魔法少女ばかりな日常記録(旧:配信系魔法少女が沢山いる魔法少女モノ)   作:何処にでもある

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 魔法少女の秘密!ロボと一ノ瀬編
 ロ②好きなゲームのジャンルはストラテジーとディストピア。
 一②記憶を無くしたカッシーの前では下ネタを平気で使うが、実は結構恥ずかしく思っている。




第6話「配信炎上!スポーツとカメラは御用心!」

 

 

「宜しくお願いしまーす!!」

「カッシーや、この子はどういう感じで此処に居るんだい?」

「あぶちーや、ダイエット目的で陸上部に来とるのよ。こき使ってやんなさい…」

「あっはは!OK!じゃあグランド整備と線引き、飲み物の運搬とかよろ!カッシーは教育しながらだね!」

「マネ業頑張りまーす!脂肪を灼熱マグマ送りに出来るならなんでもやりまー…せん!」

「あっはは!この子面白いね!気に入ったよ!」

 

 日照りが猛威を振るう昼まで猶予のある朝方は、グラウンドの準備で忙しい時間帯だ。

 ウチはガチガチで真面目…とはではない部活とはいえ、それでも体育系だ。

 朝はちゃんと起きるし、準備するし、終わりの12時まで練習する。そして終わり直前の30分前には帰りの支度をして、午後練習する人にバトンタッチするまでダベる。竜頭蛇尾の部活とは私たちのことだー!

 

 ぶっちゃけ昼は暑いのでやる気が起きない。秋田は全国で比べると涼しい方とは言え、これはもうどうしようもない事実だ。38℃ってなんだあてめー?

 

「なもんで人手があるなら助かるっスけど、そんなすっごくって訳じゃないんスよ?良く手伝いに来たっスね」

「そりゃあ、みんなに忘れられる前はマネージャーやってましたから!現にほら、手際良いでしょ?」

「まあ、何が何処に置いてるか、言わなくても分かってる辺りそうみたいっスね」

「えっへん!ここの整理整頓は私がいつもやってましたから!」

 

 そんな感じで私一人のマネージャーが二人に増えた結果、いつもの半分の時間でのんびりすることが出来た。やっぱり涼しい部屋は夏の風物詩だな!異論は認めない。

 

「それでこの後どうするっスか?運動の後、空きっ腹でまだ動きたいっスか?」

「むーりー…もう動きたくない…汗かくのもやだ!…でもカッシーと汗だくの運動なら可!」

「あはは、冗談上手いっスね、気温が下がって涼しくなったっスよ」

「うー…容赦ないー…あぶちーに慰めて貰うー」

「…そういやヒノとフタバって私とあぶちーと幼馴染なんスよね?あぶちーとはどんな関係っスか?」

「カッシーの友達。友達の友達だったけどそのうち友達になった。でも今はただの知り合い!」

「悲しっスわー…微妙な関係過ぎてアレっスわー…いや関係の偏りエッグ…」

 

 女子の駄弁りに男子の幻想はないとは良く言った物で、キャッキャウフフならぬギャッギャッキキキだ。女の色気もあったものではない。

 しかしそれは、男子との垣根は実質ないという意味でもなかろうか。趣味さえ合えば普通に仲良くなれると私は睨んでいる。試したことはないが、恐らく小学生の時に叶わなかった友達百人も夢ではない筈だ。

 

「…で、この後何処行くっスか?モール?」

「モール遠いー…だるいー…雪だるま作りたいー…」

「雪なんて何処にもないっスよ。灼熱の太陽は全てを溶かし尽くしたっス」

 

 蝉が鳴く声が煩い。真昼間じゃないと偶に鳴いて来るのがウザいと思った。

 暑いせいで思考が回らない感覚がある。私は負けてないが、夏の力で弱体化してる線はあると思う。正直辛い…なにか忘れてる気がするような…。

 

「…そういやさー、今日って財団来るよね」

「あー…そっスねー…思い出したく無かったっス…」

「…ちょっと食べてこ?私の魔法ってカロリー消費エグいから食べ放題だ!」

「あーいっスねー…どうするっスか?みんな集めとくっス?」

「あー…二人だけで行こう。ほら、前はなんか刺してきたらしいじゃん?私さ、あれ人の少ない方に来るって睨んでるんだよね」

「じゃあ私はフタバかヒノ狙いって説を推すっスわ。反転とは言ってたし前科有りが狙われる説」

「なら私とフタバで分けよう。で、ロボとカッシーがどっちかでー、ひつじさんはロボとセットで」

「もしかして火力で分けてるっスか?」

「火力は正義ー…つまり私は正義じゃー」

「はい、おーぼーたいほーっス」

「つかまったー…脳が溶けるー…」

 

「おーい…二人とも地面に落ちたアイスみたいになってるよー?おーい?…ホース確認!日光発熱式お湯発射!びゅーん!」

「「あぶぶぶぶ!!!!」」

 

