そして迎えた合宿当日。俺たちは梢の実家が所有する別荘を借りる事になった。
花帆「晴れ渡る青空! 透き通る海!うーみー!」
康太「悪いな梢。宿泊場所を提供してもらって……」
梢「いいんですよ。使うための別荘ですから」
瑠璃乃「梢先輩、お金持ちだったんだ。どーりでなんか、雰囲気がピカピカしてますなー……!」
花帆「ふふっ、梢センパイのすごさはこんなものじゃないんだよ」
瑠璃乃「この上さらに!?」
花帆「こんな感じの別荘が、たぶんあと300個くらいあるんだから!」
瑠璃乃「すっげー!」
梢「ないわ……」
康太「それは流石にあるわけないだろ」
俺と梢が微妙な顔をしていると今度は綴理が、
綴理「でも、さやもすごいよ。煮物を美味しく作れる」
さやか「そのレベルで私を同じ土俵にあげるのやめてもらえませんか!? さ、荷物を中に運びますよ! 皆さん!」
花帆&瑠璃乃&梢&綴理&康太「「「「「はーい!」」」」」
そして荷物を別荘の中に運んだ俺たち。あまりに豪華な内装に、俺たちは驚いていた。
康太「で、俺は夜どこで寝れば良いんだ?」
梢「ああ、康太先輩は2階のゲストルームをご用意したと家族から」
康太「分かった。じゃあ、着替えて練しゅ……」
瑠璃乃「あ、花帆ちゃん水着で飛び出して行きましたよ?」
康太「は!?」
花帆「海だーー! 遊ぶぞー!!」
あの子は……。
梢「はあ、いいわ。今から練習という雰囲気でもないし、まずは海に遊びに行きましょう?」
そして、女子たちは部屋に入って着替え、俺もゲストルームに入って着替える。そして花帆を追って海へと向かった。
梢「それじゃあみんな、少し遊びましょう」
そして海で遊ぶみんな。水着姿が眩しいぜ。って、沙知に悪いな。写真で撮って沙知に送るか……
俺はみんなに許可をもらってスマホで撮影。取った画像を沙知に送り、『今度俺たちも一緒に遊びに行こうな?』と、付け加えて送信する。
――すると、すぐに返信が。
沙知『ああ。一緒に行けるの楽しみにしてるよ〜。アタシのことも考えてくれてありがとねぃ♡』
まったく、当たり前だろうに。沙知はやっと付き合えた俺の初恋の人なんだから。
そして、1時間ほど遊び、そろそろ練習だ!
梢「それじゃあ練習を始めるわよ」
さやか「でも、どうするんですか? 梢先輩と綴理先輩の2人で、瑠璃乃さんを重点的に見る、とか?」
梢「それなんだけど……」
康太「な?」
梢と康太はとある方向を見る。
瑠璃乃「ん? んん……? あ〜! めぐちゃん!」
慈「げっ!!」
瑠璃乃「花帆ちゃん、さやかちゃん!トューキャーッチ!」
花帆「りょ〜かい!」
さやか「逃がしませんよ!」
そして、2人は慈に襲い掛かった。
慈「わ〜っ!? なんなの君たちーーっ?!」
そして捕らえられた慈は、みんなのところに連れてこられた。
慈「まったく、私は上級生なんだぞ!?」
瑠璃乃「めぐちゃんなんでここにいるの!?」
慈「そ、それは……久々のオフだし、海でも見に行こうかなーって思ったらたまたま……」
瑠璃乃「偶然!?」
花帆「そんなわけないでしょ!? 嘘だよ嘘!!」
瑠璃乃「あっ、そうだよね……めぐちゃんの言うことだから、すっかり信じちゃったよ……」
さやか「瑠璃乃さんを騙して、心は痛まないんですか?」
慈「ちょっと梢! この2人私にあたり強くない!?」
梢「慈はね、私と綴理と康太先輩が呼んだの。瑠璃乃さんの練習を見てもらうために」
花帆・さやか・瑠璃乃・慈「「「「ええーーっ!?」」」」
