GOD EATER ~幻想の神喰らい~   作:葱鴨 草餅

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お久しぶりです。コードヴェイン2発表でモチベが戻ったので投稿します。



第五話「First mission」

 

 

 

 

後日。何度かの訓練を超え、ツバキ教官のお墨付きをもらった俺は、ついに実地訓練を行うことになった。ミッション名は「王と棺」。フィールドは贖罪の街、ターゲットはオウガテイル一匹とコクーンメイデン一匹。ゲーマーであれば数秒で終わりそうな任務だが、ここは現実。曲は流れないし、UIもない。ということはミニマップなんてものも勿論ない。つまり、いつ不意打ちを喰らうかわかったものじゃない。エリック上田はごめんだ(定期)。

 まあただレーダー自体はあって、ドラゴンボールのドラゴンレーダーみたいな小型の端末に周囲の環境と敵の反応は載っている。とはいえ戦闘中や移動中に見れるわけじゃないから結局は奇襲に警戒しなきゃなんだけどさ。

 

 

「さて、嬢ちゃん。いや、新入り。作戦内容は覚えてるな?」

 

「うん。オウガテイルとコクーンメイデンでしょ?」

 

「よしよし。あと少しで目的地だ。準備しとけよ~」

 

 

 同行者はリンドウのみ。まあ、最初のミッションと言えばだし予想はしてた。なお、目的地までは装甲車での輸送だ。アラガミ装甲を一部使っているみたいで、アラガミを寄せずらいそうだ。

リンドウに指示を受けたので神機の状態を機材から確認して、通信のチェック、体調チェックもする。うん、感度良好、体調も訓練の時と同じ。ベストコンディションだ。

 

 

「回復錠よし、リンクエイドよし、スタングレネードよし。通信よし、神機よし、自分よし。...リンドウ、準備終わったよ」

 

「よろしい、ちょうどついたし、行きますかねっと。」

 

 

 車から降り、神機をケースから取り出し、任務開始の指示を待つ。

よし、習ったことを今の所全部できてるぞ。前世(?)では物覚えはあんまよくないほうだったから、ゲームにない部分の仕事もちゃんとできてよかった。

 

「そんじゃ、始める前に命令だ。...あ~、そんな気負うな。難しいことじゃない。今からする命令は3つ。死ぬな。死にそうになったら逃げろ、そんで隠れろ。運が良ければ不意を突いてぶっ殺せ!...あ、これじゃ4つか?まあとりあえず死ぬな、それさえ守れば後は万事どうにでもなる。」

 

 

 

 お、おお...生「これじゃ4つか?」だ...!新兵にはみんなにやってるっぽかったから聞けるとは思ってたけど、実際に聞くと...なんかこう、感慨深いような気がする。

 

 

「んあ?どうかしたか?」

 

「あ、いや、なんでも。つまり、生き汚くなれってことだね。了解。」

 

 

 ふう、表情が表に出るところだった。危ない危ない。

 さて、任務開始時刻が一六:三〇、現在時刻は...おっと、ちょうど開始時刻だ。リンドウの名台詞に感動してたせいでけっこう時間たってたか。

 

 

『こちらヒバリ、時刻になりました、作戦開始です。行動を開始してください』

 

 

 

「もう時間か。いくぞー新入り、レーダーでアラガミの場所は把握してるな?」

 

 

「もちろん。Hのエリアに一匹、Dのエリアに一匹だよね?」

 

 

 

 

 一応リンドウにも確認をとっておこう。ダブルチェックは大事だと前世でのバイト先の先輩も言ってた。

 

 

「おう、その通りだ。んじゃあ、ひとまずDから行くか」

 

 

「了解です」

 

 

 そうして歩くこと数十秒、足音が聞こえてきたので一旦遮蔽に隠れる。歩いてるってことは...オウガテイルか、できればコクーンメイデンのほうがよかったよ...。ファーストインパクトのせいで若干トラウマなんだよねぇ...。

 

 

「...いたな。戦うのは新入り、お前に任せる。やってみろ」

 

 

 教会の陰からチラッと見れば、白銀の巨体が気ままに闊歩しているのが見えた。

 リンドウはどうやら戦う気はないらしい。つまり、俺とオウガテイルの一対一。タイマンだ。

 

 

 ドスン、ドスン。重厚感のある足音が辺りに響く。

 

 

 

 しかし、それはもう絶望のカウントダウンじゃない。

 

 

 俺は被捕食者でも、貧弱な少女でもなく、ゴッドイーターだ。神を喰らう者。すなわち、捕食者。狩る側なんだ。

 

 

「スゥ....行きます...!」

 

 

 教会の陰という安置に別れを告げ、アラガミへと、獲物へと走る。

 

 

 

(武器は後ろに流して空気抵抗を減らして、前傾姿勢で勢いを付ける...!)

