アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

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俺と沙知の竜胆祭

 

 

 月日は過ぎ、今は10月。

 

 蓮ノ空は竜胆祭準備の期間真っ最中だ。

 各部の出し物や個人での出し物などを生徒会に申請し、割り当てられた場所に出し物のブースを設営する流れになる。

 

 サッカー部はというと……、

 

先輩「神城! 四宮! これ運ぶの手伝ってくれ!」

 

雪人「今行きます!」

 

 俺と雪人がダッシュで向かい、ミニゴールやカラーコーンなどを準備する。

 サッカー部は、お客さんに向けて蓮ノ空サッカー部を見せることにしていた。

 

康太「ふ〜…………」

 

 俺が一休みして飲み物を飲んでいると、部長が……、

 

 

 

部長「康太、お前に一つ大事な仕事を任せる」

 

康太「? なんでしょうか?」

 

部長「お前はもうサッカー部の手伝いはしなくて良い」

 

 えっ!?

 

康太「えっ、それってクビってことですか!?」

 

 俺が慌てて部長抗議する。

 

部長「俺の言うことが聞けないのか?」

 

康太「だって……」

 

 尚も食い下がる俺に、部長は急に優しい顔になり、

 

 

 

部長「お前の大事なあの子、さっき女の子ばっかで荷物運ぶのが大変だって言ってたの聞いたぞ?」

 

康太「!!」

 

 ―――部長!

 

部長「行ってやれ!」

 

康太「はい!」

 

 俺は急いでスクールアイドルクラブの下へと向かった。

 

雪人「先輩! いいとこあるじゃないですか! 流石です!」

 

部長「お前も行け」

 

雪人「へ?」

 

部長「聞いたぞ? 彼女なんだろ?」

 

雪人「!! あざっす!」ダッ!!

 

部員「部長……あんたって人は……。男ッスね」

 

 そんな部長に対して、部員たちの信望は厚かった。

 

 

 

 

――スクールアイドルクラブ部室

 

コンコン

 

康太「沙知? 居るか?」

 

沙知「ん? 康太か?どうした……?」

 

康太「先輩がスクールアイドルクラブの手伝いして来いってさ。送り出してくれたよ。なんか荷物とか多いらしいじゃん」

 

雪人「俺もきたぜ!」

 

美琴「お〜! 雪人! ありがと〜助かる♪」

 

雪人「おう!」

 

 ん?

 

明日美「あ〜…この二人、夏に海に行って以来付き合い始めたらしいわよ?」

 

康太「はい!?」

 

沙知「言うなって言われちゃってね。スマン……」

 

 沙知が肩を竦める。

 

真織「まあ、手伝ってくれるなら助かるよ。やろうか!」

 

康太&雪人「「はい!」」

 

 そして全員で大倉庫に向かい、必要な荷物を持ってまずは部室に向う。

 段ボールでかなり重いのが大量にあったから、これ女の子にはめちゃくちゃキツかっただろうな………。

 

 

 

 

康太「よいしょ! ここ置いときますね?」ガチャ

 

明日美「ありがとう。助かるよ」

 

真織「男の子は違うね〜やっぱり……」

 

雪人「必要とあらばいくらでも使ってください!」

 

美琴「ありがとっ!」チュッ♡

 

真織&明日美&沙知&康太「「「「!!?!?」」」」

 

 二人のラブラブ加減に驚愕の俺たち。お前、そんなに仲良くなってたのか……。

 

雪人「みんなの前じゃ恥ずかしいって……」

 

美琴「不満なの〜?」ブー……

 

雪人「いや、自慢しちゃうね!」

 

美琴「あら、正直者♡」

 

 ―――すると、

 

真織「あんたら、ホント学外では辞めなさいね?」

 

明日美「スクールアイドルとはいえ一応アイドルの名を冠してるんだから……」

 

美琴「は〜い」

 

雪人「肝に銘じます」

 

明日美「まあ、雪人くんの方は安心だけど……」

 

真織「問題は……」

 

美琴「ちょっと!」

 

 2人に見られ、声を荒げる美琴先輩。

 

話題を変えようか………

 

 

 

康太「所で、竜胆祭ではスクールアイドルクラブはライブをするんですか?」

 

沙知「ああ。そうだよ。アタシと明日美先輩は"Mirage Voyage"っていう伝統曲をやる事になってる」

 

