俺の彼女がまさかの魔法少女   作:愛板将軍

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いっぱい書いて疲れた

本日三話目


魔法少女20

 

 

俺は天ちゃんからの最高の報告を聞きうっきうきでルガのおっさんの家に戻ってきた。

 

「うん?小僧ずいぶん強くなったな…剣聖の奴め叩き込みすぎじゃろ…」

 

俺を見てルガのおっさんはあきれたような表情でそう言った。…俺やっぱ強くなってるのか?うーん自分じゃわからんな…

 

「まあまあお師匠様、そんな事より魔法陣ですよ」

 

あれ、天ちゃん?今俺のことそんなこと呼ばわりしなかった?

 

「おぉ、そうじゃったそうじゃった。よかったなおぬしらこれで帰れるぞ。してこの魔法陣を起動する日はいつにするんじゃ?わしとしては明日がいいと思うが…」

 

「はい、私もそれで大丈夫です!お師匠様も準備しておいてくださいね!一緒に転移するんですから!」

 

おぉ、ちょっと見ないうちに天ちゃんのルガのおっさんへのリスペクトがすごいことになってる…向こうの世界でもいろいろ教えてもらいますよ!という感じの目をしている。

 

ってあれ?その理論じゃ俺も師範にしごかれ続けるんじゃ?おっと急に冷や汗が…

 

「何をいっとんじゃ嬢ちゃん、儂らは転移なぞせんよ」

 

「え?」

 

ルガのおっさんはうきうしている天ちゃんに向かって何を当たり前のことを?とでもいった雰囲気でそう告げた。

 

「な、なんで!?この魔法陣さえあればこの村の人たちもみんな転移できるのに!?」

 

「そうじゃな、転移はできるじゃろうな。ま、そのあとすぐに死ぬが」

 

「どういう…ことですか?」

 

「呪いじゃよ」

 

「…呪い?」

 

「そうじゃ、儂らこの世界に生まれた者たち皆にかけられた呪いじゃ」

 

「ルガのおっさんなら呪いなんてすぐ解けるんじゃないか?」

 

「そ、そうです!お師匠様なら呪いなんて!」

 

俺がそういうと天ちゃんも続けてこの賢者ならば呪いを解けるのではないかと尋ねる

 

「無理じゃな、これは境界の獣に世界を滅ぼされた者の末路じゃ、儂らはこの世界が境界の獣に負けた時点で世界と死ぬ、そう決まっておるのじゃよ」

 

「…」

 

天ちゃんは静かに何も言うことができないまま泣いていた。俺も…なにも言うことができなかった。

 

 

「ほれ、何を泣いておるんじゃ、明日には元の世界に戻るんじゃろ?時間を無駄にするんじゃあない、儂も最後の弟子につたえたいことがたくさんあるんじゃ」

 

ルガのおっさんはそう言って天ちゃんに声をかける。

 

「ーーーはい」

 

天ちゃんはまだ泣いていたけどしっかりと顔を上げてそう返事をした。ほんとに強い子だ。そんな天ちゃんは見てルガのおっさんは満足げな表情をした後俺に向かってウインクをしてきた。あぁ、そうだ俺もまだ習いたいことがあるや

俺はルガのおっさんに頭を下げた後師範のもとに走り出した。

一太刀も入れずに帰れるかよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

一日経った。俺はまだ師範に一太刀すら入れられていない、周囲にはこの村のみんなが集まり俺と師範の稽古を肴に酒盛りをしている。天ちゃんはルガのおっさんと話をしている。どうやら最後の授業は終わったようだ。まだ涙の後はついているが気持ちの整理はしっかりできたようである。クロとシロはそんな天ちゃんの横でぐっすりと眠っている。あぁそうだクロとシロも今日でお別れか…くっそ…

 

「樹狼」

 

「樹狼ぉ!!」

 

師範が出してきた樹狼を見て俺もすぐさま樹狼を放つ、ガガガガ!!!と音が鳴り俺のペーパーナイフと師範の木剣がぶつかり合う

 

「樹鷹(じゅおう)」

 

来た、第三ノ技樹鷹、獲物を狙う鷹のように一直線に飛ぶ突き、樹龍が威力、樹狼が手数、そして樹鷹は…速度、まさしく神速で飛んでくる突きは視認不可能だからこそ俺は

 

 

躱さず受ける

 

そのせいで腹にどでかい穴が開くが気にしない!今は全力で集中しろ!師範の技を思い出せ、そしてその動きを俺の体に合うようにつくりかえろ!今!ここで!

