土器王紀-埴輪の愛。土偶の夢-   作:まいまいഊ

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2部-7章 土器工房の土器作り職人

「ここが土器工房だよ。土器工房の主任ドースは、アルシラで最高の名人なんだ!」

 天井には、乾燥中の土器、棚の上にも土器、無数の土器がその部屋に置かれていた。部屋の奥には、作業台のようなものがり、一人の土器職人が黙々と作業をしていた。工房にはたくさんの焼き物があり、その中には人型を模したものもある。そのため、それに埋もれている土器人は紛れてしまうので、工房に入った瞬間、どれが人なのか迷ったというのはここだけの話である。

 ドースは、数え切れない腕を持っている。一体いくつの腕が、その体には格納されているのだろう。その腕で、器用に粘土をこね形を作っている。

 

「こんにちは。ドースさん?」

 僕は、彼の作業が一段落したのを見計らって話しかけた。

「わてが、ドースどす」

「き、京都弁?」

 僕は、一瞬耳を疑ってしまった。しかし、彼は確かに京都弁を話している。この世界の言葉って、どうなっているのだろう。僕はなんとなく気になってしまった。

 

「おまはんの、けったいなカタチ、創作意欲そそられますなあ!」

 ドースのたくさんの腕が、僕の体を触ってくる。

「ちょ、ま、くすぐったい」

 純粋な好奇心だけで、悪意は無いのは分かっているが、あまり気持ちのいいものではない。僕は、隙を見て逃げ出した。

「……ちょっと、待っとくれやす!」

 舞妓さんに言われるならとにかく、腕がたくさんある……しかも男(多分)に言われても待つ気なんてまったくない。

 僕は工房を飛び出した。工房の外へ出て村の中を走り回った事で、村の子供たちが遊びと勘違いし、途中から混ざってきたのは、また別のお話。

 

「はぁ、はぁ」

 僕とドースは、息を切らし工房に戻ってきた。

「ボクも混ざりたかったな~。すんごく、楽しそうだった~」

 ケマポンがへらへら笑いながら言う。

 ……こっちの気も知らないで!

 

「ところで……これを……直してほしいのですが」

 呼吸を整え、気を取り直して……僕は鉾槍( ハルバード)の柄と刃を差し出した。

「これは……伝説の鉾槍( ハルバード)! すぐ、作業に取り掛かります~」

 ドースはすぐに作業に取り掛かった。いくつもある腕を使い器用に、すばやく作業を進めている。

 あんなに走ったのに、疲れていないのだろうか……

 

「あの火山の麓にある火山炉で、焼いてくれますやろ」

 手渡された鉾槍( ハルバード)は、まるで新品のような、さっきまでこれが二つに分かれていたなんて信じられないくらいの素晴らしいできばえだった。

 

「ありがとうございます、ドースさん」

 

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