 その後、私、ヒノ、あぶちーの三人で商店街に向かうことになり…。

 

「ドデカチャレンジ!制限時間50分!食べ切れば無料!スタート!」

「うおーー!食べるぞー!」

「私はそこそこにするっスかね。この後動けないとキツイし」

「あっはは!粉物美味しい!」

「……ふぅ…限界っス」

 

 実に青春だと思う。これで財団が居なければ完璧だったな。…へっお腹いっぱいになったからフードファイターヒノの方に寄越しとこ。少食にこれは無理だ。

 

 

 

 

 

第六話「配信炎上!スポーツとカメラは御用心!」

 

 

 

 

 

「うーん…そろそろー投稿しないとだー…」

「投稿、サボっていたのですか?」

「ロボちゃん知ってるー?怪人の戦闘は生放送じゃないとー消されちゃうんだー」

「財団による隠蔽工作ですね。なるほど、だからネタがないと」

「そーそー。だからゲーム配信とかー、私の弱体化したー魔法少女の姿とかー、雑談で誤魔化してたんだけどー…」

「此処は配信環境がありませんからネ。ある程度運んで来たとはいえ、限度が有りまス」

「おーいえーす。新しい魔法少女もーここ最近は噂もないしー…私はー困ってるのです」

 

 カッシーがヒノとあぶちーと共に狂気のチャレンジ飯の食べ歩きをしていた頃、カッシーの部屋では三人の女子がだらけていた。

 一人はカメラの中身を確認しつつ、一人はアイスを食べつつ、一人は図書館から借りた本を読みながらである。

 そんな女子力を掃き捨てた姿で話している内容は…どうやら、ひつじさんの配信のネタ不足のようだった。

 

「この地の魔法少女になってかラ三週間でしたカ…財団にネタ潰しされてる中、良くも持ちましたネ?」

「……動画を消されない為に私達とチームを組んだと伝えず、その上で3週間勢いを落とさないとなると相当な苦労になると試算しました。これならばいっそ、週一で此処に来る出張魔法少女でも良かったのでは?」

「ロボちゃん知ってるー?飛行機代ってすごいよー?体力もー結構使うよー?それにー、念願の魔法少女になってー、普通の子達よりずっとすごいことを任されたー!こっちに本気にならないでー、どうするーって感じー」

「回答を解析…現状のまま出来るネタの提示を思考します」

「…ふむ、中々難しいですネ。普段からバフで頼りになってる分、なにか手伝えないものでしょうカ」

「ピピッ」

 

 ちょっとだけ煮詰まった辺りでロボが思考を終えた合図を出す。

 カッシーに喝を入れられて以来、機械らしく無くても役立つ方法を模索中の中で、先ずは他の機械やAIの真似事から始めることにした様だ。まだまだトラウマが消えてない以上、人らしく役に立つのは勇気が欲しいらしい。

 そんな訳で、今のロボはチャット系AIの模倣にご執心なのだ。それにSNSのチャットAIとのレスバに負けたことが関係しているかどうかは審議中である。

 

「解決策を提示します。新しいゲーム実況」

「コンテンツがぶれるー」

「私達以外の、他の魔法少女とのコラボ」

「ここみたいにー戦力が欲しい場所はないよー?魔物って弱いからー、料理や雑談配信になるー」

「魔法による一発ネタ」

「写真機はー写真を撮るだけだよー?」

「秋田名物巡り」

「もうやったよー」

「MGP財団の商品紹介」

「調べてみたけどー財団ってネットにヒットーしないんだよねー?表の会社なしでどーやってお金を引っ張ってるんだろーねー?」

「ドラゴン爺に迫る!インタビュー動画!」

「あー…マスコットを映しても大丈夫かはー調べて無かったなー…さいよー。他にはー?」

「当機達のコスチュームを着てコスプレショー」

「着れるのかなー?」

「如何でしたか?もし宜しければ評価をフィードバックして下さい」

「⭐︎3かなー。もっとほしー」

 

 その場にいる全員が首を捻って悩む。ロボの数打ち戦法が終わったからである。

 

「更なるネタ…普段、本当にお世話になってるので手伝いたいの山々なのですガ…」

 

 ひつじさんの魔法は、写真を撮った魔法少女を強くする魔法だ。その効果は多岐に…というより、全てに渡る。

 身体能力や魔法の強さ、判断力や分析能力、配信している魔法少女だからか、普段の生活でも魔法を使えるとくれば、如何に利便性に優れているか分かるだろう。

 現に此処にいる魔法少女は全員、普段からひつじさんの魔法を便利さに世話になっていた。

 顔や肌の世話、生理などのシモ関係、肩凝り頭痛その他の悩みを全て写真一つで解決出来るのを一度知ってしまったら手放せない。時代は一家に一人ひつじさんなのだ。

 

