プライベートバンカーから連絡があった。
ウクライナとロシアの戦争が2月の中旬に始まったのだ。
任せていた100億は防衛などはパットしなかったが商社などで130億になったらしい。
あと、記憶と違って中々上がってなかった三天堂は含み損を脱出したので利確。
私の資産は230億と53億、合計283億になった。
そのため、今の資産は
ゴールド20億
不動産96億
家賃収入3億。
貯金11億。
BOI、250万株(2000→1600円)
証券口座283億
一応、社員とか管理してる人として不動産は家族に移したが、所有は私のになっている。
この時期上がったのってあったかな……あっ、そうだトルトーリホールディングスという丸鶴製麺で有名な企業が挙がったのを覚えてる。
あの時売らなければダブルバガーだったのにって思ってたっけ……全部国産だから世間が騒いでもそんなに影響なかったんだよね。
『本当に……今後はどのようにしましょうか。何か気になる銘柄などはありますか?』
「あっ、じゃあ、トルトーリホールディングスで」
『外食産業系ということでしょうか……』
「いや、トルトーリホールディングスだけで、買えるだけ」
『な、何か理由が……』
「ウーバーとかで頼むの増えたし美味しいから」
『分かり……ました……1割に相当しますので、大量保有の手続きは此方で……』
すぐに上がらなくても右肩上がりだったから大丈夫なはず。
下がっても、まぁ、損切りしつつ耐えれば、最近金額的に少しずつ買い集めるみたいだから、自動的に積立みたいに買ってるって知ったし、こういうのはプロに任せたほうがいいでしょ。
選んたけど、どう買うかとかはプロがやってくれるし、勝ったな。
さて、自分の資産の話は良いのである。
問題は、起きるべくして起きた炎上と私の炎上である。
まとめ記事が載っており、困ったときのアンチである。
「なんでだ……」
発端は、ゲームコラボ中に彼氏からの通知が来てしまった乾羽ルチアさんである。
まぁ、後々に旦那であることが分かるのだが、彼女が燃えたのだ。
そうすると、フォローライブに良くも悪くも注目が集まり、たまたま時期的に近いタイミングで企画を発表した私が目についたのだろう。
「タイミングかぁ……」
リスナーから巻き上げた金を賞金にしている、リスナーのお金をなんだと思ってるんだ。
仲間が引退が決まった瞬間に企画とか不謹慎、自粛中にバレンタイン動画とかファンの傷心に付け込んで浅ましい。
桜もちと共謀してスキャンダルを作ったんだ。
まぁ、他にも色々なまとめサイトはあるが、メインなのはこんな感じ。
100万円なんて大金、自分で稼いだ訳じゃなくてリスナーから貰ったのに活動じゃなくて私的にあげるのはどうなんだとか、企画は活動だろとか、スパチャは自分で稼いだになるだろうとか、ウチのリスナーが多方面に噛み付いてる。
コイツら、炎上するとすぐに擁護に走るけど過激過ぎてフォロ豚さん顔真っ赤とかいつも話題になっちゃうんだよな。
それと前々から進めていたのだが、タイミングが悪かった企画の時期。
全体企画は出ないのに自分の企画には出させるんだとか、自粛ムードで開催しようとする気がしれないとか、引退する奴のファンを奪いに行こうとして草とか、そんな邪推混じりなので燃えてた。
最後は、乾羽ルチアさんの雑談とイラストレーターの愚痴によるもの。
乾羽ルチアさんは通知が来てすぐに告発系YouTuberに色々なことをリークした。
その中には運営とのやり取りもあり、情報漏洩により契約解除のキッカケにもなった。
で、そのやり取りの中に何かあったらと心配する誰かのメールがあったそうだ。
また、削除済みではあるものの、とあるイラストレーターさんが来ていた仕事に急遽だが仕様変更があったこと、今までそんな事する人じゃなかったからショックだったと愚痴った。
メールの日付、愚痴の日付、今まではということから過去に依頼している、もしかして胡蝶舞姫なのでは?どっかのいつもデマを流す暴露系VTuberがアンチスレと告発系YouTuberの発言を理由に断定、あっこりゃあとリスナーが信じる、アンチスレが暴露系VTuberが言ってたから確定だと盛り上がる。