 

 

 ツバキ教官に教わった神機遣いとしての基本のひとつ、奇襲攻撃。いくら人外の力を持っていたとしても、アラガミの方が力は強く、足は早い。なら人類はどうすれば勝てる?簡単な話だ。相手を動かさず、攻撃させない、もしくは攻撃を避ける。例えば、ゲーマー諸君もモンハンをするときは無意識にこれらを意識しているはずだ。

 その究極系が、奇襲による一撃必殺。よしんば耐えられたとて、流れを作れればこちらが有利。心にも余裕が生まれる。

 

 

 ふと、ぐるりとオウガテイルがこちらに振り向いた。まずい、方向転換のタイミングと被ったか。

 

 

(オウガテイルは遭遇時咆哮を行うことが多い。距離的に、跳べば間に合うか!?とにかく、一撃を入れないと!)

 

 

 前傾姿勢のまま跳躍。強化された脚力は、本来届くはずのない距離まで距離を詰めることに成功した。しかし、直接神機をぶち当てるにはあと少し、少しのリーチが足りない。

 

 

(エクスプレッション、神機、咬刃形態起動!足らないなら、伸ばせばいいんだよッ!)

 

 

 神機が稼働し黒い有機的な刃を展開する。跳躍した勢いで神機は振りかぶっている。あとは振り下ろすだけだ。

 

 

「たあぁーーっ!!」

 

 

 訓練の時にも味わった、肉を断つ感覚。いつになっても慣れないが、これも生きるため。仕方ないと割り切りろう。

 

 

「っ、と!危ない危ない...」

 

 

 反撃を懸念して、ステップで下がり銃形態へと変形する。ダメージはかなり与えたはずだけど、仕留めきるには至らなかったのが痛い。やはりこの刀身パーツが試作型...つまり初期装備なのがしんどいな。

 

 ちなみに剣...というか鎌だけど、剣形態で再び攻撃するのではなく銃形態に変更したのには訳がある。極東支部初の新型ということも

あり、データ収集の任務も仰せつかっているのだ。今回付けている銃身パーツはブラスト型の銃身で、近距離高火力のバレットを撃つことができる。なぜブラスト型なのかといえば、新型神機は刀身パーツと銃身パーツを切り替えられる都合上、遊撃又は前衛のポジションにつくことが想定されている。その際に有用なのがブラスト型で、刀身パーツでオラクルポイントを回収し、近距離から高火力をぶちかます、ということができる。そういう戦法を出来れば取ってほしいという上層部からの要望もあり、俺はブラスト型を使ってるってわけ。

 

 

(オウガテイルの弱点は火、氷、雷だっけ...火でいっか、もう装填されてるし。)

 

 

 

 ズドン!と、かなりの轟音が響く。装填された弾をもとにオラクル細胞が形を模倣、刻まれた刻印に従い属性を付与する。撃針が雷管を打ち、発射されると弾が巨大な炎を纏って標的へと飛んでいく。それと同時に俺に反動が襲い掛かる...が、そこはゴッドイーターなのであまり気にする必要はない。

 さて、炎弾の行方だが、攻撃すべく尻尾のみで立ち、力を溜めていたオウガテイルに直撃した。適正距離で撃ったため、ダメージの既に入ったオウガテイルは耐え切れず吹き飛び、再び起き上がることはなかった。

 

 

「...あ、案外あっさり死んだ...死んだの?これ」

 

「ああ、しっかり死んでるぜ。にしてもやっぱお前さん筋がいいな。普通新入りだと怖気づいてピンチになったりするんだが...」

 

 

 褒められちゃった。しっかし、いざ戦ってみるとゲームの時より脆い気がするなぁ。まだアラガミの進化がゆるやかってのもあるだろうけど、それにしたって脆い。普通初期武器で戦うならバレットなら3、4発は必要だし、近接攻撃だったらそれこそ5回は切りつけないと倒せなかったはず。...大分昔の記憶だから曖昧だけど。

 そんなことより素材回収だ。捕喰形態にして、オウガテイルの死骸を喰らう。すると、神機にオウガテイルの素材が勝手に貯蔵される。これをアナグラに持ち帰り、資源管理課に届ける。すると、ある程度の中抜きの後で自分のターミナルに素材が追加されるって仕組みだ。

 

 

「荒神骨片に鬼牙、それに力身丹...これが小当たりだっけ?」

 

「ん?ああ、そうそう。大当たりは鬼兜って素材だな」

 

 

 ふうむ、アラガミ脆い案件とか色々疑問はあるけども、切り替えだ。このミッションはまだ終わってないからね。まだのこり一体の目標が残ってる、その名もコクーンメイデンだ。

 

 

「っと、じゃあ次はコクーンメイデンだな。ここで問題、コクーンメイデンで一番気を付けるべき攻撃は?」

 

「え?えーっと、前面広範囲の毒針攻撃?」

 

 

