ライブラリーの探索もそこそこに、次に目指す場所、メモータルへと向かうことにした。エレベータに乗り、庭園へ戻ってくる。今まで、地下の少し薄暗いところにいたので、この青と白の庭園は眩しさにあふれている。
「あぁ、太陽がまぶしい~」
実は、この世界に、太陽なんてないんだけれどね。空にぽっかりと金環日蝕のような淵が金色で中が黒い穴が開いているだけなのだ。どういう仕組みなのかは、分からないけれど、天に開いた窓のようなところから、光が差し込み、空はまるで空自体が青い色にやさしく発色いるのだ。
こうやって、きれいな庭園を、ただ歩いていると、世界の危機なんて嘘のように感じる。
「あ、誰かいる」
しばらく歩いていると、水辺に釣り人の姿があった。彼は、ちょうど魚を吊り上げているところだった。釣った魚を、傍らの壷に入れている。釣竿は釣り針式ではなく、クレーンゲームを思わせる部品で、それが魚を捕らえていた。
「彼は、カーナだよ」
ケマポンは言う。
カーナは、釣りのためだけに
「今まで、色々なヒトに会ったけれど、カーナも独特な姿だな」
僕は、そうつぶやいた。
「そうだ、おなかすいてない? カーナに頼めば、
「そ、そうだね。ペスカ、食べてみようかな」
ケマポンの気遣いはうれしいのだが、果たして、口に合うのかどうかわからない不安がある。毒がありそうだとか、おいしくなさそうだという以前に、これはどうみても生物には見えない。形は魚のようにも見えるが、どうしても単なる素焼きでできた置物の魚にしかみえなかったのだ。
「
ケマポンは、土器魚のおいしさを語りだす。固めの皮の歯ごたえが最高だと、それを聞いて、ますます、不安に思う。土器魚の皮、それは焼き物、歯が立つかどうか。
「つれますか?」
釣れた現場を見たのだけれど、最初の言葉が見つからなくて、結局この言葉を僕は選ぶ。
「……今日も……大量」
大きな壷の中に、すでに、たくさんの土器魚が入っていた。
「本当に大量ですね、すごいや」
思っていた以上に、魚が壷の中に入っていたので驚いてしまった。
「……
再び魚釣り上げる。本当に、釣りが得意らしい。あの一心同体の釣り竿のおかげだろうか。
「この……
カーナは、釣ったばかりの土器魚を、僕の方に差し出した。僕はとっさに、手に持っていたバケツを釣り竿の下に置く。掴んでいた部品が開き、バケツに魚が入る。吊り上げた魚は、暴れることなく、おとなしくしている。
「カーナ、ありがとう」
「……
そう言うと、カーナは、再び、釣りを始めた。
メント……?
力が出るということだろうか?
いや……僕は、ウーノとの会話を思い出す。「ケマポン……いつも……ここでメント」ウーノがそう言ったとき、ケマポンがあわてて言葉をさえぎった。
流れからして、まさか……食物が、最後に行き着く形。
ケマポンよ……僕はそう思うしかなかった。
……それにしても、食えるのか?これ?
触り心地は、ざらりとした焼き物の感触。やはり焼かれた土の塊にしか見えない。どう見ても、焼き物の魚だ。
ケマポンたちは、どう食べているのだろう?話を聞いてい見ると、そのままがぶりと食すらしい。(口がどこにあるのか検討もつかないが)
この魚をかじってみる、みないで迷い、右手に左手にと持ちかえながら弄んでいると、ふと魚に違和感を感じた。質量のある流体が入れ物の中を移動するときに感じる、重心が移動するような感触が手に伝わってきたのだ。
僕はこの魚を振ってみる。中に何か液体のようなものが入っている気配がした。
「中身は……液体なのか?」
それならば食せるかもしれないと、僕は割ってみようと思った。そのままがぶりと食すにしても、しっかりと焼かれた硬い表皮は歯が立たないだろう。
僕は、土器の魚を地面に打ちつけて、ひびを入れ、シャベルの柄で穴を広げていく。魚の中には、液体とも、気体とも分からぬ物体がゆらゆら揺れていた。鼻を近づけてみても、特に癖のある匂いは無いようだ。
背に腹は変えられない。食べなくては、背中がお腹にくっついてしまう。
僕は淵に口をつけて、恐る恐るそれを飲んでみた。
「ん? 可も無く、不可も無く」
無味なヤシの実ジュースを飲んでいるような。しかし、何かエネルギー的なモノが、体内に吸収されるような感覚が胃に染み渡る。
空腹と喉の渇きは、あっという間に癒された。この魚、意外と栄養的には高いものなのかもしれない。
おいしいかどうかはとにかく、空腹を満たせる物が手に入ることが分かったので、なんとかこの世界でも生きていけそうだ。
ちなみに容器というのか魚の皮のほうは、当たり前だが口に合いませんでした。
ゲーム中、魚は食べません。
土器の世界にいる間、主人公が何を食べていたのか全く分からないのです。ケマポンたちは、土器魚食べているのは、確かなので、主人公にも、食べさせてみた次第。
魚の形の壷の中には、宇宙の