トガちゃんは元暗殺者   作:ぶらっきー

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筆が乗るうちにどんどん書いていきます…!

林間合宿3日目!ついにアイツが…


#22 林間合宿の時間(4)

 

さて、今日も今日とて個性伸ばし訓練です。昨日に引き続き動いている物体を捕縛布で掴む訓練をしていますが、昨日の訓練と轟君の特訓に付き合っている間にコツを掴めたので8割程度掴めるようになりました。

 

「大分慣れたみてぇだな。じゃあ次、自分自身も移動しながら動いてるものを捕縛してみろ。ついてこい」

 

そう言って別の場所に移動します。移動した先ではB組のレイ子ちゃんが訓練してました。傍らでブラドキング先生が訓練を見ています。

 

「ブラド、柳を渡我の訓練に使いたいんだが良いか」

「イレイザーか。どのような訓練を行うのだ?」

「柳の個性で操作する物体を、渡我が捕縛布を用いて拘束する。柳は物体操作の向上、渡我は動きながら捕縛する訓練になる。別々でやるより合理的だろう」

「ふむ、確かに合理的か…。柳はどうだ?」

「構いません」

「じゃあ渡我、今言った通り柳と一緒に訓練してくれ。また後で見に来る」

「分かりました。レイ子ちゃんもよろしくです」

「よろしく」

 

早速訓練に取り組みます。レイ子ちゃんの個性『ポルターガイスト』は人間1人分の重量まで物体を操作できる個性だそうです。物体は制限を越えなければ複数操作ができるそうなので、百ちゃんにお願いしてソフトボールを大量に作ってもらい、それを私めがけて攻撃してもらいます。

 

「っ!やっぱ複数個の操作はムズイ…!!」

「それでもこれだけの数動かせるだけでも!充分、だと思いますけど!ね!!」

「それを軽々と捌いてる人に言われても説得力ないわ。…全く、ウラメしいわね」

「誉め言葉として、受け取っときます!!」

 

操作に慣れてもらうために初めは2個からスタートしましたが、あまりにもあっさりクリアされてしまうため、対抗心に火が付いたのか気づけば8個同時操作まで可能になりました。このままいけば今日中には10個は行けそうですね。途中経過を見に来たブラド先生に大層驚かれてました。

 

「ここっ!!」

「くっ!」

 

私も私でもちろん成長してます。4個を過ぎたあたりから、多方面からの同時攻撃するようになって、捕縛布での拘束が難しく、回避する頻度が増えてきました。それでも被弾はまだしてないので、それがかえってレイ子ちゃんに火をつけてしまってる要因ですが。ですが流石にそろそろ限界かもです。

 

(あまり生徒の前で使いたくはなかったですが、仕方ありませんね。これも特訓の内ということで!)

「ここからは全力で行きます!」

「まだ全力じゃなかったってことに驚愕なんだけど!?」

 

意識をより深く集中させて、技術模倣による身体強化を使用します。今回は視覚と運動能力を強化してより立体的な動きに切り替えます。

 

「な、なにその動き…」

「秘密のとっておき、です!!」

 

そうしてボールをまとめて3個拘束して地面に落とします。続けて2個拘束。レイ子ちゃんは残った3個で迎撃してきますが、動揺からか上手く制御ができていない様子でしたのでそのまま残りも拘束してしまいます。

 

「ふぅ~…。これで8個はクリアですね」

「…本当、ウラメしいわ」

 

…ずっと気になってたんですけど、そのウラメしいってどういうことなんです?

 

 

 

~*~*~

 

 

 

「皆!今日の晩はクラス対抗肝試しを決行するよ!しっかり鍛錬した後は楽しいことがある!ザ・アメとムチ!!」

 

お昼ご飯を食べているときにピクシーボブが声を張り上げて宣言してました。まあ確かに特訓2日目ですし、前日の夜補習組は遅くまで勉強してたみたいで雰囲気も暗めでしたから気分転換には丁度よさそうですね。その方法が肝試しというのはちょっとあれですけど…。

 

「クラス対抗肝試しね…。訓練では苦汁を舐めさせられてるけど、肝試しでは容赦はしないわ」

「お、お手柔らかにお願いしますね…?」

 

あ、これマジなやつです。A組の皆さんに盛大なとばっちりがいっちゃいそうです。心の中でよ~く謝っておきましょう。特に響香ちゃんに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

訓練も終わりあっという間に夜となりました。前々から肝試しをやりたいと言っていた三奈ちゃんはテンションアゲアゲでしたが、相澤先生の補習組はこの時間を使って補習を行うという言葉に絶望。断末魔のような悲鳴を上げながら引き摺られていきました。…三奈ちゃん達の分まで楽しみましょうかね。

 

「よろしくです、響香ちゃん」

「よ、よろしく…。先に言っとく、ウチ幽霊とかほんっっっっとにダメだから!!何かあったら助けてね!?」

「わ、分かりました…」

 

そしてごめんなさい。私のせいで今日の肝試しがトラウマものになってしまうかもしれません。責任は…まあ取れたら取ります。

 

こうして始まったクラス対抗肝試しですが、もちろん穏便に終わるはずもなく…

 

「ぎいいやあぁぁぁあ!!??」

「響香ちゃん落ち着いて下さい!?」

「無理無理無理!!落ち着けるわけないいいい!!!」

「ちょっ、足絡めないでコケちゃいますって!!」

 