告発系とか暴露系とかややこしいけど、火に油を注ぐ奴が多すぎる。
あと、なんでそれで私だって分かんだよ、きっしょ。
かくして、裏取りもされてないアンチスレの疑惑から暴露系VTuberが取り上げアンチスレが確定したことで、私と桜もちが共謀して結婚をバラそうとしたんだという説が有力になった。
憶測とかで何か言うのはやめようとかいう、桜もち先輩の発言は意味をなさず、逆に発言しない私はやっぱり図星だろと意味をなしてなかった。
「先生、お願いします」
「えぇ、えぇ、久し振りですからね。他の皆さんもいるから腕がなりますよ」
「我々も全力でバックアップいたしますのでご安心ください」
取り敢えず、弁護士先生とプライベートバンカー経由で知り合った弁護士軍団に丸投げして開示請求祭りをする事にした。
出来るだけ相手から取り立てる形で、昔より簡単になりましたよと笑う先生が印象的だった。
それはそれとして、私はというと、この後起きる色々を思い出していたので運営さんと話し合いである。
話し合いの内容は、乾羽ルチアさんの引退の余波によるエキスポの外注看板についてだ。
「か、確認したら確かに外注先に仕様変更のメールは送られてました。位置関係だけの指示で、その」
「消されてた訳ね」
「チェック体制が先方だけで完結していたので、当日には間に合うそうです」
「そっか……」
それは、右と左を間違えた結果による姫川ルナ消失事件についての話だった。
やっぱりというか、仕事が早いというか、指示が送られてきた事により外注先はすぐに消していた。
そして、チェック体制の確認をマネちゃん経由で調べ、担当のメールチェック、指示書の誤謬発見、外注先問い合わせ、事件発覚、追加費用で修整というのが行われた。
屋外用一枚看板に関しては、なんとか事件を防げたのである。
後々にソロ看板が出されなくなると思われるが、どっちが良かったか。
少なくとも笑い話にいつかできるとしても、一時でも悲しい思いはして欲しくない私のエゴを優先させてもらった。
「それで、その……胡蝶さんに社長とか経営陣さんの方から呼び出しが」
「そう」
多分、炎上のことだろうなとマネちゃんの連絡を受け次第、会社の方に向かう。
偉い人達との面談か、情報漏洩してないかとか炎上のことを聞かれるんだろうか。
事実確認するって公式でもアナウンスするって言ってたもんね。
呼び出されて案内された部屋には知らないおじさん達と、社長である山内さん。
通称、ヤマァァァ!YAMAAA!がいた。
「今日、お呼びした理由は分かりますね」
「はい」
対面に座った面識のある山内社長が、重い口を開く。
何を言われるんだろうか。
「市川胡蝶さん」
「はい」
「最近、商社株関連で動いている市川ホールディングスの代表ですね」
「はい……えっ、はい?」
えっ、えっ、とお互いにテンパる。
何やら資料を出されて長々と説明されたのだが、調べた限り間違いなく本人という証拠は上がってるんだぞという話だった。
なので、そうですと回答するのだが、本当に?と疑われた。
いや、だからそうです、用意資料が裏付けてる通りなんですけど。
呼び出しは炎上とかではなく、信じがたい事が起きて社内風紀の徹底と個人情報の取り扱いをどうするか経営陣が頭を悩ませるかもしれなかったからの、確認だった。
あと、ついでとばかりに上場を目指してるから出資者にならないかと言われたが、どうせ上場するから必要ないだろうし、途中で売ってもいいならと言う条件を出して、それなら諦めるという一幕もあった。
会社が本名と住所を抑えているとはいえ、大量保有報告から割り出されるとは……びっくりした。
とはいえ、2月中旬から月末まで色々なことはあったが、変えられなかった悲劇と変えることのできた悲劇があった月だった。
2月までは大丈夫だった。
2月末にデビューしたVtuberどら猫さんとやらが、看板から消されたVTuberを見てショックだった。
スタッフに看板のこと問い合わせてたフォロメンがいる、絶対ソイツのせいだけど頑張る。
そんな雑談の一言で、一部のファンそれって胡蝶舞姫では?胡蝶舞姫だ!俺がそう思うからそうだ。
そんな感じで燃やしに来て、ウチのリスナーと揉め始めた。
相変わらず、いつも喧嘩してるな……ほっとけよ。