真織「私は"素顔のピクセル"って言う曲ね」

 

美琴「アタシは"アイデンティティ"っていう曲をやりま〜す!」

 

雪人「楽しみにしてるよ」

 

明日美「その後には全体曲を披露するから楽しみにしててね!」

 

康太&雪人「「はい!」」

 

 そして、竜胆祭の準備を行うこと1週間。いよいよ竜胆祭当日になった。

 

 

 

 

康太「いらっしゃいませ〜!」

 

雪人「蓮ノ空のサッカー部を見ていってくださ〜い!」

 

 俺達は呼び込みをして、先輩たちが見物者にボールを蹴らせて一緒にやったり、自分たちがプレーを披露したりと観客を楽しませる。

 

康太「成功みたいだな」

 

雪人「ああ」

 

 ―――すると、

 

チームメイト「二人とも交代の時間だぞ? 後は任せて回ってこい」

 

康太「ああ。頼む」

 

 

 

 俺と雪人は後の人に向かせると、とある場所に向かって歩く。行く場所は同じか……

 

康太「美琴先輩と周るのか?」

 

雪人「お前は大賀美を誘うのか?」

 

康太「おう」

 

雪人「いい加減告白したらどうなんだ? 絶対脈あるだろ……」

 

康太「沙知が俺をそんなふうに思ってるか分からないだろ……告白しなきゃ変わらないのは分かるけど、今の関係が崩れるのは正直怖い……」

 

雪人「意気地なし……」

 

康太「うっさい……」

 

 そんな事を言ってる間にスクールアイドルクラブの部室に着いた。

 ちゃんとノックするぞ!

 

康太「神城と四宮です! 沙知居ますか?」

 

雪人「美琴先輩居ますか?」

 

 すると、ドアが開いて中に招かれる。

 

美琴「入って入って!」

 

雪人「おう」

 

沙知「康太……お誘いかい?」

 

康太「うん。一緒に回らね?」

 

沙知はニコッと笑い、

 

沙知「喜んで♪」

 

康太「おう。じゃあ行くか。時間までに講堂の控室に居れば良いんだろ?」

 

沙知「そうだね。時間は3時間くらいあるよ」

 

康太「じゃあ、俺達はコレで」

 

沙知「失礼します」

 

美琴「バイバ〜イ!」

 

雪人「では!」

 

真織&明日美「「いってらっしゃ〜い………ハァ」」

 

 2人は盛大にため息を吐いていた。

 

 

 

 

 俺と沙知が二人で竜胆祭を回っていると、後ろから誰かに話しかけられた。

 

?「二人とも」

 

康太「ん?………!」

 

沙知「お祖父様!」

 

 後ろに居たのは沙知の祖父であり、学園の理事長。緊張する……

 

理事長「沙知、竜胆祭楽しんでるか? 学会生活は最近どうだ?」

 

沙知「は、はい。家に居た頃より充実した暮らしができてます。自分のことを自分でできるようになって、逆に嬉しいというか。友達もできましたし、優しい先輩たちにも囲まれて幸せです」

 

理事長「そうか………」

 

 沙知のお爺さんは優しく笑うと、

 

理事長「康太くん。ちょっと耳をかせ」

 

康太「は、はい……」

 

 俺は理事長の口元に耳を近づける。

 

理事長「沙知のこと、頼んだぞ? 沙知を幸せにできるとワシが思ったら沙知を貰ってくれて構わん。何、周囲はワシに任せろ。反対する者は追い出してやる」

 

 お爺さんはニコッと笑う。

 

 スゲェ豪快な人だったんだなこの人。――でも、俺を認めてくれてたのか。この人は。

 

康太「ありがとうございます。でも、できるならその人たちにも認めさせるくらいになる気でいます」

 

 俺がそう答えると、理事長はガハハと大笑い。

 

理事長「それでこそ男というものだ! ま、頑張れよ!」

 

 そして理事長は行ってしまった。

 

康太「よし!」

 

 心強い味方が居ることもわかったし、俺も尚更頑張らないとな!

