ホラーテイストは薄めです。
彼女と共に訪れた観光地。
春樹は口にこそ出さなかったが、この場所に苦い思い出があった。自分の不要な発言で、散々な目にあった記憶。それをここにくれば嫌が応にも思い出してしまうから、なるべくここを訪れたくは無かった。
それでも春樹が今日この地に立っているのは、同行している恋人が渋る春樹を押し切って熱望したことが理由だった。
「春樹、望遠鏡だって!」
春樹の恋人が楽しそうに丘の上に設置された望遠鏡に近づいていくき、春樹もそちらに向かう。二機あるそれは、一つは一般用で、もう一方は背が低い人間用、すなわち子供用のものである。
この望遠鏡が、春樹の苦い思い出の元凶だった。
あの頃の自分にとってはただ見たままを伝えただけだったが、この歳になってみればそれが何を意味しているかを理解できてしまうが故に、過去の自分の浅慮さに嫌気がさす。理解していたとして同じ行動をしたようには思わない。だからこそ、あの楽しい時間を奪ったのは自分だったと春樹は自身を追い込んでしまう。
「すごい綺麗! 春樹もほら見なよ!」
恋人にそう誘われて、しかし躊躇してしまう。
今でも望遠鏡越しの光景を時々思い出してしまう。春樹はあの後の顛末を知らないが、両親が自分に伝えなかったということは、そういうことなのだろうと考えている。
「私ね、ここに来たかった理由があるんだけど、春樹はわかる?」
「子供の時に来たとか?」
「惜しい! でもそんな感じ! 子供の頃から来たかったんだ!」
幼い自分が望遠鏡を通して見たのは、海に浮かぶ浮き輪だった。望遠鏡の首振りが可能なぎりぎりまで振り回して、親にやめなさいと言われながら見た景色がそれだった。そして父親が無理やり望遠鏡の位置を元に戻そうとした時に、岩場の上にブーツが置かれているのが見えてしまった。
そしてそれを見たまま母親に伝えたら、彼の母親は目を瞬いて、彼の父親に何かを相談し始めた。後から聞いた話だが、その方向は海水浴場がある方角で、見える部分は岩場の先で海水浴場の安全な水域より外の位置だったらしい。
春樹の両親は何か事故や事件の臭いを察知したのだろう。だからすぐに警察が飛んできて、春樹は大変なことになってしまったと思った。自分ほど望遠鏡を回す人間はそう多く無く、他の人は気付かない位置だったようだった。
「ほら、春樹も早く!」
恋人に急かされて、春樹は望遠鏡をに近付く。
自分のせいで散々な旅行になってしまった昔のことを思い出してしまって苦手意識があるのなら、いい記憶で上書きしてしまえばいい。
そう思って覗いた景色はに、春樹は息を呑んだ。
「春樹、どう?」
望遠鏡から目を離し、恋人の方を見る。
春樹は少しだけ逡巡して、ズボンのポケットからスマートフォンを取り出した。
簡単プロット
ある観光地で、春樹は望遠鏡を覗いた子供の頃を思い出す。海に浮かぶ浮き輪とブーツ、子供の頃はそれが何を意味するのか分からず、親に伝えたら散々な旅行になってしまった。大人になった今もう一度望遠鏡を覗く。また何かが浮かんでいるのが見えた。
30分クオリティ。ブーツの比率が低すぎる。実質は望遠鏡がお題だったかもしれない。
いつだったかリドルストーリーにハマった時期があって、久々に書けて楽しかったです。
お題がちょっと限定的すぎるからgptくんにでも頼るか? 行き詰まったら考えましょう。まだまだ頑張れるはず。ぱわー。