アメアガリグリーンとの初恋   作:松兄

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今回で1年生編は最後になります。
駆け足気味ですが、よろしくお願いします。

では、イッテミヨー!


俺と沙知の仲直り

 

 

 年も明けしばらく経ち、2月。

 

 蓮ノ空学院も3年生の卒業まであと1ケ月となった。

 サッカー部や他の部活動も3年生の引退と引き継ぎが行われ、新年度に向けて新体制で日々を過ごしていた。

 

 

 康太はあれから学校終わりは一人部屋に籠もり、日中は授業を受けて終わると同時に男子トイレで過ごして沙知と関わらなかった。

 

康太(………………………)

 

沙知(………………………)

 

 そんな日々が、2人の心にポッカリと穴を開けているにも知らずに。

 

 

 

 

 康太が次の授業を受けるためにトイレから出て教室に向う。――すると、

 

沙知「あ、こう――」

 

康太「………………」

 

 顔を俯かせて素通りする康太。それにより、さらに沙知の顔が暗くなる。

 

沙知(嫌われたのかな……………)

 

康太(あんな事した俺に、沙知に合わす顔なんか無ぇよ……)

 

 心のなかでは今も変わらずお互いを想い合っているのに、それをちゃんと話し合わないばかりにすれ違いになってしまっている。

 

雪人(大賀美………、康太………)

 

 雪人はそんな2人を見て辛くてたまらない。どうにかして2人を仲直りさせてやりたいと考えていた。

 

 

 

 

 ―――だが、

 

美琴「あんなやつしらないよ!」

 

真織「沙知ちゃんにあんな事したの許さない……!」

 

明日美「………………」

 

 美琴先輩と真織先輩はカンカン。明日美先輩も怒ってはいたが部活動の一部長として、あの状況で沙知のあの言葉に怒った康太の気持ちが分からなくは無いため複雑な状況。

 

 

 

 そしてある日の放課後―――

 

チームメイト「なあ、康太のやつまた部活でないのか?」

 

チームメイト「そろそろみんなキレるぞ……」

 

雪人「悪い。そっとしておいてやってくれ」

 

チームメイト「早いとこどうにかしてくれよ?」

 

 行ってしまうチームメイトたち。雪人は近くの壁を殴りつけた。

 

雪人「どうすりゃ良いんだ!!ガァアァアアンッ!!

 

 一旦冷静になる雪人。

 

雪人「いや、まずはお互いの話を聞かないとダメだな……」

 

 そして、雪人はスクールアイドルクラブへと向かった。

 

 

 

 

 

― スクールアイドルクラブ部室 ―

 

沙知「………………………」

 

美琴「ねぇ、沙知ちゃん。あんなやつ忘れなよ……」

 

真織「そうだよ……」

 

 沙知は目に涙を溜めながら首を横に振る。

 

明日美「沙知……」

 

コンコン

 

雪人「失礼します」

 

美琴「あ、雪人………」

 

雪人「すみません先輩。もしかしたら、気分を害すかもしれないんですけど、大賀美に聞きたいことあって………」

 

真織「聞きたいこと?」

 

雪人「康太のことです」

 

美琴「それは……」

 

雪人「お願いします。大賀美を傷つけることは聞かないんで」

 

真織「約束できるね?」

 

雪人「はい!」

 

 俺がそう断言すると、先輩たちが大賀美の対面に座らせてくれる。

 

雪人「大賀美………」

 

沙知「……………………」

 

 相当重症だなこりゃ……

 

雪人「大賀美、俺が聞きたいことは1つだ。大賀美自身は、もう康太の事は嫌いになったか? もう話したくないくらい……」

 

美琴「そんなの……「そんなわけ無い!」え?」

 

 大賀美が声を張り上げる。これでもかと心からの叫びがこぼれる。

 

 

 

 

沙知「アタシが先に康太を傷つけてしまったんだ! アタシが……人の感情にもう少しでも気を配れてたら、こんな事にはならなかった!!」

 

真織「沙知ちゃん………」

 

 大賀美は、目に涙を溜めながら声を振り絞る。

 

 

 

沙知「アタシは……康太と仲直りしたい………!」

 

 泣きながら、たしかに大賀美はそう答えた。なら、やる事は1つだな。

 

雪人「大賀美、なら―――、」

 

 

 

 

そして次の日の放課後。俺は康太を教室に呼び出した。

 

雪人「来たな………」

 

康太「なんだよ……話って。俺を笑いものにしたいのか?」

 

 コイツ、こんな捻くれたやつじゃないだろ……。

 

雪人「無理して悪者やるのはやめろ。俺が聞きたいのは1つだ」

 

康太「なんだよ……」

 

雪人「お前は、もう大賀美とこれっきりにするつもりか? それがお前の望みなのか?」

 

康太「は?」

 

雪人「お前は仲直りする気も起きない臆病者なのか? って聞いたんだよ……「てめぇ!!」何すんだよ!」ドカッ!

