その葬式の雰囲気は異様だった。
喪主は氷山で命を落とした男の妻。その表情にはどこか強張りがあり、訪れた者たちに向けてびくびくとした態度をしていた。
大学の先輩の訃報を受けて駆け付けた男はその態度を疑問に思い、別の参加者に何事かと問いを投げる。
そうすると、男の思いの寄らぬ回答が返ってきて、男は度肝を抜かされる。
――どうやら今日の葬式の主役は、氷山での遭難が死因ではなく針で刺されたことが死因らしい。
なるほど事故ではなく他殺だというのなら、あの喪主がその犯人に怯えているのだろうと合点がいく。夫を殺した人間が今この場にいるかもしれないと想像してしまうことがどれだけあの気弱そうな喪主の心を削っているのか、男は箱の中で眠っている自信の先輩だけでなく喪主の方にも心の中で手を合わせる。
途中で警察官の男に話しかけられ、少しだけ話をした。本来は葬式中にやることではないらしいが、被害者の妻が怖いから居て欲しいと要求したことで手持無沙汰になってこうして開始までの時間に話を聞いているらしい。
男は特に氷山に一緒に行ったわけではなかったからかアリバイを少し確認されるだけで終わったが、一緒に山に登ったと答えたであろう筋肉質な男が長らく質問攻めにあっているのを目にした。
結局それ以上のことは何もなく、特に大捕り物が起こるわけでもなく葬式は完了した。
喪主と警官に挨拶をして式場を離れ、男は帰路につきながら考える。
まさか他殺だとバレるとは思わなかった。警察をなめていたかもしれないな、と。
次はもっと上手くやろうと決意して、男は次の完全犯罪の計画を練る。
男がその後警察と話したのは、老衰で事故を起こした妻の代わりに事故の状況説明を行ったときのみだった。
短すぎるので本文に後書きpart2
簡単プロット
氷山で遭難して死んだ男の葬式。その雰囲気は異様だった。検死の結果、男が針で刺されて死亡したことが発覚したからである。犯人は判らないまま、葬式は終わりを迎えた。
物語の終わりが見えなかったのでよくある感じにまとめました。
トリックはミステリーの予定もなかったので考えてません。もっとふわっとぐちゃッと終われる技術を誰か知っていたら教えてください。
タイムは大体20分です。今日は測り損ねたのでちょっと正確ではないですが、大体そのぐらいであっているはず。クオリティとしてはたまにはこういうのもいいかなと思うぐらいで可もなく不可もなくでしょう。及第点ではありますが、もうちょっとブラッシュアップしていきたいところ。
しばらく後で見返した時にいろいろ改善案が見つかっていたら良いなと思います。