胡蝶の夢、或いは不労所得の夢   作:nyasu

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モデレーター問題

100万人登録者がガンガン出始めて、何やらフォローは業界を引っ張っていくぞとか言うファン達が喜んでいた2月。

ちょっと前には、陸テラちゃんがテラリウムとか言うゲームを作るぞ、ジャンルや内容は詳細を待てとか言われていて、ファンからゲームまで作るのかとか、デカくなったなとか言われるくらいには盛り上がってきたタイミングでだ。

事件が起きた。

 

 

 

モデレーターというのがある。

配信においてコメントを削除したり、固定したり、非表示にしたり、コメントできなくしたり、配信者のサポートをする事が出来るようになる、権限というか役職みたいなものだ。

配信者は権限を与えることで、与えられた側は色々な機能を使えるようになるというものである。

 

そして今回、タレントである真島ココさんのSNSから、それは発覚した。

過去には荒らしによって配信中に泣いてしまうという事があったタレントの呟き、その内容は運営に相談していた悪質なアンチのリストを、スタッフが手違いでモデレーターに設定していたことが判明したというものだった。

熱心なファンからブロックされているなどの報告があり、調べたらそんなことになっていたという物である。

公式もそれは認めて謝罪したのだが、手違いでしたすいませんと言った簡素なもので詳細はよく分かってなかった。

 

どういうことか、簡単にまとめるとだ。

アンチであり、配信を滅茶苦茶にしようとしている人達が、コメントを消したり、非表示にしたり、コメント出来なくすることが出来る権限を手に入れた。

 

荒らされていても支えようとしたファンは配信を見るだけでコメントは出来ないし、見に来ていたリスナーの中には最近コメント読んでくれないし、昔より対応酷くなったなと応援をやめる人が出て来て、初めて見にきた人は、訳も分からず数分間コメントできませんという状態だった。

 

更に公式は軽い謝罪でよく分からない。

ファン達は激怒して炎上した。

しかし、それはタレントに対してではなく、運営に対しての物だった。

 

 

 

時代背景というのもあった。

去年、一昨年、タレントが事務所に圧力を掛けられていてブラックだったことを理由に仲違いして潰れるなんて事が多かった。

淘汰の時代と言えばいいか、たくさんの事務所が潰れまくった時代だ。

それを経験していたリスナー達は、というかVTuber界隈の人間は、今まで安泰だったフォローライブ、ひいてはフォロー社はどんどん内部リークからの崩壊が始まり、会社が潰れるんじゃないかと噂した。

 

更に、業界屈指で数字という実力、ギネスに載るほどの稼ぎ頭であった人物のことから、そのレベルの上澄みの人間がそんな事されるって、会社としてヤバいんじゃないかと注目度も高かった。

もうそのレベルの優秀な人を冷遇したら、どんなレベルの人が入っても冷遇するときは、するじゃないかという感じだ。

 

ややこしい事に、国会という政治の世界に一例として取り上げられたり、ちょっとした外交問題レベルに発展している内容で冷遇されていることから賛否両論ではあったのだが、明らかにタレントVS運営企業という構図は、運営を叩くリスナー、運営を叩くアンチ、タレントを叩くアンチという謎の状態を生み出した。

全方位にアンチが喧嘩売りまくりの状態である。

 

更にタレントの一部は運営がどうかと思うようなお気持ちを配信して、ますますファンがタレントは好きだけど運営は嫌いという構図を生み出していた。

 

そして、お隣の同業他社と違って今まで卒業という物が、不祥事を起こしての解雇以外なかったことから、フォロー社で初めての、自己都合による退社のような形の、自分から卒業するという話が出てくるんじゃないかと騒然となった。

卒業に耐性のない時代なので、噂だけで大騒ぎである。

 

そうなると過去の運営の所業を、熱心なアンチがよく気付いたなというレベルで見つけてきて、運営批判を開始。

フォローのメンバーを使ったアニメ、フォローぐらに1人だけ出演してないとか、正月特番には呼ぶのを拒否してタレントは1人豚汁作りながら脱毛するという裏番組やってたとか、100万人になったら他はすぐお知らせするのに一ヶ月も遅かったとか、別のタレントが誕生日配信にクソみたいな画質と音質でさせられて、罰ゲームとして電流を流したり嫌いな虫を食わせたりタレント全員を大事にしていないとか。

