雛見沢とかいう田舎に転生した   作:that's the plan

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第11話

 6月のある日、父親からある誘いがあった。

 

「今度、雛見沢に観光に来る若い人がおるらしくてなあ。それも、俺らの死守同盟の企画の一環でな。雛見沢に来るもんには、無料で案内をするんや」

 

「うん、それで?」

 

「明日は学校は休みらしいしなあ。すったらんと、それにユウくんもついてこんかと思ってなあ」

 

 すったらんと、というのはこの辺の方言で、それで、とかそうしたら、とか。そんな感じの意味だ。

 

「別にいいけどね。どうして?」

 

「うーん、なかなか説明しづらい話なんやけどなあ。子供もいた方が印象がええやろ」

 

 俺は父親のその声に、何となく悟った。観光客を無料で案内するというのは、少し前から死守同盟がやっている平和的な抗議活動だ。自然の美しさなどをアピールして、これが失われるのは勿体無いという考えの人を増やすという温厚な策。

 

 その場所に外向的な息子を連れていく。怪訝な顔はされるかもしれないが、この村に生きる可愛らしい子供たちの姿を見せることで、少しでも良い印象で帰ってほしい、ダムに反対する人を増やしたい。そういう理由なんだろう。

 

 どれだけ自然が美しくても、子供の姿がないと活気がないし、如何にも消滅して当然の自治体っぽいしな。

 普段俺が両親に迷惑をかけているのは承知済みだ。ここは一つ、借りを返す気持ちで同行することにした。

 

 

 

 現在、ダム戦争はこれまでで最も過熱している時期だと言える。

 

 国道から村に入るための道には死守同盟の検問所が置かれ、工事用車両なんかは五体満足で村の中には入れない。スパイクトラップみたいな釘が置かれて、スタックしている姿をよく見る。

 

 ゴミの不法投棄をする犯罪者を取り締まるためなんて言って、自警団のような行いが横行している。中には農具で武装している人間すらもいるのだ。今の雛見沢は、ちょっとした武装組織もかくやという危険地帯の様相を呈していた。

 

 どう考えても異常な状況だった。きっと、裏社会との繋がりがあるという園崎家が裏で糸を引いてるのだ。

 

 しかし多額の費用と村民の労力をかけて行われているこの闘争は、きっといつまでも続けられるものではない。力を使い果たしたあと、抵抗運動にはいずれ限界が来る。それを国が待っているようにも思える。

 

 民間団体と国との争いが数年で終わるわけもない。梨花ちゃんは結果は決まっていると言っていたが、俺や魅音ちゃんが中学生になってもこのダム戦争は続くのかもしれないと思うと、ゾッとする。

 

 雛見沢分校の子どもたちも、その行為の意味を知ってか知らずか、建設現場でいたずらをしたり、石を投げたりするのだ。なんせ、それをやれば大人たちは勇敢だ、村のために偉いだなんだと褒めてくれる訳だ。

 ダム建設がどういうことかわかっていないような子でさえも、親や大人に褒められるために抵抗活動の一端を担っている。まるで、どこかの紛争地帯の反政府軍のように、少年兵たちが養成されているように思えた。

 

 俺はそんな村の現状に冷ややかな目を向けながら、我関せずとギターの演奏にいそしむのだった。

 

 

 

 

 俺と父は、雛見沢のバス停でその観光客とやらに接触する手筈になっていた。俺は先にバス停に到着しておき、その観光客とやらとお話をする。そのうちに父が車で迎えに来るのだ。

 

 それを俺に伝えると、その前に神社で用事があるのだとか言って、父の車はどこかへ走り出してしまった。

 来訪者が来るバスの時刻は知っているが、父がいつ迎えに来るかもあまり分からない。俺はもう暑い6月某日にバスの停留所に置き去りにされていた。

 

