胡蝶の夢、或いは不労所得の夢   作:nyasu

166 / 166
リアルマネー100万円争奪デスゲーム、その4

『10ターンまでの掘った総ブロック数で決まりますよ。始まったら、時計回りにやってくださいね〜』

 

ゲームが始まった。

1ターン目、ブロックの数は、昴が3個、トワちゃんが5個、もちちが6個だ。

なんか見たことあるような気がする、そんなこともあるか。

 

『シュバ〜、昴からなんですけーど……えっ、待って、これ昴短くね?』

『はいはいはい!なんでそう思うんですか』

『スバちゃんも長いよ』

 

最初は昴からなのだが、初手2個ブロックを壊してから悩みだした。

まぁ、自分の数を予想するところから始まるからな。

 

『はいはい、まず初手は2個ね』

『トワ、もうマズイぞ』

『いいや、さっきの反応からして長いね……ほら!3個行けた!』

 

コメント:初手2個は安全圏か

コメント:これ躊躇してないから昴が3なのバレてんだろ

コメント:3と6が見えてるなら自分は4か5だもんな

 

『早く行けよ〜余裕だぞ〜』

『もちさん短いよ』

『もちち、ハルちゃんは嘘ついてるよ〜』

『陽街!信じていいんだな、3個行くぞ!』

 

コメント:まぁ、3個は行けるか

コメント:これ終わるんじゃね?

コメント:気付けるかな?

 

2ターン目が始まる。

現在の数は昴が1個、トワちゃんが2個、もちちが3個だ。

 

『待って、昴じつは死ぬんじゃない?』

『日和ってる奴いるぅ?』

『まだ行ける行ける!』

『シャラーップ!ガヤは黙ってるんだ!2人が3個取ったってことは、3個取っても平気って思ったってことだから4じゃねぇんだ。4だったら自分が3かもしれないって思うはずだから3回は掘れない!だから、ここはパスだ!』

 

コメント:おぉ〜

コメント:意外と賢いぞ

コメント:今は1個と2個と3個だから5個になるんか

 

『えっ、増えたけどそういうこと?』

『よっしゃー!やっぱ3だったんや!』

『えぇ、どういうこと』

『トワも1か2だからパスで』

 

なるほど、そういう仕様なのか。

トワちゃんは最初に3個と6個を見ていた。

そして、次に見えていたのは1個と3個。

最初の数字は4個か5個という推測から、自分の現在数は1個か2個と予想してパスした。

現在は、昴が5個、トワちゃんが6個、もちちが3個だ。

 

『なんでぇ?なんで、みんな分かるの』

『もちち、早くいけよー』

『待って、えーっと、えっと……』

 

もちち視点で考えるなら、他の人の3個と5個が、5個と6個になった。

つまり、4か6個でスタートして3個掘ったから、現在は1か3個が自分の現在数と予想出来ることになる。

しかし、昴が4の可能性を考えていたということは、昴の視界には4がなかったということ。

4が見えていたなら、昴が予想する自分のスタートの個数は3と6なので3か4かで悩まない。

悩むとしたら、2回掘ったことにより今は1か4の予想に昴はなるからだ。

そこから考えるに昴の3個は確定発言から2個は掘れると判断できる。

 

『じゃあ1個だけ掘るにぇ……ふぉぉぉ!?』

 

コメント:なぜ?

コメント:どういうことなんだ?

コメント:頭使うぞこれぇ

 

3ターン目になった。

現在、昴5個、トワ6個、もちち2個。

 

『おいみんな、教えてくれ!俺はこれ、行けるのか?』

『行ける行ける』

『ガンガン行こうぜ』

 

コメント:4と5と6のどれかまでは予想出来るか

コメント:6が出たから4か5って予想できるな

コメント:頭痛くなってきた

 

『待って、おいトワ!お前、何個掘った』

『えっと……3個?』

『もちちが4個掘ったか、昴は2個だから……攻めるぜ!3個だ!これで5個掘ったぜ』

 

コメント:まぁ、昴からしたら3個は掘れるもんな

コメント:これ敢えて掘る数制限しないとバレるな

コメント:もちちは何考えてるんだ?

