アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

16 / 29
俺と沙知の日常(3年生編)

 

 

 梢との会話を終え、そして花帆ちゃんと一緒にブースに向かうと、むくれた顔をした綴理が待っていた。

 

 ヤベェ……怒ってる。

 

康太「あの〜、綴理?」

 

綴理 プイッ

 

 綴理がむくれた顔でプイッと顔を背ける。ヤベェ、超怒ってる……。

 

康太「ゴメンって!! 新入生が脱走してさ、気づいて追い掛けたんだよ! ほら、山は危ないから!!」

 

綴理「新入生?」

 

花帆「あっ、はい。あたし、日野下花帆と言います。えっと……」

 

綴理「ボクは夕霧綴理だよ? よろしくねかほ」

 

花帆「あっ、はい、よろしくお願いします。綴理センパイ!」

 

 

 

 

 

康太「綴理、新入生は何人か来たか?」

 

綴理「……さっき1人興味のある子がいたからライブに誘った」

 

 やっぱ怒ってるなぁ……

 

康太「言葉足らずで置いていったのは謝るよ……。けど、スクールアイドルクラブを見捨てることはしないから」

 

綴理「……約束だよこーた?」

 

康太「おう」

 

花帆(?)

 

康太「じゃあ、講堂行くか」

 

 

 

 

 そして講堂に行くと、スクールアイドルクラブの時間が近づいて来た。

 

綴理「あっ、時間だから行ってくるね?」

 

康太「おう!! じゃあ花帆ちゃんも見やすいところに 行くか」

 

花帆「は、はい…」

 

 

 

 

 そして、見やすい場所に向かった俺たち。舞台袖から見ようと思ったら先客がいた。

 

花帆「えっ!? さやかちゃん?」

 

さやか「日野下さん! ……と、先輩ですか?」

 

康太「知り合い?」

 

花帆「はい。友達です!」

 

康太「そっか……。改めて2人に自己紹介しようかな。俺は神城康太。スクールアイドルクラブの3年生だ」

 

花帆&さやか「「3年生!?」」

 

驚く2人。

 

 

 

 

花帆「先輩3年生だったんですか?」

 

康太「俺、梢に先輩って言われてなかった?」

 

花帆「あ、そう言えば!」

 

 俺はクスリと笑う。すると、場内が暗くなり幕が上がる。

 

康太「あっ始まるぞ? まずは梢からだぞ」

 

 

 

 

 ステージに上がってくる梢と綴理。まずは自己紹介からだ。

 

梢「皆さんこんにちは! 蓮ノ空学院スクールアイドルクラブの乙宗梢(おとむねこずえ)と!」

 

綴理「夕霧綴理(ゆうぎりつづり)だよ〜?」

 

 

 

梢「今日は、私達スクールアイドルクラブのライブを披露します。まずは私、乙宗梢が披露します!!」

 

 そして音楽が始まると、梢はライブを始める。

 

花帆「…す、凄い」

 

 花帆ちゃんは完全に引き込まれ、キラキラした目で梢を見ていた。

 

 そして曲が終わり、

 

 

 

 

梢「次は、もう一人のスクールアイドル。夕霧綴理のステージよ!!」

 

 交代でステージに立ったのは綴理。梢の優しい曲調とは違う、どちらかと言うとカッコいい曲調の曲に会場は盛り上がる。

 

さやか「凄い……!!」

 

 村野さんは綴理の圧倒的なパフォーマンスに目を見張る。

 

 綴理は天才だからな。

 

 

 

 

 そしてスクールアイドルクラブのステージが終わると拍手喝采。2人はこちらにやってきた。

 

梢「どうだったかしら?」

 

花帆「あ、梢センパイ……。えと、あの、なんだか、凄くて……」

 

綴理「楽しんでもらえたら、良かったよ」

 

花帆「はい!」

 

綴理「改めて、ボクは夕霧綴理。こずと同じ、スクールアイドルクラブの2年生だ。因みに好きな教科は数学だよ。答えが決まってるっていいね」

 

花帆「あっ、はいっ。えっ?」

 

 花帆ちゃんが綴理の言葉の話し方に戸惑う。

 

 

 

梢「ごめんなさい、この子、ちょっと距離感が独特でしょ? でも、ステージ上のパフォーマンスはとても素晴らしいのよ?」

 

花帆「あっ、はい、それはもう!!」

 

さやか「あの! お誘いいただいて、ありがとうございました! 夕霧先輩の舞台、本当にきれいで……!」

 

綴理「ありがとう。褒められてうれしい。うん。ここまでとは思わなかったけど。」

 

 村野さんは綴理を尊敬の眼差しで見つめる。

 

 

 

 

綴理「……じゃあ、例の件は、考えてくれた?」

 

さやか「はい。私……、夕霧先輩にご指導お願いしたいです。どうか、スクールアイドルクラブに入れてください!!」

 

花帆「えっ、ええええええっ!? そうなの!? さやかちゃん!」

 

 よし、新入部員1人ゲット!!

