アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

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俺と沙知の2度目の夏休み

 

 

 季節は8月の夏真っ盛り。

 スクールアイドルクラブは夏休み中も練習していた。

 

 スクールアイドルクラブは、この2ヶ月で、乙宗さんも夕霧さんも藤島さんも、お互いを名字ではなく名前で呼ぶようになった。お互いを知ったおかげで仲良くなった証拠だ。

 

 あと、俺も3人を名前で呼び捨てにすることを許された。男ではあるけど、部活の先輩で部長の沙知が信頼してるのもあったが、何よりみんなのために動き続けたことで3人からの信頼を勝ち取り仲間だと認めてもらった形だ。

 

 ―――男子はスクールアイドル部にマネージャーとかで入ると、たとえ先輩でも肩身がせまいものだからな。

 

 

 

 

 

康太(――さてと)

 

 俺はクーラーボックスを持ってランニングコースのゴール地点に立ち、ゴールしたメンバーにタオルとドリンクを渡す。

 

梢「暑い………」

 

 ランニングが終わり、木陰に入って休む梢が、手をうちわにして自分を仰ぐ。汗びっしょりだ。

 

 

 

康太「お疲れ。ほら、タオル。冷やしておいたから汗拭いて。あとはドリンクもあるからな。慈に綴理、沙知、お疲れ! お前らのもあるぞ」

 

沙知&綴理「「ありがと〜………」」ハァ

 

慈「ありがとうございます〜……」フゥ

 

 夏の太陽の真下、ランニングが終わったみんなにタオルとドリンクを渡す。すると、3日ぶりにご飯にありつけたみたいにみんな飛びついてきた。

 

沙知「ふ〜……毎日暑いねぃ………」

 

綴理「………………」

 

梢「まったくです……」

 

慈「はぁ〜………」

 

 

 

 

 今みんなは梢に続き木陰で休んでおり、日差しを木の枝葉が遮ってくれているので少し体感温度は下がるがそれでも暑い。

 

康太(つーか………)

 

 みんなの汗のせいで練習着が身体にピッタリと張り付き、ボディラインがめちゃくちゃ分かってしまう。

 

康太(それに女の子ってなんで汗の匂いまでこんないい匂いなんだろ………ヤバい。変な事を考えるな!)

 

 俺は変な事を考えないように自分のほっぺたをパシン! と気付けて気合いを入れ邪念を祓う。

 

沙知「? どうした康太?」

 

康太「何でもない。で、今日のメニューは良いとこ終わったけど、今日の残り時間はどうする? 部長」

 

沙知「そうだねぃ……もう少し練習したいところだけど、こうも暑いとね………」

 

綴理「ねっちゅーしょー…だっけ……?」

 

康太「そうだな。バカにしてると命に関わるものだしな。ラブライブ目指して練習してたら仲間に死人や重篤な後遺症がでたとか笑えなさすぎるぞ……」

 

梢「室内練習にします? さっき案内板の予定欄見ましたけど、レッスン室今日使ってる部活動無いそうですよ? あそこならクーラーもありますし……」

 

慈「え〜……梢は相変わらずストイックだよね〜。めぐちゃんは休みたい……」

 

梢「そんなことでラブライブで優勝できるとでも!?」

 

康太「まあまあ………」

 

 

 

 

 意見が割れてしまい、取り敢えず俺は皆を落ち着ける。

 

康太「じゃあ、休みたい人は? 手を挙げて?」

 

 慈と沙知が手を挙げる。

 

梢「沙知先輩!?」

 

 沙知が休みたい側に手を挙げたことに梢はショックを受ける。

 

沙知「しょうがないだろ……アタシは練習量と覚える振り付け3倍なんだぞ……いくらなんでも疲れるって……」

 

 それを言われては、沙知に限っては正論すぎて梢も反論できず「むぅ」と、押し黙る。

 

康太「じゃあ、もう少し練習したい人は?」

 

梢「はい!」

 

綴理「はい」

 

 梢と綴理が手を挙げる。―――なら、

 

康太「沙知、慈と一緒に休んで、「もういいな」と思ったらレッスン室に来てくれ。2人は俺が先に一緒に行って練習見とく」

 

 俺の言葉に4人はびっくり。

 

梢「え、康太先輩ダンスや歌の経験あるんですか?」

 

