胡蝶の夢、或いは不労所得の夢   作:nyasu

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凡人だと自覚した15年

高校受験、前世より勉強が出来るから……とかそういうのはなく、何なら前世より頑張ったのに頭が悪かったりする。

あれは前世ではなく、未来予知だったのだろうか。

 

「なんで!専門行きたいって言ってんじゃん!」

「大人になったら分かるから、言う事聞きなさい!」

「だから、ロジックで説明してって言ってる訳!良いからって、理由を述べろって言ってんの!」

 

そして、親とバチバチの喧嘩をする中3に突入した。

未来予知したということで考えると、男の自分のように私立の高校から大学に入り公務員になるというルートは……そこそこ大変だけど出来る気はする。

良いか悪いかで言えば、悪くない生活だと思う。

 

ただ、また同じことをするかといえば退屈なので嫌だった。

そもそも高い金払って私立に行くのは、大学に行きやすいから良いかもしれないが隣の県だから遠かったりする。

あと、大学も推薦枠で文系じゃなくて理系に行き、理系の大学は宿題漬けで毎日忙しかった。

弟みたいにバイトとか飲み会とか出来てない、いやまぁ就職は苦労してたっぽいけどね。

色々な後悔とかある訳で、先が分かってるから同じ轍は踏みたくない、二の舞いになりたくないとも言う。

 

「このまま単願だったら普通に合格して、多分生産工学科とかに就職、そこから特別区か都庁か地元県庁に技術職採用の後に30歳独身になるんだよ」

「やけに具体的だなぁ……」

 

そこ!うるさいぞ弟よ、姉ちゃんは未来を知ってるのだ。

その上でやるとしたら、VTuberだ!

何故ならVTuberどころか時代はTwitterが出来たりWindows7だ、すげーとか言ってる時代である。

世界初のVTuberとかウハウハになる気がする。

楽して不労所得のある生活したいのだ。

 

「これからはネットの時代、ネットでのプログラミングとかデザインとかそういうネット関係の業務は潰しが効くんだよ!プログラミングなんてやるだけで、隙間時間に自宅から副業も出来るし」

「プログラマーって奴でしょ、いっぱい残業する。ブラックなアレ」

「うぐっ……」

 

た、確かに弟が何回か退職しては転職するくらいには待遇はキツそうだが……いや転職ありきの業界だって言ってたし、外資だったし、俺の目的は動画編集とかその辺だし、ガチでやるつもりじゃないしな。

 

「それは高校に行って、大学からじゃダメなの?女の子でも大学くらいには行かないと」

「くっ……ダメじゃ、ない」

 

確かに遅いということは、スタートダッシュは遅れるが遅くはないだろう。

今のままじゃ、VTuberどころか配信者とかもないし、やりたいことは働かない事とか言ったら怒られるだろうしな。

ヤバい、やりたい事を言語化出来ない自分がいる。

 

金持ちにはなりたいけど、そんなに努力とか出来ないし……絵とか続かなかったしな。

神童ムーブも勉強は続かないし、ちょっと未来を知ってるだけで同じようなルートを再現してるだけだもんな。

でも、最初期の方が大手企業に就職出来るチャンスだし……なんかこう、一山当てたい。

 

「高校はちゃんと決めたとこに行くこと、分かった」

「じゃあ地元の高校にする」

「アンタ、大学受験なんて出来るの?エスカレーター式のほうが良いんじゃない」

「東大行った無職より、中卒の高額納税者の方が偉いよ。学歴なんて無駄だよ」

「姉ちゃん、学歴コンプレックスみたいなこと言ってるな」

 

社会人になったら、あんなに必死に高校の勉強しなくても何とかなるって分かるんだよ。

 

「まぁ、最悪お母さんと保険の仕事したらいいし」

「コラ!言うほど仕事簡単じゃないんだから、ちゃんとした仕事につきなさい!」

「ちゃんとしてるじゃん、保険の仕事だって」

「気苦労が多いのよ、営業行っても今の時代は保険なんか入らないんだから」

 

