魔法少女ばかりな日常記録(旧:配信系魔法少女が沢山いる魔法少女モノ)   作:何処にでもある

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 配信してる魔法少女の話での中間層くらいを見たいので書きました。
 後ライダーや戦隊とか居るといいなって入れました。混ぜました。
 不定期更新です。対戦宜しくお願いします。




第1話「前途多難!魔法少女!」

 

 

 ありきたりと言えば、ありきたりだった。

 

「魔法少女になって貰えんかのう?」

「ドラゴンのおじいちゃん系マスコットっスか!?」

 

 配信とかで魔法少女が世間一般に公表され始めて、マスコットが連合組んで魔法少女を管理して。

 

「それで、私みたいな三枚目が選ばれたってことは既に正統派が居るって事っすスよね?何処スか?」

「………?なんの話じゃ?」

「あれーこれ私が一人目なタイプ?」

「うむ…」

 

 それで結構な数の魔法少女が居て、世間はそれを娯楽として消費して。

 そんな、何処にでもありそうなよくある魔法少女が飽和する流れが出来上がっていて。

 

「アレ?配信機能は?」

「……??はいしん?」

「おじいちゃん遂にボケたっスか?」

 

 そんな中、秋田県のA市の一般中学生の私が魔法少女に選ばれたのも、まあ良くある流れかなって思っていた。

 東京じゃないし、よくある感じのご当地魔法少女的な感じで、配信でも紹介されてた人の邪念的なのを倒す流れかと思っていた。

 ブースト兼用視聴者も常駐が2人居れば良いかなってノリで承諾した。

 

『ガァァァ……』

「やあ、自称魔法少女のPC3クン。我々の実験に是非付き合いたまえ」

「あれおかしいな。私の目が狂ってなければ敵組織が居るように見えるっス」

「知らないならばご紹介!我々、MGP(メシアゲームプロジェクト)財団と!……名乗っております。是非お見知りおきを」

「私の耳は狂ってないから確実に敵組織っスね」

 

 だが…蓋を開けてみればどうだろう。

 緑色の魔法少女っぽい服装と髪は良いとして…よく見たら全然可愛くない爺ドラゴン、なんかゴツい怪人、なんか陰謀企んでそうな研究員。配信?なんのこったよ。

 どっからどうみても戦隊とか仮面の騎兵(ライダー)が戦いそうな相手と環境ではないか。

 もしや、私はガチな方のやべー戦いに巻き込まれたのではと、そう考える次第である。

 

「では!実験開」

「あいや!全員ちょっと待つっス!」

「…何ですか?」

「一回叫んで良いっスか?」

「…MGP財団はユーザーフレンドリーだからね、いいとも」

「あざっス。ス〜……」

 

「なんでこんな目に会うんスかー!!」

 

 

 

 

 

第一話「前途多難!魔法少女!」

 

 

 

 

 

「っしゃあ!いつでもどうぞ!」

「行け!」

『ガァァァ!!!』

「対応の速さがスピードスター!」

 

 平素よりお世話になりたかったです。私、先ほど魔法少女?になりました、川次 重音(はまべ かさね)という者っス。

 川の次は浜辺だよなって感じで先祖が名付けたのが丸わかりの、初見トラップしかない苗字でよく間違われるのが最近の悩みっスね。

 

『ガァァ!!』

「うわっと!」

 

 そんな感じで自己紹介でもしたかったが現実は非常だ。

 相手となる怪人は薙刀ブンブンしつつも馬に乗ってるからとても速くそれ所ではないし、何に怒ってるのか知らないが、どうしても足が竦んでしまう怒鳴り声を撒き散らしている。電車の中でやったら捕まりそうな奴だ。

 初戦の相手か…?コレが…?明らかに中ボス以上の風格だ。

 

『‭─‬ガッ!!』

「うおお!?今掠った!急に加速して首掠ったあ!?血が出たあ!?うわあもう治ってるっス!」

 

 お陰で私は回避に余念がない、うざってえ雑魚キャラの挙動をするしかない。

 武器が射撃銃の形をしているので遠距離型なのだろうが、先程からカチカチしてるのに弾の一発もでやしねぇ。

 私は馬鹿なので魔法の武器の使い方が分かりません!なんだこいつポンコツか?