 

 

 

師範を超えるために!

 

 

スゥーと俺の体から余計な力が抜ける、あぁこのお腹の再生は後回しでいいや、今はむしろおなかに穴が開いているほうが余計な力を抜くことができてちょうどいい!

 

そうして脱力していくと俺の目の前には地面がみえ

 

 

「樹龍」

 

気付いたら俺はすでに剣を振り上げていた。そして

 

 

 

「やるじゃねぇか、バカ弟子」

 

 

 

ニヒルに笑う師範の血だらけの顔が見えた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「はっ!?今何時!?」

 

「がう?」

 

起きたら目の前にクロがいた。とりあえずなでる。きょろきょろとあたりを見渡すと天ちゃんもいた。

 

「あ、起きた?よかったよかった。ちなみに後少ししたら帰る予定だよ」

 

「そっか…」

 

少し寂しそうに天ちゃんはそう言った。

 

「お前らともお別れか…」

 

そう言って俺はクロに抱き着く、出会って数日しか経っていないがかなり泣きそうだ…

 

「そうだね、はーーーまた泣いちゃいそうだ」

 

「はは、俺はたぶん泣くよお別れする直前に」

 

「あはは、んしょっとじゃあお師匠様たちに優君が起きたことを伝えに行ってくるよ」

 

天ちゃんはそう言って玄関の方に進み始めた。

 

 

 

瞬間

 

 

 

空気が震えた。

 

 

「な、なんだこれ…?」

 

「わからない、とりあえず外に様子を見に!」

 

「ガウ!!」

 

小さい声シロが吠え天ちゃんが外に出ようとしているところを必死で止める。なんだ?何が起きた?俺はすぐに立ち上がり窓に向かってジャンプする。できる限りこっそりと外を見ると師範やルガのおっさんそれにほかの巨人たちが見え、その真ん中には

 

 

境界の悪魔がいた。

 

 

 

 

 

 

「ほう、なかなかに生き残りがいるな」

 

全力で耳を強化し何とか音を拾うことができた。俺が窓の外で何かを見つけたことに天ちゃんも気づいたのか静かにジャンプし俺の横に来た。

 

「くそ悪魔、てめぇいまさら何をしに来やがった」

 

師匠がそう言って剣を境界の悪魔に向ける。その横ではルガのおっさんが魔術を発動しようとしているのが分かる。

 

「ワレの計算ではこの世界は明日終わるとなっていたので少しからかいに来ただけだ」

 

そう言って悪魔は自身の周囲を取り囲む巨人を見て醜悪に笑った

 

「無様だな」

 

 

 

「ーーー樹鷹!」

 

「ーーーウッドデトネイション!!」

 

悪魔がそう言った瞬間師範とルガのおっさんそれにほかの巨人たちも攻撃を開始した。が当たっていない?

 

「何をしている貴様らはもうすでに貴様らはワレ等に負けているのだ、攻撃なんぞ当たるわけがないだろう?」

 

境界の悪魔はまるで当然だろ?とでもいうように首を傾げた。

 

「ワレは忙しいのだ余計な時間を使わせるな」

 

「ならさっさと要件を言ったらどうじゃ?」

 

ルガのおっさんは殺意を迸らせながら悪魔に問う

 

「あぁ、少し見世物が見たくなってな、ーーー貴様ら最後の一人になるまで殺しあえ」

 

境界の悪魔がそう言った瞬間、巨人達の殺し合いが始まった。

 

 

師範とルガのおっさんは何とか体が勝手に動くのを抑え込んでいるようだが周りの巨人たちは持てる力をもって隣人たちを殺し始める。

 

先ほどまで肩を組み酒を飲んでいた友人を殺す、そして殺される。あたりが死体とそこから出た臓腑、そして血でいっぱいになる

 

 

地獄が広がっていた。

 

 

その中心で

 

 

ーーー悪魔は嗤っていた。

 

 

 

「ーーー!!!」

 

そんな光景を見せつけられた俺は一瞬で頭に血が上り悪魔に向かって突貫しようとした。なりふり構わないただやつを殺す、その一点のみ

 

