雛見沢とかいう田舎に転生した   作:that's the plan

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第40話

 礼奈ちゃん、改めレナちゃんはその人懐っこくて優しい性格でクラスのみんなに受け入れられた。

 

 可愛らしいものに目が無いレナちゃんは、俺たちが梨花ちゃんと沙都子を紹介すると「お持ち帰り」しそうになった。……お持ち帰りというのは、可愛いものを持って帰って愛でることだ。半分は冗談だと思うが、もう半分は本気も本気。その可愛いものへの執着はなかなかのものがある。

 

 それに、魅音ちゃんが変な下ネタで笑いを取ろうとすると、容赦のない暴力を振るって阻止するのも特徴だ。魅音ちゃんが"レナぱん"というそれは、俺たちには見切れないような、目にも止まらぬ速度の打撃。世界観が違うその技巧に俺たちは考えるのをやめた。

 

 レナちゃんは俺のいつもの友達たちともすぐ仲良くなった。しかし俺と話す時はどこか壁を感じるというか、何か見透かされているような雰囲気があって、俺はほんの少し苦手意識があった。

 

 

 綿流しまではあともう少し。毎年の「オヤシロ様の祟り」の黒幕として俺は入江診療所を相当に怪しんでいる。知り過ぎてしまった者が殺されてしまうのか、それとも診療所にとって都合が悪いものが殺されてしまうのか。どちらにせよ、診療所が何かしら関係しているように思えた。

 

 梨花ちゃんは悟史くんが今年の祟りの実行者なんだと言っていたが……そこに至る経緯については俺は詳しく知らない。とにかく病気が悪化した結果だというのは聞いてたが、俺は医者じゃないので病状の方はわからない。今の所、問題はなさそうに見えた。

 

 梨花ちゃんは全てを俺に語ろうとはしない。それを疑うつもりはないが……俺は俺で、勝手に動く事にした。入江診療所の入江先生と話したり、悟史くんの体調を気遣ったりとか……まぁ、大したことはできていないけど。

 

 それと、あくまで可能性があるというだけだが、今年の祟りにはタイミングよく入ってきた新入生のレナちゃんが関わってくるのではないかと俺は勝手に考えていた。

 

 レナちゃんが入江診療所のスパイだとかは流石にあり得ない話だと思うが……悟史くんとも何かしらの関係があっても、あるいはこれから関係ができても、少しもおかしくはない。

 

……これは大変失礼な話だが、レナちゃんが何かの拍子に人を傷つけることだってあるかもしれない。レナちゃんが1人殺したあと行方不明になれば、それで祟りは完成だ。

 俺は誰よりも前からレナちゃんとは仲がいい一方で、誰よりもレナちゃんのことを疑っていた。

 

 ぼーっと帰りのホームルームの話を聞いていた。考えている間に、ふと気付けば周りの子供達は帰る用意を終わらせていた。もう、ホームルームは終わったみたいだった。

 

「ねぇ、雄星くん。家の方向一緒だったよね?良かったらレナと……」

 

 後ろから肩を叩かれる。レナちゃんが俺のことを一緒に帰ろうと誘ってくれたらしい。今考えていたその人が目の前に現れて驚いた俺は、内心慌てながら、平気なふりをして答えた。

 

「あ、うん。そうだよ!一緒に帰ろっか。通学路には紹介出来るお店とか良いスポットはあんまりないけど……近道とかは教えてあげられるよ」

 

「わぁ、それは楽しみだな!レナの知らないいいお店が、たくさんあったりするのかな。……かな?」

 

 レナちゃんは嬉しそうに笑う。

 

「雛見沢にお店は増えてないけど……興宮まで行けば少しはあるよ。また機会があれば一緒に行こうね!」

 

 そこで、後ろから声が聞こえる。

 

「沙都子、また雄星が女の子に手を出してるのですよ」

 

「まったく、仕方ありませんわねー……」

 

