Fate//////X   作:耳民美

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#06「悪竜現象」

Fate//////X 6

 

 

 

Ⅳ バーサーカー

 

 闘争があった。

 政があった。

 その男は、理知的で、老いて尚、勇猛であった。

 そして、それは竜との戦いの中でさえ——

 

 

 

第六話「悪竜現象」

 

 

 

 セイバーとバーサーカーの剣戟は、黄金剣と真紅剣の打ち合いだけに留まらない。

 

「——『鉄槌蛇潰(ネイリング)』!」

 

 棍棒のような鉄剣による重い一撃も合間に挿み込まれ、バーサーカーの高い筋力ステータスも相まって——致命的なリスクを常に孕んだある種のリズムゲーム、いや、死の舞踏(ダンスマカブル)となっていた。

 

「オラオラオラどうしたどうしたァ!」

 

 間断なく打ち込まれるフルンディングとネイリングによる波状剣戟。俺は少しでも隙を作るべくガンドをバーサーカーに撃ち込みたいが、その間にもバーサーカーの後方にいるトウコ氏は魔術ビームキャノンのエネルギーチャージを行っている。地脈から魔力を吸い上げているのだろう。

 

「クソ、目立つがやるしかねぇ——!」

 

 吐き捨てるように言って、俺は秘蔵の宝石数個を魔術で強化した腕で天高く投擲する。

 

「——“流星(meteor)”!」

 

 それらは天空で一瞬光り輝き、その後、一条のレーザービームがバーサーカーの肩を貫く! 意図を汲んだセイバーが蹴りで直撃位置にまで押し込んだのだ。

 

「——はッ! これぐらいじゃあ火傷程度だなァ!」

「だが隙は生じただろう?」

 

 魔力充填は既に。一瞬の怯みが趨勢を決める。

 

「——『秘匿すべき勝利の剣(エクスカリバー)』——」

 

「——“避けろ、バーサーカー”!」

 

 トウコ氏の令呪が起動し、バーサーカーが転移する。場所は背後。だが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。あくまでも刀身に黒い極光を纏った斬撃ゆえに、取り回しは抜群なのだ。

 

「——!」

「獲った——!」

 

 セイバーは背後に黒い斬撃を突き立てる! しかし()()()()()()()()()

 

「何!」

()()でヤバいってな! 転移直後にどうにか逸らしたっつーワケよ!」

 

 ——なんて戦闘スキル! ベオウルフ、伊達じゃない!

 

 ——だが。()()()()()()()()()()()

 

 直後。バーサーカーを一閃のレーザービームが貫く。上空で待機していた宝石砲の一つが火を噴いたのだ。

 

「自動かァ!?」

「獲る——ッ!」

 

 動きを鈍らせるバーサーカーに、セイバーは再び斬撃を振りかざす。宝具発動の余裕はないにせよ、周囲の魔力を吸い上げて、可能な限りの火力を叩き込む算段だ。

 

「——やるな少年。ならば、()()()()()

 

 トウコ氏は魔力充填を止め——射撃体勢に入る。その寸前で、()()()()()()()()()()()()

 

「——いや、待て。今計算してみたが、上空からの光線は()()()()()()()()()()()()()()()()()

 私たちの頑張りすぎか……!」

 

「——ご名答。全部俺の手伝いってコトですよ!」

 

 ——直後。天よりの一撃で魔力キャノンは爆散した。

 

 ——流星術式(ミーティア)。初撃こそ手動だったが、残りは周囲から濃度の高い魔力を自動検出して撃ち込む処理を施していた。令呪、魔力キャノン。どちらも高い魔力濃度を持っており、元より俺とセイバーの魔力は対象外にしていたため——バーサーカー陣営が捲りに来ただけで自動的に妨害できるようになっていたのだ。

 

「爆ぜろ、『鉄槌蛇潰(ネイリング)』ッ!」

「何!」

 

 だがバーサーカーとて、俺の術式では怯ませることがいっぱいいっぱいなのは既に把握しており、迎撃覚悟で鉄剣宝具を()()させる。

 おそらくは破壊時に効果を発動する宝具!

 

「——“来い、セイバー”ッ!!」

 

 二画目の令呪を起動させ、俺はセイバーを強制退避させる。同じく令呪跳躍で回避したバーサーカーを見るに——いや、分析するまでもなく、広場の中心部が爆ぜて俺の眼前にまでクレーターが出来上がっていた。爆風からはセイバーが守ってくれたため事なきを得たが、それにしても——()()()()()()()()

 

「助かったよセイバー」

「こちらのセリフだマスター。今のは危なかった」

 

 言っている間に爆風は晴れ、バーサーカー陣営と再び対峙する。

 

「——いい判断だな少年。だが、もう上空に宝石はないと見た」

「——さてね」

 

 図星だ。今自動迎撃が発生しなかった時点で自明。トウコ氏にはもうバレている。妨害が存在しないことを察知されている。であれば——

 

 次の打ち合いが——クイックドローめいて決着に直結する。嫌でもわかる。()()()()()()()()()()()()()()()

 ——その、刹那。

 

 轟音とともに、()()()()()()()()()

 

 それは、竜を思わせるフォルムのバイクではあるが、騎乗者である少女(マスター)の身長に合わせて、運転部分はまるでロボットのコクピットの様な仕様となっている。

 そこから騎乗者が降りると、バイクは()()()姿()()()()()()()

 

 ——俺は、その銀髪の主従のうち、マスター側を知っていた。そう、彼女は。

 

「——イリヤ、スフィール」

「——ほう、ついに来たかアインツベルン」

 

「数日ぶりね、レンにトウコ。

 改めましてこんばんは。

 私はイリヤ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。そして——」

 

 一呼吸おいて、彼女は()()()()()()()

 

「こっちはライダー。【悪竜現象】()()()()()()よ」

 

 

 

次回「スケイル・オブ・ファヴニール」に続く

 

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