トガちゃんは元暗殺者   作:ぶらっきー

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皆様大変お待たせしました!!

林間合宿2日目です!!


#21 林間合宿の時間(3)

合宿2日目は朝日が昇って間もない早朝から始まります。

 

「おはよう諸君。早速だが今日から本格的に訓練に入っていく。今回の合宿の目的は全員の強化及び、それによる仮免の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かう為の準備だ。心して臨むように」

 

相澤先生の言葉に皆さん息をのんでいます。この合宿相当きついことをするんだなぁとは気配でなんとなく察しているんだと思います。

 

「というわけで爆豪、これ投げてみろ」

「それって…」

「個性把握テストのソフトボール?」

「入学直後の記録は705.2m…どんだけ伸びてるかな」

(…なるほど、そういうことですか)

 

この3ヶ月の間で色々なことを経験してきましたが、入学時と比べて技術は身についてきましたが個性そのものはまだまだ成長途中ってことですかね。

 

「んじゃ…ウオラァ!!!」

 

お、煙が前に比べて少ないですね。ちゃんと前に言ったこと練習してるみたいです。まあだとしても…

 

「――730.6m」

「あれ?」

「伸びてはいるけど…」

「あんまパッとしえねぇな?」

「…入学からおよそ3ヶ月。様々な経験を経て確かに君らは成長しているが、それはあくまで精神面や技術面。後は多少の体力的な成長がメインで、個性そのものは今見た通りそこまで成長していない。だから、今日から君らの個性を伸ばす。死ぬほどキツいが、くれぐれも死なないように」

 

 

 

~*~*~

 

 

 

ということで始まった個性伸ばし訓練。それぞれに個性の課題が言い渡され、それをただひたすらに続け個性を酷使しまくって限界値を上げていく。中々に脳筋プレイです。それを支えるのはプッシーキャッツの皆さん。ラグドールさんの個性『サーチ』で見た人の弱点を把握。ピクシーボブさんの個性『土流』でそれぞれの訓練に適した場所を形成し、マンダレイさんの個性『テレパス』で複数人同時にアドバイスをしていき、虎さんが殴る蹴るの暴行…。最後だけ不穏すぎて怖いですが、ちゃんと訓練としては成立してます。

かく言う私も訓練を始めたいのですが…

 

「う~ん…」

「…?」

「あなたの個性の弱点は血を摂取できないときだとは思うんだけど、既に戦闘スキルは持ってるから十分戦えるにゃ」

「ということは、現状弱点という弱点がない…?」

「そういうわけでもないにゃ。そうなれば個性そのものを伸ばしていけばいいにゃ。にゃんでも2つの血液を飲んだら、たまにどっちの個性も使えるようになるんだっけ?」

「ああ、デュアルフォームのことですね。一応できますが感覚的な部分が多いので、狙ってできるものじゃないんですよね。色々制約もあるんで訓練して任意に行えるものでもないですし」

「そうなの?」

「はい。同じ血液を使っても個性の使用頻度やその日の体調でデュアルフォームができるタイミングは変わりますし、判定そのものがあまりにもシビアなので、今の成功確率10%っていうのもよくここまで確率を上げれたと思っているくらいです」

「そうなのね…」

「なので個性伸ばしは一旦置いておいて、機動性の向上を目指したいな思うんですがどうでしょうか」

「…まあ、やることがないよりはいいかもしれないにゃ」

「ありがとうございます。ということで相澤先生、捕縛布の扱い方を教えてくれませんか?」

「…理由は?」

「私のサポートアイテムに捕縛布と同じようなことができる包帯があります。今までは先生の動きを見様見真似で誤魔化してましたけど、いい機会なので直接指導してもらえればもっと幅が広がるんじゃないかなと思いまして」

「なるほどな…。ちょっと待ってろ」

 

そう言って相澤先生は宿舎に戻っていきました。しばらくして戻った先生の手には捕縛布がありました。なんでも普段から長期の移動の際は予備を持ち歩いているんだとか。さすが先生、準備がいいですね。

