ケマポンは、司書室で眠っていた。
僕は、広場から抜いてきた
記憶の壷と鉾槍は輝きだす。それに伴いケマポンの瞳も光輝き、体が光に包まれ宙に浮かぶ……。
壷から強い光が発され、そのすべてがケマポンの中に吸い込まれていった。ケマポンの赤い瞳に光が戻る。
「……あ、あれ? ボクは、どうなっちゃったんだろう……。あの時、ビブリオがあわててここへ来て……そうしたら、急にめまいがして……あ、司書長も、元に戻ったんだね!」
ケマポンは瞳をくるくるときらめかせる。
「ケマポン、大丈夫?」
「ありがとう、もう、心配要らないよ! ……そうだ……全部思い出したよ! 記憶の壷を、ムチャチャに預けておいたんだ。急ごう、転体のもとへ!」
ケマポンが右手を高く上げると、鉾槍が、その手にが収まる。鉾槍をくるりと一回転させると、念じるように握り締めた。すると、ケマポンの周りの空間がゆがみだす。
そして気がつくと、アルシラの、土器王の転体がある祭壇の前にいた。
「な、なんや! 空間移転やてぇ!?」
一緒に飛ばされてきたらしいテルミナスは、何が起こったのか説明してくれた。
「空間転移って……」
そんなことできるなんて、なんでもありなんだな。
「……復活のときは来た……ウニバルの人よ……手間をかけさせた。……まずは、バルナだ」
ケマポンの口調が変わっているよ。
ケマポンはアルシラの魔法陣の中心に鉾槍を差し込む。歯車が回るような大きな音がして、魔方陣の一角が四角くへこみ、二つに割れていく。そして、土器王の転体が競り上がってくる。まるで戦隊モノのロボットが格納庫から出てくる時のような状況である。
土器王の姿が完全に現れると、ケマポンの体から、紅い光と、白い光が飛び出した。
「あれは、宇宙卵? 土器人の魂の……」
2色の玉は合わさって桃色になり転体へ吸い込まれる。転体の大きな瞳が赤く煌き、背中に生えた何本もの管から、蒸気のようなものが勢いよく噴出す。
僕は、「土器王、発進!」と、叫びたくなったが、そこは我慢した。
巨大な土器王は、どこからともなく現れた兜を被ると、大地に刺さった鉾槍を手にとる。すると、それは巨大化し、今の土器王にふさわしい大きさへ変わった。
手になじませるように、鉾槍をくるくると振り回す。
そして、エスパッシの青い空に穂先を向けると、稲妻をまとった不規則な光の筋が空に発射された!
放たれた光の筋は、青い空に弧を描くように軌跡を残し、閃光と雷光が
もだえ苦しむように抵抗するバルナ。その胴体の左右に折りたたまれた砲身が回転しながらせり出してくる。大きく開いた翼に目で見てわかるほどのエネルギーを集め、その光の筋が砲身に集い始めた。体の模様はますます強く輝き、そして、膨大な閃光と雷光を、宇宙をも破壊する光線を発射した!
光線の振動で空がゆがむ。それは
土器王はその攻撃を身に受けるが、透明な障壁が現れ、すべての攻撃を阻んだ。その体には、全く傷がついていないようだ。
僕の目から、土器王の姿が消えた。早すぎて見えなかったのだ。僕が気がついたときには、土器王はバルナの頭上にいて、重力に任せて、鉾槍を頭と体の付け根に突き刺している場面だった。
激しい紫電がバルナの頭から噴きあがる。それは全身に広がっていき、すべてを包み込む。バルナはその強大な体を鳴動させながら光に染まっていく。
土器王は、バルナから離れた。
バルナから、いくつもの閃光があふれ出し、エネルギーのすべてを放出すると、ついにバルナは煌きとなって、青い空に溶けて見えなくなってしまった。
爆発のひとつやふたつ起こると思って身構えていただけに、予想が外れて裏切られた思いに襲われたものの……とにかく、土器王が復活し、宇宙を破壊するバルナは消え去ったのだ!
「これで、終わったんだよね」
こうして土器王は復活し、世界は救われた。
そして、再び
土器王VSバルナのゲームのムービーを見て、とある方が、突込みどころを、言いました。
「……あれ? 穂先じゃなくて、柄の部分で刺してない?」
……気がつかなかった。
まぁ、格好良かったから、細かいことなんて気にしない!