雄英高校サポート科緑谷出久♀の兄   作:紡縁永遠

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入学式は無いのか?

 「ふ、ふた、二人ともとー!!来た、来たわ!雄英から合否の手紙が来たわよー!!」

 「お母さん落ち着いて」

 「とりあえず、大丈夫のはずだよ」

 

 合否発表だけで大袈裟な、まぁ…分からんでもないが、もう少し落ち着いてほしい。手紙からでたのはプロジェクターだった。

 

 『わーたーしーが、投影された!!』

 「「オールマイト?!」」

 『いやあ色々手続きがあってね!切り出せずにいてすまない!私がこの街に引っ越していたのは他でもない、来年度から雄英に勤めることになったからさ!』

 「オールマイトが雄英に?そんな事を言ってなかったぞ!」

 『まず緑谷少年!君の合否発表だがあえて先に言おう!合格だ!!教師全員引いていたよ、そして緑谷少女君も合格だ!』

 

 オールマイトのその宣言に後ろで見ていた引子が歓声を挙げる。

 

 『筆記も上々だったが、実技試験も見事の一言だ!君が獲得したヴィランポイントは驚異の89!これでも大したものなのだが……もしや、君はこの試験の隠された内容に気付いていたのかな?』

 『実はこの入試、見ていたのはヴィランポイントのみにあらず!!大小関係なく誰かを救ける、そんなきれい事を命がけで実践できるかも、ヒーローの絶対条件だ!

 もうひとつ我々が見ていたのはずばり、"レスキューポイント"!それも審査制!!これによって君が得たポイントは78P!合計で167P!

 おめでとう緑谷少年、合格……それも首席だ!』

 「やった!」

 「ああ、」

 

 首席合格。それを聞いた途端、引子が幸せそうな顔で気絶した。本当に大丈夫かな?

 

 

―――――――――

 

 

 「二人ともハンカチ持ったの?ティッシュは?」

 「大丈夫だよ母さん、全部昨日のうちに済ませたから!」

 「それならいいわ。せっかくの入学式だもの、バッチリ決めていかないとね。……二人とも、超カッコいいわよ!」

 「「……うん!いってきます!」」

 

 二人揃って家を出る。電車を使い雄英高校に向かう。

 

 「唯一の懸念は片方だけ合格だったからな」

 「うん、でも兄さんなら問題ないでしょ?」

 「まぁ…な、」

 

 馬鹿みたいに広い雄英高校の見取り図を、サポートアイテムにインストールしたあとに1年A組に向かう。本当に広いな、入試会場が複数ある時点で広いのは分かっていたが。

 

 「机に足をかけるな!先輩方や机の制作者に申し訳ないと思わないのか!!」

 「いちいち思ってられんわ面倒くせえ!テメエ何様だコラ!」

 「ぼ……俺は飯田天哉、私立聡明中学出身だ!」

 「ちっ聡明っつーことはエリート様かよ……まあいいぶっ殺しがいがあるってもんだ」

 「ぶっ殺しって……せめて競いがいにしてくれないか!物騒だぞ!?」

 

 うん、通常運転だな爆豪は、流石に止めるか。

 

 「おいっ!爆豪、全てに噛みつくな、もう少し考えろ」

 「ああ゙?神目、てめぇ文句があるのか?」

 「あるに決まってるだろ、お前はどれだけ敵を作れば気が済むんだ」

 「俺の勝手だろうが!」

 「ったく」

 

 だめだこりゃ、治らないな。しかし、随分と色んなヤツがいるな、まぁそれが個性社会なんだけど。

 

 「お友達ごっこしたいならよそに行け!」

 「……」

 

 なんだコイツ、寝袋に入って、警察に連絡するか、スマホどこだっけな、

 

 「おい、何がしたいのかはわかるが俺はここの教師でお前らの担任だやめろ。的確に動ける奴は嫌いじゃないが少し落ち着け。

 まったく……改めて、俺はお前たちの担任になる相澤消太だ、よろしくね。そして早速だが体操服(コレ)着てグラウンドに出ろ。各自机の中にあるから確認。更衣室はこの道のこの部屋だ。急げ、はよ」

 

 淡々と紹介と説明を告げる担任と名乗った男性。

 え?この小汚ない人もヒーローなの?いや見かけで判断するべきではない……。そうだけどホームレスと言われても納得してしまいそうな格好じゃん、とあちこちで困惑の声が漏れている。

 

 「「「「個性把握テストォォォ!!!」」」」

 「入学式は?ガイダンスは!?」

 「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ。雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側も然りだ」

 

 着替えてグランドに来た俺達に待っていたのはテストだった。時間がないのは分かるがもう少し考えてほしい。

 

 「緑谷、中学の時のソフトボール、何mだった?」

 「56mです」

 「個性を使って投げてみろ。円形から出なければなにしてもいい」

 

 そう言ってボールを渡してくる。こういうのは気合が大事だという。

 

 「あんの……クソ医者があああぁぁぁぁぁ!!!」

 『『『クソ医者?』』』

 

 紅蓮骨喰をゴルフの要領でフルスインする。カグツチもあいまってかなり飛んだ。

 

 「802.8m」

 「なんだこれ!すげー面白そうじゃん!」

 「二人ともすごい記録ね。私も負けていられないわ」

 「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!」

 

 あちこちで一様に盛り上がりだす。個性を用いたテストを見て興奮する者、気合いを入れる者、俺の記録で盛り上がる者、様々だ。

 

