ステージは鉄骨渡りのような感じでという漠然とした注文によって作られていた。
すごい、雑な注文なのに鉄のチェーンみたいなのが端から端まで設置されていて真っ直ぐ進むだけだ。
『ナニィィィ!?おい、ブロックって言ったじゃねぇか!』
『仕様です』
『プークスクス、一番乗りはもちちゃんが、あっ!あぁぁ!おい、陽街テメェェェ!』
早速、各自ステージ入りしたようだった。
3本あるため、それぞれ早い者勝ちでチェーンの上を進みプレイヤースキルが物を言う勝負……と思わせといて、先に行けば行くほど後ろから攻撃されるという仕様である。
『運営ちゃんと見てたか!アイツ、突き落としたぞ』
『んだテメェ、ルールは渡るだけだから違反してねぇぞ』
『はい、仕様です。妨害もありです』
あぁ、お客様!おやめください、主催者に攻撃しないで下さい!
まぁ、効かないんですけどね。
『ウチらはゆっくり行こうねぇ……あっ』
『あぁぁぁ!ミオしゃぁぁぁ!』
『ミオしゃが死んだ!この人でなし!』
争う他の人を尻目にゲマズの3人が普通に攻略してたのだが、進むだけではプレイヤースキルが上手い人が勝ってしまう。
そのため、なんと横からブロックが飛び出してきたり、モンスターが弓で攻撃してきたり、普通に振り子のギロチンとかもあったりするのだ。
ゲームだからね、ドラマじゃ現実に出来ない物とかもあったりするのだ。
『おい、二人とも争ってる場合じゃねぇぞ!』
『押すなよ!絶対押すなよ!もちちゃんだって怒るときは怒るからな』
『分かった分かった、早く行け』
コメント:ソッコー落としてて草
コメント:こっそり大海が別の鎖のとこ行ってて草
コメント:鉄骨じゃなくて鎖渡りでは?
各配信で、それぞれの視点で配信しているが、私の配信枠ではクリエイティブモードという状態で全体を見ている感じだ。
空に浮いて移動できたり、アイテムを無限に出せたり、無敵モードになったりする。
そんな状態で俯瞰しながら見てるのだ。
『どうですかー?』
『胡蝶先輩!これ、普通にやってもムズいんですけど』
『酷いよ胡蝶ちゃん、争いは何も生まないよ』
『行くぞぉぉぉ!うわぁぁぁ!』
すいすいと浮いていて、様子を窺う。
やってきたのは、トワちゃんとメル先輩と角突さんのグループだ。
おかしい、みんな争うはずなのに自然とグループが出来て仲良く攻略してる……一部痴話喧嘩してるけど。
『バカな、みんな仲良く攻略してるだと!』
コメント:主催者が困惑するな(笑)
コメント:邪知暴虐の王かよ
コメント:あのぉ、一部蹴落としあってるんですが
『しゃぁ!俺はこっちの道を選ぶぜ!』
『あっ、スバちゃん来たぁ』
『昴先輩はあっちでしょ!』
『うるせぇ!あんなとこにいられるか、もちメットに巻き込まれて死んじまうだろうが!』
そんな折りに、大海のやつが別のチェーンのところに来た。
まぁ、渡るだけだから移動してはいけないとかルール上、問題ないけどね。
なお、私がメル先輩とトワちゃんと喋ってる中、黙々と角突さんは挑戦しては落ちていた。
『おい、普通にムズくねぇかこれ』
『スバル、オラァ!落ちろ!』
『何すんだトワ!先輩だぞぉぉぉ!』
『おぉ~、争え争え、撮れ高だよ。分かってるね、トワちゃん』
コメント:人間は愚かだね
黄金シオン:馬鹿ほどおもろい
コメント:シオン!?シオンもよう見とる
『あっ、おま、見てんなら参加しろよ』
コメント:なんかいて草
コメント:シオンよ……
陸テラ:借金まみれの昴は草
コメント:2期生見てて草
『おーい、同期も見とるぞ。頑張れ〜』
『お前ら後で覚えてろよ!おい、ハルキングがゴールしてるから協力しろって』
『いえーい、スバちゃん見ってるぅ〜』
コメント:あーあ、争ってるから
コメント:ゲマズが強いな
コメント:衛ちゃんもゴールした
『おい、ふざけんな!もちも100万欲しい!』
『貰ってどうすんの?』
『競馬の負け分を取り戻すんや!』
コメント:だんだん慣れてきたな
コメント:やばい、あと2人だ
コメント:脱落したらリスナーから燃やされそう
やめなさいよ。
そういうの怖いから参加賞あげてるでしょ。
色んなコメントが流れてくるが、気になったのだけ目に入ってくる。
コラボだからアンチとかいるかと思ったら、割と悪意のあるコメントとかないな。
コメント:他人のお金を集めてそれをエサにおんぶに抱っこで恥ずかしくないんですか?