 

『さっきの状況だと4と5と6だから……ダメだ全部安全圏だから自分の数字分かんない。取り敢えず3個で』

『もちちもパスする!』

 

状況がリセットされる。

4ターン目、現在の数は昴が2個、トワちゃんが3個、もちちは2個から4個になった。

 

『うおおおお!ゲロ吐きそうなんだけど、1から3だろパスだ!』

『なんでみんな分かるの!』

『真剣すぎてガヤがガヤ出来ないですが、白熱してきましたね……主催者も難しくて分かりません』

 

昴の数が5個になった。

現在の数は昴5個、トワちゃん3個、もちち4個だ。

このゲーム、永遠と終わらないぞ。

常に見えてる状況から3個掘れるのが分かってしまう。

 

『胡蝶先輩、これパスしたらブロックの数は変わるんですか?』

『あっ、ちょっと待ってくださいね……変わるらしいです』

『じゃあ……パスで!』

『何やってんだよトワ!もっと行けよ!』

『いや!まだ行ける、トワ様あと4個行けるにぇ!』

『もちち、何言ってんだお前!明らか嘘だろ!』

 

トワちゃん、何故かパスを選択。

ただ、場の数から6確定で抽選。

トワちゃんは6になった。

 

『えぇ?じゃ、もちは3個行くにぇ……えっと7個掘った!』

 

5ターン目、現在の数は、昴が5個、トワちゃんが6個、もちちが1個だった。4、5、6のいずれかを予想していたが、次の手順で5、6が出たことで、消去法的に4と確定させて3個掘ったのだろう。

 

『また3個だ。これで8個掘ったぜ!』

『このゲームには必勝法がある』

『えっ、そうなの!?』

『じゃあトワの数は6だから3個掘りますね。これでトワは9個掘りました』

 

コメント:失言で草

コメント:違う思ってたのはもっと煽ったりする奴だった

コメント:頭使ってやってるの予想外すぎる

 

現在の数は、昴が2個、トワちゃんが3個、もちちが1個だった。

 

『もちちゃんも分かるもんね、4個か6個だったはずだから今は1か3個!だからパス!』

『お前、ブロックの数言ったら意味ねぇだろ〜』

『もちさん、ブロックの数がバレちゃうよ』

『えぇ!そうなの!?』

 

コメント:もちちェ……

コメント:まぁパスするからなぁ

コメント:実は昴も失言してるからお相子

 

6ターン目、現在のブロック数は、昴が2個、トワちゃんが3個、もちちが4個になった。

 

正直言うと、本人達が真剣にやってるせいで、同じような展開が続き、ぶっちゃけ放送事故になってる気がする。

まずい、同じ絵面が淡々と続いている。

だから10ターンまでってルールがあったのか。

泥仕合を強制終了させる措置だったか。

 

『俺のターン!パスするぜ!』

『トワもパスで』

『おいおい、トワ日和ってんのか?』

『プークスクス、トワ様日和ってんの?』

『二人とも分かってないな。トワは必勝法に気付いたんだ』

 

おおおお、とガヤ組からリアクションの声が聞こえた。

本当にそんなのがあるんですか?

そして現在は、5個と6個と4個になっている。

 

『もちは3個掘るもんね。これで10個なんですけーど』

 

7ターン目に入った。

もうすぐ終了ターンになっていく。

昴が5個、トワちゃんが6個、もちちが1個だ。

掘った数は、昴が8個、トワちゃんが9個、もちちが10個になる。

 

『えぇ……じゃあ2個……いや!3個掘る!ホワァァァ!』

『トワは3個掘って11個です』

『パス!もちはパス!』

 

8ターン目、場の数は昴が2個、トワちゃんが3個、もちちが4個だ。

掘った数は昴が11個、トワちゃんが12個、もちちが10個だ。

 

『あー、パス』

『私もパスで』

『もちちゃんは……2個掘って、12個。もちの勝ちだな、ガハハ』

『えぇ……知能指数が違いすぎて分かんねぇよ。もちちの勝ちなの?』

 

だ、誰か解説してくれ……分かる人いないの?