「生放送が消されないなラ、生放送で地道にチームのことを伝えては?チャンネルの主体を動画から生放送に変えるんでス」

「私はねー、この喋りの遅さがー生放送と合わないのー。癒されるっスーってカッシーは言ってたけどー…やっぱり人によってはイラついちゃうからー…倍速が出来る動画じゃないとだー」

「しかし、万人に通じるものはありません。思考を変えて、限定配信としてコンテンツを増やすのはどうでしょうか」

「それってー動画のネタ切れの解決にならなく無いー?新コンテにかまけてー疎かにしてるだけじゃないのー?」

「…ふむ、では例え話ならどうでしょうカ。私たちを空想として扱えば財団の妨害を抜けられるのでハ?」

「そんな上手く行くかなー?…でもやることもないしー…実験的に段階を踏んでみよー。生放送を見てる人ならーもうチームのことは知ってるしー…荒れない筈だよねー?…よーし、一回やってみよー!」

 

 そんな訳で一旦撮り溜めついでにゲリラ生放送にしようと、先ずはドラゴン爺にインタビューをする事になった。

 

「おはこんばんはー。今日はとある魔法少女のマスコットにーインタビューをする事になりましたー!わーぱちぱちー」

「……zzz」

「珍しいでしょー?思えばマスコットって全然動画に映らないしー、みんなも知らないよねー?なので今回はー、マスコットの中でもー、ベテランさんのおじいちゃんに質問したいと思いまーす!」

「……zzz」

 

 ドラゴン爺は尻尾を軽く動かすだけで、相変わらずの無反応である。

 事情が事情だから仕方ないとはいえ…一言くらいは言って欲しいとひつじさんは思った。

 折角年老いたことをちょっと大袈裟に紹介したのだ。愛想が欲しいとカメラを回す。カメラの向こうでは、既に6000人の視聴者がこの放送を観ていた。

 

「最初のしつもーん、魔法少女はーどんな存在ですかー?」

「この星と人類の守り手じゃよ。必要な時に星の意思により我々が産まれ、人と契約して守る」

「わあーすっごく真面目な存在だー。だからおじいちゃんの魔法少女ってー土地から魔力を受け取って戦ってたんですねー。他の魔法少女よりー強くてびっくりしましたー」

 

 地味に新事実である。土地から魔力を貰っているのは知っていたが、まさか星レベルの話だとは。

 しかし…そうなると疑問も出て来る。何故他の魔法少女はこのことを知らせないのだろうか。

 なにか、知られたら不味いことでもあったりするのだろうか。

 

「それじゃー、魔物はなんですかー?当たり前に敵でしたけどー、何者なんですかー?」

「死んだ魔法少女の欠片じゃろうな。記憶や感情や魔力の残り香…そういうものが人々の感情を吸収し、実体化しておるのだろう」

「え…死んだ?死んだってー…なんですかー?」

「勿論、敵の手で殺されたのだろうよ。星の意思によれば、今回の相手は過去最強だそうだ。何をしているかまでは…全て把握しておらなんだが、財団がそうであろうな」

 

 なんだか思ったよりすごいことを言い始めたと、ひつじさんは思う。

 確かに財団は強いし不穏だが、まさか既に魔法少女の死者が出ているとは思って居なかったのだ。

 何処かで楽観していた思考に冷や水が撒かれる。すごく、大事な話を聞いている気がした。

 

「じゃあ…なんで魔法少女はー…あんなに平和そうに配信をー…?そんな感じには見えなかったしー…このことを知らなそうでしたよー?」

「うむ…契約者の持っていたすまほとやらで見たが…魔法とは別件の力じゃろう。()()()()()()()()()()()()()()()()()……儂は実験の為に記憶を調整された。しかし、他の奴らは、実験にすら不要だと()()()()()()()()()()。……覚えてないから、家畜の様に無知だから、呑気なんじゃよ」

 

 絶句する。すると、なんだろうか。

 マスコットは既に全員手出しされ、記憶を全て消されていて?

 記憶のないマスコットが魔法少女の契約をして?

 魔法少女を財団は()()して?

 少女達の死体がバラバラになり、魔物となって暴れ?

 それを何処かの魔法少女が配信のネタにして、今に至ると。

 

 そう、言いたいのだろうか。そんな…残酷の仕組みが魔法少女だと?

 

 だとしたら私がやったことは…財団の家畜達の特徴を一つずつ記録する…手伝いだったと?

 

 実験と死のサイクルを…早めていただけだと?

