魔法少女ばかりな日常記録(旧:配信系魔法少女が沢山いる魔法少女モノ)   作:何処にでもある

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 魔法少女の秘密!川次編
 ①実は褐色ポニテ系の幼馴染とメスガキツインテ系の義理の妹という恋愛ラノベみたいな環境にいる。




第2話「国家反逆!犯罪者になったロボ!」

 

 

 魔法少女。

 それは近年発展著しい科学製品が広まる中、突如投稿された一つの動画から始まった。

 見た目麗しい少女達が悪そうな連中を倒すサマは、初めこそAIなどによる創作だとして注目されていなかったものの、次第に助けられた声や新しい動画が投稿されるに連れて世間のトレンドや流行になるまでその名を広めた。

 マスコットに誘われて成れること。《魔法》を扱えること。魔物とは人々の邪念が集合したもの。

 

 応援される程、魔法少女は強く成れること。

 

 今では便乗した者によるグッズや二次創作など、ネットに新たな界隈として、現実では新たな常識として定着しつつある。

 日々増え続けている魔法少女。魔物に通常の銃火器などが効かないことから、彼女達は社会の必要な物として受け入れられ、その期待を背負って日々切磋琢磨しているのだ。

 

 

 

 

 

第二話 「国家反逆!犯罪者になったロボ!」

 

 

 

 

 

「なんでまあ、私が誘われるのもまあ珍しいけどあるかなーって思ってたんスよ。この結果はなんスか?」

「あっはは!そりゃあご愁傷様!」

「笑い事じゃないんスよー…」

 

 我ながらちょっと個性的なのは自覚したので、誘われるのは珍しいがあり得ることだと、そう思っていた。

 しかしどうだろう。蓋を開けてみればなんかやべー連中の実験に巻き込まれている。

 それも私だけでなく、あの発言的にこの街丸ごとだ。そう、僕らの街が何者かに侵略されているのである。

 

「だけど良かったじゃん。ロボって近所のオンボロでしょ?経験豊富だろうし、魔法少女になったなら絶対強いって!」

「サイバーネコミミロリが頼りになるかは諸説あるっスね。拘束がメイン技っぽいスし、成長の方向がスーパーハッカーなのがありありとイメージ出来るっス」

「えー?じゃちょっと検索してみる?ロボ 魔法少女ってさ。前例あったら参考になるじゃん」

「おま天才か?は?おま天才か?」

「あっははは!讃えよー!」

 

 彼女の名前は「古部 泡(ふるべ あぶく)」、幼い頃からの私の友人だ。

 なんでもケラケラ笑って、最近では親に解禁されたスマホで色々検索するのがマイブームになっている。登下校中には必ずと言っていいほど一緒に居るし、褐色ポニテの運動得意メンは一緒に居て楽しい存在と言えるだろう。

 

「うーん…前例無いわ!アイツさ、レア個体なんじゃね?」

「えー?毎日登校中に会ってるから全然そんな気にならないんスけど…?」

「でもでも、魔法少女なんてネットでよく見るけどさ?調べたら日本全国で500人以下でしょ?その中でロボはやっぱり珍しいんだって!」

「そう言われるとすごい奴な気がするっスね…よし、折角話題に出たし3日ぶりに顔見せに行くっスか」

 

 私の幼馴染は賢いなあと思いつつ、そろそろ顔を見せるかあと交番を覗いてみた。

 ドラゴン爺は重要参考人としてあの後連れ去られたし、変身道具もアレからうんともすんとも言わない。あの後ドラゴン爺に聞いた所、どうにも倒すべき相手がいる時だけ使えるみたいだった。

 結構高尚というか、変身道具の癖にお高く止まっていて鼻に付く。…というか、この理論だと普段視聴している魔法少女達の雑談配信は魔物を放ってやってたのか?