 

「先に言っておくが、俺は常にお前についてやることはできない。なるべく指導できるようにはするが基本的には個人でやってもらうことになる」

「大丈夫です」

「よろしい。…じゃあ早速だが今のお前ができるレベルを見たい。ついてこい」

 

早速訓練開始です。森の方に移動して、先生は捕縛布を器用に扱いながらスルスルと移動していきます。それに倣って私もついていきます。普段の包帯と比べて伸縮性は劣りますがその分目測を誤らないで済むので、移動に関していえばこっちの方が使い勝手はいいです。イトナ君にせっかく作ってもらったのに申し訳ないですが、この捕縛布普通に普段使いしたいですね。作ってもらってから言うのもあれですが、そもそも移動に使った包帯をそのまま手当に使うって衛生的に良くないなと思ってしまいました…。イトナ君本当にごめんなさい。

 

「この程度は普段からやってるから問題なさそうだな。次行くぞ」

「はい!」

 

次に行ったのは捕縛。手ごろな丸太を投げてもらい、それを捕縛布を用いて掴むというもの。言うのは簡単ですが、実践してみるとこれが意外と難しい。動いている物体に捕縛布を絡めて拘束するのってこんなにも高度な技術だとは思いもしませんでした。

 

「意外と手こずってんな。案外すんなりクリアしてくると思ってたが」

「私にだって苦手なことくらいありますよ~だ」

 

中学時代でも射撃に関しては下から数えた方が早いくらいには苦手でした。人並みには出来ますが、プロの域ではどうしても後れを取ってしまいます。代わりにナイフ術は好成績でしたけどね。

 

「今日は動いているものを拘束する訓練を続けろ。それが出来なきゃ捕縛布を使ってる意味がねぇ」

「了解です」

 

その後は先生がいるときは丸太を投げてもらい、いないときは捕縛布を使って丸太を投げてそれをキャッチする練習をしていました。最初は移動に便利だな程度に考えていましたが、実際に扱ってみると奥が深い代物でした。これは確かに完全に扱えるのには苦労しますね。

 

 

 

~*~*~

 

 

 

「昨日言ったよね!世話焼くのは今日だけだって!!」

「自分で食う飯くらい己自身でつくれ!カレー!」

「「イ、イエッサー…」」

 

夕方になり、個性伸ばしも終わってヘトヘトの生徒たちに与えられたミッションは夕飯づくりです。心身ともにボロボロの人ばかりで動きがいつもより鈍くなってますね。私ですか?捕縛布の扱いをメインでやっていたので、疲労はありますけど普通に動けますよ?

 

「うわ、ヒミコちゃんすごい包丁さばきだね!」

「そうです?あまり気にしたことなかったですけど」

「ケロ、確かに上手ね。普段から料理をするのかしら」

「一人暮らしなので自炊はよくします。そんなに凝ったものはしませんけど、色々作ったりはしますね」

「へぇ~!!」

 

そんな話をしている間に一通りの具材は切り終えたので、隠し味にリンゴでも入れますかね。リンゴをすりおろしてカレーに入れると味に深みが出るのだとか。一緒にはちみつも入れると、甘みも出つつお肉が柔らかくなると中学時代の調理実習で寿美鈴ちゃんが話してました。

 

そんなこんなでなんとかカレーが完成しました。今回は甘口と辛口の2種類を作りました。私は辛口でも全然食べれますが、せっかくですし、自分が関わった甘口のカレーをチョイスします。

 

「あれ、イズク君どこに行くのです?」

「あ、渡我さん。ちょっと洸汰君のとこにカレーを届けようかと思って…」

「そうだったんですね。…確かに見当たりませんね。どこにいるか心当たりはあるんですか?」

「さっきあっちの森の方に歩いていくのが見えたから多分そっちの方かなって」

 

イズク君が指さした方向を見ると、確かに森の方に入っていったみたいです。あっちの方向には確か洸汰君の秘密基地がありましたかね。

 