 「……面白そうか。ヒーローになるための三年間、君らはそんな腹積もりで過ごすつもりでいるのかい?」

 「ん?」

 

 しかし軽い気持ちで盛り上がったのが先生の逆鱗に触れたのだろう。相澤先生の纏う雰囲気がガラリと変わり、とんでもないことを言ってきた。

 

 「よし今決めた。このテストでトータル成績が最下位の者、ヒーローの見込みなしとして除籍処分とする」

 「「「「は……?はああああああッ!!?」」」」

 

 そう宣告してきた先生の目は笑っていなかった。

 自由すぎるだろ、でもやるしか無い。他の人には悪いけど、さっさと終わらせないと。

 

 「ちょっと待ってください!最下位除籍って……入学初日ですよ!?いや、そうじゃなくっても理不尽すぎます!」

 「残念だがこの程度の理不尽、まだまだスタートラインってところだ。事故に災害、(ヴィラン)犯罪。いつどこから来るかわからないあらゆる厄災に対応していくのがヒーローというもの。放課後マックで談笑したかったならお生憎様、その期待は捨ててくれ。これから三年間、雄英は君たちに数々の苦難を与えていく。Plus Ultra(さらに向こうへ)さ。全力で乗り越えて来い」

 「理不尽…………」

 

 よく知っている、わけもわからない質問で要らないものを押し付けてくる医者。否定すれば殺されて、出久の視力は奪われた。スタートラインか、皮肉なもんだよな、あのクソ医者のおかげでここに断っていられるんだから。

 

 「それで、なんでてめぇは個性を使わない!」

 「俺の個性は面倒くさいのは知っているだろ、」

 「喋ってないで始めるぞ……しごく普通だな」

 「なんでですか……」

 

 普通に走って武器普通と言われる、何が悪いんですかねぇ、しかし、あの眼鏡の…確か飯田だったか?面白い個性だな、個性は〈エンジン〉か、足から出ているマフラーのターボで加速をするか、オレンジ100%のジュースが燃料、それ以外ではエンストすると。

 他に面白そうなのは〈ネビルレーザー〉ヘソからレーザーを出す個性、一分噴射するとお腹が痛くなる。随分なデメリットだ。他は…ん?他人から与えられた?どういうことだ?無個性は、いるが他人に与えるだけ、受け継ぎとかではないみたいだな……警戒しておくか。

 次は握力測定か、

 

 「刃身の二・空斬糸 赫棺縛」

 

 血の糸を握力計に縛り、引っ張る。少し特殊な結び方で引っ張り。127kg、肉体強化ができないのが残念だ。プレス機を使って1トン出している人もいた。個性は〈創造〉一部の有機物質を除きほぼ何でも作れる。汎用性が高い能力だ。

 続いての立ち幅跳びは、シナトベの風で高く飛び、カグツチの焔で推進力を得る。572m

 反復横跳びは、普通にやって67回、なお一位は意外にもブドウ頭の峰田だったか?そいつが頭からもいだボールは弾力性があり、それを左右に設置して、その間をすごい勢いで反復してなんと記録114回を叩きだした。やっぱり個性は使い方だな。

 もう一度行ったハンドボール投げは、出久の調整の副産物を使う。神々のお遊び、視力を失い出久が得た虚ろの義眼(うつろのぎがん)ともう一つ血弾格闘技(954ブラッドバレットアーツ)だ。

 

 「STRAFINGVOLT 2000(ストレーフィングボルト ツーサウザンド)

 

 レールガンににた要領で弾き飛ばす。記録はエラー、通信機能の破損の為だ。担任に舌打ちをされた。持久走は原付使ってる奴がいたり、体力関係なしのテストをこなした。四位で、最下位は峰田とやらだった。せっかくの強個性なのに、除籍なんてもったいない……。

 

 「ちなみに除籍は嘘な」

 「「「「は?」」」」

 「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

 

 結果の開示と同時に、相澤先生は除籍は嘘だと鼻で笑った。これを聞いて叫び声があがり、峰田にいたっては発狂とも言えるほどの安堵の雄叫びをあげていた。

 

 「これで終わりだ、それじゃあ各自解散」

 「あっ!いた!」

 「君は?」

 「この度入学したサポート科の緑谷出久です!」

 「緑谷?」

 「なんで来た出久」

 「入学式にでてないからだよ兄さん、」

 「……ああ兄妹なのか」

 

 個性把握テストが終わったところで妹出久がやってきた。

 

 「そうだ!先生少しグランド使っていいですか?」

 「なんでだ?」

 「個性を使いたいからです、ここなら失敗できるので」

 「……緑谷……兄、しっかり見とけよ」

 「はい…、一分の貸し出しだ、それが終わったら終わりだ」

 「うん!」

 

 神々の義眼は、他人の視界を操ることが出来る。視力が無いものは、自身が使えない代わりに、見せることが出来る。

 

 「血弾格闘技(954ブラッドバレットアーツ) Electrigger (エレクトリッガー )1.25(ワンポイントトゥウェンティファイブ)GW(ゴワット)

 「……なんでサポート科に?いや、それよりもお前等の個性はなんだ」

 「教師には言ってもいい、他は無しにしてくれるとありがたい」

 

 さすがに気づくか、でも出久はいつの間にハンドが湯を作ったんだ?




血弾格闘技(954ブラッドバレットアーツ)長すぎてフリガナが上手く読み込めない……
虚ろの義眼
血界戦線ミシェーラ・ウォッチの星空のような目を指すオリジナルの言い回し。
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