 分からない…私達は雰囲気で魔法少女をしている…。

 

「お邪魔しまーす!…居ないねー?」

「多分充電中っスかね。おーい!3日ぶりスけどロボちゃん元気してるっスかー?」

 

「…協力者」

「おっそんなとこでどう…何故に魔法少女モード?」

 

 入り口から覗いても居なかったので奥の茶室に入ると、隅っこで体育座りしている魔法少女が居た。ロボである。

 しかし…どうしたことだろうか。魔法少女の姿なのに装甲やビットとかがない。省エネ的なボディスーツだけの姿だった。

 

「…協力者の来訪を確認…救援要請を申請します」

「居たー?…わ!かわいい!ちっちゃーい!」

「当機はぬいぐるみといったおもちゃでは…それより協力者、こちらを。ご友人に置かれましては早急に解放を要求します。直ちにです」

「ん?何かあったんスか?そんな頑張ってあぶちー(※古部のあだ名)のギューっから抜け出そうとバタバタして」

「…先ずは情報の確認を」

 

 初変身から一週間経ったし怪人が来たから焦ってるのかと周囲を探っても、重苦しい気配はない。

 そしてロボが手渡した職務用のスマホに映っている動画には【機械による性犯罪】お見かけの際は通報を!【卑猥な自己進化】というテロップが踊っていた。日付の方は2日前に投稿されている。

 

[対象の機械は児童への監禁及び強姦を行ったのち、発見後は機械に人権を要求しながら逃走し行方をくらませたと……政府はこれを国家反逆罪であるとして……]

 

 ほう、そう来たか。逮捕で人手を減らしに来るなんて小癪な奴め。無駄に性犯罪にしてるのが癪に触るぜ。でもロボにマジでちんぽこあったら面白いな。一応聞くか。

 

「ロボ、オメェちんぽこあったんスか?」

「当機に生殖機能はありません」

「ダウト、穴はあるじゃねースか」

「当機にち…はありませんし生殖機能はありません」

「今は人間の身体なの忘れてねースか?」

カッシー(※川次のあだ名)!きたない!」

「あはは!めんごっス」

「…続きを確認して下さい」

 

[情報によると、現在も行方不明の被害者は身長140㎝ほどの、9歳、銀の長髪で桃色の眼をした女の子とあり、警官は被害者は魔法少女の可能性が高いと見て‭…─‬‭─‬]

 

「やべーなどっちの姿も見られたら通報確定っスわ。あ、だから変身してちょっとマシな方に…?」

「否定。動画の配信後程なくして強制的に変身した可能性が高く当機の意思とはいえ当機は高度な知能AIを積んでないので例え擬似的な意思だろうとありませんが…!」

「そんな…ひどい…!通報しなきゃ!」

「どうどう!人間扱いがイヤなのは分かったっスから一旦落ち着くっス!んであぶちー冷静になれ!コイツが警察だ!」

「………は!」

 

 このロボは小さい頃に公園で一緒に遊んでいた頃からそうだったが、ここ最近は特に人のように扱われるのに否定的だ。

 そんな流暢に言い訳しておいてナマ言ってんじゃないと言ってやりたいが、それだと話が進まないので落ち着かせる事にした。ロボに抱かれながら寝ていたドラゴン爺も叩き起こしての緊急会議である。

 

「さあ宿題は二つっス!ロボのこれからと、私は変身出来ないのに何でロボは変身出来てるか!さあキリキリ吐けドラゴン爺!」

「変身はより細やかな基準を問えば、敵意にある。数多の視線に晒されれば、誰かしら邪な心を想うのは道理じゃ」

「あー犯罪者って放送されたらそりゃあ…それ性的な視線を含むっスか?」

「それでそやつの心が痛むなら含むぞ?非難の眼も情欲もそれ次第じゃ」

「つまりロボちゃんは今悲しい感じっス?」

「当機に感情はありません」

「よしよし、私が慰めよーじゃん!」

「当機に慰められるオプションはありません」

「そしたらこの犯罪者扱いなくなれば戻れそうっスね。戻らなかったら私の家にでも泊まると良いっス」

 

 変身して戻れてない以上、確実に何かしら思う所があるのは確実である。

 

「じゃあロボちゃんの省エネモードはなんスか。脱いだっスか?」

「強制的に変身させられた2日前より変化はありません」

「供給される魔力量が反映されておるのよ。怪人はこの地が嫌っとるから、怪人を前にすれば土地から魔力の支援を得られる。そうでなければ自己の魔力だけじゃ」

「はーん?じゃあ沢山の人に応援されたら?」

「土地からの支援が普通じゃが…仮にそうなれば人の数だけ強くなれるじゃろうなあ」

「…なーんか、これやった奴の作為を感じるっスね?」

 

 ところで、人間体はかわいいが私はロボのカッコよさにも理解があるタイプだ。特に長年の稼働により傷や汚れのある趣あるロボなんてテンションが上がる。

 こんな事をしたMGP財団には確実にお灸を据えさせねば腹の虫が収まらない。

 そんなことを考えていると空気が重くなる感覚を覚えた。ポッケに入れていた変身道具で魔法少女に変身する。そして初めから変身していたロボにも武装が追加された。

 