確かに、保険なんか入らなかった記憶あるな。

それに極端過ぎたかもしれない。

もし大成できなかったら選択肢ミスったとかなるもんな。

まずは株とかで資産増やした方がいいかもしれない。

 

 

 

中3はこれと言って何かあるわけもなくあっという間に過ぎていった。

これと言ったイベントと言えば、よく話してたやっくんから告白された事くらいだろう。

 

「えぇ、お前好きなの?前に中学で付き合っても結婚するまで行く奴なんかいないし、頭悪すぎって言ってたじゃん」

「言ってないよ!?」

「言って……ないか」

 

言ってたのは前世というか、別の世界線のお前だったか。

でもどうせヤりたいだけだろ、性欲の獣め!

元男だから分かるが、そういうの興味津々だもんな。

女になってから性欲はあっても、乗り気じゃないのが男の時との違いだな。

だいぶ感情的になりやすいしな。

 

改めて自分を見てみると、スキンケアもバッチしだし、未来知識による健康を気にしているからスタイルも良かった。

男の経験から、地味だけど可愛い系の女にはなれてると思うし、距離感もだいぶ近い。

うわ、そう考えるとあざとくて勘違いさせる嫌な女さんだわ、すまん。

胸も中学にしてはDはあるしな、デカい。

 

「子供とか激痛だろうし生みたくないし、ピル飲めるような大人になるまでエッチなことしないよ。ゴムだってちゃんと避妊できるわけじゃないし」

「避妊!エ、エッチ!」

「すまん、まだ中坊には刺激が強すぎたな」

 

でも、よくよく考えると男とエッチな事って正直気持ち悪いから金貰っても、胸とか触らせるくらいしかしたくないぞ。

そう考えると、ガチレズなのかもしれない。

 

「悪いこと言わんから友達で居ようよ」

「そっか……うん、そっか……」

「あと、正直お前ガチ陰キャだから出直した方がいいぞ。私服がダサいし、あと髪とか美容院に行こうぜ。行ったらモテるって」

 

俺はお前がマッチングアプリで遊びまくってたの知ってるからポテンシャルはあるんやで、今は女子からバカにされてんけどな。

 

「お前、裏でそんなこと思ってたのかよ!」

「いや、みんな思ってるよ」

「えぇ……そうなの?」

「高校デビューしろって、今はまぁ……これくらいで我慢しろよ」

 

可哀想だからやっくんの手を胸まで持ってきてやった。

こんな脂肪の塊だけど、大人になったら30分1万円ないと触れないんやで。

元気出せよ。

 

「お、おっぱい……」

「ブラ越しだと硬いやろ」

「知りたくなかった……」

「喜べよ、こんなことしてやるの……お前だけだぞ」

「う、うわぁぁぁ!」

 

やっくんは、叫びながら帰り道を爆走して俺を置いてった。

何だよ、せっかくサービスしてやったのに酷いやつだぜ。

俺が中学の時は触りたくて仕方なかったんだぞ。

 

「あぁ、マイセンとかシーバス飲みてぇ……早く、タバコと酒とか出来るようにならねぇかなぁ」

 

なんだかモヤモヤする中学の夏だった。

そんなこんなで、代わり映えのない日常に何もしてねぇで15年も生きてると焦りながらも無事に地元の高校に合格。

まぁ、定員割れするような所なので親からはスゴイ色々言われたけど、自由時間の多さと推薦の取りやすさで説き伏せた。

ここは頑張って成績で黙らせた、ちょっと危なかったが元大人の面目躍如やろ。

 

『あっ、あぁー、聞こえますか?』

 

あと、高校生になったらパソコンを買ってもらったので顔出ししないで配信活動も始めてみた。

 

コメント:わこつ、女?

コメント:おっぱい見せろ

コメント:クルーズから来ました

 

初めての配信活動は、女に対してリスナーって民度クソだなだった。

いや、この時代映画とかゲームとか違法ダウンロードしても、それって何か悪いの?程度のモラルだったわ。

 

『クルーズからいらっしゃい、ゆっくりしていってね。おっぱい見せろじゃねぇよ死ねよ』

 

コメント:終わってるわ

コメント:藁

コメント:クソワロタwww

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