 

「ではー…記憶を取り戻させる方法はーありますかー?死んだ魔法少女を甦らせるー…魔法はー?」

 

 ああ、もどかしいと歯痒く思う。思考と言葉が遅いせいで人を苛立たせて来たというのに、こんな時までこうなのかと自分が嫌になる。

 そうして質問して帰って来たのは、酷く残酷で端的なものだった。

 

「どちらもない。死者は甦らないように、死んだ記憶も戻ることはないじゃろう。…たとえ時を戻しても、もう覆りはせんよ。この星は昔、それで痛い目を見たからのう。死は絶対じゃ」

 

 言葉を返す気力もなく、配信もいつの間にか消されて居た。

 静かになったからか、ロボとフタバが部屋を覗き込んだ。

 そこには茫然と座るひつじさんと、深い眠りに着くドラゴン爺の姿があった。

 

「どうかされましたカ?SNSのトレンドランキングからして放送は上手く行ったと思うのですガ」

「…多分それ炎上してますねー…それじゃーインタビューの内容ーを…教えますねー?動画は消されちゃったのでー…」

 

 ひつじさんが訪ねたことを教えていく。ゆっくりと、しかし一言の漏れもなく、聞いた通りに伝えた。ロボはそれを聞いて多少の驚きがあったものの落ち着きを払い…フタバは一切の動揺なく、言葉を受け止めていた。

 

「…焦らないんですかー?」

「既に聴いてましタ。そして、知った所でどうしようもないと割り切りましタ」

「でもー…魔物が魔法少女で死んでたんですよー!?同士討ちー!なにかー…ないんですかー?」

「どう考えても怪人とは戦いますし…知って出来ること、ないではありませんカ」

「うぐっ……」

 

 フタバの言う通りだ。倒す相手の正体を知った所で倒すのに変わりはなく、世間に知らせても記憶を消されて意味がない。相手の規模が凄まじい以上、一人が持てる力ではなにも伝えることは叶わないのだ。

 それを指摘して反論出来ない時点で…ひつじさんは、自分の無力を既に知っていた。

 

「…なんだー…私は…魔法少女になってもー、変わらないんですねー…」

「……!当機と同じ悩みですか?それならアドバイス出来ることがあるかも知れません」

「ロボちゃん…違うんです…これはー…ロボちゃんとはー…違うものですからー」

「無力感ですカ。それに苛まれると辛いのは良く分かりまス。私もそうでしたし…」

「すみませんー…ちょっとだけー…一人にして貰えませんかー?みんなの邪魔にはなりませんからー…」

「あ、ちょっト!」

 

 ひつじさんはそう言うと、フラフラとした足取りで部屋を後にする。

 それを見たフタバ達はお互いに顔を見合わせた後、二人でこっそりついていく事にした。

 今日は財団が訪れる日だったから、一人でそっとさせるのは危険だという判断である。

 だからコッソリとしつつも急いで部屋から出て‭─‬‭─彼女の‬靴があるのに、この家にひつじは居なかった。

 リビングにも、玄関にも、廊下にも…窓も開いてないことまで調べて、二人は思い至った。

 

 こんなことが出来るのは、転移で現れる財団の研究員しか居ないと。

 

「…ヒノ達が危なイ!ロボ、行きますヨ!電話もお願いしまス!」

「命令受諾。通信を行いつつ商店街に向かいます」

 

 太陽に陰りが出来る。灼熱の太陽を隠してくれる有り難い雲も、今日だけは不穏な予感を感じさせた。

 

 

 

 

 

「へいへいピッチャービビってるッス!」

「こなくそー…このバッター打てないのにめっちゃ煽ってくるー…!」

「あっはは!良い球期待してるよー!あっははは!」

 

 一方その頃、ヒノ達は開けた場所で野球を行っていた。

 何故こうなったか?それはフードファイトに全勝したヒノが景品の一つとして、野球選手のサイン入りのバットとボールとグローブを貰ったからである。別に要らないので貰わない事も出来たのだが、折角だからとちょっとだけ借りて野球をする事になったのだ。

 おかげでお店からこちらを見ている店主の顔がすごい事になっていて、あぶちーの笑いのツボを連打する自体になっていた。

 

「ふぅー…冷静になれ私……はっ!」

「はいカキーンっス!」

「すとらいーく!バッターアウト!」

「ふっ…私の野球下手がまた世界記録を更新したみたいっスね」

「カッシー弱いよねー。これで27回連続負けだよー」

「まだまだ9回裏の半分しかやってないっスよ!完投までに一回でも当てりゃ勝ちっス!」

「出たーカッシーの負けず嫌いー!ハードルを地の底に埋めてでも勝ちを取ろうとするの、普通にダサいからやめた方が良いよ?」

「なんととでも抜かせっス!私は甲子園を応援するタイプッスよ!」

「それと野球の実力になんの因果関係が…!はい投げた!」

「はいカキーンっス!」

「すとらいーく!バッターアウト!……ん?着信が…ごめん!ちょい電話ー!」

 

 女子の姿を完全に焼却処分している野球小僧っぷりだが、心の底から全員が楽しんでいるのは間違いない。食べまくった甲斐があったというものであり、選手のサインを心配している店主以外に不幸な人間はこの場に居なかった。

 