「協力者」

「来たっスね。あぶちーは先に家に帰ってるっスよ」

「え?…え?」

 

 そうか…改めて知識を得た事で理解する。そうか、これが敵意を感じての、土地から支援を貰っての変身か。何処からか力が流れてくる確かな感覚があった。

 

「本当に変身して…聞いてたより100倍物騒なもの持ってる!」

「おいおい半分しか信じてくれないなんて寂しーぜあぶちー。でも話は後に、これからやべーの来るっスから」

 

 交番から飛び出し……一旦目の前にある状況を置き、天井まで跳んで周囲を見渡す。

 人、人、人……此処は住宅街で、今は私達中学生も帰宅している時間帯だ。当然人は居る。

 

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「うっわ…何人いるんスか?100は…あ、その輝きは近所のアルミホイルミイラおばちゃん!あ、よく見たらそっちは最近ヨーグルトを50個学校に持って来て女子にかけようとして生徒指導室送りになった翔平!犬とポニーとアロワナを飼ってる金持ちのおっちゃんも…!どうしたんスかこんなことをして…?」

「「「…………」」」

「返事なし、異様な光景。オッケーどうやったか知らないっスけど洗脳された線で対応行くっスよ」

「協力者、手荒な真似は出来ません。当機のサポートに徹するのを要請します」

「良いっスよ。このままじゃあぶちーも逃げられなさそうっスし」

 

 とはいえ不動なだけならこっちも手荒な真似はしたく無い。先ずは声掛けと解散を呼びかけてみた。

 

「皆さん!交番を囲い交通を妨げるのは公務執行妨害に当たる可能性があります!直ちに解散し、交通に支障のない然るべき場所での集合を…‭─‬‭─‬!」

 

「ミイラおばちゃん、なんでこんな事してるんスか?」

「…………」

「とりまスマホで何してんのかだけでも調べさせて貰うっスよー?」

 

「‭─‬‭─‬イイィィイィイヤアアァアァァ!!!!!」

 

 スマホに触った途端、凄まじい金切り声が辺りに響く。

 途端、周りの人達が全員こちらの方へスマホを向ける。

 とりあえず奪い取ったスマホの画面を確認し……()()()()()()なのを確認した。

 

「…はあ?録画でもしてるかと思ったら…真っ暗な画面向けて何がしたいんスか」

「アアァアァァ!!!!!」

「突然殴ってくるのはルールで禁止っスよね?顔面沈んだっスよ?」

「アアァアァァ!!!!!」

「腹も殴るのはマジの禁止っスよね?」

 

 全身アルミホイルのおばちゃんの本気殴りを顔にモロにくらいつつ…違和感を感じたのでスマホの確認を優先する。

 電源ボタン…反応なし。長押し…反応なし…電池切れ?……近くに居た翔平のも奪い、電源と音量を同時に押した。

 

 カシャ

 

 カメラ動くのに画面見えない辺りこの中に居る疑惑が生えたな。一回壊して様子みるか。

 

「「アアァアァァ!!!!!」」

「ロボちゃん!多分これ私らには画面が見えなくなる「なにか」があるっス!とりま全破壊推奨っスわ!」

 

 推測に従い、即座に両手にあるスマホをバキバキに握り潰す。

 その途端スマホと持ち主から黒い煙が立ち上がり、小さな怪人になろうとする。

 なので完全に戻る前に握りつぶした。へっ待ってやるかよ。

 

『『ウギャ!』』

「……はっ!あらやだ私ったらなんでハロウィンの時の仮装を…」

「あれ…?俺は今までなにを?」

 

「ロボー!怪人居たーー!!!洗脳してる奴コイツっスわーー!」

「……状況から必要経費と判断。潜伏の疑いのある携帯を破壊開始」

 

 原因は小さな小さな、蛾に似た怪人。それが人々を集めていたようだ。

 対処法は分かったので、次にやることは近くに居るスマホを奪い回り破壊するので決定だ。

 この距離だと殴る方が早いので銃を背に回し、バレたと悟ったのか暴れ始めた民衆を無力化する。

 ロボもまたビットから放出した電磁パルスで器用に破壊して回っていた。

 

「これで、最後!」

『ウギャ!』

「ご友人、今のうちにこの場から避難を」

「なら…みなさーん!ここは危ないので避難してくださーい!私が先導しまーす!」

 