どんどん、叩くネタが投下されまくった。

 

また面倒なことに、リスナーはリスナーで日本向けの配信を勝手に見といて外交問題にしてくんなや!と言う日本人と、いやいやウチの国の公式サイトで、翻訳までわざわざしてるのに何で配慮しないんだよ、これって他国のサイトの垂れ流しだって?そうなの?みたいな状態の中国とで、状況も分からないまま互いに仲が悪くなってた問題も再燃した。

 

 

 

まぁ、そんな渦中の人からコラボのお誘いがあった。

向こうからは配信が荒らされる事になって申し訳ない、断っても良いと言ってたが、恐らく卒業前の思い出作りなんだろう。

私は知ってるけど、まだ誰にも言ってないんだろうか。

 

私には大金があるし、やろうと思えばどうにか出来るんだろうか。

でも政治的な問題だし、国絡みだから何をもってしても無理な気がする。

それに、私の知ってる歴史を捻じ曲げて、実は歴史に介入しないほうが良かったなんて事も十分あり得る。

 

結局、私は何も決断出来ずにダラダラと流されるままにコラボする事となった。

 

 

 

配信画面に、私と真島ココが映っていた。

お互い、飲酒が出来るということでBARという体で飲酒しながら雑談しつつ、リスナーの悩みを聞くなんてやる感じらしい。

配信は私の配信枠で、全く私に関係ない批判内容で配信が荒れまくった。

 

『クソ荒れてて草、ほらモデレーター仕事でしょ頑張って!今度、なんかしてあげるから!』

『えぇ……触れちゃうとかマジかよ。クソアンチどもがすいませんねぇ』

 

コメント:両方狂犬すぎる

コメント:メッセージを削除しました

コメント:流れが速すぎる!

コメント:今なんでもっていった?

 

『こんどらごーん!真島ココでーす。今日は、飲酒雑談とのことで胡蝶をゲストに呼びましたぁ〜』

『こんこちょー、絶賛荒らされてる胡蝶舞姫です。おい先輩をつけろよ!我、先輩ぞ!』

『ブチギレてて草ァ!』

 

コメント:この流れなら行ける!

コメント:メッセージを削除しました

コメント:ちくわ大明神

コメント:こんどらごーん、こんこちょー

 

『どうしてコラボしたのか、そぉれぇは!胡蝶先輩の酒が目当てなんですねぇ』

『なんて女だ、だからアンチに叩かれてしまうのだ』

『そのデリカシーのなさが荒らされてる原因じゃないですかねぇ』

『あぁん?まぁいいそんなに飲みたきゃ、我が酒蔵を開放しよう』

 

コメント:お前何キャラだよ

コメント:我が蔵には一級品しかないとか言いそう

コメント:なんでこんな奴とコラボしてんだよ

コメント:ビールでも飲んでリラックスしなぁ

 

『まぁ、楽しく飲んでもいいんですけど今日はリスナーの悩みも聞こうかなと思いまーす』

『えー、どうせしょうもない悩みだぞ』

『なんでこれで、この人炎上しないんですかねぇ!』

『いや、燃えてる燃えてる』

 

コメント:燃えるところないからだよ

コメント:つまんな

コメント:なんで配信者やってんの?

コメント:モデレーター何やってんの弾幕薄いよ

 

『あー、アンチが湧いてきたんじゃー!モデレーター機嫌直して、頑張れ頑張れ』

『とりあえず、早速リスナーの悩みを見てくぞ』

『おい、私をおいて進行するな!いいけど!』

『こんなこと言いながら、悩みは真剣に吟味して選んだんですねぇ』

『ちょっと!やめなさいよ、営業妨害でしょ!』

 

コメント:酷いリークを見た

コメント:分かってやってんだろ

コメント:メッセージは削除されました

コメント:始まらねぇ(笑)

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