『みなさーん、元気ですねー。写真ー撮りますよー』

「おっひつじさんじゃないっスか!どうしたんスかこの角?」

『魔法少女になったらー生えてましたー』

「似合ってますね!良い味出してますよ!」

『お褒め頂きー恐悦至極ー』

 

 そんな折、角を生やしたひつじさんがカメラを構えてやって来た。

 ひつじさんの魔法少女の姿は現代服らしいのだが、その中にシスターっぽさも混ざっている不思議な服だ。しかも武器がカメラだけだから、一見してちょっと個性的なファッションの人にしか見えない。

 そこに羊の巻き角が加わると…その変わらないほんわかさも相まって、実に似合っていると思う。

 

「よし!変わらない一投を魅せてしんぜよう!」

「だったら‭─‬‭─‬カッコよく撮ってくださいっス。私、打つんで」

『まかーせろー!』

 

「あーそうなの?全然そうは見えないけど…うん、うん、分かったー!切るね?…戻ったよー!」

 

 そんな感じであぶちーも戻って来たのでホームラン予告である。

 脳内では既にペルセウスにまたがる乙女だ。本番に強い事をしっかり見せちゃるわ!

 

「ロボからの伝言ー、なんかひつじさん?が財団に拐われたらしいよー?」

 

‭─‬‭─‬次の行動は一瞬で行われた。

 

 カメラのシャッターを切るひつじさんと、足から炎を迸らせて既にひつじさんの後ろに居るヒノと、普通に飛んで頭上に居る私。

 

「"灼熱渦中 激熱鼓動 歌焔一撃"!─‬‭─‬《熱望の一撃》!!」

 

 攻防は一瞬、私が銃床でひつじさんの頭部を殴り付けでカメラを打ち飛ばし、無防備な背中をヒノが最大火力でぶん殴る。

 

「途切れさせないッスよー!《流星弾(スターシュート)》!」

 

 地面に叩きつけられたひつじさんに銃弾を放つ。偽物疑惑のある相手に容赦する必要はなかった。

 放たれた銃弾がひつじさんの中で暴れる。それに苦しむ暇もなく、ヒノが頭を掴んで何度も叩きつけて追撃した。

 焔による加速、勢いの増大、歌や詠唱によるブースト。やる事は単純だが、その分ヒノの行動と魔法の扱いに迷いはない。何事も最適解は相手に何もさせず、短期で殺し切ることだ。

 ……あ、格闘系だと思っていたら、よく見たら小さなマイクが口元にある。へっあれが武器だとは初見では分かるまい。……歌が武器だったのか。

 それはそれとして、ひつじさんは‬財団の手によって本物の可能性もある。瀕死辺りで手足を抑え、問いただすことにした。本物ならこの前みたいに回復魔法を…使うにはひつじさんの協力が必要なので、無理やり魔法を行使させるとしよう。

 

『………かふっ』

「さーて…答えろ、嘘ついたら殺すッスよ。お前は本物のひつじさんッスか?」

「本物だったらごめんねー?でも迅速にやらないと被害が出ちゃうからさ?ごめんだけど容赦はしないよ!」

『……あははー…こわいー…そっかー…みんな、本気で…私だけー…夢を…』

「ヒノ」

「よいしょー!」

 

 戯言ばかり言う口を地面に叩きつけた。鼻っ柱とか色々ボコボコだが、変な動きを封じるならこれが一番だ。やっぱ初動を潰すのが最適解っすわ。これはもう世の中の真理見つけちゃったかー?

 

「じゃあ答えろっス。戯言なら分かる様に言え。自分で完結させるな。テメェにそれは認められてないんスよ」

『ぐぅー……分かったー…私はー、クローンとか複製じゃないよー…』

「そっスか。ヒノ」

「スタンプもっかいだー!」

『ひぐぅ…なにがー…いけなかったのー…?本当だよー?』

「本物なら本当じゃなくて本物と言え。じゃなきゃ隠し事してるって疑われる。配信者なのに、そんな事も忘れたっスか?」

 

 配信者なんて素面の自分を晒すか、キャラを作るかしてるものだ。

 別に配信者に限った訳ではないが…そういうのを飯の種にしてるのに、胡乱な言い方をするのが気に食わない。

 間違いなく本物なのは今の問答で確信したが、それはそれとして‭─‬‭─‬その心のしこりの正体を探ってやる必要がある。良い機会だ、一線引いた態度の正体を掴んでやろう。

 

『り…りふじんー…』

「理不尽で良いっスよ。正気なのは今の問答で分かったっス。なんで、狂ったフリしたら痛い目を見ると思えよ?」

『…………』

「ヒノ」

「それなら!餅米を作るように楽しくー!」

『や、やめてー…なんでも言うからー…』

「やめろヒノ。傾聴の時間っス」

「いいよー!カッシーが言うなら従っちゃう!」

 

 こっちの私への盲信も正直問題だが…まさか一から十まで従うとは…今は、こっちの方に取り組もう。

 

