アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

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俺と沙知の日常

 

 

 あれから数ヶ月たち6月。

 

 俺と雪人はサッカー部のレギュラーに入り、沙知もスクールアイドルクラブで立派にやっている。

 この間沙知のスクールアイドルとしてのイメージカラーが黄色みがかった緑色で、【アメアガリグリーン】という色に決まったと言っていた。

 そして毎日明日美先輩のユニットDOLLCHESTRAとして2人で頑張っているらしい。

 

康太(俺も負けてられない……)

 

 

 

 日課となっている朝練を終えて教室に入ると、例の彼女が既にいた

 

康太「沙知、おはよう!」

 

沙知「お~おはよう! 今日も朝練かい?」

 

康太「そうだよ。やっぱり朝から運動するのは気持ち良いよ」

 

沙知「ハハッ、アタシもさっきまで朝練だったからね。それには同感だけど……、そうだ。今日も康太は放課後は練習かい?」

 

康太「今日は練習休みだからすぐに帰るつもりだけど? なんで?」

 

沙知「いや、久しぶりに一緒に帰りたいなと思ってな。アタシも今日は休みだから……」

 

 ふぁ?

 

康太(うぉおおおーー! マジか! 沙知からのお誘い! オッケーに決まってる!!)

 

康太「是非とも一緒に帰らせてもらいます。もといエスコートさせていただきます!」

 

沙知「お、おおう、そうかい。その後一緒にまったりお茶でもしようぜぃ?」

 

康太「うん、オッケー、楽しみだ♪」

 

沙知「こちらこそ~」

 

沙知(よし! 誘えた!!)

 

 と言った処で、2人にとって聞き慣れた声に振り向く。

 

 

 

雪人「おはよ〜……」

 

康太&沙知「「おはよ~」」

 

康太「ちょっと遅かったな?」

 

雪人「先生に臨時の補正予算とかあるからって荷物運びとか資料整理押し付けられたんだよ……」

 

 あらら、それは災難な。でも、仕事押し付けられたハズなのに、妙に嬉しそうだな。

 

康太「それは大変だな~……って、ひょっとして俺たちのあれか?」

 

雪人「おう。らしいぞ?」

 

康太「やっぱりか! 今回の関東遠征は学校で一部補助してもらったからな。理事長には感謝しないとな!」

 

沙知「あ〜そう言えばお祖父様が言ってた気がするねぃ……。でも、改めて県大会優勝おめでとう♪  試合カッコ良かったぜ♪」

 

康太「おう、ありがとな沙知! 忙しい中見に来てくれたのもマジ嬉しいわ」

 

雪人「お前めちゃくちゃ張り切ってたからな……」

 

 

 

 

 石川県の高校サッカーは、ここ近年はとある強豪校が連覇していた

 

 蓮ノ空は元は少し前まで女子校だったためサッカー部の歴史は浅いが、この春に悲願の県予選初優勝を達成。

 これに歓喜したOBやOGなどからの寄付が集まり、学校側が関東遠征への交通費などを補助した形となった。

 

 

 

康太「しかし関東遠征じゃ負けが多くなっちまって悔しいな……」

 

沙知「じゃあインターハイ本番でリベンジするんだね。頑張れよ?」

 

康太「あぁ、支えてくれた人には結果で恩返しするよ」

 

 そう言ってやや照れながら笑う康太。そんな彼の横顔を、目を細めて笑顔を浮かべながら見る沙知。

 

クラスメイトたち(なんだろう。無性にブラックコーヒーが飲みたい………)

 

雪人(この2人、両想いなの気づけよ……)

 

 と、予鈴のチャイムが鳴り響く

 

 

 

 

康太「あ、そろそろ先生来るし、雪人また後でな!」

 

雪人「ああ。また後で」

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 そして学校終わりに一緒に帰る康太と沙知。他愛もない話をしながら、山道の通学路を歩く。

 ――だが、そんな時間が2人にとっては何よりも幸せな時間だった。

 

康太(告白するならチャンスなんだろうけど………)

 

沙知(アタシから言ったほうが良いよな……)

 

 だが、

 

康太&沙知((あ"あ"〜!! 神様勇気をください〜!!))

