「今回の期末テストだが、残念ながら赤点が出た。したがって今回の林間合宿は―――全員行きます」
『どんでん返しだああああ!!!』
演習試験で条件を達成できなかった面々が涙を流していたのが嘘のようなテンションの上がり方です。気持ちは分からなくもないですが…。
「今回は筆記の赤点者はゼロ。演習試験で芦戸、上鳴、切島、砂藤、そして瀬呂が赤点だ」
「だ~やっぱかぁ…」
「条件を達成しても必ず合格とは言ってなかったものね」
「全員で行くとは言ったが、赤点は赤点だ。別途補習時間を設けてる。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな。じゃあ合宿のしおり配るから後ろに回してけ」
赤点のメンバーのテンションは一気に落ち込みました。いくらなんでも情緒の浮き沈みが過ぎませんか…。
その日の放課後。話題はもちろん林間合宿についてです。
「まぁ何はともあれ全員で行けて良かったよ」
「一週間の強化合宿か~!」
「結構な大荷物になるね」
「水着とか持ってねーや。色々買わねぇとなぁ」
「暗視ゴーグル」
修学旅行などと違って一週間皆さんと一緒に寝食を共にすることなんて中々ないので、私も少しテンションが上がってます。それと峰田君は暗視ゴーグルなんて何に使うつもりです…?
「あ、じゃあさ!明日休みだしテスト明けだしってことで、A組みんなで買い物行こうよ!」
「おお良いなそれ!!何気にそういうの初じゃね!?」
「おい爆豪、お前も来いよ!」
「行くかよ、かったりぃ」
「轟くんも行かない?」
「ワリィ、休日は見舞いだ」
「ノリが悪いぞ空気読めよKY男共ぉ!」
「かっちゃんはともかくショート君はしょうがないと思いますけど…」
たしかにかっちゃんが友人と買い物ってあんまりイメージ湧かないですけど、誘ってくれる人がいるんですからそういった人は大切にした方がいいですよ?って、なんだか親目線で話してるみたいになっちゃいました。ともかく明日は皆で買い物です!
~*~*~
とあるバー。カランコロンと来客を告げるベルの音が部屋に響く。
「…義爛か」
「よう死柄木さん。こっちじゃ連日アンタらの話で持ち切りだぜ?な~んかでけぇ事でも始まるんじゃねえかって」
「そいつはどーも…。で、そいつは誰だ?」
「…」
「こいつはある人から譲り受けたもんだ。今回は紹介って感じだな。大した犯罪歴はないが、個性は有用だ」
「お前、名前は」
「…今は荼毘で通してる」
「通すな。本名言えよ」
「…言うべきときが来たら話してやるよ。ともかく、俺は今のヒーロー社会をぶっ壊してぇんだ」
「へぇ、どうやってそれを叶える」
「今はまだ時じゃない。だが確実に根底から覆す。俺はそのジョーカーだ」
「…一応のビジョンはあるわけか。いいね、気に入った。義爛、こいつを俺にくれ」
「いいぜ。最終的にはそのつもりだったしな」
「あと何人か人をくれ。そうすりゃ最低限マシにはなる」
「あいよ。今後とも御贔屓に」
そう言うと死柄木は部屋を出ていく。その先にあるのは光か、闇か…。
~*~*~
「ってな感じでやってきました!県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端!木椰区ショッピングモール!」
翌日、皆さんと一緒にやってきたのは木椰区ショッピングモール。透ちゃんの言った通り、多くの店舗があるので欲しいものは大抵揃いそうです。休日ということもあって大勢のお客さんで賑わってます。
「お、雄英生じゃん!?1年!?体育祭ウェー-イ!!」
「ウェーーイ!!」
「まだ覚えてる人いるんだね…」
「それにしても何買う?」
「俺アウトドア系の靴ねぇから買いてぇんだけど」
「あー私も私もー!」
「靴は履きなれた物としおりに書いて…あ、いや、用途に合ったものを選ぶべきなのか…!?」
「ピッキング用品と小型ドリルってどこに売ってんだ?」
「何に使う気だお前」
「目的バラけてっし、時間決めて自由行動すっか!」
