胡蝶の夢、或いは不労所得の夢   作:nyasu

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ライブ後、メン限配信

家に帰宅して11時、後日記念配信の際に起きた事に関しては対策について協議する事で仕事は終わった。

いやぁ、まさか脇とか胸とか汗凄くて手上げてパタパタしてたら切り抜かれるとは……告知画面だと思ったら油断した。

 

「フフッ……レッサーパンダってなんだよ」

 

トレンド入りのツイートを見て笑顔が溢れる。

アンチもいるけど、アンチも含めていいねを押しまくる。

今だけ、大きくなってファンもたくさん増えたら出来ない事だからな。

 

スマホ片手に風呂場に行き、軽くシャワーを浴びてたら11時半になっていた。

あらかじめ用意していたサムネでメンバー限定配信の告知をして、夕食を取る。

 

無駄に広い部屋は少し寂しいけど、それはバタバタしてた反動だろ。

スタッフの姿しか見てなかったが、自分としては大きな一歩だ。

いつか、どっかの箱でライブした……あっ、思い出した。

 

「とまりうみ先輩の告知しとかなきゃ」

 

注目度が高いうちにやっておこうと言う話だった告知を行う。

とまりうみ先輩のライブである。

しかも、私のなんちゃってではなく初めて箱を使ってのライブだ。

 

700人も入るかなと運営は不安がってた。

もっと大きくてもいいと言ったが、流石に初めてだから私の案は却下された。

まぁ、抽選落ちが起きるとか知らないから無理はないのか。

 

だが、実際のライブ会場を使ってのライブは私も憧れる。

コメントじゃなくて、実際のファンが見れるからだ。

こんな私でも愛してくれてる奴らだ。

 

「いいなぁ……いや、人は人、自分は自分」

 

栄養管理は出来ないだろうと、宅配サービスで買ってる管理栄養士が作った冷凍食品をレンジで温めて食べる準備をする。

VTuberの案件とかでよく見てたけど、楽でいい。

レンジから取り出してご飯を食べてたら、時刻は配信15分前だ。

急いで掻き込んで、5分で食事を終わらせたら冷蔵庫から寝ないためにエナドリを取り出して、パソコンを弄る。

ちょっと遅れてもいいかもしれないが、待たせるのもな。

 

「よし、切り替えるぞ。あぁ、新人ちゃんにツイートしておかなきゃ」

 

色々大変だろなんて、何もない所から築き上げる後輩に言うのは烏滸がましいけど、本当に起きる訳もないことで炎上させちゃったからな。

自分がいなければ上手く行ったのに悪いことしたよ、本当にさ。

 

 

 

配信画面が切り替わる、メンバーもたくさん増えてる。

待機なのにスパチャしまくる奴らがいる。

やべっ、スパチャ機能オフしてなかった。

オフし忘れるとゲームとか、スパチャ禁止とかあるからな。

前の設定忘れるの気を付けなきゃな。

 

「ただいま、フォローライブ所属、ライブ終わりの女、胡蝶舞姫よ……はい」

 

コメント:遅せぇよ

コメント:はいじゃないが

コメント:ライブおつかれー

 

「おつかれー、ライブどうだった?あっ、告知にあるように先輩が今度箱でライブするから、私もいつか箱でやりたいよ」

 

コメント:いつになるか分からんけど見に行くわ

コメント:配信と違って金かかるから無理やろ

コメント:お金使いすぎじゃね?

 

「あぁ……ね、まぁ、割と聞かれるから言ってると思うけど結構するよね。まぁスパチャ貰えたし還元していきたいからさ」

 

コメント:お前どうした急にVTuberみたいなことを

コメント:フニャフニャしてて流石に疲れてるな

コメント:お前のそういうとこ好き

 

「いぇーい、私も全肯定してくれるお前ら好き。メンバーだからヨイショしてくれるし」

 

コメント:おいやめろwww

コメント:オブラート包んでもろて

コメント:ドストレートすぎるやろ

 

「んんっー!……ふぅ、よしやるか。お前らの好きなライブのスクショTweetして、どうせスクショしてるんでしょ」

 

コメント:そんなわけ……あります

コメント:他力本願すぎるだろ。アップした

コメント:俺の秘蔵フォルダが火を吹くぜ、炎上ってな!

コメント:エッ!!!

 

「おぉ……あっ、レッサーパンダ。お前ら撮りすぎだろ。これ、汗とかすごくてパタパタしてたんだよ。胸とかってなんか間とか下に汗溜まるから」

 

コメント:エチチチ

コメント:お前言うなよそんなこと

コメント:うんうん知ってる見せてもらっても?

 

「あっ……いやまぁ、デブになったら分かんじゃない?おぉ、ライブの私だ……キリッとしてるな」

 

コメント:スタートの曲選良かった

コメント:あれ胡蝶が踊ってんの?

コメント:途中声出てなかったし動画じゃねぇの?