 今日、どんなところを回るかについてもある程度聞かされている。最後は神社とのことなので、きっとその場のノリで俺が一曲披露することになるんだろう。それならそうと先に言って欲しいところだけど。

 

 俺は歩いて停留所に到着した。当然のように持たされたギターバッグを下ろす。夏の暑さと、ギターの重さと、背中の蒸れ。まだしばらく待たないといけないとなると、愉快な心地ではなかった。

 

 ふぅ、とため息をつき、腰掛けた停留所の椅子でぼーっと考える。

 

 梨花ちゃんに俺のことが看破された日から少し考えたが、この世界に未来のことを知っている人が何人もいるとは考えづらい。もしそうなら、梨花ちゃんはあんなに鬼気迫る顔で問い詰めてきたりしないだろう。

 

 俺と、梨花ちゃん。それ以外にもしも未来から来た人間がいるんだったら、もうこの世界はめちゃくちゃだ。

 

 梨花ちゃんが俺のことを黙認してくれている以上、俺は必要以上に気を遣って生きたりしなくてもいい。そう考えることにした。誰が未来から来た人で……なんて、陰謀論めいた馬鹿げたことを日頃から考えるのも面倒くさいしな。気分転換に歌でも歌おう。

 

 停留所で歌う俺。そこに誰かの足音が聞こえた。俺は一旦鼻歌を止めた。もしかすると、「観光客」とやらはバスじゃなくて車で近くまで来てどこかの駐車場に停めて、ここを集合場所にしてるだけかもしれない。

 

 俺はその足音が聞こえた方を向き、威勢よく挨拶をする。

 

「おはようございます!」

 

 体育会もかくやという気持ちのいい挨拶を披露したつもりだったが、そこにいたのは俺と父が待っている観光客ではなかった。

 小さな背丈の可愛らしい女の子。古手梨花ちゃん。この子……何処にでもいるな。

 

「おはようなのです、雄星。ボクたち、どこでも会いますですね。にぱー⭐︎」

 

 優しい表情で笑う梨花ちゃん。こうして見てると、本当にただの可愛らしい小学生なんだけどな。

 

「そりゃあこっちの台詞だよ。俺はある人を待ってるんだけど、梨花ちゃんはどうしてここに?」

 

「うーんと……。同じような目的、なのですよ?」

 

 柔らかな笑みを浮かべて、そう言う梨花ちゃん。もしかすると、父が呼んだのかもしれない。俺はただの子供だが、梨花ちゃんは村の中でも超の付く重要人物なんだけどな。

 

「そうなんだ。ってことは、お父さんが梨花ちゃんも呼んだのかな。停留所で待ち合わせってことはさ、俺たちが待ってる人ってバスで来るのかな?」

 

「きっとそうなのです。ボクはバスが来るまで寝ておくのですよ。ぐぅ」

 

 梨花ちゃんはそう言い切ると、マイペースに目を閉じて寝たふりを始めた。

 梨花ちゃんはこれ以上話す気はない、と示したんだろう。こうなると俺も、寝てる女の子の横でまさかギターの練習をするわけにはいかないので、読書でもすることにした。

 

 今日読もうと持ってきたのは、『異邦人』。アルベール・カミュの、人間社会の不条理を描いた小説だ。

 

「きょう、ママンが死んだ」という印象的な始まりのこの作品は、誰よりも自由で素直な主人公が、その純粋さ故に死んでしまうという、そんな話。

 ちょうど、観光客という異邦人が来るらしいので、しばらく前に図書館で借りた文庫本を持ってきたのであった。

 

 黙って読み進めていると、車の音が遠くから聞こえてきた。きっと、お客さんの乗ってるバスだ。遠くに見えるバスは停留所近くの休憩所から少し離れた路肩にほんの少し停まり、1人の若い男性を下ろすとさっさと走り出した。雛見沢で降りる人は少ない。誰が観光客なのかは一目瞭然だった。

 