 

「おいジジイ!今すぐ魔法の使い方教えるっスよ!ハリーハリーハリー!」

「自分の心に聞けば自ずと分かるぞよ」

「しゃあ、無能!」

 

 こんな状況でそんな余裕あるかよふざけんなよ?死ぬ瀬戸際でそんな余裕なんて微塵もないわ!

 くそっ!?このままじゃ埒が明かない。一旦隠れ潜み試行錯誤する必要がある。

 幸いにもいつの間にか研究員は何処かに行っているし、あの猪突猛進怪人を撒けば一発の筈だ。

 

「逃げるに如かず、私の逃走経路はあっちじゃあー!」

 

 此処はガッカリ人通りの多い住宅街。物損被害はもう既に我が家の堀とか壊れたから知らね!

 幸い人的被害はないので人の居ない方向に行く。途中でボロいアパートの壁が壊れたのは見なかったことにしよう。私の通う学校とか校庭もあるし良いか?

 兎に角走り、フェイントを混ぜて逃げる。配信とか見てた通り、身体能力は上がっていたから天井も走って全力で撒く。サバゲープレイヤーの勘舐めんなって話だ。

 

『ガァァァ!!』

「くっそ地味に賢くて撒けないっス!やっぱ性能高くないっスか!?」

 

 私はどうしてカメラも回ってないのにこんな曲芸を…?

 ドラゴン爺は何も答えてくれない…よく見れば私の肩で眠りかけていた。

 

「テメェ寝てる暇あったら警察ロボに事情説明でもしてろっス!」

「うぎゃあ」

 

 近くの人型ロボットが管理している無人交番にはたき落とした。せめて近隣住民の避難勧告はしろお…ボケナスぅ…。

 

[ピピッご用件は何でしょうか?]

「ああそれがのう…よく見たらお主いい感じの心があるな。魔法少女になって貰えんかのう?」

[ピピッ?]

「これが変身用のすてぇっくじゃ」

[ピピッ‭─‬‭─‬譲渡品を解析中…最新データパンクの魔法少女系列の物品と特徴が一致。状況から当機用の可能性…86%]

「もうお主のじゃよ」

 

 あ、なんか勧誘してる。もう何でも良いから人が集まるのはガチ助かる。

 ロボ、変身しろ…私のように。15秒の動画広告を見た限りだと人型ロボってどっかのすげぇ会社が開発したらしいんだから変身したらもっと強いだろ。

 配信してる魔法少女が言ってた視聴者ブーストとやらがなくても、此処まで私が動けてるんだ。

 ロボならもっとすごい筈だ。戦闘中の護衛忍者ロボ並みの頼もしさで私を助けてくれ。

 

『‭─‬ガッ!!』

「それは見切ったぁっス!!ヘイヘイロボちゃんコイツやべえからちょっち手伝ってくれっス!」

 

 こういう手合いの回避のコツは馬の下をスライディングすること。馬乗ってる奴は正面が安置ってゲームで知ってるんだよ。今どきの子なら葦名の地で知ってるんだどうだすごいだろう。

 多少の踏まれた怪我は自然治癒で治るから実質ノーダメだ。今のは…痛かったぞー!

 でも交番の眼の前まで持って来たんなら、交番ロボの判断は当然‭─‬‭─‬。

 

[ピピッ未成年に対する暴行の現場を確認。現行犯逮捕を開始します。最適行動計算‭─‬‭─‬完了]

「フゥ!その判断の速さ、頼もしいっス!」

[‭─‬‭─‬変身]

 

 交番ロボは私の時と同様、光に一瞬包まれたかと思えば既に変身は完了していた。

 普通初回なら変身バンクくらい付けて欲しいものだが…今は良いだろう。

 変身後の代わり様が私以上でそれどころではないから。

 

「当機の変化を確認。映像から解析した情報から、9歳児の女性の肉体だと算出……操作方法の開示を要求…」

「AIみたいな近未来系の魔法少女っスか!服のセンスだけは満点やりたいっスねジジイ!せい」

「戦闘手段か、己の心に聞けば分かるぞ?」

「だからその聞き方を教えろって言ってるんスよ!‭─‬っと!」

『ガァァァ!!』

 

 頭部に浮かんだ猫耳っぽい三角ビット、腰にある浮遊しそうなビット、白に黒の線が入ったボディスーツにドレスっぽい装甲…私の正統派な中世騎士っぽさのある緑のドレスとは随分と趣向が変わっている。ロボらしいけど変身後がガッツリ人間だな…魔法少女は個性集団とはいえそこまで変わるものなのだろうか。

 武将の連続突きを回避しながら考える。それに比べると私は…何だか組み合わせが雑じゃないか?