と、今も後ろから混乱している響香ちゃんに飛びつかれている状態で上手く進めません。響香ちゃんの怖がりもここまでとは思わず苦笑いしかでません…。ああ、心なしか視界も悪くなってるような、気分的なものが視界にまで影響を――

 

『毒ガスです!すぐにガスマスクを装着して下さい!!』

「!?響香ちゃんすぐにこれを!!」

「え、今度は何!?」

「敵襲です!!」

 

何があってもいいようにと、普段からヒーロー活動に役立つ緊急セットを持ち歩いていてのが幸いしました。響香ちゃんに渡したものはコンパクトサイズになっていたガスマスクで、見た目は普通のマスクと遜色ないですが、防毒に関しては防衛省のお墨付きです。それを装着させたら、すぐに毒が回っていない空間に避難します。

 

「響香ちゃん、状況が確認したいです。索敵をお願いできますか?」

「う、うん。分かった!」

 

響香ちゃんに索敵をお願いしている間に情報を整理します。周辺の毒霧は恐らく個性由来のもの。普通の毒ガスならこんなあからさまな色はしてないはずです。そして合宿3日目という折り返しであり、環境にも慣れてきたところへの襲撃ですから予め計画されていたものと考えられます。なにより、学校の外かつ周囲に建物等もほぼない状況はつまり、在中しているヒーローに限りがあり、救援にも時間がかかる。これは大分マズい状況ですね…。既に律が救難信号を送ってくれていますが、どれだけ時間がかかるか分かりません。

 

「どうですか?」

「…とりあえず皆は無事だと思う。敵に関しては、宿舎の辺りに3人、丘の方に1人、毒が濃かった方にも1人の少なくても5人はいる。…だめ、他の音が大き過ぎてこれくらいしか分かんない」

「分かりました。響香ちゃんはこのまま宿舎に向かって下さい。恐らく先生達がいるはずなので指示を聞いてください」

「渡我はどうすんの?」

「このまま先に向かってB組の人達を助けに行きます」

「それだったら私も――」

「ダメです!…今は時間がありません。少しでも早く助けなければいけませんが、私の速さにあなたはついてこれません。途中ではぐれて2次被害を起こすわけにはいかないんです。幸いここはまだ宿舎から離れてはいません。…お願いです、私を信じて下さい」

「…分かった。けど、これだけは約束して。絶対無茶しないで」

「分かりました」

「それとウチの血も持って行って。なんか役に立つかもしれないから」

「はい、ありがとうございます」

 

響香ちゃんから血を分けてもらい、それぞれの向かうべき方向に走り出します。私が目指すのは毒ガスが濃くなっている方。恐らく

その方向に敵がいるはずです。幸い触手細胞のおかげで毒に耐性があるのでガスを気にせず進むことができます。

 

 

 

~*~*~

 

 

 

 

「…あらら?」

 

敵を無力化するため行動していたのですが、ガスが晴れてきました。誰かが先にやってくれたんですかね?

 

「一佳ちゃん、それに鉄哲君?」

「渡我!?どうしてここに…」

「毒ガスを撒いてる主犯を何とかしようと思ってきたんですけど、いらぬ心配でしたかね」

 

互いの無事も確認しましたし、今後のことを考えます。現時点で他の生徒の安全が確認できていませんので、合流しながら宿舎に戻るルートが無難です。ですが、今いる地点は肝試しのルートを考えると序盤辺りなので、まだ奥の方に生徒がいるはずです。

 

「それなら私に任せて下さい。さっき響香ちゃんから血をいただいたので、彼女の個性で索敵してみますね」

「そうだったんだ。それならお願いできる?大体の場所が分かれば迎えにも行きやすいし」

「分かりました。ちょっと待っててください」

 

さっそく響香ちゃんの血を使って変身します。耳たぶから伸びてきたイヤホンジャックを地面に突き刺し、周囲の索敵を行います。基本的には先ほど響香ちゃんから聞いた情報から変わりはないですね。あ、でも何人かの敵は倒されてるみたいです。…イズク君、またケガしてません?まだ動かせそうですけど腕の骨にヒビが入ってそうですかね。やっぱり響香ちゃんの個性と技術模倣の強化は相性抜群ですね。いずれ響香ちゃんも同じように詳細まで分かるようになるんですかね?

 

「…は?」

「どうした渡我!?」

「何かあったの!?」

「…いや、なんでもない。拳藤と鉄哲はこのままあっちのルートに行って。そうすれば他の人と合流できるはず。ウチはこっちからのルートで別のとこと合流して宿舎に戻るようにするから」

「オッケー。…いきなり口調変わると一瞬バグるねそれ」

「俺も思った…」

「元の子のイメージ崩させたくないからね。こればっかりは慣れて。それじゃあまた後で!」

「あ、ちょっと渡我!?」

 

後ろで一佳ちゃんが何か叫んでいましたが今はそれどころではありません。出来ることなら違っていてほしい、私の勘違いだと思いたかったです。けど現実はそんなことはなくて…。

 

「…何故あなたがここにいるんですか?鷹岡先生」

「あぁ?なんだ、渡我じゃないかぁ…。会いたかったぜぇ?今度こそ…今度こそお前を殺してやるからなぁ!!」

 





いかがでしょうか。

次回は鷹岡先生とのバトルです。一体2人の間に内があったのか、過去も振り返りながら話していきます。
後2話位で林間合宿編も終わらせられるか…な?

お楽しみに。
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