「んじゃ、赤裸々に自分の過去を吐けっス。なんで魔法少女になりたいか、なんで命の危険のある此処に留まるのか……今なら、財団のせいとしてぜーんぶ、パァっと忘れてやるっスよ」

 

 既に私達のフルボッコを見て人は消えた。あぶちーだけはカメラを拾って近くで待っているが…あの距離なら何を話しているかは分からないだろう。

 今だけは、私達だけが彼女の視聴者で、傾聴者だった。

 

『昔からねー…やりたいことー…出来ることー…したくないことー…させられたことー…全部、全部違ったんだー…』

 

 ゆっくりと、彼女は言葉を選んで喋り始めた。

 

『貧乏な家に産まれてねー?工場勤めとー…店員さんー…でも幸せでー…手伝いとかは下手だったけどー…将来は、親と同じことがしたかったんだー…でもねー?』

 

 それから語られたのは、側からみたら才能マンのサクセスストーリーで、本人から見た地獄だった。

 

『最初はねー?学校で初めて触ったピアノを譜面通りに弾けたことー…次にねー?適当に描いた絵が賞を取れたことー…踊れば大人に褒められてたしー…スポーツとかもー…初めてなのにー…誰よりもやれたんだー…自分でも不思議だったなー…』

 

 なにそれ普通に羨ましいな。私も写実絵とか上手に描きたかったわ。画伯のカッシーの二つ名を挽回したかったわ。

 

『褒められたよー。でもねー?単純作業は直ぐ寝ちゃうしー…お喋りが遅いしー…家事になると下手くそになるしー…本なんて、読むだけですっごく疲れてねー?』

 

 うーん…感性に特化してやがる…。感覚派の化身みたいな人だな…。欲望に対して才能が贅沢過ぎるな…この場合欲望がないのが問題なのか?

 

『それでねー?私、才能もー容姿もーどっちの親とも似てないってよく言われたんだー…最初はー…どっちも気にしてなかったんだけど…段々、仲が悪くなっちゃって…別れちゃった』

 

 おっと、才能に加えて顔の良さが悪い方に行ったぞ?そんなことあるんだな。

 

『なのに、生活だけは良いものになっていって…別に、こんな才能も幸運も必要なかったよー…勉強したくてもー…寝ちゃうしー…なのに特別だって許されるしー…それならって才能と向き合おうとー…ロックを目指しても、それだけは無理だったー…友達もー…誰も作れなかったんだー…』

 

 ピシリと。ひつじさんの顔にヒビが出来た。

 

『だからねー?私は、私がきらいー。ずっと、泣きべそかいてる姿なのがきらいー…年を取りたいのにー、時が止まったみたいなのー…大嫌い』

 

 ピシピシと罅が広がっていく。隙間から黒い結晶が浮き出て来た。

 

『したくない、出来ることばかり成長するー…自分が嫌い。したいこと、出来ないことはそのままなー…自分が嫌い。何をしても変わらないー…自分が大嫌い』

 

 止まるのは…出来ないだろう。既にヒノが声を掛けているが、まるで聴こえていない。自分のことしか見えていないみたいに、言葉を吐き続けるだけだ。

 

『だからねー…魔法少女を目指したのは、変わりたかったからー…きっと…無駄に高い場所にまで来ちゃった私をー…私のなりたい姿まで堕ちぶらせてくれる何かを求めてたんだー…』

 

 既に言葉は飛び飛びだ。…これから何が起きても、受け入れる心の準備を進めるべきだろう。

 

『だから私は…魔法少女を目指してたんだー。そうすればなりたい自分になれる気がして…その間はー…自分が普通だって……見上げる人になれるって…でも‭─‬‭─‬その全てが、無責任だった』

 

 パキンと何かが折れる音がした。ひつじさんはそれを気にせず、のっそりと立ち上がる。

 変身して金色になった髪を揺らし、黒い結晶によって背丈がかさ増しされて高身長になる。

 そして二人で抑えているのにも関わらず拘束を振り払い、私達が存在しない様に振る舞い始めた。

 

『私は‭─‬‭─‬私の自分勝手な欲望の為に、死者すらいる戦いを軽んじた。ありもしない幻想を、貴女達に被せていた。自分勝手で……本当に否定すべきだったのは、下へ向かおうとする自分だった』

 

 致命的な履き違いがあった。どちらも自分なのに、ずっと片方を否定している。

 その間違いを伝えるには…この馬鹿者を一度倒す必要がありそうだ。

 

『‭─‬‭─だから‬私は、被写の魔法少女。最後まで上を目指し、自身の才能を誰かの為に使い続ける魔法少女。決して間違わない‭─‬‭─‬理想の私だ』

 

 黒色のマントが現れ、現代っぽい変身姿が女性的で戦士らしく変わる。結晶が身体のあちこちに現れては装飾品を残して砕け、ひつじさんを変質させていく。

 そして、最後は顔から一際大きな結晶を生やして変質は終わった。

 どれだけヒーローらしい振る舞いでも、その顔の部分にある結晶の山があっては台無しだ。

 