コメント:久し振りの配信なのにコラボとかおもんない。ずっとソロでやってろよ
コメント:ルチアが集めた金を運営に優遇されて貰ったのに9人しか集められないの才能ない
いや、探したらあったわ。
おぉ……しかも粘着してるのか連投されてる。
適当なアイコンとアルファベットだし、多分捨て垢だろうな。
『はい、ということで脱落者が3名も出てしまったな』
『何が目的なんだ!争わせて楽しいか!』
『そうだそうだ、やってることメロスだぞー』
『負けたけど高そうなお肉欲しいぞー』
『敗者復活戦とか無いのかー!やって欲しいぞー!』
コメント:俺も一万円でカニとか欲しい
コメント:ふるさと納税みたいなこと言ってんな
コメント:デスゲームなのに敗者復活……妙だな
『いや、メロスは怒ってる方だが!?人の心を信じられなくて試すディオニス王にしないで貰えるか!』
『……誰?』
『分かんないけど多分偉い人』
『次は?次のステージは?』
いや、自由か。
くそ、みんな黙ってしまって私にはツッコミの才能がない。
『ンンッ……脱落者は角突わたあめ、桜もち、青空メル。お前達だ』
『お前?』
『メル先輩達……です』
コメント:日和った
コメント:ビビってるやついる?
コメント:言い直して草
『う、うるさい!あ、暗黒金持ち達も新たな犠牲者が待ち遠しいようだ』
コメント:そんなことないよ
コメント:まだ続けていいよ
コメント:もっと雑談しろ
『ま、待ち遠しいようだ!』
『もちちゃんを復活させろー』
『な、何が始まるんだ……』
『スバルはノリノリだけど、演技下手だよねぇ……』
『ミオしゃ!?』
ええい、コメント欄もうるさいぞ!
新しいステージに進めないと、配信時間が長くなるでしょ!
『次のステージに移動するんだ、早くするんだ。死にたくないだろ、早く行くんだ』
『おぉ、なんか牢屋ある。これ使うんだろうな』
『ハルさんメタ読みしちゃダメだって』
『わたあめ!勝ったら焼肉行くぞ!』
コメント:意気込みがこれからデスゲームやる奴のじゃない
コメント:TMT!TMT!
コメント:同期の絆……2期生……うぅ!
『次は鬼ごっこだ!脱落した者達よ、ゴールしたアイツらが憎いだろう。そんな奴らに復讐のチャンスをやろう。これから特定範囲のフィールドで鬼ごっこをしてもらう。フィールドにはチェストがあり、武器と防具と回復アイテムがある!鬼である脱落者3名、1番キルした人は3回戦目に復活だ。そして、逃亡する6名は下位4名は脱落してもらう。逃げても、鬼と争ってもいいぞ!』
『うぉぉぉぉ!敗者復活キター!待ってろよ陽街!やり返してやるからな!』
『勝手に落ちたのに炊いてて草』
『許せねぇ……俺、許せねぇよ!ビジネスなんか関係ねぇ、やってやらぁ!』
『吸血鬼舐めるなよ〜、カプカプしちゃうぞ』
『えっ、あっ、羊舐めるなよ……あの、角が、あれ、ドリルだぞ!』
何か思いの外、脱落者組が救済措置で喜んでる。
今回用意してもらったのは四方をブロックで囲まれたフィールドでの鬼ごっこだ。
死んだら真ん中の牢屋にリスポーンされて、一定時間無敵の状態でまた逃げられる。
鬼も逃走者も、同じ仕様で、アイテムは殺して奪ってもいいし、フィールドのチェストを漁って集めてもいい。
『これ、数の暴力で鬼をリスキルしてれば勝てるのでは?』
『ハルカゼ先輩やめてください、ゲームをぶっ壊す攻略法は困ります』
コメント:ゲーマーは出来るならやるからな
コメント:このゲームには必勝法がある
コメント:全員同点ならどうするつもりなんだ
コメント:ルールの穴突かれてんじゃん、やっぱりデスゲーム向いてないよ