 

9ターン目が始まる。

昴が5個、トワちゃんが6個、もちちが2個。

 

『ハァハァ……今、何個掘ったんだ?11だっけか……待って、4掘れんじゃね?』

 

理論値上の数字である最大で取れる数を昴は選択した

昴がパスを選択した時点で、3と4があり、自分は5か6。

4個掘って、現在数は1個となった。

掘った数は15個である。

 

『4掘れるって言ったよね』

『えぇ?いやぁ、どうだろ』

『あー、もうじゃあ!トワは5行けるわ!』

『いや、トワ様は短いと思いますよ』

『早まるなトワ!死ぬぞ!』

『いいや、掘るね!もちち敬語で絶対嘘だし!』

 

トワ、4個掘れば確定なのに5個掘るのを選択。

実はブラフだったりしたら、パスした時点での可能性は3か6だから昴が失言に見せかけた誘導をしていたら、トワちゃんは死んでいた。

まぁ、そこまで考えてないという性格読みではある。

この時点でトワちゃん、17個である。

 

次は最終ターン、昴は1個しかないから掘れない。

掘ったら死亡する。

同点には持ち込めない。

 

『パス!最後に勝つのはもちやで……』

 

もちち、9ターン目、最終はパス。

場には1と1があるため、抽選は完全な運。

3.4.5.6のいずれか。

でも、どんなに頑張っても同点には持ち込めない。

 

そ、そのための5個掘りだったのか!?

 

『どうせ負けるかもしれないんだ、掘るぜ!うおおおお!こえー!』

『あっ』

『えっ、うわぁぁぁ!』

 

コメント:1で確定なのになぜ掘った

コメント:もちちも同点に持ち込めるかどうかだな

コメント:同点なら延長になるんか?

 

昴、まさかの自爆である。

何してんの?

 

『ねぇ!もちち、今何個!』

『もちち、頑張ってもトワの勝ちだよ?』

『騙されないぞ!そう言って掘らせないつもりなんでしょ!』

 

コメント:計算が出来てない

コメント:多分何も考えないでやってそう

コメント:やらかしそう

 

もちちの最後の数は6個。

まさかの最大数、だが、これを掘っても5個が限界。

トワちゃんの言う通り、逆転は出来ない。

 

『たくさん掘ったら勝ちなんだから、全部掘ったら勝ちなんだよ!』

『いや、それしたらもち先輩死んじゃうし』

『えっ?いや!もちが一番多い6個だとしたら6個までは掘れるから!生き残れる!』

『えっ?いや、6個しかなくて6個掘ったら落ちるんじゃね?』

 

コメント:どういうことなんだ

コメント:あれ、これ最終ターンだから掘ったほうがいいのか?

コメント:死んでも次はないのか

 

うおおおおと言って掘っていく、もちち。

あれ、これ、トワちゃんの勝ちでいいんだよね。

 

『うおおおお!あっ……えぇ、なんでぇー!?』

『だから6個あったら6個掘った時点で落ちるって……あれ?』

 

ゲームが終了した。

画面には優勝者の名前が出る。

そこに出てたのは、桜もちだった。

 

『あれ……桜もち?えっ、もち先輩が優勝?』

『そ、そういうことか!?』

『知ってるのか、ハルにゃん!』

 

ガヤ組から驚きの声が聞こえた。

か、解説してくれ!

 

『ルールは最後のターンまでに掘った数だから、もちちは6個掘って18個になったんだ。それで別に死んでもリセットされる訳じゃなくて、次のターンに参加できないだけだからカウントは18ってことだ』

『えぇ!じゃあ、よく分かんないけど、もちの勝ちってこと?わーい!やったー!』

『えっ、そうなの……胡蝶先輩……』

 

コメント:不憫な

コメント:遊ぶ金欲しさの奴に負けて

コメント:悔しいでしょうねぇ〜(笑)

 

『ゆ、優勝者は桜もち先輩でーす!』

『う、嘘だー!うわぁぁぁ!』

『ねぇ!なんでだよ!みんな叩かないで!あー!あー、死んじゃう死んじゃう!』

『あー、お客様!優勝者を叩かないで下さい!はーい、記念撮影して終わりますよ!』

 

コメント:もちち前のステージにリスポーンしてて草

コメント:デスゲームで記念撮影……妙だな?

