トガちゃんは元暗殺者   作:ぶらっきー

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#13 ヒーローネームの時間

 

雄英体育祭は事前にあった通り、当日体調不良によって参加できないということで不参加となりました。毎年入試の1位が選手宣誓をすることになってたみたいですが、代わりに2位のかっちゃんが宣誓していました

 

『せんせー、俺が1位になる』

 

あまりにもかっちゃんらしい宣誓でした。そうやって自分にヘイトを集めることで己にあえてプレッシャーをかけていくスタイルは素直に称賛します。言動には難ありですが。

 

結果としては宣言通り1位になりましたが、決勝戦の轟君との戦いは消化不良を起こして文句ブーブーでした。表彰式の姿は一周回って笑いがこみ上げてきましたね。

 

「一応優勝はしたのですからお祝いの言葉くらいは送っておきますかね」

 

そう思い先日家に送ってもらった際に交換した連絡先にメッセージを送っておきます。するとすぐに『テメェがいねぇんだからこんなん仮初の勝利だ。来年はテメェを倒して完全勝利してやるわ。首洗って待っとけ』と返信が来ました。血気盛んですこと…

 

 

 

~*~*~

 

 

 

ということで体育祭も終わり休息日を挟んで登校日です。他の人たちは体育祭で活躍したのもあって結構声かけられてるみたいですが、私は出てないですからそういったものはありません。もし出てたとしても気配を消すので気づかれないと思います。

 

「来る途中超声かけられた!!」

「私も、ジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」

「俺も!」

「俺なんか、小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」

「ドンマイ」

 

教室に入ると、皆さん道中に声をかけられたりしたと盛り上がっていました。私に気を使って話を終わらせてしまうのも申し訳なかったので気配を忍ばせて自分の席に座ります。しばらくして先生の気配が近づいてきたタイミングで薄めていたのを解除します。

 

「おはよう」

『おはようございます!』

「先生ギプス取れたのね。良かったわ」

「ああ。んなことはどうでもよくて、今日のヒーロー情報学はちょっと特別だぞ」

 

その言葉で皆に緊張が走ります。よくあるいきなり小テストします的な感じなんですかね?

 

「"コードネーム"、ヒーロー名の考案だ」

『胸膨らむヤツきたああああ!!』

「というのも先日話した"プロからのドラフト指名"に関係してくる。指名を本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2、3年から…つまり今回来た"指名"は将来性に対する"興味"に近い。卒業までにその興味が削がれたら、一方的にキャンセルなんてことはよくある」

「大人は勝手だ!」

「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」

「そういうことだ。で、その指名の集計結果がこうだ」

 

集計結果の一覧が表示されます。やっぱり上位の人気が圧倒的ですね。かっちゃんも結構な数の氏名が入ってますね。

 

「例年ならもっとばらけるんだが、2人に注目が集まった」

「だ~白黒ついた!」

「見る目ないよねプロ」

「というか…渡我に5件!?体育祭出てないのにどうして?」

「ヒーローランキング上位の事務所には入試の成績も渡してある。そこから判断して指名をしてきたんだろう」

「流石入試1位は伊達じゃねぇってことか…」

 

正直私自身も指名が入っていたことにびっくりしてます。一体どこの物好きが私を指名したんでしょうかねぇ…。

 

「これを踏まえ指名の有無関係なく、いわゆる職場体験に行ってもらう。お前らは一足先に経験してしまったが、プロの活動を実際に体験してより実りある訓練にしようってこった」

「それでヒーロー名か!」

「俄然楽しみになってきたぁ!」

「まあ仮ではあるが適当なもんは――」

「付けたら地獄を見ちゃうえわよ!!」

 

相澤先生の言葉を遮ってミッドナイト先生が登場しました。相も変わらず際どいコスチュームに惜しげもなく披露されたセクシーポーズ。峰田君辺りは興奮してますが、私はビッチ先生で見慣れてしまいましたし、むしろビッチ先生の方がより魅力を感じましたね。相手に対して何が有効になるか理解した上で行っていたので手慣れてました。

 

「この時の名が!世に認知されそのままプロ名になっている人多いからね!!」

「まぁそういうことだ。その辺のセンスはミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん。将来自分がどうなるのかを名をつけることでイメージが固まり、そこに近づいてく。それが"名は体を表す"ってことだ。『オールマイト』とかな」

 

話すことは終わったとばかりに寝袋に潜っていきました。それにしてもコードネームですか。元E組でもコードネームを考えて実際に呼び合いながら訓練をしましたね。懐かしいなぁ…。

 

 

 

~*~*~

 

 

 

 

「じゃ、そろそろ出来た人から発表してね」

 

その一言で皆に緊張が走ります。まさか発表形式とは思ってもみず、中々に恥ずかしい感覚があります。とは言え、私はまだ思いついてはいませんが。E組時代のコードネームをそのまま流用、なんてことは出来ません。というかしたくありません…。

 

「僕から行かせてもらうよ……輝きヒーロー"I can not stop twinkling(キラキラが止められないよ) ☆"」

『短文!?』

「ん~、そこはIを取ってcan'tに省略した方が呼びやすいわ」

「それね、マドモアゼル☆」

 

え、根本的な改善ではなく部分的な修正で終わりなのです?短文はそのままいっちゃうんですか!?というかそれで本当にいいんですか!!?

