、この感じ...すごい、これが、ゴッドイーター。力が湧き出てくる」
『これは...実に興味深い。可能性が高いとはいえ、まさか本当に適合するとは。』
『はぁ?どういうことだよ榊博士。あれP53因子じゃねぇのか?』
ようやく痛みが収まったと思えば、なにやら榊博士が胡散臭いことを言っている。
さてはP66因子(ブラッド用の偏食因子)か...?いや、この時代じゃまだないはず。もしかしてP73因子......????
『実は彼女に投与したのはP126因子という、P73因子とP53因子を複合して調整をした、いわゆる試作型の因子だ...おっと、私を責めないでくれよ?この決定をしたのは支部長だからね』
『P126因子...?ったく、支部長サンは腹黒いねぇ。こんな可愛い嬢ちゃんに対しても手心なしってか』
え?P126因子?なんだそれ。うん?いや、ゲームに出てないよなそんな偏食因子。まあ現実だしそういうこともある...のか?ええい、やっぱり変な人体実験されたよ、これだから極東のマッドサイエンティストどもは...。
『では、ルルネ君。バイタルチェックを行うから、もう一度ベッドに横たわってくれたまえ。』
「あ、はい。わかりました」
こうして俺は榊博士に変な偏食因子をぶち込まれ、ゴッドイーター生活を始めることになった。はてさて、俺はこの先生き残れるのだろうか。不安が凄まじい。
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登場人物
【主人公】
名前:神宮 ルルネ (かぐみや るるね)
コードネーム:rurune
使用神機:刀身>ハルトハーケン 試
銃身>79式キャノン 序
装甲>汎用バックラー 序
性格:臆病だが思い切りがよく、環境に適応しやすい。軽度のコミュニケーション障害を持っている模様。
特記事項:記憶喪失で雨宮リンドウ少尉に保護されたため、身元が不明である。試作型であるP126因子を投与しているため、他よりアラガミ化の危険性は高い。
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リンドウの入隊時期がズレていたため修正 2025/06/25