胡蝶の夢、或いは不労所得の夢   作:nyasu

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オフコラボ 

アンチをエゴサしてブロック、アンチをエゴサしてブロック、アンチをエゴサしてブロック、アンチをエゴサしてブロック、アンチをエゴサして……おっと。

 

「朝か」

 

自分の復帰配信、スパチャは切っていたからコメントだけだった。

まぁ、出るわ出るわ最近の話題。

たまに私のことに触れるが、大体はリスナー同士の会話。

鳩や他の話題、セクハラや罵詈雑言、まぁ混沌としてる感じが私の配信だな。

ただ、前は気にしてなかったのに何だか疎外感を感じたりして、脊髄反射で話してたのに何を言えば分からなくなって……どうやって配信してたか分かんなくなっちゃった。

 

ふと、見上げたら部屋に差し込む朝日、夕方のように真っ赤な空、昼夜逆転ここに極まりって感じだ。

ツイートを一通り見ていく、気にしなきゃ良いのに気になってしまう。

昔はSNSに依存したり、バズる目的で写真撮ったり、映えとか意識してる奴らに意味分かんねぇとか言ってたのに、今じゃ四六時中エゴサしてる。

 

「私も弱くなったな……」

 

タバコ、酒、SNS、依存する先が増えて、人としての強度が下がった気がした。

 

まさたや@20020603mg

久しぶりの配信だったけど終始落ち着いて丁寧で、やっぱり応えてたのかな。いつもの胡蝶に戻ってほしい

 

 

2期生箱推し★百目鬼組@873875pjga

復帰して良かった!すごく元気そうで、胡蝶らしい配信だった。心配してたけど大丈夫そうだな。2期生コラボ楽しみ!

 

 

たのすけ陸軍@tera4218

おつこちょー!復帰配信、最初はミスってたけど勘を取り戻して調子も良かったね。ファンとのプロレスも良かった、いろいろ聞きたかったけどあっという間に終わったな。次の配信も楽しみ!

 

 

白井和真@shiraikazma

テラちゃんとか70万人行ってたし、2期生も差が出てきたから今の時期は辛いよな。休止してる間に登録者数抜かされてるし、これからも頑張って欲しい

 

流れていく、ツイートの数々。

直接的な批判じゃないから、アンチとも言えないし、率直な意見なんだろう。

私の調子も、いつも見てるリスナーの目は誤魔化せなかったか。

 

「いつもの私にって変だったかな?私らしいって楽しかったかな?調子良さそうに見えたのならちゃんと出来たのかな?頑張れって怠けて見えたかな?」

 

そんなこと言ったら頷くだろうか。

画面に映る、胡蝶舞姫は何も答えない。

画面の向こうに私の求める答えはない。

 

 

 

東京に来るよ!ということで陸テラちゃん提案でオフコラボが決まった。

文句を言いたいんだが、部屋いっぱいあるし、広いし、東京だから胡蝶の家集合な。

 

と、本人の許可なく決定した大海昴、お前が決めるなよ定期。

まぁ、いいですけどね……缶チューハイとか酒瓶とかエナドリの空き缶捨てなきゃいけないんだぞ。

ルンバくんと一緒に掃除しまくった。

 

まぁ、本当に集まるのだろうか。

やっぱ辞めたとか言いそうな、百目鬼菖蒲と黄金シオンが心配だ。

 

「……はい」

『駅なんだけど、胡蝶様どこぉ〜』

「家だけど、17時集合だろ?1時間早くね?」

『若干2名遅れるかなって』

『おい!ちゃんと来てるよ!』

 

なんか電話の向こうでクッキー先生と菖蒲ちゃんの声がする。

珍しい、お嬢が外出してるなんて……で、用件は?

 

『胡蝶様、お土産何がいい?』

『胡蝶と電話してんの?アイツ車持ってんだろ、迎え来てもらおうぜ』

『あれ、どこ行ってたの?えっ、あっ、そう。何も聞いてなかった』

『うるさ、ちょ、電話中だから2人とも』

 

ワイワイガヤガヤと、後ろの外野がうるさい。

ええい、子供かよ。いや、迎えに行くのは良いけどね。

 

「おい、そういえばテラたんとシオンは?」

『電話出ないから寝てる。テラたんは鬼電』

「シオンよ……」

 

お前って奴は、予想を裏切らないな。

取り敢えず迎えに行くことにした。

 