 

俺は康太を思い切り殴る。

 

 

 

 

康太「こんの野郎!!」バキッ!

 

 康太も俺を殴る。足を使わないのはサッカー部としてのプライドか……。

 

雪人「お前みたいな臆病者、サッカー部にいても邪魔なだけだ! とっとと辞めちまえ!」

 

康太「分かったような事言うんじゃねぇよ! 俺だって……できるなら沙知と仲直りしてぇよ!! けど、もう無理に決まってんだろ! 俺はあんなことしたんだぞ!? とっくに愛想つかされてるに決まってんだろ!! 俺はもう……アイツに合わせる顔が()ぇんだよ!!」

 

 殴り合いの乱闘になる俺と康太。お互いの胸ぐらを掴み合い

康太の想いを全部ぶつけさせる。

 

 ったく、世話の焼ける奴だ。

 

雪人「だってよ? 大賀美」

 

康太「………は?」

 

 雪人の言葉と同時に、教室の俺達が居る方とは逆側の扉が開き、沙知とスクールアイドルクラブの先輩たちが入ってくる。

 

康太「!」

 

 そう。昨日の部室で―――、

 

 

 

 

 

雪人「その言葉が聞ければ十分だ。大賀美、明日の放課後、俺が康太を教室に呼び出して想いを全部ぶちまけさせるから。それを聞いたら入ってきてくれ」

 

 

 

 

 そしてそれは、全て上手くいったのだ。

 

康太「お前!」

 

 ハメられた……。

 

雪人「大賀美、康太はお前と仲直りしたいそうだ。お前の答えはどうだ?」

 

沙知「康太………」

 

康太「つ、沙知………」

 

 気まずさから、康太は顔を背ける。しかし沙知は、優しく康太の手を取る。

 

 

 

 

沙知「アタシは、愛想つかしてなんかないよ? いや、それどころかアタシが先に康太を傷つけたんだ。謝るのはアタシの方だ」

 

康太「違う! 俺がお前にあんな事したのが全部悪いんだ! 沙知は悪くない!」

 

 康太と沙知が自分が悪い自分が悪いと譲らない。――すると、

 

雪人「どっちもどっちだっつーの」

 

康太「はぁ!?」

 

沙知「雪人!」

 

雪人「お互いに相手を傷つけてしまって、二人とも仲直りしたいと思ってる。だったら、それでいいじゃん。難しく考えすぎなんじゃねーの?」

 

 ……ったく、

 

康太「お前の無神経さには呆れるよ……」

 

沙知「そうだよ。アタシたちはデリケートなんだ」

 

雪人「あれ!? 急に息ぴったりじゃね?!」

 

 ショックを受ける雪人。けど、コイツには感謝しないとな。

 

康太「沙知、ほんとに悪かった!!」

 

沙知「アタシこそ……ゴメン」

 

 

 

 

 お互いに頭を下げ合う。先輩たちはまだ御立腹だが、

 

美琴「……アタシはまだ許してないからね」

 

真織「…………………」

 

康太「はい………」

 

美琴「でも、当人の沙知ちゃんの意思を無視してまで"嫌!"っていうのも違うと思うから、取り敢えず保留にしてあげる」

 

真織「感謝しなさいよ?」

 

康太「はい。寛大な処遇……感謝します」

 

明日美「まったく………康太くん?」

 

康太「はい………」

 

明日美「アタシは、アタシのパートナーを傷つけたアナタを正直許せない。けど、沙知の言葉にも問題があったことはわかる。―――だから」

 

 何が来るんだろう。俺が身構えると、

 

 

 

 

明日美「あなたの高校3年間を使って、沙知を支え続けなさい! 途中で辞めたり放棄したら、ぜったいにゆるさないから……」

 

康太「つ! はい!!」

 

雪人「ったく。世話のかかる2人だな」

 

康太「悪い雪人。世話かけた」

 

沙知「ありがとう。雪人」

 

雪人「良いって。友達だろ?」

 

 本当に、最高の友達を持ったな。

 

 

 

 

 ――すると、

 

沙知「あ、そう言えば……康太。コレ……」

 

 沙知はラッピングされた小箱を渡してくる。

 

沙知「わたせるかどうか不安だったけど、渡せて良かった。今日は何月何日だい?」

 

康太「え? 2月14日………あ!」

 

 忘れてた。今日はバレンタインデーだ。

 

沙知「康太……ハッピーバレンタイン!」

 

 

 

― つづく ―




作中時間では1ヶ月半近くの間2人はすれ違っていました。雪人くんの超ファインプレーでしたね!

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