「だめ!優君!おねがい!止まって!」

 

「がう!!!」「ガウ!!」

 

天ちゃんとクロとシロが必死に俺を止めている

 

「離して」

 

「やだ!!」

 

「離せよ!!!」

 

俺は声を荒げ天ちゃんを振りほどこうとする

 

「おねがい!ゆうくん…お師匠様たちからのしじだからぁ…」

 

天ちゃんはそう言って泣いていた。

 

「なにがーー」

 

師範は俺の方を見て笑ってしっしと手を振っていた、さっさと行けとでもいうようにルガのおっさんも笑っていた。

 

俺がそれに気づいたその一瞬で天ちゃんは俺たちがずっと過ごしていたあの洞窟への転移魔法を発動した。

 

 

 

 

まぶしい光が収まり、もうすでに慣れ親しんだ景色が目に入る

 

「ゆうぐん、ここだとあたりの魔力のーどがひくいけどおししょうさまがかいりょうしてくれたこのまほうじんならあんぜんにてんいできる、だからまりょうをかして」

 

天ちゃんは瞳からボロボロと大粒の涙を流しながら俺にそうお願いしてきた。

 

「けど!!」

 

「おねがぃ…お師匠様がくれた時間をむだにしないでぇ…」

 

俺の体に抱き着き天ちゃんはそう言う、わかってる、俺もわかってるんだ!!あの境界の悪魔には絶対に勝てないことを、生物としての格が違うということを!フェイスやあのピエロよりも格段に強いことを!百回やっても百回全部殺されるということも!それでも!

 

「がう」

 

ボコ!という音が鳴った。どうやらクロが俺に向かってパンチをしてきたようだ。

 

「な、んだよく…ろ…」

 

クロも瞳から涙を流していた。

 

 

あぁ…

 

「ーーーごめん…」

 

俺はそう言って天ちゃんが展開している魔法陣に魔力を込め始めた。気づいたら目から涙が零れ落ちていた。

 

 

 

その後、俺が魔力を魔法陣に込めていると天ちゃんはクロとシロに違う魔法を使い始めた。

 

「天ちゃんその魔法は?」

 

「これはね…お師匠様が教えてくれた魔術だよ、獣心契約魔術っていうんだって…クロとシロだけでも連れて行って一緒に境界の獣にやり返してくれってお師匠様が教えてくれた魔術」

 

天ちゃんは真っ赤になった眼をこすりながら教えてくれた。

 

「簡単にいうとね、クロとシロの体を魔力体にして私と優君の体に刻み込むんだ、そうするとクロもシロも向こうの世界にいっしょに行けるんだぁ…この世界の体を捨てるってことだからね…体を魔力にして不確定になった存在を私と優君に刻み込むことで確かなものにする魔術、お師匠様はこ奴ら神獣の子だからこの術にも耐えれるじゃろって言ってた…」

 

「そっか…最高の魔術だね」

 

そうして天ちゃんは俺の腕と自身の腕に狼の形の紋章を描き「獣心契約」と唱えた。

 

「シロ、おいで」

 

「ガウ」

 

シロがその呼びかけを聞いて天ちゃんの腕を触るとシロが消え紋章の中に納まった。

 

「クロ、これからもよろしくな」

 

「がう」

 

クロもおれの呼びかけに答えて俺の腕の紋章に触った。

 

 

 

二人になった空間で俺と天ちゃんは黙って魔法陣の完成を待っている。

 

「いろいろあったね?」

 

天ちゃんがじっと魔法陣を見ながら俺にそう声をかけてきた。

 

「うん、そうだね」

 

「優君、私つよくなるよ」

 

「俺も、もっと強くなるよ」

 

 

 

 

決意表明

 

 

 

 

「私、第一賢者ルガウス・メルトリア・エグワイヤの最後の弟子、天谷 天(あまや てん)は…」

 

「俺、剣聖デトリクライ・エヴァンスの最後の弟子、三月 優(みつき ゆう)は…」

 

 

 

 

 

 

 

「「この世界のことを忘れない」」

 

 

 

 

 

 

 

俺と天ちゃんはそう言ってこの世界から転移した。

 

 

 




というわけで異世界から脱出しました。
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