 最後のスマホを破壊する。安全を確保したとみるやロボはあぶちーを連れ出し、あぶちーは折角ならと困惑している人々にも避難するように声を上げた。さすが私の幼馴染だ立派だぜ。

 

「しかし今回はこれでおしまいっスか?人質は厄介でも弱いんで楽ショーだったんスけど?」

 

「夕方までお疲れ様です。当然ながら次の実験があります」

 

 声の方を向けばこの前の研究員ではなく、生真面目そうな女性の研究員が居た。

 人は違うが…前と同じく突然現れたからには所属は同じだろう。

 

「ほーん、じゃ何するんスか。てかこんな怪人作って何したかったんスか?」

「PC3、私達の行いは魔法少女と魔物及び魔法に対する実用化です。必要なのは強弱ではなく、何をしたらどうなるかの結果に過ぎません」

「んじゃあ、今回はこれでおしまいっスか?」

「はい。「人を支配する魔物の均一的な制御試験」は成功を収めましたから。おかげさまで今後に向けた有用な事実が幾つか判明しましたよ」

「例えば?」

 

「"魔法少女には真っ黒に塗り潰された姿に見える条件"とか」

 

「‬《流星弾(スターシュート)》」

 

 殆ど本能や反射に近かった。思いっきり蹴って空に逃げて、銃を真下に撃つ。

 状況を把握したのは弾が何かの一部に当たった後。

 

 後ろから私を乗っとろうとしていた、蛾の怪人の(シルエット)の群れを少しだけ削った後だった。

 スマホから出て来た蛾は白かった筈だが…そこだけ、真っ黒に切り抜かれてるみたいだ。

 怪人の能力を考えれば、既に影響下に居るのは明白だった。

 

「いっ!?」

「では次の実験です。「一般的な魔法少女に対してこの怪人は通じるか?」条件は暗闇に紛れられる影の多い夕暮れ、情報提示済み、フライング有り、PC3洗脳、PC4強化レベル3。では‭─‬‭─‬ゲェムすたぁと」

 

 その言葉と共に研究員が消える。GM(ゲームマスター)気取りとはつくづく苛立つ連中だ。

 ツラツラと条件並び立てやがって、私等は無限(MUGEN)に戦う格闘キャラじゃない!

 だが、人々は避難済みでコチラには遠距離手段がある。塩試合なんて簡単に出来ちまうぜ!

 

「…って落下中は動けないじゃないっスか!やっべドラゴン爺散弾銃プリーズ!」

(己の心に語りかければ自ずと出来るぞ…るぞ…ぞ…)

「イマジナリー爺は同じことしか言わない…本物はど‭─‬‭─‬屋 上 で 寝 て る!」

 

 しかも相手はなんか小さくて沢山いる上に可愛くない奴だ。銃が射撃銃ではまともに撃ち合えない。かなり上まで飛んだのでまだ余裕はあるが…あの集団に接触したが最後、全身に這い寄られるのは想像が付く。実に鳥肌もの間違いなしだ。

 

「…あれ?冷静に考えると詰んでるっスか?」

 

‭─‬‭─‬PC3洗脳。

 

 女の研究員の言葉が脳裏に浮かび上がる。

 有利だと思った条件を悪く言い換えてみる。

 分断、接近すれば終わり…なるほどね、ペラペラ喋ると思ったら今の私は詰みか。

 つまり本命はロボの方か。私は眼中に無しと…へっ若者の視野の狭さには参ったね。普通に考えれば詰みだって分かるのに全然都合よく考えてたよ。

 

「‭─‬‭─‬だったら普通じゃねぇ選択すれば良いだけじゃゴラアァァア!!!」

 

 さて、考えていたらかなり距離が近付いてしまった。

 撃てて一発、選択肢沢山、リアルのガチな戦闘経験は今回で2回目。

 

 ()()()()()()()。私は私の選択に命すら賭けられるんだよ。若さの全能感を舐めんなよ?