ということで各自必要なものを買うために別行動することになりました。私はシャンプーなどの消耗品を買ったら終わりだったので、他の人と合流するまでブラブラとウィンドウショッピングをするつもりでした。あ、せっかくですしスノーバックスの新作フラペチーノでも飲みに行ってみましょう。スイカのやつ気になってたんですよね。
「ようトガヒミコ。暇そうだな」
「え、テンコ君?」
「ふらついてたらお前が見えたんでな」
「そうなんですね。今からスノバ行こうと思うんですけど、よかったら一緒にどうです?前回出してもらいましたし、今回は私が出しますよ」
「…行く」
まさかまさかのテンコ君と会いました。テンコ君もブラブラしてたみたいなので一緒にスノバに行きました。私は新作のスイカ、テンコ君はコーヒーを頼みました。せっかくですしいつもと違うやつ頼めばいいのにと言ったら。下手なもの頼んで失敗したくないと返されちゃいました。次来た時にはキャラメルのやつを勧めてみましょうかね。1番人気ですし外れないはずです。
「早速だが、先生を倒す手筈が整ってきた」
「良いじゃないですか。どんな作戦で?」
「基本的には俺と黒霧しか動かない。他のメンバーもいるが、あくまで保険だ。俺はこれまでの期間で自分の個性の制御に力を入れた。結果、まだ未完成だが”個性のみを崩壊させられるようになった”」
「…なんですかその才能の開花の仕方。普通にチート過ぎません?というかそれどうやって鍛えたんです?」
「脳無を使った。おかげで7体も無駄にしちまったよ」
「ああ…まあ、それなら…」
「あわせて発動も任意に行えるようになった。1番の進歩はこれだろうな」
「いやいや、個性のみの崩壊が可能って言われた後じゃ霞んじゃいますって…」
その後先生がまた動いていることも教えられました。次の機会に備えて人を集めているのだとか。次は今まで以上に大きなことが起きるかもしれないので警戒しろとのことでした。…今更ですが、一応テンコ君て今は敵ですよね。しかも結構ワルの。そんな人から敵に気をつけろって言われるのって普通におかしいですよね。まあ気をつけますけども。
「それじゃあ俺はそろそろ行く。コーヒーご馳走様」
「はい。またお話ししましょう」
その後は三奈ちゃん達と合流してウィンドウショッピングをして集合場所に集まりました。たまにはこういったお出かけもいいですね。え?なんで敵がいたのに通報しなかったんだって?ちゃんとステイン先生と烏間先生には報告入れましたよ?それに今回はなにも被害を出してないんですし良くないです?それに向こうだってある程度信頼して会いに来てるんですから、その信頼を裏切るようなことできません。
~*~*~
『へ~、結構面白そうなことになってんじゃん。俺も雄英いっときゃよかったかな』
「全然面白くないんですけど。それにカルマ君は椚ヶ丘で本校舎の人を嘲笑うんじゃなかったんです?」
『別に主目的それじゃないんだけど』
ショッピングモールでの件から1週間後。明日は待ちに待った林間合宿です。準備も一通り終わって後は寝るだけというタイミングでカルマ君から電話がかかってきました。軽く世間話をしているうちに、話題は林間合宿の話に移っていきます。
『合宿ではどんなことすんの?』
「詳しい内容は知りませんけど恐らく個性伸ばしをすることになるんじゃないですかね?」
『個性伸ばしねぇ。殺せんせーとやってたあれね』
「あの時は変身に重きを置いていましたけど、変身した人の個性が使えるようになったのは嬉しい誤算でしたね」
『それで暗殺にも幅が広がったよねぇ』
「そうですね。ビッチ先生にも動きに関して色々教わったので偽装はバレにくくなりましたしね」
『いや~面白かったねぇ』
「何回カルマ君のイタズラに巻き込まれたことか…。こっちの身にもなってくださいよ」
『でも教わったことを実践するにはいい機会だったでしょ?』
「それはそうですけど…」
『とりあえず、合宿楽しんできなよ。また今度成果を教えてね~』
「分かりましたよ。おやすみなさい」
カルマ君との通話を終えて布団に潜り込みました。明日からの林間合宿、とても楽しみです!
いかがでしたでしょうか?
次回から林間合宿に入っていきます。展開どうしよう…
お楽しみに