私は艦娘または深海棲艦である。正体は未だ不明。 作:キノコ飼育委員
えー、現在ホール前を横切って、私たちが破壊した穴を飛び越えたところだ。
さっきの連中を喰ったことで大分頭の傷も塞がってきた。
ちなみに煤まみれになった頭はあの後バスルームで洗い流した。
うーん、相変わらず鬱蒼とした、代わり映えのないコンクリ通路だな。
せっかくこんな鬱蒼としているんだ。
ゾンビかクリーチャーでも出てくればいいのに。
ひょいと頭を下げる。
「……だからといって実際に出てくるとは空気の読めん奴だ。社交辞令というのを知らんのか?」
『クァアアアアアア!!』
私の頭があった場所を勢い良く通過していったのは……海蛇?
太さが50センチはあるメタリックカラーの大海蛇だ。大砲こそないが、どことなく尻尾のゲス野郎に似ている。
そいつは通路左側にあった入り口からその長い胴体をくねらせながら出てくる。
「おい、あれはお前の親戚か?」
「かもな。あ、いや全然違うわ。完全に俺の方がハンサムだわ」
「知るか。来るぞ」
真横に飛ぶ。
同時、私のいた所へ海蛇が突っ込み床を粉砕する。
「こわいこわい」
振り上げた手にツルハシ召喚、叩っ込む。
一瞬えらく硬い手応えを感じたが、こともなく鱗を貫通、床に縫い止める。
『キアアアアアアアア!!?』
「シャラップ!」
尻尾が海蛇の頭をくわえて噛み砕いた。
甲高い悲鳴がぷっつり途切れたからか、さっきより静かになった気がする。
「ん?シャハッ!おい、コイツはお前の妹か?シャハハ!」
「うん?」
尻?……なんだこれは?
蛇らしい先細りの尾があるかと思えば、そこには不気味なモノがくっついていた。
まぁ引っ張るほどのモノじゃない。
胎児がくっついていたのだ、メタリックカラーのな。
しかしふーむ。まるで私とコイツのような姿だ。
「もしや生き別れの妹だったのかもしれん。今のは襲い掛かっていたのではなく、ただ抱きつきに来ていたのかも……」
「もぐもぐ……そりゃ、むぐむぐ、悲劇だな」
「ムシャムシャまったく、記憶がないのは不便だなバクバク」
結構うまいな。
さて、名も知らぬ推定妹も食べきったことだし、こいつが出てきた部屋を調べようか。
通路左側に部屋が三つある。扉らしきものは特にない。
何があるかな……っと、ほっほーぅ。
「ヒュー♪まるで『バイオハザード』の世界だな」
暗い部屋に円柱状のガラスがいくつも並んでいる。
その中は緑色の謎液体で満たされており、ぼんやりと光っている。
そこに浮かぶはもちろん、グロテスクな怪物どもだ。
「興味深いな。まだ稼働しているのか?」
ええと、ひーふーみー……12本中9本割れて中身が消えている。
で、残っている3本の中身は、さっきの怪物とほぼ同じ姿。
胎児がどの程度成長しているかの差くらいしかない。
ガラス柱のラベルは、『失敗作』と、『変異後死亡』、『変異後解離し死亡』。
原因は……『成長拒絶反応』『生存拒絶反応』『融合拒絶反応』。
しかし残りの柱のラベルは、読めないな。どっかに飛んでいるし破れている。
さほど興味もないしもういいか。
つまり先ほどの怪物はこのガラスの中から出てきたということだろう。
……で、あと最高でも8体いるってことか。
「待てよ?」
ここにある連中は何らかの実験作品群だと思われる。
で、その連中が私と同じ特徴を有している……ということは?
「ふむ、案外私はここで生まれたのかもしれんな」
「……わからねぇぜ?俺たちを模してコイツラを創ってたのかもしんねぇ」
「……その発想はなかったな」
たまには頭を使うじゃないか。
「ではますます我々の正体が……どうした?」
尻尾のヤツが私をじっと見ている。
何というか、観察されている……?
「……いや、ハナクソ出てるぞ」
殴った。
まったくそんなわけないだろう……ないよな?
そっとガラス柱で確認。
さも中身に興味があるように……よし無い。
さて、それ以外にとくに珍しいものは……ないな。アイテムらしいモノもない。
次の部屋だ。
この部屋はなに、が……
「……」
「……」
……いや、いやいやいやいや冗談じゃない。
じゃあまさか次の部屋もか?
駆け足で隣の部屋も見に行けば―――
「冗談だろ……」
「ファック……」
―――その部屋には、先ほどのように割れたガラス柱が数十本ほどあった。
ならば合計、百体以上かな……?
できれば何かしらの感想が欲しいです…何もないのは寂しいです!