コメント:入口分からなくて外で叫んでるw

 

『えー、ちょっと、迎えに行きますので、そしたら閉めますよ』

『はーい!』

『もちち殺したら賞金貰えるかな?』

『衛ちゃん、ゲームの話だよね?』

 

グダグダだけど、最後は仲良く記念撮影して終わるのだった。

 

『衛ちゃん!やめて!その下りさっきやったから、叩かな……あー!』

『これで優勝賞金は私のものに……』

『もちメットてぇてぇ……でも衛さんやぁ、でも優勝賞金は手に入らないよ』

『やっぱり、ハルさんの言う通りダメかぁ』

『おい!殺され損じゃねぇか!』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

二周目のVTuber(作者:石崎セキ)(オリジナル現代/日常)

夕立夕日は、日本のバーチャルYouTuber、歌手。相方のVTuber・古城葵と共に活動することが多い、(企業に所属していない)個人勢のVTuberである。▼――――――▼時間が戻ったせいで「一周目」のガワを失ったVTuberの話。▼本編の完結に伴い、カクヨムにも転載しました。


総合評価:14353/評価:9.11/完結:50話/更新日時:2026年06月02日(火) 12:08 小説情報

【書籍化】告知事項(隣人がVtuberです)【26年8月17日発売】(作者:関係ないよ)(オリジナル現代/コメディ)

隣にうるさいVtuberが住んでるけど気にしない男が、風呂なしトイレ台所共有のクソボロ木造アパートで暮らしていく話▼書籍版はタイトルが変わって「隣人がVTuberです VTuber黎明期に死に戻ったリーマン、大手事務所を作る」となります。▼2026年8月17日発売予定。▼めちゃくちゃ加筆しましたので、ご購入頂ける方はお楽しみに!


総合評価:61299/評価:9.11/完結:75話/更新日時:2026年06月26日(金) 20:22 小説情報

アラサーがVTuberになった話。(作者:とくめい )(オリジナル現代/日常)

ブラック企業辞めたシスコンアラサー(♂)が底辺VTuberとして炎上しながらも奮闘する話。▼ファミ通文庫様(B6判)より書籍版出てます▼書籍版第8巻&コミカライズ版4巻発売中▼※炎上ネタが苦手な方はスルー推奨です。▼※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。▼※サブタイトル横★マーク付きは頂いたイラスト等が掲載してある回になります…


総合評価:114208/評価:9.31/連載:320話/更新日時:2026年06月26日(金) 19:01 小説情報

一般男性、TS令嬢転生(嫌々)からのしたくもない異世界統治(作者:柴野沙希)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

現代日本で日の目を見ること無く、うだつの上がらない人生を過ごしていた一般男性。▼彼は、自殺しようとした見知らぬ誰かを助けようとして死ぬ。▼神と問答する中で、気がつけば異世界転生が確定してしまい、あれよあれよと送られてしまう。▼次に目覚めた時には、TS、しかもロンディルト王国の公爵家令嬢に転生してしまったのだ!▼なんてことだ!もう(責任から)逃げられないゾ♡▼…


総合評価:20563/評価:8.83/連載:66話/更新日時:2026年06月04日(木) 07:40 小説情報

異世界でチート美少女になればやり直せると思ってたけど燃え尽きた(作者:暁刀魚)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

どんな人生を送っていても、異世界でチート美少女になればやり直せると思っていた。▼でも実際にそうなった時、ミツキは自分の生き方を変えようとして挫折した。▼そして逃げるように冒険者となった時、気づいてしまったのである。▼力も容姿も手に入ってしまったから、これ以上を望む必要がない、と。▼今の彼女に残っているのは、いかにノンストレスに生きるかということだけ。▼これは…


総合評価:18018/評価:8.81/連載:36話/更新日時:2026年06月23日(火) 18:05 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>