アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

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いよいよ沙知と康太の卒業です。

ここまでご愛読してくださった皆様に感謝を述べるとともに、始めたいと思います。

――では、どうぞ!


俺と沙知の卒業式

 あれから数日後、今日はいよいよ蓮ノ空学院の卒業式の日。

 

 明日には蓮華祭があり、蓮華祭終了時点で、3年生は蓮ノ空から完全に去る事になる。

 

 

 

 

 今は卒業式の最中。3年生の先輩たちが校長から卒業証書を受け取って行き、遂にあの2人の番になった。

 

司会「大賀美沙知!」

 

沙知「はい!」

 

 沙知は壇上に上がると卒業証書を受け取り一礼する。

 

 

 

 

 

司会「神城康太!」

 

康太「はい!」

 

 康太も壇上に上がり、卒業証書を受け取り一礼する。

 

 

 

 

 梢、綴理、慈は瞳から涙を流していた。

 

 そして、卒業証書授与が終わり、在校生が歌を歌う。それに合わせて3年生は退場していき、卒業式は終わった。

 

 

 

 

 

 卒業式後、スクールアイドルクラブは沙知と康太から学院内のとある場所に呼び出されていた。

 そこは、去年の春から沙知の指示で何かの施設を新しく増設していた場所で、工事が終わったのかその姿が完全に露わになっていた。

 

花帆・さやか・瑠璃乃・梢・綴理・慈「「「「「「……………………」」」」」」

 

沙知「そういうわけで、蓮華祭のために、最高のステージを用意したよ!!」

 

梢「いやあの、沙知先輩。これは、ステージを用意とか、そういうレベルじゃなくないですか?」

 

綴理「…………つくったの?」

 

沙知「ああ、1年かけて。せめて、キミたちに何かできることがないかと思って……お詫びの、つもりだったんだけど。今なら堂々と言えるかな。お詫びじゃなくて、後輩へのプレゼントだって。これが、あたしからキミたちに贈る――第二音楽堂だ!」

 

 俺は誇らしげな沙知の横顔を見る。俺は聞いてたけど、いざ改めて見るとヤバいな。

 

花帆「音楽堂貰っちゃった!?」

 

瑠璃乃「わぁ、沙知パイセンスケールが違うや」。

 

沙知「名前はまだないから、どうかな。キミたちで付けてあげてくれないかな」

 

さやか「待ってください、待ってください。え、これスクールアイドルクラブの所有物にしていいものなんですか!?」

 

沙知「あっはっは。残念ながら、キミたちだけの所有物にはできないな。でも、音響をはじめとした設備は、スクールアイドルのステージにこれ以上ない仕上がりにしたつもりだ。ここがあればもう……狭いステージで危ないことが起きたりはしない」

 

慈「ぁ………」

 

沙知「にひっ」

 

慈「ああもう、沙知先輩のくせに………!」

 

瑠璃乃「ありがと、沙知先輩」

 

梢「………それにしても、花帆」

 

花帆「は、はい!!」

 

梢「これは、なかなか気合が入るわね」

 

花帆「が、頑張るぞぉ………………!!」

 

 

 

 

さやか「…………さて。少々取り乱しましたが………蓮華祭ではわたしたちの全力を見せると決まっていましたから。プレッシャーこそあれど、緊張を覚悟に変えることは出来るはずです」

 

綴理「あとは……あの曲をどうするかなんだけど」

 

 綴理がそう言うと、花帆が質問した。

 

花帆「あの、梢センパイ。あたしたちも見せて貰いましたけど、あの曲に何が足りないんですか?」

 

瑠璃乃「そーそー、気になってた」

 

梢「あれは、その。沙知先輩と康太先輩に向けて作った曲だから…………」

 

慈「ちょっと、ラブレターみたいになっちゃってるじゃん?」

 

 花帆とルリちゃんは顔を見合わせるが、"?"が浮かんでる顔だ。

 

花帆「たぶん、センパイたちにとっての、いちばんのセンパイに向けて作ったからだと思いますけど………」

 

瑠璃乃「気持ちを込めてさ。すっごく悩んで、さちパイセンと康太パイセンのために頑張ったからだと思うけどさ………?」

 

花帆&瑠璃乃「「すっごく良かった(です)よ!!」

 

花帆「部室にあった音源、聞きました! あたしたちほんっとに感動しちゃったよね!」

 

瑠璃乃「うん! きっと、大事な先輩がいる人なら誰だって分かる、みんなの150点になってるとルリ思うよ!!!」

 

綴理「ほらあ」

 

梢「ほ、ほらあではないでしょう!?」

 

慈「綴理だって「そうなのかあ」ってなってたじゃん!」

 

綴理「ちらっ」

 

さやか「えっと……わたしも、本当に素敵な曲だと思っていましたよ。先輩方がそれぞれ込めた想いが、結集して美しく昇華されて……これ以上ないくらい気持ちのこもったものだと伝わりました」

 

綴理「ボクは信じてた」

 

梢「綴理……」

 

慈「こいつっ……!」

 

梢「…………はあ。そうね、分かったわ」

 

綴理「やろうよ、このまま。150点」

 

梢「……そうね。これはちゃんと、みんなに伝わる150点なんですものね」

 

 

 

 

 

さやか「あ、はは……最後までこんな感じで、すみません」

 

沙知「いやいや。あれがあたしと康太の……1番の後輩たちさ」

 

康太「うん」

 

そう言いながら、沙知と俺は6人を見渡した。

 

 

 

 

 その翌日、蓮華祭当日。

 

 ライブは順次無事に進行し、何事もなく終了。舞台設備を確かめたが、沙知の言う通りあれならもう事故は起こらないだろう。

 

 そして………、ライブが終わり……

 

