突然館の主人から言い渡された内容をアメリアは理解することができず、聞き直してしまう。
島を治める領主に遣えるアメリアは、これまでもこれからもこの島で暮らしていくつもりだった。それなのに、館の主人が先程自分に告げた内容はそれを否定していて、彼女の脳は理解を拒む。
「だから、私の功績が認められて内地に領地を貰うことになったと言っているんだ。お前とオウェルンもついてこい」
詳しく話を聞けば、出発は一週間後だという。
あまりにも唐突なその報せにアメリアは動揺していたが、同僚のオウェルンは内地に憧れがあるのか随分と乗り気で、行きたくないと言えるような雰囲気ではないことを察した彼女は言い出すことができなかった。
彼女がこの島を離れるのに難色を示すのは、実に単純な理由である。
「ええ!? アメリア、この島を出て行ってしまうのかい!?」
彼女はこの島に、恋人がいるのである。
彼にそのことを伝えれば当然のことではあるが随分と衝撃を与えてしまったようで、その驚きの声と共に島中に彼女たちの関係と彼女が島を離れるというその事実が広まってしまった。
それは主人の耳にも入っていたようで、呆れた様子で一日時間をやるからそこで整理しろと言われてしまう。
いきなりのことで予定なんて合うわけないと思っていたのだが、島中に話が広まっていたこともあって、皆が気を遣って彼の予定をフリーにしてくれた。
だからアメリアは、この与えられた機会で彼との時間を堪能することにする。
「おまたせ、アメリア」
屋敷の門で待ち合わせ、二人は手を繋いで歩き出す。
脳裏に浮かぶのは数々の彼との思い出である。海岸線を歩いて、昼時には馴染みの店で過ごしたいつもの光景が呼び起こされる。
最後だから特別なことをしようかとも考えたが、アメリアは結局いつも通りのデートをすることにした。いつも通りが悪いことではないと知っているから。惰性でやっていたのではなく、自分たちにとってそれが一番だと理解していたから。
昼食を終えた二人は、島の展望台に向かう。いつもそこに行くわけではなく、記念日などに向かう場所だったが、自然と二人の足はそこに向いていた。
「アメリア、これが最後だなんて、僕はそんなつもりはないぞ」
「ええ、私もそう思ってるわ」
「いつか僕も君を追いかけて海を渡るよ」
展望台から街を見下ろしながら、二人はそんな会話を交わす。
もう戻ってこれないというわけではないが、一日二日で往復できる距離でもない。だから二人が同じ場所で暮らすには、どちらからが相手のところへ向かうしかない。
二人はいつかの再会を誓い合って、最後の一日を終える。
そうして島を離れたアメリアは、二度とその島の土を踏むことはなかったという。
簡単プロット
アメリアは島の主人に仕える下女である。彼女は島に恋人がいるが、主人と共に大陸へ移ることになってしまった。アメリアは一日だけ暇を貰い邸宅の門で待ち合わせ、最後のデートでこの島が好きなことを再確認するのだった。
プロット含め30分(間に用事で中断アリ)で書きました。
クオリティはワンちゃん一番ダメダメかも。苦手が過ぎますね。でも全然思いつかなかったから仕方ないですね。もっとヒステリックに叫ばせた方が面白かったかもしれません。
反省しかない。明日はもうちょっといいのを書けるように頑張ります。