さて、3期生の紹介に入ろうとする。
そんな私の視界の端にコメントが流れていく。
コメント:忘れられたゲマズ
コメント:デビュー順なんだっけ?
コメント:3期生きちゃ
「ゲマズはね、色々と時期が難しいからね」
うん、忘れてないよ。
ごめん、正直忘れてました……3期生のあとじゃなかったわ。
「ゲマズですね、正式にはゲーマーズ、黒井先輩とゲームが上手いということのグループです。犬神クリームさんは独特のイントネーションと圧がすごいよね。レトロゲームとかやってるイメージです……凸ります」
実のところ、私のモンシロ名義時代、ニヤニヤ動画でコミュニティとかクルーズとかやってた、あの時代。
ネットリテラシーや誹謗中傷という概念しかない、テレビで言えばおっぱいとか丸出しの不適切な配信時代。
女というだけで、ブスだの脱げだの顔文字のコメント連打など修羅の世界、古の配信者時代。
私は関わりはなかったが存在自体は知っていた。
ニヤニヤ動画で配信していた事があるかどうか、それは大したことではないように思えるが実は差としては大きい。
全部がアウェー、面白くなければ囲い以外はチヤホヤしてくれない否定しかされない世界で生き残っているという時点でメンタルがヤバい。
まぁ、ぐだぐだ言ってるが……勝手に配信者としては大先輩である会社の後輩にビビってる。
「……あっ、通話繋がりませんね。ということで次に……やべっ、いや、配信見てたんですか。あっ、はい繋げます」
『おい、ゲマズ忘れてたろ……おあよー、犬神クリームだよ。みんな、よろしくなー』
コメント:初手圧で草
コメント:後輩だぞ焼き入れろ
コメント:どっちが上か分からせてやれ
「馬鹿野郎お前ら、勝てる訳ねぇだろ。向こうのリスナー、指取られてんだぞ」
『胡蝶ちゃん先輩だもんね、クリームに何か言いたい事ある?ねぇ、さっきやべって何?クリームと話したくなかったのかな?』
「忘れてました、すいません」
コメント:勝てなかった……
コメント:所詮、イタチじゃ犬には勝てないか
コメント:向こうの奴ら指詰めてるぞこわぁ
ちなみにだが、何故か愛の形として向こうのリスナーさんは形式上指を取られていることになっている。
ゆびゆびーとか言うし、多分指切りがガチで指を切り落とした所から来てるのかな、愛が重い。
配信スタイルが束縛してくるような愛が重めの配信傾向なので、当人達はWin-Winである。
「あっ……すいません」
『なになになに?』
『フォローライブゲーマーズの猫又ごはんでーす、よろしくお願いしまーす』
『あぁ!ごはん〜』
「逆凸って知ってる?どういうことなの……」
やって来たのは、猫又ごはんさんだった。
ごはんさんも修羅の配信時代、配信してる奴は異常者とまで言われた事すらあるニヤニヤ時代を経験している猛者だ。
何なら、フォローライブ一緒にやろうよと誘うくらいには、犬神クリームさんと昔から仲がいい。
普通なら無視するところだが、チャットを無視出来なかったよ。
まぁ、今のフォローは何故か百合が流行ってるので、クリごはんという名称で親しまれてる二人は配信的にはシナジーがあって盛り上がる。
コメント:てぇてぇ
コメント:てぇてぇ
コメント:てぇてぇ
コメント:胡蝶の霊圧が……消えた……!?