「…変身バンクは終わったっスか?なら、さっさとその拗れた思考をぶちのめしに行くっスよ?」

「百回殴れば行けるかな?」

「百じゃ足りない。千回殴っとけっス」

「よし、気合い入れていこう!」

 

『もう、戦わなくていいんだ。私が全て解決するから…』

 

「断るっスよ。敵側に着いた奴に任せるほど馬鹿じゃないっスし」

「ぶっちゃけ滅茶苦茶傲慢で癪に触るので加減なしで行きます!」

「まっそういうことっス。…丁度応援も着いたっスし、そろそろ始めるっスよー?」

 

 後ろから走ってくる音に合わせ、銃を構えた。

 バフなしのチーム戦だ。私は火力支援とタンクとして努めるとしよう。一先ずフレンドリーファイヤをしないようにここはぐっと堪えて…。

 

「"灼熱渦中‭"!《熱望の一撃》!!」

「‬《幻惑ノ氷月》‭─‬‭─‬月明かりに惑エ」

「《拘束電磁パルス》、ビットをローテーションし、足止めします」

 

『この程度‭─‬‭─‬‭─‬』

 

 ひつじがそう言うと、フラッシュライトと共に、ひつじに迫っていた魔法が消えて、三枚の写真が手中に生成する。そしてそれらを破り‭─‬‭─‬。

 

 

 

 

 

///!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////
強化レベル70
模写魔法《偽りの理想》
仙台 千尋
////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!////被写の魔法少女////!WARNING!///

 

 

 

 

 

「……けはっ…けど…!《流星弾(スターシュート)》!!」

 

 挙句に前に出て、本人達が使ってたよりもうんと強化された三つの魔法を、身体を張って受け止める。そして返し刃として弾丸を射出し、内部を弾丸で暴れさせた。

 暑いし冷たいしビリビリするが、この程度なら死なない。それならたとえカスダメだとしても、攻撃を当てた分私達の有利だ。

 

「カッシー!」

「うーっし…攻撃は相手が魔法を使った直後!フタバ!模倣される前提で使うっス!」

「ですがその被害ハ!」

「この程度暴走したヒノの焔よかマシっスよ!いいからやれっス!」

『諦めて‭─‬‭─‬私に託せよ!』

「いやっス!自分を取り繕う事も出来ない奴が…いや、取り繕うことしか出来ない奴が!信用されると思ったら大間違いっスよ!!」

 

 よく正直さや誠実さが評価されがちだが、ぶっちゃけ世の中は世間に見せる面さえ良ければなんとかなる物だ。自分を曝け出して暴れるより、夏の暑さを我慢して友人と一緒に部活を頑張る奴の方が評価される。

 だが、だからと言って上っ面だけ整えてもダメなのだ。耳触りの良い言葉ばかり並べても、自分を攻撃する奴なんて信用しなくて当然である。こっちの言葉も全然聞いてないみたいだしな。

 

「…仕方ありませン!出来るだけ最小手数で終わらせまス!」

「頼むっスよー!千本ノックとか勘弁っスからねー!」

「私に火力不足なんて言われる謂れはないよ!」

「命令受諾。ビットのパラメーターを拘束から火力に変更…いつでも行けます」

 

 だからこそ痛いのを我慢して前に出て、言葉と行動の二つで示せば、どれだけ嫌なことでも妥協して従ってくれる奴が出てくる。

 リーダーがこれで合ってるか不安ではあるが、何事も堂々としていればなんとかなる。私が信じているからそうなるのだ。

 

『理想通りなんだから、負ける筈ない!』

「あいてー!よくもやったっスねぇ?反撃っスよ!」

 

 氷の魔法を気合いで受け止めて再生し、銃弾と火と雷の火力を叩き込む。やたら頑丈なのは顔面を何度も叩きつけた時から知っていたので、後はひたすらループだ。

 こうなればもう考えるべきことは単純だ。私が根を上げるのが先か、ひつじさんの理想が崩れるのが先かの勝負である。

 相手の能力は高いが、知能が酷く劣化しているからこその戦法だった。当たり前の様にやって当たり前の様に‭─‬‭─‬。

 

『…パカな』

「その通り、あんたはすげえ馬鹿だったっス。理想に固執して、現実を何一つ見なかった。目の前のことが見えないなら、負けて当然なんスよ」

『だとすれば…この私は、やっぱりー…間違ってたんですねー…』

「そうっスね。安心したっスか?」

『…分かりませんー。ですがー…今はすごく、爽やかなー気持ちですねー』

「…ま、どういう自分になりたいかは私らが決めることじゃないっスね。否定も肯定も自由にして良いっスから、その内自分の納得出来る今を見つけるっスよ」

 

 黒い結晶が限界を迎え、粉々に砕け散り‭─‬‭─‬‭─‬なんか再生し始めた。は?

