アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

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俺と沙知の夏休み

 

 

 季節はまた飛んで8月末。

 

 蓮ノ空サッカー部はインターハイ本戦の1回戦で優勝候補、青森の青森河田と当たり1ー3で敗れてしまった。

 

 みんなは必死に粘ったのだが3点を取られ、みんなは意気消沈。――しかし、試合終了まで諦めずに果敢に攻めた康太のシュートが終了間際に突き刺さり一点を返すことができた。のだが、そのタイミングで試合終了のホイッスルが鳴り、蓮ノ空サッカー部の夏は幕を閉じた。

 

 

 

― 男子寮・康太の部屋 ―

 

康太「……………………」

 

 俺はベッドに仰向けに寝そべり、試合の事を思い出していた。

 

康太(全中準優勝って言っても、高校じゃあこんなもんか………)

 

 俺の目に涙が浮かぶ。―――すると、

 

コンコン

 

 部屋のドアがノックされた。

 

康太「誰だ………?」

 

 俺は涙を拭い扉の前に行く。

 

沙知「康太、アタシだ。開けてくれ」

 

康太「―――つ!」

 

 今の顔、沙知には見られたくないんだけどな………。でも、無視するのも嫌だしな。

 

 

 

康太「少し待ってくれ」

 

 俺はタオルで目元を拭い、洗面所で顔を洗う。――よし。

 

康太「お待たせ……?」

 

沙知「…………………」

 

 俺が扉を開けると、沙知がオレの顔をじっと見てくる。

 

康太「どうした?」

 

沙知「……バカ。目元、赤くなってるよ。さっきまで泣いてたんだろ?」

 

 ………沙知には隠し事はできないらしい。

 

沙知「上がらせてもらうよ」

 

康太「ああ………」

 

 

 

 

 沙知と、机を挟んで対面で座る。気まずい………

 

沙知「試合、残念だったね……」

 

康太「ああ。まさか1回戦から青森河田なんてついてないよな………」

 

沙知「高校サッカー最強と言われる学校だからね。でも、キミは最後まで諦めなかった。チーム全体が沈む中、キミと雪人は最後まで喰らいついて点を取った。キミは、アタシの誇りだよ……」

 

康太「沙知…………」

 

 誇り………か。俺はそんなだいそれたものじゃない。ただの敗北者だ。

 

 ――すると、

 

沙知「なあ? 今度スクールアイドルクラブが徳光海水浴場で海の家手伝う事になったんだ。良かったら来てくれないかい?」

 

康太「…………ああ。分かった」

 

 気晴らしにはなるかもな………。

 

 

 

 

 

 そして2日後、徳光海水浴場。スクールアイドルクラブが手伝う海の家は盛況で、お客さんが途切れない。

 

真織「はーい! 焼きそばお待ちどうさまです!」

 

美琴「沙知ちゃんお客さんのお会計お願い!」

 

沙知「はい!」

 

明日美「忙しい〜っ!!」

 

 ――すると、男子2人組がやって来た。

 

 

 

雪人「ここで間違いなさそうだな」

 

康太「沙知、きたぞ」

 

沙知「康太! いらっしゃい!」

 

 ――すると先輩たちが、

 

美琴「おっ、学校のヒーロー2人じゃん! いらっしゃい!」

 

明日美「今ちょっと手が離せなくてゴメンね。手伝ってもらえたら嬉しいところだけど………」

 

康太「手伝いますよ!」

 

雪人「力仕事は任せてください!」

 

康太(それよりも………)

 

雪人(ああ………………)

 

 水着、水着である!

 

 いずれ劣らぬ美少女が4人、水着である。もはや絶景という他ない。健全な男子としては(以下略

 

真織「お〜、ありがとう! さすが男の子!」

 

明日美「じゃあもうひと頑張り行くよ!」

 

スクールアイドルクラブ&康太&雪人『「「おーーっ!!」」』

 

 

 

 

 そしてお客さんを捌き切り、少し落ち着いてきた頃。俺たちもお昼ご飯を食べる。

 

真織「はい、お昼ごはんね〜」

 

 真織先輩がオレと雪人の前に料理を置く。

 

雪人「美味そう〜!」

 

 すると、

 

明日美「康太くんはコレね?」コトっ

 

 明日美先輩はオレの前に料理を置く。金沢カレーか?

 

美琴「それ、沙知ちゃんが作ったんだよ〜? 絶対食べてもらいたいってアタシたちに教えてもらいながら必死に練習して♡」

 

康太「マジ!?」

 

 沙知が俺のために………?

 

沙知「先輩言わないでください! ……康太、食べてくれるか?」

 

 俺は無言でスプーンを取り、いただきますと声にだしてカレーを一口。

 

康太「つ!!」

 

 美味い。スプーンが止まらん……。俺がバクバクとカレーを食べる様子を見てハラハラする沙知。

 

 そしてあっという間に完食し、

 

康太「沙知、カレーおかわり! 美味い!!」

 

沙知「!!」

 

 沙知の顔が明るくなる。「うん!」と更を受け取ってキッチンに走って行き余りを盛り付ける。

 

沙知「はい!」

 

 

 

 沙知に出されたおかわりを食べる俺。その様子を先輩たちも雪人も見ていた。

 

雪人「大賀美、お世辞抜きでホントに美味いと思ってるみたいだぞ?」

 

沙知「――うん!」

 

明日美「良かったね〜沙知!」

 

沙知「はい!」

 

真織「アタシたちも食べよう?」

 

 そして各自料理を食べる俺たち。沙知は俺の隣に座ってきた。

 

康太(つ! 沙知………まさか両想い……な、訳ないよな。俺なんかを沙知が恋愛対象に見てくれるわけ無いし)

 

