オレ、Jokerになります。[凍結中] 作:fateplanet
それとは別に、DMのデッキ構築に悩んでします。
ジュラシック・コマンド・ドラゴンとスノーフェアリー軸にしようと画策中です。
さて、慧理那からの早朝相談というイベントと、トゥアールちゃんと愛香ちゃんの2人による早朝迷惑キャットファイトの鎮圧という2つのイベントをこなし、2度寝をしてから再び起床するということを行い、若干調子が出ないオレではあるが、今日は平日、つまりは学園が通常運行されているわけであるから、起きるしかなく、ベットから起きたくない欲求に何とか打ち勝ち、リビングに向かうと既に全員がおり、何やらフリーズしている総二が印象的だった。
「いったいどうしたんだ?総二の奴は?」
「一ちゃん、一ちゃん、答えはそこにあるわよ~」
「そこ?」
何やら嬉しげに指さす先は我が家の大画面テレビがあり、そこにはデカデカと
『ツインテイルズをハリウッドが映画化!』
「……はぁ!?」
「な、なにぃ!?」
あ、総二も再起動したようだ。それはともかく。
「お母さん、幸せだわ~。まさかこんなにも早く総ちゃん、一ちゃんの2人がスクリーンデビューするなんて!!」
「まてまてまてぇえええ!」
「どうしたのよ?一ちゃん」
「オレらはオファーされてないからな。よってオレ達が銀幕デビューするわけじゃない」
「そうなのね、残念」
そう、オレ達はオファーなんぞされちゃいない。つかされる訳がない、よってどっかの女優さんがオレ達の役をやるだけにすぎないのだ。
「ってそこじゃなくて!なんで俺達が映画化されるのかをツッコめよ!兄さん!」
そんなこと言ってもなぁ……。
「実際すごい人気だろう、オレ達」
「ま、まぁ、たしかに」
「そんなすごい題材が実際に存在してんだから映画会社とかが食いつくのは目に見えてたことだろうに。実際に偉人の映画なんてそれこそたくさんあるだろうに。まぁ、早すぎてびっくりはしたが」
「そ、それを言われると……」
実際、オレ達は偉人なんかじゃないが、ネタにしやすい題材ではあるのだから食いつくはずであるのだ。まぁ、さっきも言ったように1,2か月で映画の製作が決まるなんて思ってもみなかったが。オレの考えからすると1年後とかだと思ってたんだけどなぁ。
「そんでもって誰がどの役をするかだよなぁ」
「あ……確かに、実写なら子役じゃないと俺の役が出来ないぞ?」
「もしかしてフルCGだったりして」
「まぁ、確かにフルCGでも実写と遜色ないレベルまでできるけど、労力かかりすぎるから現実的に考えて無理ですよ」
トゥアールちゃんの言う通りだな。実際CG処理って相当お金かかるからなぁ……オーズのガタキリバのように。
「それで、今からキャストが発表らしいな」
どうやらニュースもキャスティングの発表に移行するようであるし、それを先ずは見てみようではないか。
そうしてニュースの中で現れたのは、小柄な小さな女の子、ではなく、何度もアカデミー賞受賞作品に出演している世界的にも有名な妙齢の女性だった。
その彼女の下にはデカデカと『テイルレッド役』の文字が躍っている……いや、これは……。
「……妙齢のオスカー女優がツインテールにしてる…」
愛香ちゃんの茫然とした声がリビングの中に響いていた……。
『確かに私はテイルレッドよりも背が大きいし、年も上ね。その差が気になる人が多いだろうってことも分かってるわ。でも、そんな見た目をカバーするのが私の仕事なの。カメラを向けられた瞬間、私はテイルレッドなの』
声優さんの翻訳が流れてくるがしかし……。
「この翻訳、合ってるんだろうな?なんか苦虫を噛み潰したようななんとも言えない表情なんだけど……」
総二と2人、何カ国語かを既にマスターしているであろう、我らが天才様に視線を向けるとやるせないほどに目と口が線となっており、その表情から案の定違うことが分かり、また相当なことを言っているのであろうことは想像に難くない。やっぱりいやいやなんだろうなぁ……。
「あんた、年齢でツインテールを差別しないんじゃなかったの?」
ツインテールを目の前にしているというのに総二のテンションが上がってないことが不思議に感じたのであろう、愛香ちゃんが肘で脇腹をつつきながら総二にそんなことを言う。
「だってさ、あの女優さん、明らかに仕事で嫌々ツインテールにしてるってありありと分かるんだぜ?見てるこっちも微妙な気持ちになってしまうって」
まぁ、あれだけ態度に出てたらなぁ……。
そして次に現れたのは、まだ年若い大陸系の感じを纏うツインテールの少女だった。確か、彼女は……。
「あら、テイルジョーカー役は女の子なのね。でも、この子で大丈夫なのかしら?」
「たぶん大丈夫だと、思うぞ?」
「あら、それはどうしてかしら?」
「彼女、アクション女優だからな」
「って、兄さん知ってるのかよ?」
「こないだ借りてきたアクションモノの主演やってたから覚えてたんだよ」
