【書籍化】告知事項(隣人がVtuberです)【進行中】 作:関係ないよ
書籍版進んでます。
六、七万文字ぐらい書き下ろしましたので、ご期待頂ければ幸いです。
今は外伝やってますけど、発売日前後ぐらいにまたハセの話に戻ります。
多分エンディングから時間をちょっと戻して、綾辻キングダム周りの話になると思います。
そんな後輩たちと仲間たちとの歌の収録はつつがなく……とは言わないが、終始いい雰囲気で進み。
歌詞が飛んだり、笑っちゃったりとリテイクは嵩んだが、どうにか五テイク目で通しの歌を録ることができた。
あとはちょっと休憩して、もうちょっと何本か録音をしてみるかという状況だ。
そんな休憩中の雑談の中で、意外な事実が判明した。
「えっ、棚橋って元応援団だったの?」
「オス! 団長っす」
後輩の中でもひときわ声とガタイのデカい棚橋という男が、高校生の頃に応援団の団長だったというのだ。
「……つってもアレですよ。高校の野球部が甲子園の予選行って、クラスの担任が野球部の顧問で、声デカかった俺が団長に指名されただけですけど」
「いやぁ、どおりでよく声通ると思ったよ」
「へへ、そっすか?」
「んで、三三七拍子もできるって?」
「演舞とかは無理ですけど、まぁ三三七拍子ぐらいなら……」
「めっちゃいいじゃん、そっちも撮らしてよ!」
超ラッキーだ。
三三七拍子なんかあったら、配信で使って貰えること請け合いだろう。
俺みたいな駆け出し作曲家、サービスなんかいくらあったっていいからな。
そんな下心から結構真剣に頼み込む俺に、田中は朗らかに「いいっすよ!」と答えた。
「あ、でもホイッスルあったらいいかな」
「そんなん買ってくる買ってくる、百均すぐそこあるし」
「あ、それとバケツとテープあったら俺太鼓作れますよ。高校の応援団の時にやったんで」
「マジ!?」
いい後輩を持ったものだと思いながら、棚橋を連れて録音場所から徒歩三分の百均で色々買い出しをし……
その後も歌の録音はバッチリで、オマケの録音までしっかりとできてしまった。
大活躍の後輩たちには、もちろん約束の打ち上げでジャブジャブ酒を飲ませ。
途中からは俺の同期の西村が別のOBを連れてやってきたりして、大変な盛り上がりとなったのだった。
そんな録音ファイルを、俺とカレンさんで超特急で仕上げ……
なんと商品は一週間と二日で出来上がってしまった。
カノンボール甲子園と銘打たれたパワプロリーグ戦企画はすでに走り始めていて、織元さんの私立ロボロボ学園高校も選手の作成を始めている。
あと一週間と半分ほどをかけて最強のチームを作り上げ、決戦に挑むというタイミング。
ちょうど配信も新鮮さが薄れ始めて、何か刺激がほしいところだろう。
ここに間に合って、本当によかった。
『織元さん、こちら納品ファイルになります
https://99.omegafile.nu/xxxxxxx』
『ファッ!? 早すぎンゴ!!
せやかて工藤! 頼んでからまだ一週間やで!?』
『本番までの配信とかでも使いたいんじゃないかと思って、サウンドチームで超特急で仕上げました』
『ガチでありがたい……わかってるねぇ、謎の男
中身拝見させて頂きます!』
『よろしくご査収願います!』
『完璧。めっちゃいい。さっそく今日の配信から使うわ。え、てか三三七拍子とか入れてもらっていいん? 別料金出るよ?』
『今の歌の面子もう一回集められれば、こういうのもできますよというサンプルです。
もし使ってみ
『いいんじゃない? いいんじゃないの
こんなん出したら二回目あったらめっちゃ普通に依頼来るし、なんなら俺ももっかい依頼すると思う』
『ありがとうございます!』
べた褒めの感想を頂き、ホクホクな気分だが……
俺はそれをすぐにサウンドチームにも流す。
今回の仕事はサウンドチームでやったものだからな、この気持ちはみんなで分かち合いたい。
『納品してきました! 完璧、めっちゃいいとの事です! 今日の配信から使って頂けるそうです!』
ノット・キング・コール
『おうがさんせっかくだし(通話)繋いで一緒に見ようよ。俺今日早上がりなんだよね』
『いいですね!』
『つうかカラオケかどっか集まって見ない?』
『配信何時からだっけ?』
『21時ですけど、平日だけどいいんですか?』
『まだ草野球対決のトラウマから立ち直れてねーっ。脳みそにポジティブな情報を摂取したい』
『せっかくみんなでやった仕事だし、みんなで祝おうよ』
ノット・キング・コール
『俺大丈夫だよ』
『僕もいけます』
そんな流れで、急遽その晩集まったのは新宿のカラオケボックス。
カレンさんがカラオケの歌詞なんかを流すためのでっかいテレビに配線を繋ぎ、そこにノートPCから
待機画面の間に酒を飲みきったカレンさんが部屋の電話から二杯目の注文を入れる中、配信が始まった。
「おっ!」
「うおっ!」
「いきなり!?」
右下に
聞き覚えしかないイントロが、初っ端から流れてきたのだった。