 その言葉にレナちゃんは顔を赤くした。マセた子供達め。

 いつもの2人が揶揄ってくるのは無視することにして、俺たちは帰路へとついた。

 

 

 俺は色々と村の変わったことをレナちゃんに紹介した。あそこの店が潰れたとか、新しくここができたとか、ダム戦争で変わったこととか、色々だ。

 

「レナちゃんは良い時に帰ってきたと思うな。もう何年か前は、村の雰囲気もピリピリしてたんだけどね。今は平和だし、みんな助け合って生きてるんだよ」

 

「そっか……うん。やっぱり、雛見沢に帰ってきてよかったよ」

 

 そして、もうすぐ俺の家に着く頃。周りに人気のない坂道でレナちゃんは立ち止まった。

 

「ねぇ、雄星くん」

 

 俺はその声に振り返った。レナちゃんは、小さく首を傾げていた。俺たちがいる、静かな登下校の道は、何だか見慣れない景色のように思えた。

 

「なに?」

 

俺は努めて気にしていないふうに答えた。

 

「雄星くんやみんなは、私に……隠し事……してないかな。……かな?」

 

 俺の返事を聞いて、レナちゃんの目は鋭くなった。問い詰めるような目線が、射殺すように俺に突き刺さっていた。春だというのに、急に冷たい風が吹いた気がした。

 

「急にどうしたの?」

 

 何食わぬ顔で俺はそう答えた。しかしレナちゃんは変わらず、同じことを繰り返した。何かどうしても気になることがあるらしい。猫のような目で、上目遣いで俺を見る。かわいいんだが、ちょっと怖い。

 

「隠し事……してないかな?」

 

「まぁ、誰にでも嘘や隠し事ぐらいはあるんじゃない?俺だってどんなこともみんなに言えるわけじゃないしね。ま、レナちゃんが気になることがあるんだったら、俺が答えられる限りは答えてあげるよ」

 

 俺は、だからなんだとでも言わんばかりにあっけらかんと答えた。はぐらかされているとでも思ったのか、レナちゃんはムッとした顔をして、少し語気を強めて言う。

 

「……"オヤシロ様"について……みんなは教えてくれないの。雄星くんは、教えてくれる?」

 

 レナちゃんはオヤシロ様のことが気になっているみたいだった。

 確かに、手紙で聞いていた。彼女は茨城にいる頃、家庭環境のストレスで心を病んでいた。そこで思い出したのが雛見沢の言い伝え、オヤシロ様のことだったのだ。

 オヤシロ様は、村を捨てたものを祟る……そんな言葉を子供心ながらに覚えていたレナちゃんは、自分の家庭環境の悪化は、雛見沢を捨てた自分への祟りなのだと思っていたのだった。

 

 そんなことが手紙に書かれていた頃、俺は雛見沢でもオヤシロ様の祟りとして毎年人が死んでいることについて、手紙にしたためて送った。

 

 だが、何故か手紙が届いていなかったのは俺も既に聞いていたところだ。であれば、レナちゃんがオヤシロ様のことについて知るのは難しいだろう。

 綿流しが後2ヶ月に迫る今、あの話題を口に出すのはクラスの子供達にも憚られる。

 雛見沢分校には、祟りと呼ばれる一連の事件・事故によって両親が死んだ子供が4人もいる。レナちゃんが当然のように知っていれば、誰かが言ったんだということは簡単にわかる。

 そんなことがあれば、俺たち4人はいい顔はしない。レナちゃんに聞かれても、誰だって口にしたくはないだろう。

 

 気を遣わせては悪いとあの手紙には俺の両親のことは書いていなかったが、どうせこれからずっと村にいるならわかることだ。みんなが隠す理由もわからないではないが……問い詰められたなら、言っても良いだろう。俺は正に当事者なのだし。

 

「オヤシロ様の祟り……雄星くんは、知らないの?」

 