車を出して駅まで迎えに行ったら、なんか人が増えていた。

人影は3つ、クッキー先生とテラたんは確認出来るが、あんなミニスカ履いたガキ見たことねぇな。

そういえば、私ってシオン見たことねぇわ。

あの、テラたんの横にいるのがシオンか。

 

「えぇ!?ちゃんとした大人が来たんですけど!」

「おうおう、随分な挨拶だな、ガキンチョ」

「アハ!声、胡蝶ちゃんなのウケる!革ジャンとか柄悪っ!」

 

ウケねぇーよ。

声からして、案の定シオンだった。

ってかちっさ、若っ……10時以降配信出来てなかったし最近まで子供だったもんな。

てか、人数的に2人乗れないぞ。

 

「あっ、私達タクシーで向かうわ」

「なんで、どういうこと?」

「あと、キッチン貸して」

「なんで、どういうこと!?」

 

クッキー先生のオムライス食べたいと、ガキ2人組が騒いだらしい。

いや遅刻してるのに、お前すげぇな。

いやいいけど、自炊の器具もあるけどさ。

 

「コンビニ行ってくる」

「んっ……」

 

取り敢えず、誰が乗るか待ってる間、路上の駐車スペースに停めてコンビニに行くメンバーを見送る。

あれ、っていうか菖蒲殿と昴はどこ行ったんだよ。

ったくよ……全員自由かよ。

 

車から出て、寄っかかりながらタバコに火を点ける。

しばらく吸えないから吸いだめしないといけない。

クッキー先生、タバコ嫌いだからな。

 

「ゲホッゲホッ……うぇ……こんな咳き込んだっけ」

 

あぁ、バニラの香りがする。

喉には少しの苦味と煙くささが……あっ、ここ条例的にアウトかもしれん。

やべっ、消しとこ。

 

「えぇ、タバコ吸ってる!」

「うるさっ……」

「ねぇ、タバコって身体に悪いんだよー、知らないの?」

「うぜぇ……」

 

ねぇねぇ、ねぇねぇ、と私の周りをシオンがウロウロする。

動きが、うるせぇ。

因みに、ちょっと離れたところでシオンちゃん!とテラたんが叫んでた。

 

あっ、目が合ったら逸らされた。

こっちは動きが静かだな、気配消してやがる。

てか、いつもの目線が隠せるキャップないじゃん。

 

「めっちゃ買ったな、両手にビニール袋持ってんじゃん」

「おう、胡蝶じゃん。何してんの」

「お前が呼んだんだろ」

「あっ、迎えか!」

 

そうだよ、乗るのはガキ2人とお前で良いのな。

いや、買い過ぎだろ……冷蔵庫入るからいいけど。

車は車で煩かった。

ずっと窓の外を見るシオンと、助手席で画面を弄って音楽を聞こうとする昴。

一人気配を消してるテラたん。

喋ってんの2人だけだけど、うるせぇな。

 

「EDM聞こうぜ、EDM!」

「後どのくらい!どれ、どれに住んでんの!」

「おい、ハンドルで操作できんのか!車、すごっ!」

「ねぇ!部屋何個あるの、ベッド大きい!?」

 

……うるせぇ。

これが若さって奴だろうか。

タクシー乗る人選間違えてんだろ、こっちのやつとチェンジしようぜ。

 

そうこうしているうちに到着。

一応、苦情を申し上げたが、タバコくさそうだからダメでーすと回答。

く、車の中は別にタバコ臭くないし……臭くないよな。

 

「あっ、あっ……」

「行くよ、何してんの」

 

ロビーで受付にいる何人かに挨拶しようとしてるテラたんの首根っこを掴んで、エレベーターに移動する。

宅配とかクレーム対応とか色々やってくれるからスタッフは多い。

慣れてからは挨拶とかしてないけど、管理人みたいなもんだから会釈はしてる。

軽い会釈をして、自分の家まで向かう。

その間は、流石のシオンも静かだった。

 

「胡蝶ちゃん……口悪いのにお嬢様だったんだね」

「……悪くねぇよ」

「分かるぞ菖蒲、最初はびっくりするよな!」

 

うるさいよ、めっちゃ見られてんじゃん。

恥ずかしいから止めなさいよ。

 

「ロビーがあるってガチぃ?ソファーある……ホテルじゃん……」

「ちゃんとマンションだよ……ほら行くよ〜」

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