幼馴染への束縛が強め(になる)ヘルタと幼馴染 作:ヘルタファンクラブ永遠の最後尾
あれから数ヶ月後のこと、
「やっと…ヘルタ人形完成だな」
「あなたから見て、この人形の完成度はどう?」
「すげぇな、あの頃のヘルタそのまんまだ」
「ふっ、当たり前でしょう?」
その時、天才の脳裏に一つの問いが浮かぶ。
それは自分の発明品への評価方法としてはあまりに彼の主観に寄りすぎている問い。
だが、天才というものは好奇心に逆らえないのだ。
「完成度に関して点数をつけるなら、何点中何点?」
「それは、昔のヘルタっぽいかってことか?」
「うん」
そう言うと、ネルトはかなり迷う様子を見せた。
そして
「……ん〜、百点中七十点?」
「……絶賛してた割には低いんだね。三十点減点の理由を聞いていい?」
「見た目はほぼ昔のヘルタそのものなんだけどさ……この人形、表情までお前とリンクしてるだろ?目つきが違うんだよ」
「……目つき?」
「そうそう。昔の……解き明かして無い問いがいくらでもあって、天才とも呼ばれてなかった頃のお前の目は、もう少しギラギラしてたんだよ。それと、あの頃のヘルタより少し身長高めに作っただろこれ」
ヘルタが沈黙した。
「お、おい、なんか言えよ……怒ってないよな?」
「…………ふ、フン、私のこと、よく見てるんだね。置いてった癖に」
「確かに置いて行ったけど、それでも一番の親友なんだから全部覚えてるよ」
「……ふ〜ん?それで、あの頃の私と今ここで出来上がった私、どっちが美しい?どっちが可愛い?」
「どっちとは言い難いけど、俺は今のヘルタの方が好きだよ」
「……へぇ?そうなんだ……ふ〜ん」
「ヘルタ?今日は返答が遅いな、電波悪いのか?」
「いや、これはその……そう、少し寝不足なだけ」
「そうか。あまり根を詰めすぎるなよ」
はいはい、と返事をしながらヘルタはあくびをした。
「これでようやく次の旅に出られるな」
「次はどこに行くの?」
「決めてないから、適当に宇宙を漂いながら決めようと思う」
その言葉に、ヘルタは彼の正気を疑った。
目的地を決めずに出発する気なのだ、この男は。
「いいだろ?食料は十分積んであるし、そのために燃料も大容量のやつを選んだんだからさ」
「……変なところで思い切りがいいよね、あなたって」
「流浪の旅こそ、俺の昔からの夢だったからな!これくらいの準備はしてるさ」
「その情熱を私との未来に向けて欲しかったけど……」
そんなこんなで一人と一体の人形を乗せた宇宙船は宇宙に旅立った。
そして、数日後。
宇宙を漂う船の中、彼が眠ったその瞬間を狙ってヘルタ人形が起動する。
そして、船のメインコンソールに接続すると
「えっと、トラッカーをここに……遠隔操作を…………」
「……ん?ヘルタ?」
そうしていると、間が悪く彼が目を覚ます。
しかし、幸いまだ寝ぼけているようだ。
「おはようネルト」
「何してたんだ?」
「あなたが寝ている間にこの宇宙船がうっかり小惑星帯に突っ込んじゃったりしないか確認してたの」
「そうか、じゃあ俺はもう少し寝てていいか?」
「もちろん、ぐっすり眠ってなさい」
ネルトは何をされているのかわからないまま、もう一度眠りにつくのだった。