 俺は本を閉じて腰掛けに一旦置いて、こちらへと歩いてくるその男性の方へ向いて、挨拶をした。

 男は停留所の周りにも貼られているダム抗議活動のビラに驚いた顔をしながら、それを取り繕うようにこちらへ笑みを浮かべた。

 

「こんにちは。ようこそ雛見沢村へ!僕は今日案内を任されてる牧野の…息子です」

 

「初めまして。僕は赤坂と言います。電話をかけた時に話は聞いてるよ。息子を同行させたい、ってね。子供たちの遊び場とか、学校の話を聞かせてくれるんだってね?」

 

「ははは、そんなに大した話はないんですけど。父と一緒に案内させていただきます。父は遅くなっているみたいです。すみません」

 

 赤坂さんは梨花ちゃんの反対側、俺の右側に座った。離れて見ると線の細い優男だが、間近で見ると、なんだか体が鍛え上げられているように見える。なんというか、締まった感じだ。お仕事はデスクワークじゃなく、体を使う仕事なのか、ジムに通っていたりするのかも。

 

 赤坂さんは俺に顔を向けてはいるものの、その目はこの休憩所に貼ってある鬼ヶ淵死守同盟のビラに向けられている。やっぱり、こんなところに脅迫めいた文言を貼り付けるのは逆効果だろうに。

 

「貼ってある抗議のビラは……あんまり気にしないでください。同調圧力みたいなもので反対する人も多いですから。まさか国が強制的に僕らを追い出すなんて、ほとんどの人が思っちゃいませんよ」

 

 赤坂さんは曖昧に笑った。子供の言うことだから、あまり信用されていないのが伝わる。俺じゃなくても、子供ってそういう態度は結構わかるものだと思うんだけどな。

 

「えっと、この子は……?」

 

 赤坂は死守同盟の話を遮り、俺の横に座って眠っているように見える梨花ちゃんを指す。

 

「うーん。なんでここにいるのかは僕もわからないんですが…可愛らしい子でしょう?この村のアイドルですよ」

 

 俺たちは座ってからずっと、彼女が寝ているように見えるので小声で会話をしていた。梨花ちゃんはゆらゆらと頭を揺らし、船を漕ぎながら……そのうちにふらっと前に倒れそうになる。俺はそれに反応して、肩を支えて倒れてしまうのを阻止した。

 

「……みぃ」

 

 寝ぼけ眼で、俺と赤坂さんを、見比べ、一言鳴く。

 赤坂さんは梨花ちゃんの顔をじっと見つめ、なんて可愛い生き物なんだ、と言わんばかりに癒された表情をしている。

 

 俺の憶測で、今日訪れる人は何か権力を持った人間かと勝手に想像していたが、本当にただの観光客なのかもしれない。会って数分だが、梨花ちゃんの姿にへらへらした笑みを浮かべる赤坂さんに、俺は認識を改めつつあった。

 

「梨花ちゃん、こちらは今日観光に訪れた赤坂さんだよ」

 

「はじめましてなのです、赤坂。ふたりは、ボクがおひるねしてたので声を小さくしてくれたのですか?ありがとうなのですよ」

 

 にぱーっと笑った。赤坂さんはますます梨花ちゃんの笑みに心を奪われているようだった。

 確かに一見では無垢で可愛らしい子だ……それが嘘なわけじゃないが、裏側もあるのも事実だ。

 

 そこで、村の方から走ってくる車の音が聞こえた。きっと親父の車だ。

 窓を全開にして走ってくる小さなワゴン車が一台。中に乗っているのは麦わら帽子を被った俺の父親だった。来客の時ぐらいもう少しきちっとした格好をするべきだと思うが……。

 

「えぇと、あんたが赤坂さんですかいね?」

 

 砂利道に停まり、父は車を降りてくる。

 

「いやあ、遅れて申し訳ないこってす」

 