相当凄いアクションだったので覚えていたのだ。これは当たりだったな、と感じたからなぁ、あの映画。
『私はまだまだ若輩ですが、皆さんの期待に添えるような演技とアクションを目指して頑張りたいと思います!』
なんともまぁ、新人らしい挨拶であるが、彼女の顔は言葉と同様晴れ晴れとしたものであり、事実であるのだろうことは翻訳機と化したトゥアールちゃんの表情を見なくても分かるものだった。
「あの子は中々にいいツインテールだったな」
「あ、やっぱりいつものそーじだわ」
愛香ちゃん、そんな今更な確認はいらんぞ~。
「でも、制作が決まっただけでこんなにも世間の注目の的になるだなんて、それだけ期待も大きいってことでしょうね!」
母さんは息子らが出ない事は分かっているようだが、それでも楽しみなようであった。まぁ、映画が作られるのは今までの人気から考えて当然といったレベルだしなぁ。
「期待もあるんでしょうが、それ以上に牽制の意味もあるんじゃないですか?ほら、映画って旬ものじゃないですか。先に発表したもの勝ちですよ」
なるほど、そう言う考え方もあるのか。しかしながら、まだイエローは無理にしても、ブルーの方はどうなったのだろうか。彼女は早い段階から現れているのだから映画にキャスティングされているはずなのだろうが……。
そう思って、テレビの方を見やるとインタビュアーはテイルジョーカー役の隣にいる筋骨隆々な角刈りの男性にマイクを向けていた。
皆知ってるアクション俳優である彼がなぜ、あそこに……てまさか……!
オレの予想は当たっていたようであった。テロップが表示され、そこには無情にも
「……………………………テイル、ブルー、役……」
テロップの誤表示であってほしかったが現実は無常である。何故ならば、こんな翻訳された声が聞こえてきたからだ。
『僕は監督からのラブコールでこの役を受けたんだけど、自分でもぜひやりたいと思っていたよ。確かに僕はテイルブルーに比べたらちょっと筋肉がモリモリだけど、後はさほど差がないと思っているからね』
そう言って彼は自慢の上腕の筋肉を見せながら二カッと白い歯を見せて笑っていた。
そうやら彼はそうとうノリノリのようであった。ま、まさかブルー役が男が務めることになろうとは……せめてそこは女の子にしてやれよ、と思ったオレは悪くないはずだ。
しかもスタジオに戻ったと思ったら、彼は自身の髪を伸ばしてツインテールにするとまで言っているそうだ。本当にノリノリすぎるだろう!
そうしてオレが彼に何がそうまでさせるのだろうかと疑問に思っていると、急に肌が粟立つような感覚に襲われ、その方に目を向けると!
「…………みんな。そのうちお蔵入りになったって報道されるかもしれないけど、気にしないでね?」
………………即刻制作を中止にしたほうがいいんじゃないだろうか、いやマジで。
因みにだが、仮面ツインテールはキャスティングにないようで、まぁ扱いにくかったのが原因だろう。彼女だけヒーロー像が違うしなぁ。それに1回しか出てきてないし。
「何でですか、完成するまで待ちましょうよ!スクリーンの中で荒ぶるテイルブルーを見たら、みんなお腹がよじれるくらい笑えて世界が平和になりますよ!」
「なんだ、そんなの映画を待つまでもないわよ?」
「ひっ、やめ、お腹が捩れ切れりゅぅぅぅぅうぅううううううううう!!」
まさか朝っぱらからスプラッタ映像を見せられる羽目になろうとは、誰が思っただろうか、いやない。
さて、そんなスプラッタを見ていないでニュースの方に視線を再度向けると、
『続いては、デビュー間もないのにブレイクの予感!新人アイドルの紹介です!』
と、そういえばこの時間だったっけ、このコーナーは。毎度登校前に暇つぶしに見ているのだが、これが結構面白かったりするのだから侮れない。
で、今回の娘は、っと。
「おお!」
急に総二が声を上げたがその原因は大体わかっている。それは新人アイドルがおさげのようにしているツインテールにあったからだろう。黒縁眼鏡で下品にならない程度にフリルのついた衣装は中々にうまく調和がとれているように感じた。
「よく磨きこまれた見事なツインテールだ!この子はブレイクするような気がするぜ」
「何をまたアンタは訳の分からないことを言ってるのよ」
どうやら彼女のツインテールは総二のお眼鏡に叶ったようであった。しかし……
『眼鏡がチャーミングですね~。でもコンタクトにしたらもっと可愛いんじゃないですか?私もコンタクトなんですよ~』
『えっ!コンタクトなんですか?死ねばいいのに♪』
女子アナの軽いノリに強烈な毒舌。会場が見事に沸いていた。だが、彼女を見ていると、何かが引っかかるのだ。まるでどこかで会ったかのような……そんな確信めいたものを感じているのだ。
『それでは歌っていただきましょう『眼鏡プラネット』です!』
『~♪』
彼女が歌う様子を見ながら何か胸にしこりを残したような感覚が、いつまでもオレの中に残っていたのだった………。