「もちろん分かるよ。俺の両親はそれで死んだと言われてるしね」

 

 レナちゃんは少しの間、何のことかわからないような顔になって絶句した。少しして、自分はなんてことを聞いてしまったんだ、と申し訳ない顔に変わった。

 

 まさか、オヤシロ様の祟りについて聞こうと思ったら友達の両親が死んだエピソードを聞かされるなんて思ってもいなかっただろう……聞いたのはレナちゃん本人なのだから仕方ないことではあるけど。

 

 俺はさらに続けた。

 

「レナちゃんも祟りを実感したって聞いたから、実はこのことを手紙に書いて送ったんだけど、届いてなかったって言ってたね。あんまりこれを話すと、雛見沢の印象が良くないかと思って黙ってたんだけど……実は3年前の綿流しの祭りの日から、毎年人が死んでるんだ」

 

「そ、そんな……!それが、"オヤシロ様の祟り"……なの?」

 

 意外そうな表情でレナちゃんは首を傾げた。恐る恐る箱を開けたら思っていたものと違う物が出てきたみたいな、そんな怪訝な顔をしている。

 

「どうだろうね。最初の年はダムの現場監督と、作業員。次の年は俺と北条兄妹の両親。3年目は梨花ちゃんの両親。毎年、オヤシロ様に背いた奴らが殺されてると言う人もいる。俺は単なる偶然の事故もあると思うけどね」

 

 レナちゃんは驚愕の表情だった。レナちゃんはまだ雛見沢に来て浅いから知らないが、元から住んでいる住民はみんなこのことを知ってる。

 

 同じ学校に通う何人もの友達たちの両親が亡くなっていると思えば、驚くのも当然だと言えよう。あるいは、俺がこんなインパクトのあることをあっさりとカミングアウトしたことも驚きだったのかもしれない。

 口をぱくぱくとさせて二の句を継げないでいるレナちゃんに、俺は言う。

 

「レナちゃんが知ってるかはわかんないけど、オヤシロ様って縁結びの神様なんだよね。まさか、オヤシロ様がダムの作業員や、自分を祀る神主の夫婦を殺したりなんて、しないと思わない?俺はこの事件は、祟りを装って誰かが殺人をしてるだけだと思うんだよね。だから、こんなの聞いたら怖いだろうなと思って、黙ってた。ごめんね」

 

「……そ、そうなんだね…。本当にごめんなさい、雄星くん。わたし、本当に、無神経で……ひどいことを言っちゃった……」

 

 レナちゃんは申し訳なさそうな顔で、俺に謝罪を繰り返した。その目は先ほどの鋭い目ではなくて、いつもの可愛らしいレナちゃんだった。彼女はごめんなさい、ごめんなさいと繰り返す……どこかで聞いたことがある。ちょっと気が滅入るフレーズだ。

 

「気にしないでいーよ。オヤシロ様の祟り、気になるよね。……でも、レナちゃんこそ、俺に隠し事とかしてないよね?」

 

 後半の部分は、冗談だとわかるように笑いながら言った。ちょっと揶揄うつもりだった。

 

 レナちゃんは、俺たちが「オヤシロ様の祟り」を隠してると思って、どうしても気になって俺を問い詰めたらしい。それなら、レナちゃんはどういう事情で雛見沢に来たんだろうか?俺も少し気になった。あわよくば、今年や来年の祟りに関係する話を聞けたりかもしれないし。

 

 それまで俺のことをじっと見つめていたレナちゃんは、焦ったような表情で、俺から目を逸らした。

 

「し……してないよ。ほんとだよ」

 

 明らかに隠し事をしてそうな表情で首を振るレナちゃん。ここで追及したら教えてくれそうにも思えたが……しないことにする。

 

 誰にだって秘密や隠し事はある。それを暴くのは誰のためにもならない。もしも殺人に関わっているんだったら話は別だが、そんなことはなさそうだ。俺に祟りについて聞いてくるぐらいだし、祟りには何も関係がない、被害者なのだろう。