ほらね、おいコメント見えてるぞ。
二人の会話とか入れないだろう、てか聞いてなかったけど。
胡蝶、何も聞いとらんかった。
『うんうん、クリさんと仲良くしてて僕も鼻が高いよ』
『どういう目線なのよ』
『ちなみに僕ってどんな印象なの?』
「えっ、あっ、なんかゆったりしてて下ネタ好きな」
『フワフワしてんな!』
「うぐっ」
鋭い指摘が私を襲う。
そりゃ、他の人の配信とか全部は見れてない。
何なら、推しと推しに絡みに行く人しかチャンネル登録してない。
結果、知ってはいても全部は見てないのだ。
逆に言えば、そう言うのもあって今回コラボの重要性を噛み締めたのもある。
リスナーがコラボしろ、もっと絡めというのは、それだけ認知が広がるからだ。
切り抜きとか上がったりしやすくなるしね。
普段、配信を見ない人からしたら炎上してる子ってイメージかな。
嫌なイメージだな、事実だけど基本的にはしょうもない炎上だぞ。
『ちょうどね、スバちゃんとやる企画があるんだけど、来る?』
「えっ、大海ですか?」
『あとね、ミオちゃんもいるよ』
『あー、あれかー』
ミオちゃんとは、恐らくあと一人いるゲーマーズの大狼ミオさんだろ。
大狼さんは、タロット占いが出来る人で占ってるイメージがある。
後はよく、母親のような要素、界隈で言われるママ味というのが溢れている。
私はあんまり得意じゃないが、良く他の同僚が家にご飯食べに行ったり相談とかしたりお願い事している。
つまりは、よく甘えてるのを見ている。
『知り合いもいるし怖くないよ。あの優しいミオちゃんもいるよ〜』
『誘い方ぁ!』
コメント:合コンの誘いみたいだな
コメント:またごはん殿が誑かしに
コメント:これだからメス猫はよぉ……
「そう……ですね。色んな人とコラボしようと思ってるので、助かるっちゃ助かるんですけど、何やるんですか?」
『大丈夫大丈夫、後で連絡するね』
「何やるんですか!?」
『あっ、ごはん行かないでぇ〜』
『はいはい、クリさんはいつでも話せるでしょ』
「えっ、待って!企画内容を!」
コメント:振り回されてるなぁ
コメント:珍しい
コメント:ガチで何やるんだろうな
『そうだ、ミオちゃんも呼ぼうよ。凸しよう』
「ヤバい、この人思ったより自由だ」
『胡蝶ちゃん、凸するよね?』
「こっちは思ったより圧があるタイプだ……通話掛けてます……」
コメント:後輩にイキれない女
コメント:まぁある意味で先輩だしな
コメント:ゲマズは2期生より後輩だぞニワカ
「繋がんないですね。ある意味ちゃんと逆凸してる」
『寝てるのかなぁ、じゃあミオちゃんには僕から声掛けとくよ』
『はーい……えっ、気まず?こっからどうするの』
「言わないで下さいよ。告知とかなければ、このままお別れですね」
『はーい、猫又ごはんでした〜』
「速い!?速攻落ちてった」
コメント:掻き乱すだけ掻き乱して落ちてった
コメント:急すぎる猫かよ、猫だった
コメント:気まずって言えるのクリームだなぁ
「結局、何やるんですか?」
『また後で教えるね。それでは、犬神クリームでした〜』
コメント:濃厚な時間だった
コメント:数日ぶりな気すらする
コメント:これよりキャラが濃いのが3期生ってマジ?
「ま、まぁね、逆逆凸されないでしょ。これも人望の賜物ですよ」
コメント:それはもはや凸なのでは?
コメント:企画通りじゃないのに人望?
コメント:凸られてるからカウントされなくない?
「うるさいよ。凸も逆凸もそこになんの違いもないじゃないですか。次行くぞー」
コメント:あるよ
コメント:全然違うだろ
コメント:何言ってんだお前
「えー、今、掛けたけど繋がりませんでした。掛けたのは3期生の乾羽ルチアさんです。ASMRとか歌とかよくやってますね。私と違って優しいし、愛が重いので、束縛されたりヤンデレが好きな人にはオススメです」
コメント:病んでるって悪口では?
コメント:まぁ、自他共に認めるメンヘラだからな
コメント:るーたんはいいぞぉー、クソ可愛い
「漁火フレアさんは今度ゲームするから……つ、繋がらなくてもね」
コメント:おや?
コメント:流れ変わったな
コメント:やってみせろよ胡蝶!
「ユニコーン!じゃなくて……今はカボチャが踊る時代なのね。おかしいなぁ……で、出て」
コメント:鳴り止まない通話音
コメント:掛けてるのに出ない
コメント:なんとでもなるはずだ!
「なんで、何でだよぴょこら!」
コメント:ぴょこーらに掛けてたのか
コメント:あぁ、最近テレビで取り上げられてたな
コメント:3期生から嫌われてるんじゃないの?
「そんな訳ねぇだろ!あっ、来た、来た!」
『ちょっと、ちょっと、も〜嫌われてるんじゃないんですか〜?』