 

「‬《流星弾(スターシュート)》!!!」

 

 選んだのは脳天一発。()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 衝撃で景色がクルクルと回る。痛みで心がおかしくなりそうだ。こんなの敵相手に打ちまくるとか魔法少女って可笑しい連中では?耳鳴りと乱雑な音と色が、全身を駆け巡る。

 取り留めないことがぐちゃぐちゃになった脳のシプナスを無駄遣いして…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「‭─‬‭─‬ははは。私の再生能力は高いんっスよ」

 

 地に足を着かせて、銃を空に向けた。そして空に撒いた血が雨となって私と、《蛾の怪人の群れに当たった》。

 武将との戦闘で、骨折や腑をグサグサにされる程度なら直ぐに治るのは知っていた。

 傷口が広い場合、増血された血が過剰に撒かれるのもおちゃらけながら知識として覚えた。

 だったら、脳が一つぐちゃぐちゃになったところで問題ない。脳も腑も、同じ臓器なんだから。

 記憶が丸ごと消える心配はあったが…洗脳されるより消えた方がマシなのでヤリ得だ。

 

「あー、よ〜く見えるっスね‭─‬‭─‬私の血痕がよぉ!!出番だロボォ!!」

「‭─‬‭─‬遅れて申し訳ありませんでした協力者。即座に一網打尽にします」

「因みに理由はぁ!?」

「コチラにも蛾の怪人が出現、指一つ誰にも触れさせずに対応済みです」

「パーフェクトっスねぇ!!」

 

 構えた銃に光を集める。

 既に日は落ちた。何もしなければ、真っ黒に見える今の蛾は厄介この上無い。

 だがあいつ等は全員、私の血の雨を漏れなく浴びた。いずれ黒ずむとしても、出たばかりで真っ赤なマーキングはさぞや見やすいことだろう。

 後はそこに私の銃弾を発射せずに留め、照明代わりにでもすれば満点超えて120万点万々歳だろう。

 

「んじゃ、私が指し示す光に向けて殲滅しろっス」

「‭─‬‭─‬了解」

 

 雷光飛び交い、飛んで火に入る夏の虫。

 雷を纏うロボの解き放った雷の茨は、土地の魔力と動画が拡散されていた人々の応援の分だけ凄まじく‭─‬‭─‬‭─‬程なくして、全てを殲滅するのに成功した。

 

「ご協力に感謝を。おかげで皆様に被害なく対処が出来ました」

「なら良かったっス。私も自殺紛いなことした甲斐があったっスね」

「……自殺紛い?…少々自殺未遂に関した状況報告を」

「あーっと!ちょっと言い間違えただけっスよ!?全然大丈夫っスよー?あ、それよりも変身は解除出来そうっスか?」

 

 面倒臭いことになりそうだったので誤魔化しを入れつつ、話題を滑らせた。

 

「当機は……ダメですね、戻れそうにありません。では協力者、引き続き事情聴…しゅ…を」

「うわっと!…気絶したっスか?おーい、おーい?…網膜…口の中うっわめっちゃカラカラ!もしかして全然水とか飲んで無いっスか!? は!? マジで!!?ちょっ…ドラゴン爺!説明!」

「そりゃ本来の身体と腹の中を巡る物は同じよ。魔力の力は戦える状態を維持するが、生きる力を与える訳では無いからの」

 

 よし、なんとか誤魔化せた…所の話ではなくなった。

 なんかこのロボ、この二日間全然人の身体に合った生活をしていなかった疑惑が出て来た。

 変身した身体でお腹が空いたりするのかとは思うが…ロボの時に充電しないならそりゃあ食べる必要がある。

 これではいけませんね?急いで我が家に帰る必要が出来た。

 

「変身中の内にできるだけって解けたあ!うおー私は年長なんだから空きっ腹の9歳児程度抱えて走れるわーい!!ドラゴン爺は後ろ支えろぉ!」

「分かった分かった…そんな焦らんでも魔力があれば歩いても間に合う…」

「分かってねぇっスね!幼い時の空腹はめっちゃ辛いんすよ!こんな暑い時に水も飲んで無いなら尚更っス!」

 

 だって今の季節は梅雨明け直後だ。幾ら秋田の地が北の方とはいえ2日の断水だ。

 機械は電池切れでもまた充電出来るが、人は一度でも電池切れになればおしまいである。

 川次は激怒した。必ずやこの人間経験0歳児に、そのことを早急に叩き込むと決意した。

 

「うおー走れ私!我が友人あぶちーティウスのように!」

 

 それいけ魔法少女!相棒の為に走るのだ!

 

 






◼️次回予告
 当機は機械なので食事はしませんし味も感じませんが、このオレンジジュースのおかわりを要求します。
 よく食べてくれて…私は安心したっス!だけど追われる身のままなのは不便っスねぇ…ん?これは…。
 次回!「神出鬼没!新メンバーは配信中!」
 可能ならばデザートに出たプリンの要求もします。

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