【アチーブメント:トゥルーエンド】IF.BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
というわけで「強くてニューゲーム」状態のエヴリンが挑むバイオハザードヴィレッジの物語。楽しんでいただけると幸いです。
「――――少女は鏡に閉じ込められてしまいました……あら、寝ちゃったわ」
『こわっ。こんなの赤ちゃんに聞かせる話じゃないよママ……ねえ、パパもそう思うっ!?』
「!?……なあこの話、不気味すぎないか?ローズは生まれて半年だぞ?…………どうしたエヴリン?」
私、エヴリン・ウィンターズ(自称)!パパであるイーサン・ウィンターズとその妻である私のママ、ミア・ウィンターズ、そして最愛の妹ローズマリー・ウィンターズと過ごしていたある日。なんというか、頭に直接見知らぬ記憶を注ぎ込まれる感覚に襲われた。ママがローズに読み聞かせていた絵本に苦言をぼやいていた私に同調していた、唯一私を見ることができるイーサンも、いきなり変な声を上げた私に驚いている。
『大丈夫、じゃない……ひぐぅ……』
頭を抱えて空中で蹲る私。一瞬にして脳裏に注ぎ込まれたのは、とんでもない量の「記憶」だった。これから起きるとある村での顛末、三年前に起きた事件なんだけど少し違う珍道中、16年後のローズと黒き神の死闘の記憶。そして、1980年10月にタイムスリップした私の、30年以上にも及ぶ希望と絶望の
―――――「ごめん。私はやり切ったけど、唯一の心残りがそれなんだ。壮大なネタバレ踏ませたんだから、きっとなんとかできるよね。え?イーサンとの信頼が初期値?ミランダが強すぎる?それはそう。頑張れ!!!!!」
『ふっっっっっっざけんなあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』
「おわっ!?」
「ちゃ!?」
綺麗な笑顔でグッドサインを向けたなんか私より少し成長した「私」からのメッセージに怒鳴り声を上げたら、二階までローズを運んでいたイーサンとローズが反応して声を上げた。あ、やば。せっかく寝かけてたのにローズが泣き出しそう。
『ご、ごめんごめんごめん!ほらほら、お姉ちゃんは怒ってないからね?べろべろばー!』
「きゃっきゃっ」
「本当にどうしたんだエヴリン」
心配してくれてる声をかけてくるイーサンに嬉しくなる。やっぱりこの時点で結構私を信頼してくれてるよね。って違う!この日があの日なら、このあとイーサンはトラウマ級の光景を見ることになる。最愛のミアの死だ。そんなの、間違ってるよクリス!例えそれが最適解だったとしても!
『なんでもないよ。ちょっとごめんね!』
「お、おい!?」
呼び止めるイーサンを無視して、下に向かう。そこには上機嫌にルーマニアの郷土料理を作っているミア……否、ミアに化けたミランダがいて。今ならわかる。ミランダは、偽の関係だけど「家族」であることに浸っている。さっさとローズを連れ去ればいいのに、数日の間ずっといたであろうのがその証拠だ。もう100年ぐらいの間、人々を犠牲にし続けてきた女だけど、私も同類だ。「私」が託したのは、全ての救済。だから、ミランダもその対象だ。でもどうする!?どうすればいい!?このままじゃ、ミランダはクリス達ハウンドウルフに蜂の巣にされて、「家族」を壊されたことによる絶望でローズを連れ去ってしまう。そしたらローズは四分割されて……
『ミランダ!聞こえる!?聞こえるよね!?』
とりあえず、ミアミランダの前に飛び出して主張するけど反応がない。なんでだ!最終決戦で思いっきり反応してたじゃん!無視か!無視してるのか!
『ねえ聞いてよ!このままじゃ、最悪なことになるんだって!ねえミランダ!』
そこまで呼び掛けて思い出した。やり直した歴史ではなんか私が見える人が多すぎて感覚麻痺してたけど、私を見れるのはイーサンの細胞を取り込むか、菌根が混じったT-ウイルス由来じゃないと駄目なんだった!ああ不便だな私の体!なにか、なにかできることはないかなあ!私が唯一できるのはイーサンと会話することと、イーサンの体を変形させるぐらいで………あっ。
「ローズを寝かせて来たぞ、ミア」
「ご苦労様、イーサン。ご飯にしましょう」
『イーサンごめん!』
「え?」
私がしたことは簡単だ。ミアの目の前で、イーサンの中の私の菌を活性化させて腕をモールデッド化させたのである。驚くイーサンと、眼を見開いてビクッと肩を跳ねさせるミアミランダ。鍋をその場に置いて、露骨にファイティングポーズをとって警戒してきた。可愛いなミランダ。さすがダッシュババアやってたポンコツなだけはある。人の事言えないって?私はポンコツじゃないよ?