 

「いやよく考えてみたら得物が射撃銃でこの服はアンバランスっスね…自分の事ながらどういう組み合わせ?」

「その姿は心を表出させたものじゃ。故に自分が出来ると思ったことができる様になっておる」

「それを先に言えジジイ!要は思い込めば良いって話じゃないスか!」

「国語バンクから暗号解析……出力用プログラムのみ設定すれば動作すると仮定。検証します」

 

 つまりあれだ。standだ。側に立つ者(スタンド)だ。

 鉛筆ボキってするのを当然だと思うように扱うって奴。

 

「うおお!撃てば弾は出る!光が集まって撃てる!撃てない!無理じゃねースか!」

「…より詳しい正確な単語及び文法使用を要求」

「ほらーロボちゃんも怒ってるっスよ!」

「当機にコミュニケーションプログラムはありません」

「あ〜〜揺らすな吐くぞ〜…」

 

 困ったことにポンコツが二人に増えただけになってしまった。

 しかし人手は増えたのでより安全かつ損害なく、学校の校庭に向かうことが出来る様になった。

 

「ロボちゃん、ここは校庭みたいな広い場所で救援が来るまで粘るっス!そんで普通の人とばったりしない様にして欲しいっス!」

「一時協力者からの要請を確認。公共の各種管制システムに接続。移動ルートを提示します」

「流石国家権力スね頼もしい!」

 

 信号は都合よく車を停止させ私達の道を確保し、一時交通禁止のお知らせが市民のスマホに届き移動を留まらせる。

 おかげで校門前でいつも挨拶している女性外国人の用務員以外で遭遇することはなかった。

 仕事中ならそりゃあスマホとか見ないか…じゃなくて避難!

 

「オハヨー…ウ?」

「そこのいつも挨拶してくれる姉ちゃん今日だけはちょっと退いて欲しいっス!ガチ危ないんで!」

「オー?オー!戦国武ショー!」

『ガァァァ‭─‬ガッ!』

「怯み技と加速併用して確殺すんじゃねー!」

 

 敵がかっこいい武将なのが仇になった。両手を挙げて姿勢で怯み、用務員さんが動けなくなる。

 私達の間をすり抜けた武将が、動けなくなった用務員さんに向かって突撃する。

 薙刀を振るう必要すらない。加速した馬体のタックルは、普通の人を挽肉にして余りある。

 

 間に合わない。

 

 また、守れない?

 

 ()()()()()()

 

「‭─‬‭─‬《流星弾(スターシュート)》」

 

 挙句に取った行動は、射撃銃をぶっ放すことだった。

 後悔(弾丸生成)反抗(射出)する意思によって行使された魔法の弾丸。

 緑色に発光した銃弾が武将を射抜かんとする。

 だが…間に合わない。加速して接触直前の武将は、弾丸が当たるまでに用務員を吹っ飛ばしてしまう。

 

 私は、また……。

 

「‬‭─‬‭─‬《拘束電磁パルス》起動」

 

 だが此処に、もう一人の魔法少女が居た。

 迸るは電光石火。光の速度で構築される雷の茨。

 ビットから放たれた、質量を伴った電撃は一瞬でワイヤー状となって武将の動きを押し留めた。

 

『ガァァァアア!!!』

 

 弾丸が武将の身体を射抜く。

 赤い鎧を透過し、最も致命的な内部だけを跳ね回って破壊する。

 少女の高まった感情は、反抗する意思は‭─‬‭─‬実際の時間からすれば一瞬で、相手を倒してみせた。

 

「…う…撃てた……じゃないっス!大丈夫っスか!?」

「フェー!?オーオーオー…ダイジョブデス!」

「良かった…一安心っスね…あ!ロボちゃんも怪我ないっスか!」

「当機は問題ありません。……状況から暴行犯の対処を確認。マスコット様、協力者様、事情聴取として任意同行を申請します」

「うむ?」

「えぇー!?私これから授業があるんスけど…」

 

 パチ、パチ、パチ。

 

 無事に助けられたこと安堵感に包まれている場に、似つかわしくないゆっくりとした拍手が聴こえた。

 

「‭─‬‭─‬鎮圧開始。《拘束電」

『PL4、座りなさい』

 

