土器王紀-埴輪の愛。土偶の夢-   作:まいまいഊ

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There are two islands-Cerebro & Alcilla.
(セレブロとアルシラ、2つの島がある)
Cerebro has all date of all universe.
(セレブロには、全宇宙の全てのデータ)
In Alcilla,live terra-cotta peoples. They're called "DOKIJIN".
(アルシラには、素焼きの民族「土器人」が住んでいる)

Long time ago,DOKIO ruled with a goddess & a destroyer all of univese.
(かつて、土器王は女神と破壊神と共に、全宇宙を支配した)
However,suddenly DOKIO disappeared following his servants after millenium.
(しかし……千年紀の後、土器王は従者ともども、突然姿を消した)

And long time went by....
(月日は流れ……)

Nowadays,someone desires the rebirth of DOKIO....
(今、土器王の復活を望むものがいる……)

――『土器王紀』取扱説明書 より



宇宙に光あれ!
Negentropy(ネゲントロピー)を求める世界。


 宇宙。

 無であった空間に生まれるひとつの世界。

 無に放出された揺らぎ(エネルギー)が世界を満たし、物質は生まれ、溢れていく。

 

 閉ざされた宇宙。

 閉ざされているがゆえに活動はいつしか停滞していく。

 宇宙の状態量(エントロピー)は増大し、最終的に宇宙は熱的死をむかえ、絶対零度の凍りついた世界に達する。

 

 管理された仮想の宇宙。

 人為的につくられた幻想の空間(せかい)もまた、閉ざされた1つの宇宙にすぎず、生まれた瞬間に終焉を運命づけられる。

 ただただ想定された仮想(シミュレーション)を計算し、繰り返し記録し続ける。

 

 その全宇宙のすべてのデータが収められた小さな素焼きの壷の情報量(エントロピー)が増大した時、停滞した機械仕掛けの(うちゅう)は、新しい揺らぎ(ネゲントロピー)によって復活を遂げる。

 そして、今、ひとつの宇宙(せかい)から、ひとつの因子(パーツ)が召喚された。

 

 

 

 

 

 

 

 

********************************************

 

 

 

 

 目の前の空中には、フルフェイスのヘルメット的なものが浮かんでいる。

 奇妙な形である。

 材質は、土の……焼き物のような、灰色のヘルメットだ。

 

 

 まるで、かぶれと言わんばかりに、目の前の、宙で……ゆっくりと回転している。

 

 

「あんさん 世界の秘密 知りたおまへんか?」

 どこからともなく、怪しげな関西弁が聞こえる。

 

 

 どうやら、この浮かんでいるモノから、声が聞こえてきたようだ。

 

「世界の秘密?」

 

「そや、知りたいと思いまへんか?」

 

 

 今の僕に、選択の余地は、なさそうな雰囲気だった。

 僕は、わけのわからないまま、「はい」と答え、回っている物体を、ただただ、見つめたいた。

 

 

「それはそうと、はよ、かぶらんかい!」

「えっ、あ、はい」

 僕は、あわてて、そのヘルメットのようなものを頭にかぶった。

 

 

 ヘルメットのシールドの部分に、映像が映しだされる。

 映し出されていたのは、巨大な壷?

 壷のような胴体からは、4本の細い手が生えている変わった形の。

 

 ……いや、違う?

 ぎこちないが、生物のように、確かに、それは動いていた。

 

 人、なのか?

 壷の栓の部分が頭なのだろうか?

 大きな、赤く丸いレンズのような、石のような瞳が一つ輝いている。

 

「こちらセレブロ司書室。わては司書長テルミナス。聞こえまっか?」

 その壷のような人物が、こちらに向かって、話しかけてくる。

 

「……埴輪?」

「ちゃうちゃう、わては土器人やねん」

 

「ここは、一体、どこなんですか?」

 

 

 そう、気がついた時には、僕は、そこにいたのだ。

 

「さっきまで、海にいたんだけれど」

 なぜか、足元にはシャベルと青いバケツが、転がっていた。

 僕は、落ちていたシャベルとバケツを拾い上げる。

 

 そう、確か、僕は砂浜で砂遊び真っ最中だったのだ。

 

 いい歳して砂遊びとか、ありえなくない? とか言わないで。

 砂遊びはれっきとした芸術!

 砂浜に作りあげるお城は、浪漫!

 ささいなことで崩落する砂の建築物は、繊細!

 そんなことに情熱を注ぐ、それも青春のイチページ!

 

 

 今回作っていたのは、普通の砂のトンネル。

 まぁ、なんだ……原点回帰というのか、言わないのか、トンネルを作っていたのだ。

 

 そして、砂のドンネルを掘り進め、向こう側の人と手が触れ、「やった」トンネルが開通した!

 ……と思ったら、その手に、ひきずりこまれたのだ。

 

 

「わてらが、あんさんを、呼んだんや。実はな、わてらの世界、エスパッシに危機が

迫っとります」

 

 ざざっと、雑音が入り、画面が揺れる。

 

「……土器王、復活させんとあきまへんのや……」

 さらに、通信に雑音が入る……

「……あんさんに、手つど~てもらいまひょか~~!」

 

 ……がりがりと、画面がゆがむ。

 

 ……いや、画面どころではない。

 

 空間が、全て、渦を巻くかのように、波打っている。

 テルミナスの姿がゆがんで見えなくなる。

 

 

 そして、あたりは、ゆらゆら揺らめく霧に包まれた暗闇になった。

 僕の身体は、どこかへ向かうような……いくつもの光の粒子をかきわけ、

 その空間を落ちていく。

 

 その中の一つの光と接触する……

 

 

 眼前には見たことが無い、青い世界が浮かんでいた。

 

 雲の合間に見えるのは、空中に浮かんでいる不思議な形の二つの島だった。

 二つの島が重なったような2段構造の青い島と、赤褐色の火山のある島。

 その二つの島が、空に浮いていた……

 

 僕は、水をたたえた方の島へ一直線に、落ちていく。

 

 青々とした美しい水、石灰のような色をした台地、そして、いくつかの建物らしきものが見える。

 どうやら、そのうちの一つ、島の1段目にある建物に引き寄せられているようだ。

 そして、僕は、その半円形の建物の中に吸い込まれていった……

 

 




エントロピー。
ギリシャ語で「変換」を意味するトロペーに由来している。
熱力学の概念と、情報理論の概念がある。

熱力学のエントロピーは、物質や熱の拡散の程度を表す 。
情報理論のエントロピーは、情報量。そのできごとがどれだけの情報をもっているかの尺度を表す。


ネゲントロピー。
エントロピーの増大の法則に逆らうように、エントロピーの低い状態が保たれていること。
または、
エントロピーを減少させる物理量。
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