「ミア、これはその……だな。えっと、どういうことだ!?」
「なんのつもりだイーサン・ウィンターズ……まさか菌根の力を制御しているのか?私の正体に気付いて…?」
「ミア?」
『自分で白状するのさすがに笑うんだけど。ってそれどころじゃない!イーサン!ミアを押し倒して!』
「え?」
『早く!』
私の呼びかけに呆けた反応をするイーサンをせかす。異変が起きたのだ。イーサンの家を見張っているハウンドウルフがやることは決まっている。
「お、おう!」
「なにをする!?」
イーサンがミアミランダを押し倒した瞬間、その頭上を弾幕が通り過ぎていく。蜂の巣にされ、ミアミランダを押し倒したまま庇うイーサン。目を白黒させ顔を赤らめさせるミアミランダ。おいこら乙女してんじゃないぞ黒幕。
「これは一体、どういうことだ…?」
「こっちの台詞だ……」
弾幕が止み、困惑の声を上げるミアミランダとモールデッド化から元に戻った腕で頭を抱えながら周囲を警戒するイーサン。すると、扉を蹴破り窓を突き破り、完全武装の人間たちが入ってきてアサルトライフルをイーサンとミアミランダに向けた。
「何事だ!?」
「抵抗するなイーサン・ウィンターズ」
「いきなり襲っておいて抵抗するなとは結構だな!」
『まず事情を話そうよ、口下手狼の群れめ』
破壊された食卓から転がっていた銀細工のナイフ……イーサンが前奮発して買ったものだ……を手に取り、アサルトライフルを持った目の前の男に斬りかかるイーサン。ハウンドウルフからしたらクリスの指示なしでイーサンを傷つけるわけにはいかないのか、アサルトライフルを盾に受け止め取り押さえようとする。ミアミランダは様子を窺っている。イーサンの前で正体を明かすか迷っているのだろう。すると、なにかに気付いて立ち上がった。もちろんというべきか反応する他のハウンドウルフ。
「ローズ…!」
「行かせるな!撃て!」
「ミア!?」
階段に向かって駆けるミアミランダに、銃口が向けられるがそれに気を取られたハウンドウルフの胴体をイーサンが蹴っ飛ばしてミアミランダの射線に入る様に吹き飛ばし、できた一瞬の隙で椅子を手に取ったイーサンが投げ飛ばしたそれが頭にクリーンヒットして転倒するハウンドウルフ。
「貴様…!調子に乗って…!」
「うおおおおおおっ!!」
『脳筋だあ!』
蹴り飛ばされた奴と椅子が頭に激突した奴とは違うハウンドウルフが銃口をイーサンに向けるが、イーサンは知ったことかと言わんばかりに突進。ショルダータックルで壁まで吹き飛ばし、崩れ落ちさせる。一応訓練している人たちをこんなあっさり鎮圧するのはさすがイーサンである。
「うわぁあああ!?」
「イーサン!逃げるぞ!」
『さすがあ』
すると、二階からハウンドウルフの一人が吹き飛ばされてきて、ローズを抱えたミアが降りてきてイーサンの手を取り、入り口を目指す。しかしそこに立ちはだかるのは、アサルトライフルを構えた部下1人を侍らせた筋肉ムキムキのマッチョの髭。アサルトライフルを手にミアミランダを狙うクリス・レッドフィールドだった。
「クリス!?なんのつもりだ!俺達を襲うなんて!」
「イーサン。落ち着いて聞いてくれ。俺達は……」
「イーサン!掴まれ!」
「え?」
すると、結構お高めの調度品やら壁やら破壊しながら背中から出した六枚の翼を触手状に伸ばしてクリスと侍っていたハウンドウルフの放った弾丸を防ぎ、突き飛ばすミアミランダ。呆けるイーサンの手をローズを抱えてない方の手で握り、天井を突き破って空に飛び出すミアミランダ。翼が生えたミアの姿は悪魔のそれだった。
「こうなったら仕方ない、村に向かうぞ。しっかり掴まってろ!」
「ミア!?どういうことなんだ!?」
『クリス達には悪いことしたなあ』
でも多分、ミランダが強硬手段に出たのはクリス達が原因だから仕方ないよね!まさかまさかのイーサンとすやすや眠るローズを連れて、空を駆るミアミランダを追いかける。さあどうなるかなあ!どうにでもなあれ!と言いたいところだけど、ハッピーエンドにしてみせる!
エヴリンは可愛い。これは真理(特異菌感染者の戯言)っていう信念掲げてここまで来ました。全部を救うなら、ミランダが救われちゃならない道理はないよね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。