 

「ハァァァ!!トドメじゃボケー!全員息合わせろっス!《流星‭(スター)─‬‭─‬!!」

 

 おい、この流れでそれはないだろう!クソ財団め厄介な物質を作ってんじゃない!

 

「もう一回は流石にねー!火力高めるよー!《熱望のぉ!!」

「では私ハ再生を阻害すル効果担当ですカ!《幻惑ノ‭─‬‭─‬」

「全ビットチャージ開始…50、70、90‭─‬‭─‬チャージ完了」

 

 こうなったからにはもうひつじさんの容態を気にしている場合ではない。

 元に戻る前に丸ごと完全消滅させる勢いでやるしかないだろう。

 

「「「「ハァァァ!!………⁉︎は?なにこれ!?」」」」

 

 その想いが一つになった影響だろうか、点でバラバラの攻撃の魔力が集合し、未来的で、射撃銃っぽく、炎と共に謎の効果音を鳴らし、梅の意匠の入った大砲に変わった!なんで!?

 解説しろドラゴン爺…こんな時に限って居ない!家に置いてかれたなさては!

 兎に角、私の手元はトリガーと角度調整用のスコープだ。発射は私がやるのだろう。

 

「いやもういいや!兎に角発射するっスよ!方位角度選定ヨシ!」

「あはは私出力源担当だ!じゃあ200%で!"上々熱情 我が人よ踊り狂え"!」

「私の扇子は確かに梅の絵ですガ…要素少なくありませんカ?特殊効果担当らしいですネ」

「当機はシーケンス制御担当です。澱みなく進めますね。…ひつじさんの要素はどこでしょうか?」

「砲台の先じゃないっスか?カメラっぽいし。じゃあ準備良いっスね!? せーの!!」

「え、なにを合わせるの?」「…あ、魔法の名前でしょうカ?」「オールグリーン」

 

 

「《光星/年線/歌焔/化粧(カッシー/ロボ/ヒノ/フタバ)》!!!」

 

 バラッバラを超えたばっっらばら。声被るし自我の主張が馬鹿激しい。

 辛うじて好青年戦禍焔下賞とは聞こえたが…絶対違う確信があった。後で名前を決める会議を開催しなければならないだろう。

 

『ぐわー!!』

 

 だが効果は絶大だったようで、何処かひつじさんらしい気の抜けた叫び声と共に、発射した部分は抉り取られた。

 肝心のひつじさんは…少し黒焦げで変身が解除されているだけな辺り、無事に消したい物だけ消せたようだ。

 しかし魔法の時点で何があってもおかしくないとは思っていたが…まさか、武器が合体してしまうとは。キッカケは…タイミングを合わせた辺りか?そういえば魔法少女は心を武器にするらしいし、心が一つになれば武器も一つになってもおかしくないかも知れない。

 

 つまり、あの時全員が再生した結晶に驚いていたことになる。

 

 初めての武装合体がこれで良いのか?あんな玩具っぽい奴で良いのか?

 釈然としないが、出来てしまったのだから仕方ない。今後複数人の魔法少女で攻撃を合わせる時は注意することにしよう。力はあるけど隙が多過ぎる…。

 

「うーん…あれー?…みんな揃ってるー?」

「あ、起きたっスね。記憶はあるっスか?」

「えーと、なんの話ー?…あ、でもー…なんだか心が晴れやかなー気分ー!」

「…あはは!そうっスか!晴れやかっスかー!あっはは!そりゃあいいっスね!」

 

 その言葉を聞いて、思わず笑ってしまった。あれだけ苦労してこちらが得たのが暴れてスッキリしただけだなんて…鯖トレが過ぎるが、ここまで利益がないとかえって笑えてくるのだと初めて知った。

 

「なら良いっス!…よし、ちょっと財団側に悪堕ちしてただけで大した事じゃ無さそうっスね!良かったっス!」

「…悪ー堕ちー?どういうー?」

「さー!変えるっスよー!今日はやけくそパーティっス!」

「ごはん!いいね、早速帰ろう!」

「あれだけ苦労すればしたくもなりますカ…賛成でス」

「当機はプリンの購入を推奨します」

「……ええー?何があったのー??」

 

 何がともあれ、ひつじさんが帰ってきてくれて良かった。

 今後が不安になる要素ではあるが…みんなで助けに行けば問題ない!

 一先ずは、それで良いだろう。色々忘れたひつじさんと向き合うのはまた今度である。

 

 






◼️次回予告
 なにもー良くないー…SNSで私の生放送でー…炎上してるー!魔法少女の真実ってなにー!?
 あっはは!どんまいどんまい!いや見守ってたけどさ、生放送くらい大したことないこと起きてたから!
 …本当にー…何があったのー?
 次回!「海水修行!海と温泉と祭りとか!」
 私は大会に行かなきゃだから行けないんだよねー!残念!

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