康太「経験はないけど()めんな。これだけ毎日見てるんだから振り付けや歌詞くらいなら頭に入ってるわ。ただ遊んでるだけだと思ってたんか?」

 

梢「い、いえ! そんな事は!!」

 

 「――先輩に対して失礼なこと言ってしまった!?」と、梢が慌てる。――すると、

 

 

 

綴理「こーた、見てくれるの?」

 

康太「おう。じゃあレッスン室行くか」

 

梢&綴理「「はい(お〜)」」

 

沙知「じゃあアタシたちは部室に行くか」

 

慈「やった〜……」

 

 

 

 

―― レッスン室 ――

 

康太「じゃあ、曲は今度の大会で披露するやつな。フォーメーションとかは自分と相手の歩幅や、他2人が居ると仮定して取ること。感覚にはなるけど、気になるところあったら言ってくから」

 

梢&綴理「「はい!(わかった)」」

 

 そして曲をかける。2人は歌とダンスをしながら、フォーメーションを他の二人が居ると仮定して動く。

 

康太「綴理、今声が慌てたよ! 焦らずしっかりと歌いきろう!」

 

綴理「うん」

 

康太「梢は合わせようと意識しすぎて動きが逆に小さくなってる。もう少し意識して!」

 

梢「はい!」

 

 そして曲が終わり決めポーズ!

 

 

 

康太「おっけ! じゃあ撮影してたの再生するぞ」

 

 俺はビデオカメラの動画をオンにして今の2人のダンスを見る。

 

綴理「あ、ほんとだ」

 

梢「たしかに私の動きが小さいですね……こんな見てハッキリと分かるなんて……」

 

康太「まあ、意識して練習すれば直せるから。じゃあもう1回、頭から!」

 

梢&綴理「「はい!」」

 

――その頃、

 

 

 

 

 

―― 部室 ――

 

慈「は〜……極楽極楽……」

 

沙知「だらけてるねぃ………」

 

慈「だって外暑すぎるんですもん! 夏バテ街道まっしぐらですよ~」

 

沙知「確かにねぃ……」

 

 ―――すると、

 

 

 

 

慈「………沙知せんぱいって、康太せんぱいと付き合ってるんですか〜?」

 

沙知「ブッ!」

 

 沙知が吹き出す。

 

沙知「な、何を言って……!?」

 

慈「だって、友達というには仲良すぎますし、恋人なのかな〜? と」

 

 沙知は「はぁ……」と、ため息をつき、

 

沙知「付き合ってないよ……。康太は、アタシのことをそんな風には見てないんじゃないかな……」

 

慈「え?」

 

沙知「アタシと康太は、幼稚園からの幼馴染でね。アタシの実家の家柄のせいで、周りがアタシを特別扱いする中で康太と……とある友達は、アタシを大賀美沙知という1人の人間として見てくれたんだ。ホントに嬉しかったよ……初めてアタシ自身を見てくれる人ができた気がして」

 

沙知「それで、康太にアタシの家の事とか色々話してたら、「なら俺は沙知ちゃんが潰れないように支える!」とか言ったんだぜ? 幼稚園の男の子が」

 

慈「え〜!? 凄いですね! カッコいい!」

 

沙知「だろ? しかもそれを有言実行。何度も助けられてきた。アタシは……康太のことを恋愛対象として好きなんだけどねぃ……康太がどう思ってるのか……」

 

慈(……そこまでしてるのに康太せんぱいが沙知せんぱいに対する恋愛感情無いわけ無いじゃん……。康太せんぱいも沙知せんぱいも鈍感すぎない?)

 

沙知「まあ、そんな感じかな? 慈は誰かいるのか? 先輩に話させたんだから」

 

慈「あ〜残念ながらアタシは好きな人今のところ居ないんですよね。高校入ったら一緒にスクールアイドルやろ? って誘った幼馴染なら居るんですけどね〜。私の1つ下で女の子だから」

 

沙知「なるほど。なるほどねぃ……。よし。じゃあ、もうたくさん休んだしレッスン室行こうか?」

 

慈「は〜い」

 

 

 

 

 

 そして、2人も合流してダンスを合わせてみたら前よりも合っており、沙知に「康太どうやったんだい?」と驚かれた。

 

 

― つづく ―




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