 訛りの強い言葉で赤坂さんに小さく頭を下げる父。

 父は赤坂さんと俺、そして……梨花ちゃんの姿を認め、驚いた顔だった。父は梨花ちゃんを誘ったのかと思っていたが、そうではなかったらしい。

 

「梨花ちゃまでねぇですか。ありがたや、ありがたや〜」

 

 父は梨花ちゃんを前に、老人たちがいつもやる拝む体勢に入った。赤坂さんが顔に疑問符を浮かべている。実の親が都会の若者に怪訝な顔をされているのは、少し恥ずかしい。俺は小さく咳払いをしてから、口を開いた。

 

「赤坂さん、今日の観光ツアーなんですけど、梨花ちゃんも来てもいいですか?」

 

 俺は赤坂さんに声をかけた。赤坂さんは先ほどの梨花ちゃんの笑みに骨抜きだ。梨花ちゃんが一緒に来ると言うなら、きっと承諾するだろう。それに、梨花ちゃんのことだ。ここで赤坂さんを待って観光案内をすることだってお見通しの上で、それに同行しようと待っていたに違いない。何の目的だか知らないが、アシストしてやってもいい。

 

「う、うん」

 

 赤坂さんは頷いた。どことなく嬉しそうだった。

 

「俺たちさ、これからこの赤坂さんに村の観光案内をしようって話なんだ。梨花ちゃんもよかったら来てよ。やっぱり、俺たちも知らない村の秘密の名所とか知ってるんでしょ?」

 

 俺の言葉に、目を輝かせる梨花ちゃん。初めて聞きましたという表情をしてはいるが、やはり織り込み済みのように思える。

 

「こら、ユウ。そんな面白いことなんてねえんだ。梨花ちゃまと友達だからって、無理なこというんでねぇ」

 

 父は俺を嗜めるが、父といえど梨花ちゃんには弱い。赤坂さんが了承した以上、梨花ちゃん次第だろう。

 

「面白そうなのです。牧野、ボクも一緒に行きたいのです」

 

「梨花ちゃん、牧野じゃあ俺のことか父さんのことかわかんないだろ?」

 

 梨花ちゃんはうふふ、と可愛らしく笑った。赤坂さんもつられて笑い出した。

 梨花ちゃんが着いてくることを了解した父は「しっかたなんと〜」と車のトランクを開けに行った。

 

「雄星くん、それは?」

 

 赤坂さんは俺の荷物に気付いて声をかける。

 

「あ、これは僕のギターなんですよ!父さん、トランクに積んどくね?」

 

 おうよ、と父の返事が返ってくる。ちょっとした工具や整備用品が積まれたトランクに、ギターケースを入れる。

 

 車の助手席には赤坂さん、後ろには俺と梨花ちゃん。俺は左後ろに座って窓にもたれかかり、梨花ちゃんが真ん中に近いところに座る。きっと、赤坂さんがバックミラーを見れば梨花ちゃんの顔が見えて嬉しくなることだろう。

 

 道中、さまざまなところへと俺たちは立ち寄る。風景が綺麗なところ、雛見沢の文化的に重要視されているところ。俺の提案で、おっかない園崎家の禁足地を遠くから見よう、と言って父に怒られたりもした。半日にも満たない小旅行をする中で俺たちは赤坂さんと、ある程度打ち解けた。

 

 道中に聞いた話では、赤坂さんには出産を目前とする妻がおり、それを病院に置いてここに来ているのだと言う。

 こんな真面目そうな好青年なのに、まさかこの旅行がふと思い立った観光気分な訳はない。俺の想像だが、彼はここを視察する目的で観光客を装っているのではないだろうか。

 

 赤坂さんはそのあたりを父に聞かれ、この旅行は前から決まっていた、とは言うが、本当にそうなら無料のツアーを開催している時に来たりするはずだし、やはり違和感がある。

 国土庁のお役人か何かで、どんな抗議活動が行われているのかなんかを見に来たんじゃなかろうか。そんなちょっとした疑いを胸に、共に村を回った。

 

