アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

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新たな仲間

 

 

 その日、沙知は生徒会室で学校から知らされた編入生の書類に目を通していた。

 

 それは、今年度の4月に沙知が入学を期待していた物の、新入生名簿に名前が無く、落胆していた生徒だった。

 

 その生徒が、外国から日本に帰ってきて蓮ノ空の生徒になる。スクールアイドルクラブにとっての朗報を受け取ったところだった。

 

 

 

 

沙知「去年から慈に話は聞いてたけど、ついに……ついに来てくれたねぃ……。慈を、頼んだよ……瑠璃乃」

 

 その書類には、生徒氏名、《大沢瑠璃乃(おおさわるりの)》と書かれていた。

 

 

 

 

 ――その頃、蓮ノ空スクールアイドルクラブ部室。

 

花帆「一緒のステージにあがった梢センパイと綴理センパイ、すごかったですねぇ〜……」

 

梢「ええ、ありがとう……。でも花帆さん、そう言ってくれるのは嬉しいけれど……」

 

さやか「あれから、結構な日が経ちましたよ?」

 

花帆「あたしの瞼の裏では、つい5分前のことのように〜……」

 

綴理「記憶力いいね。賢い」

 

康太「そういう話か?」

 

さやか「実際、チャンネル登録者数はグングン増えてるみたいですね」

 

 さやかちゃんが自身のスマホのスクコネのアプリを開き、梢のチャンネルの概要を開く。

 

花帆&さやか「さすが梢センパイ(先輩です)!!!」」

 

梢「どうして張り合うの、あなたたち」

 

綴理「さすがこず」

 

梢「あなたまで、やめなさい!」

 

康太「ははっ」

 

 笑いに包まれる梢と綴理、そして康太。

 

 

 

 

さやか「梢先輩たちも、すっかり元通りですね」

 

梢「……そうね、さやかさん。色々と迷惑をかけてしまったけれど、本当にありがとうね」

 

さやか「いえいえ、そんな、こ、梢先輩」

 

花帆「ふたりもすっかり仲良くなったみたいで、嬉しいです。だからあたしはー、この調子で新入部員が入ってきてくれないかなーって思っているんですよ!」

 

さやか「新入部員?」

 

花帆「うん。だって"Dream Believeres."って、本当は3ユニットで歌う曲なんでしょ?」

 

さやか「ああ、そういうことですか」

 

花帆「ね! だったら、部員が増えたら、パーフェクトな"Dream Believeres."ができるんだよ! そんなのどうなっちゃうんだろー!」

 

さやか「きっと、もっともっとすごいことができるかもしれませんね!」

 

綴理「もう1つのユニット、かぁ」

 

 俺たちは去年のことを思い出す。

 

康太(慈………)

 

梢「……。どちらにせよ、来年になれば新入生が入ってくるんじゃないかしら」

 

花帆「えー! 待てませんよぉ! どこかに新入部員落ちてないかなあ……。あ、綴理センパイって実は三つ子だったりしませんか?」

 

さやか「なに恐ろしいことを言い出すんですか」

 

梢「悪夢だわ」

 

康太「手に負えるかな……」

 

綴理「ボクなんなの」

 

 すると、部室の扉がノックされて開かれた。

 

 

 

 

瑠璃乃「たのもーう! ここがスクールアイドルクラブでお間違いないですかー!?」

 

梢「え、ええ、そうだけれど。あなたは?」

 

瑠璃乃「大沢瑠璃乃! 入部志望です!」

 

スクールアイドルクラブ『!?』

 

 今話してた矢先に、いきなり入部希望の子が現れた。

 

花帆「し、新入部員だーーーっ!!」

 

 花帆の絶叫が校舎に木霊し、瑠璃乃は自己紹介する。

 

 

 

 

瑠璃乃「大沢瑠璃乃って言いまーす。今月から蓮ノ空に転入してきました。ペーペーの1年生です!」

 

 俺が入部希望の用紙を確認する。

 

康太「へ〜……中学はアメリカ……カリフォルニア学校にいたのか……あれ? カリフォルニア?」

 

 康太の記憶に何かひっかかる。どこかで聞いたような……。

 

瑠璃乃「いえす! ほんとは夏休み明けに転入してくる予定だったんですけど、待ちきれなくなって、帰ってきちゃった! あ、来ちゃいましたです!」

 

梢「いいのよ、堅苦しくしないで。普段通りの言葉遣いで、構わないわ」

 

花帆「そうそう! よろしくね、瑠璃乃ちゃん!」

 

瑠璃乃「じゃあ、お言葉に甘えちゃって。よろよろ! 気軽にルリでもなんでも呼んでね!」

 