慈「ちょっと梢! 先輩も! 私そんなの聞いて……!!」
梢「仕方ないのよね〜? 私にはスリーズブーケで花帆さんを見ないとだし、綴理もDOLLCHESTRAがあるから。」
綴理「そうだね。これはしかたない」
慈「ぐぬぬぬ……お前ら騙したな〜っ!?」
瑠璃乃「めぐちゃん……だめ?」
慈「っ! ……あーもう! 分かったよ!! でも私、1年ブランクあるんだからそこは容赦しなさいよね!!」
瑠璃乃「やったーー!!」
花帆「むむむ……」
さやか「花帆さん、しかたありませんよ。何より、瑠璃乃さんが嬉しそうなんですから」
そして、各組に分かれての練習が始まった。あれから水着に着替えた慈は、この間の瑠璃乃へ悪い態度とってしまったらしくそのことを謝罪し、瑠璃乃の練習を見てあげていた。俺は梢から慈のサポートを頼まれた。
慈「はい、ワンツー、ワンツー! そこまで!」
瑠璃乃「ほっ! どうかな……?」ハァハァ
慈「うん。るりちゃん凄く上手くなってる。頑張ったんだね……」
瑠璃乃「うん! とめぐちゃんと一緒に、また楽しいことやるんだ! って。向こうでも修行してたからね〜」
慈「っ! そっか……昔から、るりちゃんは私のこと大好きだったもんね……」
瑠璃乃「そーしそーあいってやつだね〜!!」
康太「じゃあ休憩にしようか。ほら、飲み物」
慈「ありがとうございます」
瑠璃乃「康太先輩ありがとっ!」
そして飲み物を飲むと、瑠璃乃はトイレに行くと言って別荘に戻って行った。
慈「……それで、君たちはなんの用かな?」
慈が振り向くと、
花帆・さやか「「ぎくっ!」」
はぁ、まったく……
康太「大方、慈がちゃんと指導できてるか心配になって見に来たとかだろ?」
さやか「そ、それは……申し分のない指導だったと思います」
花帆「でも、康太センパイもいたけど、慈センパイがまた瑠璃乃ちゃんにひどいこと言うんじゃないかと思って……」
慈「あ〜……なるほどね(なんだ、るりちゃんちゃんと友達作れてるじゃん)」
康太「心配し過ぎだって。そんなやつだったら、スクールアイドルできなくなってもほっといてるって……。少なくとも、俺は慈を信用してるし、スクールアイドルじゃなくなった今でも仲間だと思ってる」
慈「センパ〜イ!」
感激の眼差しの慈。するとそこへ瑠璃乃が戻ってきた。
瑠璃乃「あれ? 花帆ちゃんとさやかちゃん何やってるの?」
花帆「あ、いや……慈センパイにあたしたちも少し見てもらいたいなあって!」
さやか「そ、そうそう!!」
瑠璃乃「? な〜んか怪しい……」
花帆「そ、そんなこと! 慈センパ〜イ! 少しだけ指導お願いします!」
さやか「わ、わたしも〜」
慈「うんうん、可愛い後輩め〜!」
瑠璃乃「うわ、いつの間に仲よくなったの!?」
慈「私の人徳かな?」
花帆「……慈センパイって、梢センパイや経理センパイと一緒に、スクールアイドルをやっていたんですよね?」
慈「うん、そうだよ。私と梢、それに綴理の3人はね? かつて、蓮ノ空学院スクールアイドルクラブに輝く希望の星ということで、 蓮ノ大三角って言われてたんだ」
花帆「蓮ノ大三角!?」
瑠璃乃「かっこいい!」
梢「……同じように 「問題児」とも呼ばれていたわね」
慈「むっ」
綴理「そうだね〜。こずもめぐも、手のかかる子だったぁ」
梢・慈「「綴理が言わないで(綴理が言うな)!!」」
康太「いや、正直俺も沙知も実は綴理が一番マトモだったと思ってたぞ?」
梢&慈「「ええ!?」」