 

さやか「はい、花帆さん。私、決めたんです。せっかく、自分を変えるためにこの蓮ノ空にやってきたんですから、この学校で、新しいことを始めてみよう、って」

 

花帆「それが、スクールアイドルクラブ……?」

 

さやか「はい!」

 

 

 

 

綴理「というわけで」

 

さやか「きゃっ」

 

 ったくコイツは……、

 

綴理「今日からよろしくね、さや。ボクと一緒に、スクールアイドルになれるよう、がんばろう」

 

さやか「は、はい! よろしくお願いいたします!」

 

梢「ふふ、良かったわ、綴理。あなたの後輩ができて。これで少しは上級生としての自覚が芽生えるかしら?」

 

康太「去年は苦労したからなぁ……」

 

梢「そうですね……」

 

 俺と梢が遠い目をすると、

 

綴理「そうだといいね?」

 

梢「あなたのことでしょうあなたの。もう」

 

 

 

 

 そして梢が花帆ちゃんに向き直る。

 

梢「というわけでね、花帆さん。私とこの子、そしてマネージャーの康太先輩と3人で、スクールアイドルクラブ活動をしているの」

 

綴理「今日から4人、うれしいなぁ。よしよしよしよし」

 

康太「ほら、綴理やめろって……」

 

 村野さんの頭を撫でる綴理を俺が止める。

 

さやか「ちょ、ちょっと、夕霧先輩……。は、恥ずかしいです……」

 

花帆「………」

 

梢「ねぇ、花帆さん。あなたがもしよかったらなんだけれど」

 

花帆「えっ、あの、はい」

 

梢「……。また来週にもライブがあるの。だけど、見ての通り、ぜんぜん手が足りていなくて。よければ、手伝ってもらえないかしら?」

 

花帆「あ……はい。それぐらいなら、あたしでよかったら」

 

梢「そう。嬉しいわ」

 

 

 

 

 あ〜、これ、梢は花帆ちゃんをロックオンしたな……。

 

花帆「あの、ライブ、すっごく素敵でした! それだけ言いたくって。それじゃあ、失礼しました〜!」

 

 やれやれ、だけど、花帆ちゃんの中にやりたい気持ちが芽生え始めたみたいだな。

 

 

 

 

 ―――その翌日の昼休み、沙知に生徒会室に呼ばれた。

 

康太(スクールアイドルクラブの話か?)

 

コンコン

 

 俺は、生徒会室の扉をノックする。一応生徒会長と一般生徒の立場なので敬語でやる。

 

淳平「3年の神城です。生徒会長に呼ばれて来ました」

 

沙知「康太か、入れ」

 

康太「失礼します!」

 

 俺が生徒会室に入ると、沙知1人しかおらず、俺が沙知に近づくと……、

 

 

 

 

沙知「む〜……なんでそんなよそよそしいんだい?」

 

康太「一応今は生徒会長と一般生徒って括りかと思って……」

 

沙知「じゃあ今はいいね。何のために役員をあらかじめ追い出したと思ってるんだい?」

 

淳平「はぁ、分かった……」

 

 そう言って俺は沙知先輩を抱きしめて頭をよしよしと撫でる。沙知はニヘラァと溶けたような笑顔になる。まったく……。

 

沙知「いやぁ、やっぱり良いな。キスとかは……」

 

康太「今は自重しろ……」コツン

 

 沙知の頭に軽くチョップすると、沙知は頭を擦って「えへへ」と笑った。

 

 ―――ったく、

 

康太「今度一緒に外出したらな」

 

沙知「!! 約束だよ?」 

 

 

 

 

 それから数日後、紆余曲折あり、花帆ちゃんがスクールアイドルクラブに加入。

 

 花帆ちゃんと梢のライブは――、それは見事なものだった。

 

 

― つづく ―




感想&お気に入り&評価、よろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。