 

そんなこんなで発表は続きました。三奈ちゃんの大喜利のようなものから梅雨ちゃんのちゃんとしたものまで様々なヒーローネームが出てきました。

 

「インゲニウムⅡ!兄の意思を継ぐ第2のインゲニウムとなります!!」

「いいじゃない!」

「ありがとうございます!」

「さて、後残ってるのは爆豪くんと、緑谷くん。そして、渡我さんね」

 

意外とスムーズに発表が進んでいて、このままだと最後になっちゃいます。けど中々これっていうのが思い浮かばないんですよね…。

そんなことを考えていたら隣のイズク君が教卓に向かっていきました。手に持つフリップボードには大きく”デク”と書かれていました。

 

「緑谷、いいのかそれ!?」

「うん、今まで好きじゃなかった。けど、ある人に"意味"を変えられて…僕には結構な衝撃で、嬉しかったんだ。だからこれが、僕のヒーロー名です」

 

 

――いつまでも雑魚で出来損ないの"デク"じゃないぞ……"「頑張れ!!」って感じのデク"だ!!

 

 

あの戦闘訓練の時に言っていたことですかね?きっとそのある人っていうのはお茶子ちゃんのことですかね。青春してますねぇ。かっちゃんも何も言わずじっとイズク君を見ているみたいです。イズク君の発表が終わるとかっちゃんが教卓に行きました。

 

「爆心地ヒーロー、ダイナマイト」

「あら、いいじゃない。個性に関連させられていて認知されやすいでしょうね」

「ああ…」

 

それだけ言って自分の机に戻っていきました。…?意外と静かですね。何か思うところがあったんでしょうか?

 

「後は渡我さんだけだけど、どうかしら?」

「あ、すいません出来てるんで発表しますね」

 

かっちゃんの雰囲気に対して考えてて忘れてましたが、残ってるの私だけでしたね。結局最後になっちゃいましたが、結構いい名前になったんじゃないかなと思います。

 

「私は”変身ヒーロー マスカレイド”にしてみました」

「マスカレイド。仮面舞踏会を指す言葉だけど、どうしてそうしたのかしら?」

「私の個性は血液を摂取した人になれます。それって自分とは違う仮面を被っているのと変わらない。そう考えると私は様々な仮面を被っていくことになります。その全てを持って舞踏会で踊るように人々を守るだけじゃなくて、私という存在が見えないところで苦しんでる人に、楽しさや嬉しさを感じてもらえるようなヒーローになりたい。そんな思いでこの名前にしました」

「…とてもいい考えね。素晴らしいわ」

「ありがとうございます」

 

こうして無事全員のヒーローネームが決まって授業は終わりました。

 

 

 

~*~*~

 

 

 

「渡我、ちょっといいか」

「はい?なんでしょうか」

 

職員室に提出物を届けに来ていると相澤先生に呼び止められました。…私何かしましたっけ?

 

「職業体験の指名に関してなんだが、現状でいいどこを希望している」

「今のところは”防衛省”を第1希望にしてますね。知り合いもいますし、勝手も多少は分かるので」

「…そうか。ちなみに他の事務所も見ているのか?」

「他に指名が来てたのは、ホークス、ベストジーニスト、エンデヴァー、そして――」

「俺だ。基本的に教師が指名するなんてことは早々ないんだが、特例で指名させてもらった」

「そうだったんですね。それにしてもランキング上位から指名が入ってるとは思いもしませんでしたよ」

「3人とも成績の情報だけでなく、例の件に参加していたメンバーだからな。実際にお前の実力を知りたいんだろうな」

「なるほど。ですが今の自分の置かれている状況を考えると防衛省が1番なんですよねぇ…」

「…それもそうか。引き留めて悪かったな。行っていいぞ」

「はい。失礼します」

 

職員室を出た私は教室へ向かいながら先ほどの話のことを考えます。

 

(私の置かれている状況の話をしているときに波が大きく振れた。恐らく私の情報が敵に漏れていることを危惧しているんでしょう。それに、第1希望としている防衛省はヒーローとの関わりがあまりないので、お互いの情報が伝わりづらい。それに加えて柳沢さんと鷹岡先生の誘拐もあって先生が防衛省を信頼できていないのかもしれませんね。故に自分の近くにおいておきたいのでしょうか?私を守るために)

「…優しい、いい担任の先生に恵まれてますね」

『そうですね!』

「うわっ!りっちゃん驚かさないで下さい…。仮にも国家機密なんですからあまり人の目があるかもしれないところでスピーカーで話しかけないで下さい」

『大丈夫です!しっかり周囲に人がいないことを確認していますので!』

「そうですか…」

 

教室までの少しの間、りっちゃんとの会話を楽しみました。ここ最近こういった元E組の面々と話す機会もなかったので、あの頃に戻ったみたいで嬉しかったです。久しぶりに他の人にも連絡を取ってみましょうかね?

 




いかがでしたでしょうか?

体育祭は作者の表現のなさ故に犠牲になりました…。というかサクサク次に進めたいという欲もあって端折っちゃいました。展開自体も、デク君強化したところで出力が低いので轟君には勝てないんじゃないかと思うので変わらないとみています。強いて言えばケガの具合が緩和される程度…かな。

ヒーローネームに関しては、飯田君がお兄さんがステインがいないことで現役で活動していますのでインゲニウムⅡに変更しました。
トガちゃんに関しては、普通にそのまま『トガ』も考えたんですが、せっかくならちゃんとヒーローネームつけてあげたいなと色々と考えてつけてみました。解釈違いの方もいるかもしれませんが、ご了承くださいませ…(´;ω;`)

次回から本格的に職場体験に入っていきます。…一体どんな展開になるのか!!お楽しみに
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