綴理「よろよろ、るり」

 

さやか「さすがの順応力……。ええと、よろしくお願いします、瑠璃乃さん」

 

 

 

 

花帆「それでそれで、瑠璃乃ちゃん! どうしてうちに来たの!? っていうか、なんでスクールアイドルになりたいって思ったの!?」

 

梢「そうね、私も興味があるわ」

 

さやか「やっぱりこの間のライブですか?」

 

瑠璃乃「なんか、楽しそうだから!!」

 

さやか「た、楽しそう……?」

 

花帆「わかる! いいよね、スクールアイドル!」

 

瑠璃乃「そうそう! みんなでわーって盛り上がって、うおーって感じになって、キラキラーって輝いて! それがもうメッチャ眩しくて! すごーい! いいじゃーん! って、ルリ思った! ゆえにルリ有り!」

 

花帆「うんうん、だよねだよね。なっちゃうよね!」

 

 

 

 

瑠璃乃「ルリ、楽しいこと大好きだから、これはぜひともスクールアイドルにならなきゃなーって思って、急いで帰ってきたわけなんだー!」

 

梢「そう……。でも、配信でライブを見て、そう思ってくれたってことよね。それは、嬉しいわ」

 

綴理「さすがこず」

 

康太「それはもういいよ。大沢さん、入部届もありがとう。これは受理するな。でも転入してきたばかりなら、最初から本格的に活動するのは、色々と大変じゃないか? 授業のカリキュラムも、向こうとは違うし……」

 

瑠璃乃「それは……確かに!」

 

梢「そうですね。だから最初は、仮入部という形でどうかしら。それなら、予定が合う日に来てくれれば構わないから。少しずつ、新生活に慣れていきましょう」

 

瑠璃乃「お気遣いありありっす! ルリもそれで問題ないっていうか、おーるうぇるかむです! 逆に入部審査とかなくて、命助かったー!」

 

花帆「そんなのあったら、あたし今ここにいないよー。あはは」

 

さやか「胸を張って言うことですか!?」

 

瑠璃乃「あははっ! そいじゃあ、仮部員ってことで、どーかひとつよろしくぅー!」

 

 

 

 

 そしてその日の昼休み、俺は沙知に呼び出された。

 

康太「どうした?」

 

沙知「大沢瑠璃乃。入ってきただろう?」

 

康太「ああ。なんか書類来たか」

 

沙知「まぁね。覚えてるかな? 彼女、慈の言ってた幼馴染だよ?」

 

康太「え? ………あ!!」

 

 

 

 

 思い出した! 去年散々に自慢してた慈の幼馴染! なんで気づかなかったんだ……。

 

沙知「やれやれ……取り敢えず瑠璃乃のこと頼んだよ?」

 

康太「おう」

 

 

 

 

 そして放課後の練習、瑠璃乃ちゃんは海外でダンスを練習していたらしく、すでに実力は花帆を抜いていた。

 

康太「すげぇな………」

 

花帆「あ、アタシ……スクールアイドルとしては先輩なのに………」ゼェハァ

 

康太「まあまあ。気にせず自分のペースで成長していけば良いから」

 

 ―――すると、

 

 

 

 

 

瑠璃乃「!!」

 

梢「? 瑠璃乃さん?」

 

瑠璃乃「アッ、すみません。ちょっと離脱します……」

 

花帆「えっ、瑠璃乃ちゃん!?」

 

康太「あ、ごめん! 俺行ってくる。梢、あとは頼むな」

 

梢「は、はい! 分かりました!」

 

 

 

 

 そして瑠璃乃ちゃんと話した俺。瑠璃乃ちゃんは逃げようとしたが、慈から去年に事情を聞いてることを話して相談に乗ったら話してくれた。

 

 やはり『充電切れ』だったか。

 

 その事を梢達に瑠璃乃ちゃんと一緒に話すと、梢達も瑠璃乃ちゃんの正体に気づいたようだ。

 

 花帆ちゃんは瑠璃乃ちゃんに「言いたいことを言ってくれても全く迷惑じゃない」、「むしろ言ってくれたほうが嬉しい」、「瑠璃乃ちゃんのことを知りたい」と手を差し伸べる。瑠璃乃ちゃんはその手を取り、スクールアイドルクラブは瑠璃乃を加えた6人になった。

 

 

 

 

花帆「で、瑠璃乃ちゃんは誰と組むの?」

 

さやか「梢先輩か綴理先輩が掛け持ちですかね?」

 

 2人がそう言うと、

 

康太「慈と組むために来たんだろ?」

 

瑠璃乃「はい! そです!」

 

花帆&さやか「「慈……?」」

 

 2人にも話す時が来たな

 

― つづく ―




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