 

スクールアイドルクラブ『大賀美沙知先輩! 神城康太先輩! ご卒業、おめでとうございます!!』

 

 

 

 

 みんなからの祝いの言葉にまた泣かされた俺と沙知。

 

 ―――そして、いよいよ俺たちが蓮ノ空を去るときがやってきた。

 

 スクールアイドルクラブは、沙知と康太を見送る為にみんなで蓮ノ空の校門の所に来ていた。

 

 

 

 

 

梢「あっ、沙知先輩! 康太先輩!」

 

沙知「やっ!」

 

康太「お揃いだな」

 

 沙知と康太が、荷物を手にやって来た。

 

 そして、俺と沙知は6人を見渡すと、

 

沙知「最高のライブ、見せて貰ったよ」

 

花帆「えっへへ。はい、頑張りました!」

 

 花帆は笑顔でそう答えるが、2年生3人の顔は暗い。

 

梢&綴理&慈「「「…………」」」

 

康太「まず、一年生に、お礼を言わせてくれ」

 

瑠璃乃「えっ。お礼を言うのはこっちの方じゃ」

 

沙知「この子たちと、出会ってくれてありがとう」

 

 沙知は1年生に、2年生と出会ってくれた事に対してお礼を言った。

 

さやか「それは?」

 

沙知「あたしは、今年の新入生に賭けてた。あたしがこの子たちに何もしてあげられなくなったときから。それしかできなかった。でも……キミたちがいたおかげで、あたしは今日、こうしてなんの憂いもなく卒業できる」

 

康太「俺も、君たちがいたお陰で……安心して卒業できる。スクールアイドルクラブは、これからも大丈夫だ。って」

 

 沙知と康太がそう言うと、瑠璃乃は頭をポリポリと掻いて答える。

 

瑠璃乃「いや、まあ、やっぱりルリ的にはめぐちゃんと出会ってくれてありがとーなんだけど」

 

 瑠璃乃がそう言うと、沙知と康太は笑う。

 

康太「瑠璃乃に限ってはそうかもな」

 

沙知「ああ。キミだけ出会った順番逆だからね」

 

瑠璃乃「なので、めぐちゃんがお世話になりましたー」

 

 そう言って瑠璃乃沙知と康太にペコリとお辞儀する。

 

沙知&康太「「とても良いお子さんでしたー」」

 

 そう言って俺たちも瑠璃乃に頭を下げる。

 

慈「三者面談か!」

 

 

 

 

さやか「わたしも、救われた身です」

 

花帆「あたしも、梢センパイがいなかったら、どんな学校生活になってたか…………。というか、そもそもこの学校に居られたかどうかもわからないですし」

 

沙知「…………そっか」

 

康太「そうだったな」

 

さやか「ですから、先輩方のお礼を受け取らないのではなく、 瑠璃乃さん同様こちらからもお礼を」

 

花帆「はい! スクールアイドルクラブを残してくれて、ありがとうございました!」

 

沙知「ああ」

 

康太「力になれたならよかったよ」

 

 

 

 

梢「先、輩…………」

 

 梢の瞳から、ポロポロと涙が溢れる。

 

沙知「そんな顔するな。あたしは泣きたくないんだ」

 

康太「俺まで泣きそうになるじゃねぇか……」

 

梢「つ………2年間、お世話になりました!」

 

沙知「ああ」

 

康太「こちらこそ」

 

綴理「……………もっと、一緒にいたかった」

 

沙知「そうだね。そればっかりは……ごめん。でも、許してくれてありがとう」

 

綴理「ん」

 

慈「心配しなくていいからね。私たちはもう、大丈夫!」

 

沙知「…………ああ、あたしの。あたしたちの目に狂いはなかった。あたしは……スクールアイドルクラブにいれて、本当に良かった」

 

梢&綴理&慈「「「……………」」」

 

沙知「八重咲、いい名前だ。あたしたちも、重なり咲く花弁の1枚になれたことを……誇りに思う。きっと、どこまでも連なり咲いていくんだろう。キミたちが四度目の桜と会う時には、きっと、もっと満開だ」

 

 

 

 

花帆「四度目の、桜。そうだ……来年は…………」

 

 花帆は梢達2年生を見る。

 

梢「ええ」

 

綴理「?」

 

慈「えー?」

 

 綴理と慈、分かってないのか? 来年はお前たちが卒業するって……。

 

沙知「なあ、花帆。そんな顔をするキミに、ひとつだけあたしから言っておきたいことがあるんだ」

 

花帆「な、なんでしょう」

 

沙知「春は出会いと別れの季節、ってよく言うだろう?あれは少し正確じゃないんだ」

 

花帆「えっ?」

 

沙知「順番が逆なんだよねい。別れがあって、出会いがある。別れにはつらい気持ちになることもあるけど……未来は意外と明るいんだってことを、憶えておいてほしいな」

 

花帆「…………はい!」

 

 すると、沙知と康太は笑って、

 

沙知&康太「「……………いよし!」」

 

 そして、沙知と康太の足は校門の方へと向かっていく。

 

 

 

 

沙知「それじゃあ最後に満足もしたし、みんなさよなら」

 

康太「これからも配信で見てるからな!」

 

 

 

綴理「さち!こーた!」

 

梢「先輩!」

 

慈「先輩!」

 

花帆&さやか&梢&綴理&瑠璃乃&慈『卒業、おめでとうございます!』

 

 

 

沙知&康太「「ありがと! にひっ(へへっ)」」

 

 

 

 

 そして、2人は校門を出て、蓮ノ空から去っていった。

 

 それをみんなは、涙を流しながら見送っていた。

 

 

 

――次回、最終回。

 

― つづく ―




次回でこの物語は最終回となります。

読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!

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