 

「じゃあ、最後にとっておきの場所に案内しましょうかね」

 

 しばらく色々な地域を回った後で、父は赤坂さんに親指を立ててそう言った。まだ行っていない場所でとっておき、となると古手神社のことだろう。梨花ちゃんの実家。

 祭具殿と、馬鹿でかい鳥居。この寒村にありながらかなりの敷地を誇る、数少ない観光地になりそうな場所だ。

 

 せっかくなら、祭具殿を綺麗にして改修して、解放すればいいのにと言ったことがあるが、とんでもないことを言うなと父に怒られた。何が入ってるかは知らないが、悪いアイデアじゃないと思うんだけどな。

 

 俺たちを乗せたミニワゴンは神社の前の道路へ行き着く。ここから、なかなかに長い階段が待ってる。よく考えると、ここを毎日上り下りしてる梨花ちゃんの体力はすごい。

 

 神社の周りには、鬼ヶ淵死守同盟ののぼりや看板が乱立している。

 神社のそばにある集会場が死守同盟の本部なんだから当然だが、こんな光景の神社を観光地として案内しようってんだから虫のいい話だ。キャンペーンをするなら対外的な印象が良くなるようにした方がいいと思うんだけど。

 赤坂さんは物騒な文言が書かれたのぼりを見て、怪訝な顔つきになる。それに気づいた父が、赤坂さんに気安く話しかけた。

 

「あんたらには、学生運動みたいで懐かしいでしょう?」

 

 余計なことを赤坂さんに言うものだ。確かに赤坂さんはいかにも大学教育を受けてそうなインテリめいた優男だが、その実どうかもわからない。学生運動にも色々あるし、学生運動にしたって、経験した誰もがいい思い出なわけはないだろう。

 山奥の村民と都市のインテリでは、文化も思想も違う。父には想像力の足らないところも少しあるらしかった。

 

「僕は活動家ではありませんし、国の政策に暴力で対抗しようとするやり方には同意できません……」

 

 赤坂さんは、つらつらと反論を述べる。やはり、単なる観光客には見えない。普通の観光客なら、やべー奴らもいたもんだ、と適当に話を合わせるだろう。やっぱり、国土庁の視察官なんじゃないか?

 

「赤坂さん。あなたのおっしゃることも納得できます。ただ、我々には……これしかないのです。僕たちはこの村に、神社に、文化に。誇りを持って生きています。この抗議活動で何かが変わるにせよ、そうでないにせよ……何とか、足掻きたい。本当に、それだけなんです」

 

 俺は、居た堪れない顔を演じて赤坂さんにそう伝える。赤坂さんの言うことも正しいし、俺たちの立場も間違ってはない。お互いがお互いを理解し得ると、俺は思った。

 赤坂さんは俺の言葉に、神妙な面持ちで俯いた。やはり、何かしらの権限を持っている人間のように思えた。

 

「……さっきから、みんなの言ってることが難しいのですよ」

 

 梨花ちゃんが赤坂さんの服を摘んで、そう言う。

 

 赤坂さんは俺たちの意見をまとめて、梨花ちゃんに説明をする。……どうせ、全部理解してるくせに。

 きょとんとした顔で、梨花ちゃんは赤坂さんに、一言。

 

「では赤坂。ボクたちの村はどうやったらダムに沈まないのですか?」

 

 赤坂さんは言葉に詰まった。

 

「ボクたちは、都会では生きていけないのです。ここでしか、生きていけないのです」

 

 梨花ちゃんの言葉に赤坂さんは感化されたのか、平謝りする。これで話は終わり、という雰囲気だ。

 

 そして俺たちは目的の古手神社の境内へと向かった。赤坂さんをチラリと見ると、何か覚悟を決めたような顔である。

 死守同盟のご老人も取って食ったりはしないはずだが……やはり赤坂さんは、抗議活動の実態を理解しているらしい。

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