沙知(康太、あたしのことどう思ってるんだろ……。恋愛対象には、見られてないのかな………)

 

康太&沙知「「はぁ………」」

 

 その様子を見た4人は、

 

先輩たち&雪人((((コイツらいい加減気づけよ………))))

 

 ――そして、

 

康太&雪人「「ごちそうさまでした!」」

 

真織「お粗末様。どうだった?」

 

康太「いや〜どれも美味しかったです!  お世辞じゃなくホントに!」

 

雪人「ホント! みなさん良いお嫁さんになりそうです!」

 

美琴「あはは。お嫁さんは照れるけど、喜んでもらえて良かったよ!」

 

沙知「ありがとう二人とも///」

 

明日美「それなら良かったよ♪ でも、康太くん、雪人くん」

 

康太&雪人「「?」」

 

明日美「視線には気付いてるからね?」

 

康太&雪人「「ごめんなさい」」

 

 

 

 

 椅子に座っている男子2人の目線の高さは、立っているスクールアイドルクラブ皆の胸元辺りになる。

 目の前に圧倒的存在感を放つ沙知や先輩たちの双丘があるのだから、つい見てしまうのは仕方ない

 

美琴「まあ、気づいてはいたけどね」

 

真織「男の子って………」

 

沙知「康太……」

 

康太「?」

 

沙知「ヘンタイっ!///」

 

 沙知の顔を真っ赤にした恥じらいの叫びが心にクリティカルヒットして崩れ落ちる。

 

康太(沙知に嫌われたら生きていけない………)

 

 

 

 

 そして、用意していた食材が無くなり海の家は取り敢えず閉店し俺達は海で遊んでいた。

 

 今は先輩たちと雪人は2vs2でビーチバレーの真っ最中。

 

真織「それっ! 明日美!」

 

明日美「ナイス真織! はあっ!」ドッ!

 

美琴「雪人くん!」

 

雪人「はい!」ボムっ!

 

 雪人のナイスレシーブ。すぐに立ち上がって助走を開始する。

 

美琴「行けっ!」トンッ!

 

 美琴先輩のトス。雪人は跳躍すると手加減して誰もいないところにスパイクをたたき込む。

 

雪人(先輩たちは女の子だからな!)ドッ!

 

真織「つ! 明日美」

 

明日美「届かない!」

 

 コートに突き刺さり一点を取る美琴先輩と雪人のチーム。2人でハイタッチだ。

 

美琴「ナイス!」

 

雪人「はい!」

 

パァアンッ!!

 

 

 

 

真織(ねえ? 四宮くんと美琴……)

 

明日美(いい雰囲気ね……)

 

康太(これ、くっつくかもな……)

 

沙知(雪人と美琴先輩くっつくのかい……?)

 

 その後も勝負は続き、このゲームは雪人&美琴先輩ペアが勝利した。

 

美琴「よっしゃあ! な〜いす♡」

 

雪人「はい!」

 

美琴「ん。ご褒美♪」

 

 美琴先輩は雪人の頭に手を添えると、自身胸元に抱いて頭をよしよし。

 

雪人「フゴッ!?」

 

 全員ビックリだ。

 

 あ、雪人の反応がだんだん弱く……堪能し始めたなコイツ。

 

真織「み、美琴!?」

 

明日美「それ以上やると窒息しちゃうよ!?」

 

美琴「あ、ゴメン……」

 

 美琴先輩が離す。と、

 

雪人「…………ブハッ」

 

 雪人は盛大に鼻血を吹いてぶっ倒れる。みんなが慌てて駆け寄る。

 

真織「ちょっ、大丈夫!?」

 

雪人「なんの……コレで死ぬなら本望……」ガクッ!

 

康太「雪人ぉおぉおぉおおおおっ!!」

 

明日美「ねぇ、なんか感動シーンを演出してるけど、ただスケベ心が暴走しただけだよね?」

 

沙知「あはは…はぁ……」

 

 

 

 

 そして俺達は手伝いを終えて蓮ノ空に戻る途中……

 

康太「………………」

 

 俺はバスの窓から外を見ていた。―――すると、

 

沙知「気晴らしにはなったかい?」

 

康太「ああ。ありがとな……」

 

 楽しかったのは事実だが、やはり苦笑してしまう。

 

 ――すると、

 

沙知「いいよ?」

 

康太「え?」

 

沙知「悔しかったなら、泣いていいんだよ? アタシの胸ならいくらでも貸してやるから」

 

康太「!」

 

 瞬間、俺の涙腺は崩壊。沙知の胸で泣き始めた。

 

康太「つ……あぁ"…うっ……。先輩たちが……俺に…レギュラー託してくれたのに………応えられなかった…優勝……したかったのに………! チクショウ…チクショォオォオオ!!」

 

沙知「うん。………うん」

 

 沙知は、そんな俺の頭を撫でながら話を聞いてくれた。

 

沙知「まだ、康太や先輩たちにも冬が残ってるだろ? 選手権……頑張れよ?」

 

康太「つ……! ああ!」

 

雪人「俺も頑張らないとな……」

 

美琴「応援してるよ♪」

 

雪人「うす!」

 

真織&明日美((くそっ、出会いが欲しくなってきた…!))

 

 

 

 

― オマケ ―

 

康太「所で、沙知………俺のこと今日で嫌いになったか? 元から好かれてなかったかもしれないけど」

 

沙知「何をいってるんだい! アタシは康太のこと大好きだぞ!? 嫌いになんてなるはず無いだろ! あ、大好きっていうのは友達としてだからね?」

 

康太「そ、そっか……嫌われてなくて良かった……ヘンタイって叫ばれたから嫌われたかと……」

 

沙知「あ〜……気をつけるんだぞ?」

 

康太「はい……」

 

 

― 続く ―




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