 コクーンメイデンはアラガミにしては珍しく、自分から獲物を追いかけようとはしない。フィールドにポツンと立って、獲物が攻撃してきた瞬間にまるでハエトリグサのように狩りを行うのだ。ハエトリグサと違う点といえば、溶解液ではなく毒で敵を弱らせたり、針を身体から広範囲に飛び出させて攻撃したり...あと、毒弾を飛ばすぐらいだろうか。...言ってて思ったけど、ほぼほぼ別物だな、これ。

 コクーンメイデンの対処法としては、後ろに回り込んで叩いたり、スナイパー型の神機遣いが遠距離から仕留めるぐらいかな。

 

 

「そ、正解。奴の正面には立たないようにな。ただ、他のアラガミとの戦闘中は毒弾飛ばしの方が厄介だから、気を付けろよ...っと、もう居たか。今度は俺がヘイトを取るから、後ろから仕留めてみな。」

 

 

 そういうと、リンドウはコクーンメイデンへと歩いていき...正面で立ち止まった。

 

 

 ...え?ヘイトを取るって言ったって、正面に立つのは修羅すぎるのでは...?

 当然コクーンメイデンは身体の前側を展開し、格納していた大量の針...というより、実際に見ると棘、を勢い良く突き出したのだが...あわや針千本というところでリンドウはあえて前にステップ。棘をギリギリで躱して後ろに陣取った。

 

 

「ほれ、新入り。チャンスだぞ~」

 

「すご...じゃなくて、はい、行きます!」

 

 

 攻撃を躱されてヘイトがリンドウに行ったのか、コクーンメイデンは後ろにグリンと身体の向きを変えた。ここで咬刃形態や銃形態で攻撃したら巻き添えにしそうなので、剣形態で少しでも柔らかそうな頭を横薙ぎ一閃。もう三回ぐらい切ろうと思ったが、たった一撃でコクーンメイデンを倒せてしまった。それに普通なら死骸がある程度残るはずなのに、直ぐに消えてしまった。...一体なにが起きたんだ?

 

 

「んお?...ああ、コアに当たったか。そういえば言ってなかったな。アラガミのコアの場所は基本的にランダムなんだが、稀に攻撃がコアに当たって傷つくことがあるんだ。そうなると、アラガミは自分の情報を維持できなくて霧散しちまう、ってこった。素材が取れないからうれしくはないんだが、任務が早く安全に終わるに越したことはないからな、ラッキーと思っとけ」

 

 

 コアに傷が付くと霧散しちゃうのか。ゲームではそんなことはなかったな。まあ、低確率で敵が即死、素材は取れませんって考えたらクソシステムだし、当たり前か。

 

 

「つまり、これでミッションコンプリート?」

 

「おう、お疲れさん。予習もしっかりしてるみたいだし、実戦も文句なしだ。自信もって姉さ...教官どのに報告してこい。」

 

 

 おっしゃぁ...なんか実際の時間で言えば数分ぐらいなのに、一時間の訓練と同じぐらい疲れた...帰ったら祝杯だな。自販機でなんか買おっと。

 

 

「あ、そうだ。俺はこのあとデートの予定があるから一人で帰って貰って大丈夫だぞ」

 

「戦場でデート...?あっ、なるほど。」

 

 

 特務(デート)ですね分かります。それかサクヤとイチャコラするのかな?まあどっちでもいいか。

 

 と、そんなことをしていると迎えの装甲車が到着した。

 

 

「...何か勘違いしてるような気がするが...まあいいか。またな、新入り」

 

 

 リンドウは踵を返し、街の奥の方へと歩みを進めていく。俺は少しだけ見送り、車に乗った。

 

 

(ふう、なんとか新米デビューは無事に出来た...けど、こんなんじゃ本編が始まったら、ついていけないな。もっと...鍛えない、と....。)

 

 

 初任務の反省をしつつ、目を瞑る。自分で思っているより疲れていたのか、気づいた時には俺の意識は夢の中へと誘われていった。

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

登場人物

 

 

 

 

 

【主人公】

 

 

 

 

 

 

 

名前:神宮 ルルネ (かぐみや るるね)

 

 

 

コードネーム:rurune

 

 

 

年齢:推定12歳

 

 

 

 

 

使用神機:『名前なし』

 

     刀身>ハルトハーケン 試

 

     銃身>79式キャノン 序

 

     装甲>汎用バックラー 序

 

 

 

 

 

 

 

所属:極東第一部隊

 

 

 

 

 

性格:臆病だが思い切りがよく、環境に適応しやすい。軽度のコミュニケーション障害を持っていたが、改善された。

 

 

 

特記事項:記憶喪失で雨宮リンドウ少尉に保護されたため、身元が不明である。試作型であるP126因子を投与しているため、他よりアラガミ化の危険性は高い。

初等訓練実施済み。

 

 

 

 

 

 

 

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一応補足:登場人物のところはしばらくルルネしか書きません。いずれオリキャラがまた出てきたらそこに追加するかも。

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