「そうですか。暗くなってきてるんで足元に気を付けて下さいね」

「うん、ありがとう」

 

私は特に洸汰君のことは話さずにイズク君を送り出します。洸汰君のことを話せば、きっとイズク君は色々と動いてくれるだろうとは思います。でもそれは能動的に動く彼にとってはいらないお世話な気がしました。そんなことをしなくても彼は洸汰君に手を差し伸べるはずです。なので変に情報は与えず、イズク君から聞かれたときに話そうと思います。

 

(まあイズク君自身色々と抱え込なじゃう節もあるので、パンクしちゃわないか心配はありますけどね。)

「さ、私もカレーをいただきますかねぇ」

 

隠し味がどんな感じになったか、気になります!

 

 

 

~*~*~

 

 

 

「早速で悪ぃな」

「全然構いませんけど、疲労もあるでしょうし、今日は軽めにしておきますね」

「助かる」

 

夕飯も食べ終わり、今日も今日とて特訓をしようと思っていましたが、せっかく昨日声をかけてもらったので一応轟君にも声をかけてみました。昨日の今日ですし訓練後の疲労もあると思いますので断られると思いましたが、まさかの快諾でした。むしろ元々自分から声をかけるつもりだったのだとか。大した胆力ですね…。

 

「今から行うのはフリーランニングです。本来は自分の身体全体を使って、障害物を飛び越えたりアクロバティックな技を見せたりするそうですが、私たちがするのは木々や建物といった障害物がある中でも容易に移動できるようにするための技術です。どちらかと言えばパルクールの方が近いですかね」

「なるほどな。とりあえず何から始めればいいんだ?」

「いきなり私の動きについてくるってのは無謀なので、木登りをした後近くの木に飛び移る訓練をしてみましょう。慣れてきたら適宜指示を出しますね」

「分かった」

 

早速近くの登りやすそうな木を探してチャレンジしてもらいます。登り始めは覚束ない感じでしたが、慣れてくると意外とスルスル登っていっちゃいました。中学の時も思いましたけど、男の子ってこういうの得意なんですかね?

 

木登りに慣れてきたら、今度は木々を移動する訓練です。とは言っても、飛び移るだけであれば移動先の木の強度を見極められればすんなりと出来ます。ですが飛び移りながら移動するとなると話が変わってきます。移動先の木だけでなく、周囲や次に移動する先の状況の確認、飛び移る際の姿勢や力加減、次の動作に移るまでの予測等常に考えながら動かなければなりません。これが戦闘中となれば敵の気配や音にも気を配らないとなので、更に難易度は跳ね上がります。

 

「うおっ!?」

「っとと、今のは惜しかったですね」

「…悪ぃ」

 

今みたいに踏み外して落下しそうになった際は、捕縛布で拘束してゆっくり地面に降ろしてあげてます。これも意外といい訓練になってますね。ん~、訓練後の疲れているのに加えて、慣れない動きというのもあって疲労が溜まってきてるみたいですね。パフォーマンス力が落ちてきて失敗が増えてきてます。

 

「流石に疲労も溜まってきてますし、今日はここまでにしておきましょうか」

「ああ。明日も頼めるか?」

「明日の訓練での疲労次第ですが、それでも良ければ」

「助かる。明日も早ぇし、さっさと宿舎に戻るか」

「ですね」

 

これ以上は大ケガをしてしまいかねませんから今日はここまでにして宿舎に戻ります。宿舎に戻ると皆部屋でくつろいでました。三奈ちゃんの姿が見えませんでしたが、恐らく補習ですかね?昼間できない代わりに睡眠時間削って補習とは、相澤先生も鬼ですね…。

 




いかがでしたでしょうか?

仕事が忙しくなっていたのとモチベ低下もあって執筆がだいぶ遅くなってしまいました…。
早く次へ進みたい気持ちもあるんですが、中々筆が乗らない今日この頃です。それでも少しずつ執筆は続けていきますので、引き続きよろしくお願いいたします!!
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