 挙句に銃を構える間に、ロボが押し潰れたカエルのように地面にへばり付いた。

 トリガーにかけた指を止め、その場で警戒するだけにする。

 最初の方で居なくなった、白衣の男が居た。

 

「実験完了…皆様、ご協力下さりありがとうございます」

「感謝されても嬉しくないっスよ。…元はと言えば、テメェがこんなことしなけりゃ良かったんスから」

「そうですか。私には関係ありませんね」

「容疑者に…質問します…何故…このようなことを?」

 

 悪びれない様子の男に向けて、ロボが動機を訪ねる。

 動きからして重力が増えているのだろう。凄まじい負荷だろうに、それでも少しでも情報を引き出す選択を冷静に実効していた。

 

「聞いて分かりませんか?実験ですよ。新たな怪人のモデルとして、最近流行りの魔法や人の心から魔物が出る現象を研究しているんです」

「あっさり答えるっスね。…私らに聞かれても良い奴なんスか?」

「協力者でプレイヤーですから」

 

 こんな奴の手伝いなんてまっぴらごめんだが…「プレイヤー」、彼は私達をそう呼称した。

 目的があるのだろう。何かは知らないが、ゲームに当て嵌めている時点で碌でもなさそうなのは確かだ。

 

「いやはや、此処は素晴らしい場所ですね。程々に人が居て、人が注目し難い土地で、大地に流れている魔力が取り出し易い。実験場として最適なんですよ」

「させると思うんスか?」

「させるんですよ。あの憎っくき奴らに勝てる怪人を作るには、先ずは表で騒いでいる魔法少女くらい薙ぎ倒さなければ話にならない」

 

 興が乗ったのだろう。段々男は身振りを加えて一人盛り上がり始めた。

 憎っくき奴ら…どうやら、世界には魔法少女だけじゃなく戦隊とかも居そうだ。

 鵜呑みにする訳ではないが…多分、これから長く付き合うことになりそうな連中だ。

 助けを求める候補が増えるのは有り難い話だった。

 

「犯行予告…テロ予告として…当機の全力を使い阻止します」

「幾らでもどうぞ。既に政治の場は支配してありますから、何も出来ないでしょうけどね」

「こてっこての悪の組織じゃないスか…其処までして、一体何が目的なんスか!」

 

「より良い未来と、世界を面白くする為に…では、一週間後に会いましょう」

 

 説明は十分と判断したのだろう。男は虚空へと消えて、ロボも重力から解放された。

 限界に達したのだろう。ロボの変身が解け、私の変身もまた、緊張が解けたのか元の姿に戻る。

 おかっぱにギザ歯の中学一年生、今年で13になる予定の自分へと。

 

「…行ったっスか」

[ピピッ変身の解除を確認。優先事項を設定中…上層部への報告を優先します]

「ロボも戻るんスか?報告しても無駄とか言ってたっスけど」

[解答、容疑者の言葉が嘘である可能性も存在する以上、行動を変える必要はありません]

「そりゃそうっスか…あ、でもメアドとか連絡先交換するっスよ!多分これから何度も顔合わせると思うんで!な、ドラゴン爺!」

「うむ…この地の魔法少女は共に戦う者…集まる手段は持っておいた方が良いだろう…」

 

 キーンコーンカーン…

 

「あ…やば、チャイム!そういうことなら私、学校に行って来るっス!んじゃまた!」

「オー、ハヤクショー!」

[ピピッ行ってらっしゃいませ]

 

 不穏な流れは感じるが、今は日常に戻ることにした。

 研究者の言った言葉を信用し切る訳じゃない。

 だが、魔法少女とは日常と両立してこそだ。

 思っていたのと違ってもなんのその!私が全部ぶっ飛ばしてやる!

 

「うおー!私はやるっスよー!」

「気合いは良し、遅刻だお調子もの(おだづもっこ)

「あっははは…魔法少女やってました」

「ふっ…そんなのを気軽に受けるから遅れるんだ!」

「うわー!ごめんなさいっスぅ!」

 

 その後、私は怪しい勧誘を受ける危険性をとことん教えられるのでした。

 ちくしょう…。

 

 






◼️次回予告
 魔法少女になったけど配信もなにもないとかどういうことっスか!
 怪人とか不穏だし相方がロボだし…へっ?戻れなくなった?
 次回!「国家反逆!犯罪者になったロボ!」
 あぁ〜もうどうすれば…!

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