 

 俺は強張ったレナちゃんの両肩に手を置いて、弛緩させた。

 

「そっか。じゃあいいや。行こ!」

 

「気に、ならないの……?」

 

 レナちゃんは遠慮がちに首を傾げた。

 

「言いたくないことは言わなくていいよ。それよりさ、俺の家に寄ってよ。最近、隣の人から西瓜をもらったんだけど、1人じゃ食べきれないから、レナちゃんにも食べて欲しいな」

 

「う、うん。ありがと。じゃあ、お邪魔させてもらおうかな。……かな?」

 

 少し困惑した表情のレナちゃんは、言うべき言葉が見当たらないようで、それからは黙って歩いていた。結局、しばらくすると落ち着いていつものレナちゃんに戻った。

 

 

 少し歩いて、俺の家に着いた。

 

 雑貨店のシャッターはもう長いこと閉めたままだ。休みの日は空気の入れ替えに開けたりもするのだが、ここ最近は色々あって締め切っている。と言っても施錠をしてるわけでもないのだが。

 

 俺とレナちゃんからするとここは出会いの場所だ。入ろうと思えば裏の勝手口からもっと楽に家に入れるが、せっかくなのでシャッターを上げることにした。

 

 薄汚れたつまみを手で持ち上げ、少しだけ開けた隙間に足を滑り込ませる。膝で蹴り上げるようにしてシャッターをこじ開ける。小学生の身体ではこうでもしないとシャッターを開けるのは難しい。

 

 夏の風が店の中へ吹き込む。澄んだ空気が入り、良い気分だ。

 

 久しぶりに外から見る店内はかつて親がいた頃、賑わっていた牧野雑貨店のことを思い出させる。商品は殆ど残っちゃいないが、形はそのまんまだ。

 

「わ、わぁ……あの時のまんまなんだね?」

 

「そうだよ。両親が死んでからは店を閉めちゃってるけど、レジとかはそのまんまだからね。営業しようと思ったら、商品があればできるよ。ま、働き手がいないけどね!」

 

 俺は店内をきょろきょろと見回すレナちゃんを中に招いて、家の中に上がってもらおうとした。そこで、声をかけられた。

 

「ね、ねえ!この、かぁいいストラップ……売り物なのかな?……かな?」

 

 レナちゃんの手には、親父の変なセンスで仕入れられたウミウシみたいなキャラクターのストラップが握られていた。きっと、売れ残って店頭に並べっぱなしだったものだろう。日光が差し込むわけでも、雨風に打たれているわけでもない。状態はきれいなままだった。

 

 何かのキャラクターなのかもしれないが、俺が子供のうちにこういうものを好きな人が現れるとは思わなかったので、少し驚いた。

 

「まぁ、かつては売り物だったやつだね。俺の親父が、変なものをたくさん仕入れてて……売れ残ったものが結構あるんだ」

 

「こ、これ……お、お持ち帰りしてもいいかな?……かな!」

 

 ウキウキした表情でストラップを俺に差し出してくるレナちゃん。そんなに好いてくれたら俺の親父も嬉しい限りだろう。

 

「いいよ。他にも売れ残りはたくさんあるけど、先に西瓜を用意するよ。さ、入って、入って」

 

「ほんと?いいの!?ありがとう!雄星くん!」

 

 西瓜よりもストラップの方が嬉しいようで、レナちゃんは「おっ持ち帰りぃ〜!」と嬉しそうにしている。

 気にしないことにして、俺は冷蔵庫からスイカを取り出して四等分ぐらいに割った。西瓜と、冷たいお茶と、タネを捨てる為の容器をお盆に載せて居間に持って行った。レナちゃんは変なウミウシを嬉しそうに眺めていた。

 