 

 俺が意気込んでいると、

 

沙知「お祖父様に何言われたんだい?」

 

康太「別に? ちょっと男同士の約束を。変なことじゃないよ」

 

沙知「? なら良いけど………」

 

 

 

 そして、先輩たちや他クラスがやってる出し物や喫茶店でお茶したり遊びながら周り、時間はもうすぐライブ開始時間。

 

沙知「行こう! 特等席で見ててくれ!」

 

康太「ああ!」

 

 俺と沙知は講堂に走り、中に入った所で別れる。俺は観客席。沙知は控室だ。

 観客席には、人が大勢座っており、俺が座れそうな場所は……ん?

 

 すると、一番前の座席に張り紙が。

 

『神城康太専用座席。他の人は座らないでください!』

 

 隣の席には雪人の名前で同じことが書かれていた。

 

康太「まったく……」

 

 俺は座席のテープを外して座る。ほかの人にそこ専用座席、と言われたので学生証の名前を見せると納得してくれた。

 

 

 

 ――すると、

 

雪人「間に合った!」

 

康太「雪人! ここ!」

 

雪人「おう!」

 

 雪人も座ると、場内が暗くなり幕が上がる。すると、スクリーンにスリーズブーケの名前が表示され、真織先輩が出てくる。

 

 次に表示されたのはDOLLCHESTRA。明日美先輩と沙知が出てくる。

 

康太「沙知ーーーっ!!」

 

沙知「つ! ニコッ」

 

 続いて表示されたのはみらくらぱーく!の文字。美琴先輩が出てくる。

 

雪人「センパ〜イ!!」

 

美琴「フフッ」

 

 そして決めポーズ。いよいよ蓮華祭のスタートだ!

 

 

 まずはスリーズブーケ。真織先輩の披露するのは"素顔のピクセル"。アップテンポな曲調で、激しい振りのダンスだが、楽しいが詰まっている。

 

 

 

 次はみらくらぱーく!。披露するのは美琴先輩。

 黄色の着物のような衣装で披露する。全力で楽しむ! それが前面に押し出されて伝わってくるライブだった。

 

雪人「サイコーー!!」

 

 

 

 次はいよいよDOLLCHESTRA。明日美先輩と沙知が出てくる。

 シックーな曲調から繰り出される、クールでキレのあるダンス。沙知は、本当に楽しそうに歌い踊っていた。

 

康太「沙知ーーーっ!!」

 

沙知(つ! 康太に、もっと見てもらいたい!!)

 

 沙知のギアが上がった気がした。先輩も気づいてギアを上げて合わせる。突然のアドリブだが、それが逆にステージのレベルを引き上げる。

 

 ―――そして曲が終わったときには、観客が総立ちの拍手で見送った。

 

 そして少し時間が空き、先輩たちや沙知が全員ステージに出てくる。衣装が変わっていた。

 

明日美「それでは、聞いてください!」

 

スクールアイドルクラブ『"DreamBelieveres."!!』

 

 そして披露される4人の全体曲。この曲は、かつての蓮ノ空スクールアイドルクラブがラブライブで優勝した時に歌った曲らしい。そんな伝統ある曲を、4人は華麗に歌い、踊り、舞う。

 

康太「凄ぇ……!」

 

雪人「!!」

 

 

 

 

 そして、曲が終わり――、

 

スクールアイドルクラブ『ありがとうございました!!』

 

 俺達は席を立って観客席を出て、舞台袖に向う。

 

 

バンッ!

 

康太「沙知!」

 

沙知「康太!」バッ!

 

 沙知が飛びついてくる。目には涙が浮かんでいる。

 

康太「凄かった。沙知!」

 

沙知「ああ。才能のないアタシでも、努力でここまでやれたよ!」

 

康太「何いってんだよ、お前に才能ないわけ無いだろうが……ほんとに素敵なライブだった……」

 

沙知「ああ。なら……良かった」

 

 

 

雪人「凄かったよ……感動した!」

 

美琴「ありがとっ♪ ギュッてして?」

 

雪人「ギュ〜っ!!」

 

雪人が美琴先輩を抱きしめる。

 

美琴「ありがとうっ!満足じゃ!」

 

 

 

真織「まったく……」

 

明日美「さあ! みんな片付けよ! 後が支えてるんだからね!」

 

スクールアイドルクラブ『は〜い!』

 

康太&雪人「「俺たちも手伝います!」」

 

明日美「ありがと。じゃあやるよ!」

 

そして、俺たちの初めての竜胆祭は幕を閉じた。

 

 

― つづく ―




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