 

 お互いに初恋のためにどうすればいいか分からず神にすがる。神様も自分でどうにかしろと言うだろう。

 

 

 

 

 そして寮に着き、女子寮の寮母さんに必要事項を書いた紙を書いて提出。寮母さん同伴で沙知の部屋に上がらせてもらう。

 

沙知「いらっしゃ〜い。今お茶とお菓子用意するな♪」

 

 沙知が色々と用意してくれる。寮母さんはこういう時のための教員に交代して事務室に戻っていった。

 

康太「じゃあいただきます」

 

沙知「どうぞ……」

 

 だされたクッキーを食べる。市販のにしては形が悪い気がするが、味は美味しかった。

 

沙知「どうだい?」

 

康太「形は悪い気がするけど、味は美味い」

 

沙知「そうかい。実はアタシが作ったんだよ。先輩に教えてもらいながらね」

 

 ブッ!

 

 俺は吹き出しそうになる。

 

康太「マジ……? 味は美味いよ!」

 

沙知「ありがと。アタシもいただこうかね」

 

 

 そしてクッキーを食べながら談笑する俺と沙知。――すると、

 

康太(疲れでも溜まってたかな? 眠い……)パタリ

 

 俺は、椅子にカーペットにゴロンと寝てしまった。

 

教員「おい!?」

 

沙知「あらら、疲れてたかな? よいしょ」

 

 沙知が何かをやる。教員の声が何か聞こえる気がする。

 

沙知「男の子にこんな事するの、康太だけが良いんだけどね……」

 

 

 

 

 

康太(ん……)

 

 俺が目覚めると、外は夕方になっていた。

 

康太「アレ!? 寝てた!?」

 

 俺がヤバいと起き上がると、

 

沙知「目、覚めたかい?」

 

 ん? なんで沙知の顔が真上にあるの? そしてこの目の前の大きいお山は……

 

沙知「おい、今変なこと考えなかったかい?」

 

康太「い、いやそんな事は………もしかして膝枕されてる?」

 

沙知「うん。いやだったかい?」

 

康太「嫌なんてことは! むしろ……なんでもない」

 

 くそ、俺の意気地なし!! ――でも、

 

康太「しかしまぁ、今更だけど沙知がスクールアイドルか。何というか、感慨深いものがあるな」

 

沙知「そうだねぃ……アタシも、まさかスクールアイドルをやるなんて思ってなかったよ」

 

康太「でもまぁ、昔から沙知を知ってる身として、そして沙知のファンとしては嬉しい限りだけどな」

 

沙知「なんか直接ファンって言ってもらえると嬉しいけど、ちょっと照れるな」ナハハ

 

康太「ははっ、まぁ先輩たちもみんな優しそうだし、さぞ賑やかで楽しそうだな」

 

沙知「ああ。すごく楽しいよ」ニコッ

 

康太(――つ!)

 

 ヤバい、沙知の笑顔にハート撃ち抜かれた。何今の笑顔、今まで見たこと無いレベルで可愛かった………。

 

康太「あぁいや……まあ、これからお互い頑張ろうぜ!」

 

沙知「? ああ。頑張ろう♪」

 

康太「それじゃあ、俺はそろそろ帰るわ」

 

沙知「うん、今日は来てくれてありがとね」

 

康太「こっちこそ楽しかったよ。また今度ゆっくり話したり、なんなら休日に2人で遊び行ったりしような」

 

沙知「そうだね♪ 大人に反抗するのもいいかもねぃ」

 

康太「ああ、また明日!」

 

 

 

 

 

 そして、俺が帰ったあと。沙知の部屋―――。

 

沙知(…………あ"〜〜っ!! 初めて男の子に膝枕したぁ〜〜っ!! ヤバい、恥ずかしい〜〜っ!)

 

 

 

男子寮・廊下――

 

康太(〜〜〜っッ/// 沙知に膝枕されたぁああっ!! ヤベェめちゃくちゃ嬉しぃいい〜〜!!)

 

 

 

 部屋で恥ずかしさから悶絶する沙知と、歓喜で浮かれていた男子がいたという。

 

 

― 続く ―




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