無気力になったコユキ   作:ddddd / d5

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18:00に投稿しようと思ったのですが寝て起きたら21:00でした


23 横道

コユキとヒフミが別行動をしてから、私たちは人の往来が少ない広場に移動して、簡単な自己紹介をした。

銀白色の長い髪と羽を紫の花飾りで飾った子が、アズサ。

頭と背中に一対の黒い小さな羽を持ったピンクの短いツインテールの子が、コハル。

太ももまで届く長いピンク色の髪をストレートに垂らしている子が、ハナコ。

その子たちとヒフミは補習授業部という部活のメンバー。

私たちも部活とそれぞれの名前を話したところで、アズサは両眉を上げて薄紫色の瞳でこちらをじっと見た。

それから、芯のある爽やかな声で話しかけた。

「ヒフミと一緒に行ったコユキはどんな子なんだ?」

それを聞いた私は口を少し歯が見えるほどまで開いたが、言葉を出せなかったため、アイリをちらっと見た。

コユキのことをどこまで話せばいいのだろう?

アイリは両手を背中でからませて、アズサに話した。足が一回、ソワソワしたように動いた。

「コユキちゃんは、寂しがり屋な大人しい子、だよ」

それを聞いたアズサが瞳を輝かせて、表情が緩んだ。

「そうか…それなら、ヒフミが一緒にいるのはとても心強い」

それほどの信頼がされているヒフミなら、コユキと一緒でも大丈夫だろう。

私は自然と唇が開いて、大きく息を吐き出した。

それに合わせて全身の緊張がほぐれたので、私は周りを見た。

宇沢とコハルは、お互いうつむいて相手をちらちらと見ながらぎこちなく会話していた。

「コハルさん…」「レ、レイサさん…」

「あっ」「あっ」

「その」「えっと…」

「お、お先にどうぞ…」「い、いえ、そちらが…」

…宇沢も中身はコミュ障な一面があるから、自己紹介ですでにコミュ障だったコハルとの会話がこうなるのは目に見えていた。

ヨシミはその二人を交互に見ながら、足を一歩踏み出そうか迷っていた。

一方でアイリとアズサは、コミュ障組とは真逆に会話を弾ませていた。

「コユキはカズサにどれぐらい懐いているんだ?」

「無自覚に腕を組んで肩をくっつけあうほど懐いてるよ!」

…外は寒いのに顔が熱くなってきたので、私はアズサより奥で全体を見ていたハナコの方を見た。

ハナコは黄緑色の瞳でこの光景を見ていた。補習授業部の中ではひときわ落ち着いていて、お姉さん役のように感じた。

それからここまで一つも動いていないナツの方を見た。

ナツはいつの間にか牛乳を口から離してポケットに入れ、両手で両頬を伸ばしてハナコの方を向いた。

ハナコは口に手を当てて笑い、少しナツの方に顔を突き出した。

その後、ヨシミが鋭いツッコミを入れたときは、さっきより笑い声が大きくなっていた。

 

それを眺めていた私の気持ちも緩み切ったとき、誰かの視線を近くから感じた。

私は視線の方へ頭を向けた。すると、菫色の長い髪が素早く横の道に引っ込むのが見えた。

そのとき、横から別の小さい声が聞こえた。顔を向けると、いつの間にかアズサがいた。

「敵だろうか?」

私は同じく小さい声で話した。

「わからない。相手の様子を伺おう」

私とアズサは道の方に耳を澄ました。

誰かの声と足音がした。どうやら菫色の人だけではないようだ。

私たちの後ろの方から、みんなの声が聞こえてくる。そのせいで道の方の声が聞き取りにくい。

そのとき、しっかりとした少し跳ねたような声が聞こえた。道の方からだった。

「ノア…コユキ…いた?」

それを聞いた私はアズサの方に顔を向けた。アズサも私の方に顔を合わせた。それから二人そろってまた道の方を向いた。

ノア、と呼ばれた人は澄んでいて落ち着いた声で話した。

「…売り場…探し…見つからず…」

後ろの方で聞こえていた声が小さくなったのか、さっきより聞き取りやすくなった。

―どうして、二人はコユキを探しているんだろう?

そう思ったとき、また別の足音が道の方で聞こえた。隠そうとも思ってない大きさだった。

聞こえ方からして、それは二人分の足音だった。

そのとき、左腕で服と服がこすれる音がした。

振り向くと宇沢がいた。いつもの上がった口角ではなく、一文字の口で。

お互い瞬きをして、何も言わずに道の方を向いた。

そのとき足音が止まり、二人のうちの一人が話した。

私が知っている声だった。

「ユウカ、こっちも見つからなかった」

私は急に口の中が湿っていく不快な感覚を感じて、一度飲み込む動作をした。

向こうはそれが消えるまで待ってくれるはずもなく、次の声がした。

案の定、これも私が知っている声だった。

「ミドリとユズもいませんでした。コユキについていったのかもしれません」

それを聞いた私の喉を、荒っぽい何かが埋め尽くした。

目を閉じて深く呼吸をしたけど、その程度では収まるはずがなかった。

一方、頭の中では何度もあのシーンが再生された。

コユキが私の後ろに隠れたとき。私たちがコユキを励まして、コユキが逃げ出すように動いたとき。

そのとき私たちの前にいたのが―モモイ、アリス、ゲーム開発部。

あの二人は、ユウカともう一人と協力していて、奴らもコユキを探してる。

奴らにコユキを近づけさせてはいけない。

 

私は足音をなるべく立てないように雪がついていない石畳の道を歩いて近づいた。

視線の左端で宇沢の空色と薄紫の髪が、右端でアズサの銀色の髪がわずかに後ろに押し出されていた。

横道の曲がり角まで来たときに二人と目を合わせて、一気に角を曲がった。

おてんばな弾む声とさわやかな声が道の奥まで震えた。

「ひゃあ!?」

「えっ…!?」

私はモモイとアリスとその後ろにいた二人を注視した。

一人はさっき見えた菫色の長いツーサイドアップに菫色の瞳を持った子で、大きく開いたままの口と揺れ動く赤い瞳孔が見えた。

もう一人は白く長いストレートに紫色の瞳を持った子で、わずかに開いた口と小さく震える紫色の瞳孔が見えた。

私は手足が固まったままのモモイとアリスの方へ一歩踏み出した。二人の視線が横に逸れた。

私は四人へ刺すような視線を向けて低いトーンで話した。

「どういうこと?」

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