「お待たせ。そのストラップを気に入ってくれて俺も嬉しいよ。親父がそういうのたくさん仕入れてるから、他にもあるかも。また、家の中にあるやつを探しとくよ」

 

「わぁーい!ありがとう!雄星くん。スイカも美味しいよ!」

 

 スイカをぱくぱく食べながらレナちゃんは俺にお礼を言った。

 

 ストラップで釣って家に遊びに来させようというつもりは全くないのだが、ペットをダシに使って女を家に誘う男みたいでちょっと気持ち悪いな。俺はそんな変な考えを誤魔化すように、先ほどの話の続きをすることにした。

 

「さっきの話だけど……みんなは"オヤシロ様の祟り"を恐れてるからこそ、口にしないんだ。レナちゃんも、気をつけて」

 

「うん……雄星くんは、綿流しのお祭り、行ったこと、ある?綿流しのお祭りに行かなかった人が、その祟りに遭ってしまうって言ったよね?」

 

「祟りがどうこうは置いておいて、もちろん行ったことはあるよ。両親の付き添いでも行ったし、みんなで行ったりもするし。あと、俺は趣味でギターを弾いてるんだけど、それで祭りの日にちょっとした見せ物をしたりもするんだ」

 

「すごいね!私も綿流しのお祭り、行ってみたいなぁ。自分の穢れを綿に乗せて流すんだよね……」

 

 綿流しに来ている中で、祭りの意味を真剣に捉えて儀式に参加しようとする人が何人いるのかはわからない。恐らく少数派だろうが、レナちゃんはその少数派らしい。言葉を噛み締めるようにして、そう言った。

 

 俺が知る、両親が離婚してこの雛見沢に戻ったという彼女の境遇からは、彼女自身の過失や過ちはないはずなのだが……レナちゃんはそうは思っていないようだった。

 

「あと2ヶ月と少しだよ。祭りに来てる人が行方不明になったとかは聞いたことないから、レナちゃんも安心して来てね。あ、そうそう。今年から梨花ちゃんが奉納演舞っていう儀式をやるんだよ。巫女服を着て、祭具を持って儀式を行うんだ」

 

「り、梨花ちゃんの巫女服……はぅ〜……」

 

 レナちゃんはそれを想像して舞い上がった様子だった。思考がどこかに飛んでいってしまってるが、この調子ならレナちゃんも祭りにも来てくれそうだ。

 

「今年も俺たちで祭りに行くと思うからさ、レナちゃんも行こうよ」

 

「行きたい!レナが行っても、お邪魔になったりしないかな……かな?」

 

「大丈夫だよ。みんなレナちゃんのこと大好きだし、きっと歓迎すると思うよ!」

 

 とは言うものの、正直なところ、俺が本当に祭りに行くのかは分からない。やはり祟りのことがあるからだ。少なくとも弾き語りの発表はやらないだろうし、もしも梨花ちゃんに何かの用事を頼まれたらそっちを優先するだろう。

 だが、そんなことまで言う必要もない。梨花ちゃんの事情を誰に話すかは、俺が決めて良いことじゃない。

 

 しばらくして俺たちは西瓜を食べ終わり、レナちゃんは家へと帰って行った。家から出て行く時、レナちゃんは心なしか、スッキリしたような顔になってくれたように思えた。俺が事情を伝えたことで、何か彼女にとって良い影響が出てくれたのなら良いのだが……。

 

 レナちゃんがいなくなり、1人になった部屋で考える。

 

 今日話した感じでは、やはりレナちゃんが診療所と繋がりがあるとか、今年の祟りを引き起こす人間になるとはとても思えなかった。

今の所、悪いことが起こる兆候があるのかどうかすら、俺にはわからない。今の所、何がきっかけで悟史くんが叔母を殺すなんてことになるのかは、少しもわからない。

 

 昭和57年はまだ始まったばかりだ。梨花ちゃんの予言以外に大変なことが起こらないとも言い切れない。気合いを入れ直そう、と思った。

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