慈「いっつも先輩たちに食ってかかったのは、梢でしょ!? 「こんな練習で本当にラブライブ!優勝できるんですか」ってぇー!」
花帆「梢センパイが……!?」
梢「慈のほうこそ、本当に目立ちたがり屋で、先輩たちを困らせてばっかり。『この曲はもっと私を推したほうが、ぜったい人気出ますよ』だったかしら?」
瑠璃乃「めぐちゃんが!?」
2年生の去年にビックリの一年生たち。やれやれ……。
康太「ほら、お前ら休憩だぞ? 梢たちも自分たちの黒歴史バラし合って傷口広げ合うのやめろ」
梢「うっ!」
慈「それは……」
綴理「やれやれだね…」
梢・慈「「だから綴理が言わないで(言うな)!!」」
花帆「わ~い……休憩だ〜」ハァハァ
さやか「つ、疲れましたね」ハッ、ハッ
瑠璃乃「ふぃ〜……」ゼェ、ハァ
康太「お疲れ様。飲み物あるぞ?」
俺は3人に飲み物を渡す。
花帆「ありがとうございます〜……」ゴキュゴキュ
さやか「生き返ります……」ゴクッ
瑠璃乃「ハァ……」グビッ
梢「お疲れ様……」
綴理「みんな、頑張ったね……」
梢「ええ。慈も、腕は落ちてないみたいじゃない?」
慈「ま、まあね……」
花帆「あ、あの……慈センパイって、もうステージには立てないんですか!?」
さやか「花帆さん!?」
慈「うん、そうだよ。歌うだけなら問題ないけど、踊るのは無理」
花帆「だったら! 踊らなくてもスクールアイドルはできますよね!? 動画色々見てますけど、そういうスクールアイドルもいるじゃないですか!!」
慈「………うん、そうだね。確かに、そういうスクールアイドルもいる。けど、それは私の思うスクールアイドルじゃない。人にはそれぞれのこういうふうにしたいっていうスクールアイドルの形があるんだ。それと違うやり方でやっても、辛いだけ。だから良いの」
さやか「慈先輩……」
瑠璃乃「………でるし」
慈「? るりちゃん?」
瑠璃乃「ルリはめぐちゃんと一緒にスクールアイドルやるんだし!! 絶対に諦めないかんね! 練習、まだやってくる!! うおーー!!」
そして、瑠璃乃は走りに行ってしまった。
花帆「瑠璃乃ちゃん!あたしも行く!」
さやか「お供します!!」
そして、3人は走っていってしまった。
慈「……………………」
康太「本当に、3人とも素敵な後輩なんだよ……」
慈「そう……みたいですね」
そしてその日は練習を終えてみんなは夕食を食べ、別荘の露天風呂に入っていた頃、俺はスマホでスクコネのアプリを開いてみんなの動画を見ていた。
康太(みんな……、人気あるよなあ……)
そんな子たちと一緒に合宿に来ているなどと世間に知られたら男子共から死の一撃をもらってしまうな……。
そして動画を見ていたら時間はあっという間に過ぎ、みんなが出てきた。
康太「あっ、お帰り……じゃあ入ってくるわ」
梢「はい」
そして皆が寝静まった深夜。俺は眠れなくてベランダに出ていた。
――すると、
康太「ん?」
扉が開く音がして、ベランダから下をみると慈が砂浜へと出ていった。
康太(……………)
俺はベランダから慈を見ていたが、慈は気づいてなかった。そして、慈は今日瑠璃乃に教えたダンスをやっていた。
康太(やっぱり、諦められないよな……)
〜 砂浜 〜
慈「な〜にやってんだろうな……私。辞めるって、諦めるって、決めたはずなのに……こうやって、練習しちゃってるんだもんな………」
― つづく ―
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