 

「全部生だよ、生配信。踊ってる踊ってる。体力ないから踊りながらだと声がね、カラオケで走り回りながら歌ってみて」

 

コメント:怒られるわwww

コメント:タバコ辞めろよwww

コメント:マジでアイドルじゃん

 

「吸ってねぇって言ってんだろ!コンプラとかあんだろ、言わせんな!次、あぁこれね流行ってるからね。ステージは燃やそうって打ち合わせした」

 

コメント:燃やそうwww

コメント:燃えてるの間違いやろ

コメント:リアルは花火くらいだから全部燃えるのはすごかった

コメント:ステージ炎上はバーチャルだから出来たな

 

「爆発させたかったけど、それは時間とお金が掛かるから難しいらしい。いつかやる。っていうか運営がまだノウハウとかないからね」

 

コメント:あっ……

コメント:お気持ちしてましたね

コメント:あれお前が書いたの?

 

「ちゃんと私が書いたよ。添削とか慣れないのにやったんだからするなよ。もう喧嘩よ喧嘩。リスナー怒るぞって」

 

コメント:口悪いけどライバーの鏡

コメント:炎上と暴言さえなければ完璧なのに

コメント:煽り耐性つけたら?出来ないの?

 

「出来るわ!タイムアウトするぞテメェ……いや、まぁ、今日は機嫌がいいから許してやろう。次ぃ〜」

 

コメント:許された

コメント:こんな曲あったんだな

コメント:最近コイツら出てきたな

 

「普通に好きな曲出してみたけど、知名度まだないか。まぁラップとかヒップホップ聞くならだいぶカジュアルなほうだよ。バズりまくるよ」

 

コメント:お前の謎の自信何なんだよ、いつも思うが

コメント:いや、あるぞこれは!競馬とかあるもん!

コメント:結構先進的だもんな、バズるってみんな使い始めたし

 

「誰だこの女、おい消せ!パンツ見えてんじゃねぇか!」

 

コメント:草、画面に取り上げて見せてるのに(笑)

コメント:クルクル回ってくれて嬉しかった

コメント:スクショなら可愛い女の子なんだよなぁ

コメント:お前が見せてるんだぞ

 

「今も可愛いやろがい!あざとくない?えっ、これ私?」

 

コメント:ぴょんぴょんしてたぞ

コメント:やってること幼女だったよ

コメント:自覚なかったんか

 

「ないよ。うわぁ、同期に後で弄られそう……テンション高いな。あっ、これ疲れて座ってたのね。見えてないけどマネちゃんから水貰ってた」

 

コメント:グッズめっちゃ出てたな買うわ

コメント:珍しく実用性がある普通のグッズだったな

コメント:バッグとか手帳とかタオルとかばっかだったもんな

 

「いや買っても使えない奴いらないだろ。アクスタとか邪魔になりそうじゃん」

 

コメント:欲しい人だっているんですよ

コメント:服とか着れればいいと思ってそう

コメント:耐久値とかで服買ってない?

 

「あー、いや、服は昔より何着ても可愛いから散財してる……多分、服と香水と美容と……あとパソコンパーツとかガジェットは金使ってる。おい、言うな。ボイスについては触れるな」

 

コメント:他の女のASMR聞いてゴメンな

コメント:俺はお前のオタクだよゴメンな

コメント:顔見られたくらいで怒んなよ

コメント:コイツら……ボイス買ったんだ!実は俺も

 

「お前らぁ……くっ、あ、ありがとうございます。はい!撮影会するぞ、好きな要望書け!ほらあと30分だぞ!」

 

スクショタイムを設けて、夜だが起きてるであろう関係各所に連絡する。なんでか知らんが、この業界は夜型の人が多いのだ。

家の外で働かなくて良いタイプの人が多いからかもしれない。

 

「お疲れ様です」

『お疲れさまでした。ライブすごかったですよ』

「ママ……初手炎上からなんとか頑張りました。いつもお世話になってます」

『いえいえ、胡蝶さんリテイクする前に詰めるとこ詰めてくし仕事しやすいですよ。お金もその分追加してくれるし』

「あぁ、いや、リテイクの愚痴とか飲み行ったとき聞いたし、お金で揉めたくないですからね」

 

関係各所の後は、自分のイラストレーターである、ほめこ先生だ。

こんな時間まで仕事してるちょっとやべー女。

いっぱい貢いでやるからな……なお、未来でVとかやってない。

 

「でも忙しいのにありがとうございました。リテイク出すつもりはなかったんですけど」

『最初がフワフワで違うしか言わないよりは全然、少ない方ですし……まぁ個人営業主なんで……労働時間は無限だし』

「先生もVになりましょうよ」

『病む覚悟があるならって聞いて、暇にならない限り無理ですよぉ……納期とか進捗確認されたくない』

 

世知辛い裏事情も聞いてしまい、ライブのお礼とご飯の約束をして時計を見る。

2時か、昨日なんだな……ライブ、昨日なんだ。

後でアーカイブ見るか。

 

「やべぇ、眠くねぇ……眠くなるまで練習すっか」

 

相性は悪いが、将来的にはVTuberの大会なども開かれるバーペックスを起動する。

ボイスチャットは前の設定でオンになってるが、上手い人とかいたら教えてもらえるからいいか。

 

エナドリのせいか、何戦かやるまで眠気は来ない。

気づいたら死亡してて、ゲームマッチ終了画面に気づいて寝落ちしてたのに気付いたところでパソコン消してベッドに飛び込んだ。

 

「はぁ?炎上?」

 

翌日の昼、炎上してて頭を悩ませるのであった。

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