掌編集 三題噺   作:息抜きのもなか

36 / 45
本日から少し形式を変えます。
各話タイトルを付けていこうと思います。これもまた練習ですね。
お題は「枯れ草」「兵士」「靴下」の三つ。ジャンルは


戦場の話 『靴下の擦り切れ具合でわかること』

 目を覚ますと、そこは九十度回転した世界だった。

 自分が倒れているのだと気付くのに時間が掛かったのは、それぐらい強い衝撃を頭に受けたことが原因だろうか。

 化学薬品と弾薬の火のせいか枯れ草ばかりが広がっている地面は、植物が広がる面積よりもきっと息絶えた人の横たわる面積の方が多い気さえする。

 近くでガシャガシャと何かが擦れる音と人の気配を感じて目を閉じる。敵も味方も折り重なるように伏しているこの地で、味方であることに掛けるのはあまりにも分が悪い。

 

 スナイパーが居たらどうしようもない。しかしここに倒れていたところでどうしようもない。

 最後の記憶が手榴弾を投げ込まれたところだったから、自分は持ち場より少し離れた場所に吹っ飛ばされたと考えた方が良いだろう。敵の亡骸も少ない数が視界に映っているので、この場を占拠された後にもう一度反攻し、結果的に両者が放棄したというところだろうか。もしかするとこの辺りのどこかが完全に崩れてこの地点は使い物にならなくなったのかもしれない。

 少し頭を持ち上げて、人がいないことを確認して体を起こす。立ち上がろうとして足の裏に痛みが奔った。

 足元を見れば片方の靴が脱げている。吹っ飛ばされた時に脱げたのか。

 戦場で靴を履かずに歩くのは自殺行為だ。戦場の地面はとても衛生的とは言えず、何が落ちているか分からない。裸足で歩いた結果石で怪我をして、細菌にやられて足を切り落とすことになった兵士も見たことがあった。

 軽く自分の足を確認するが、血が出ているわけではなさそうで一安心する。しかし何も履かないわけには行かないので、物言わぬ骸から拝借することにする。

 追いはぎのような真似をすることに少しばかりの抵抗感はあるが、しかし近くに脱げたものが落ちているようには見えなかったので仕方がない。そう自分に言い聞かせて納得させて、一番近くの兵士の足が着用している靴を脱がし、自分の足を収める。

 そこまでいって、ようやく気が付く。自分が拝借した兵士の靴下に穴が開いていた。

 きっと同じのを擦り切れるまで使っていたのだろう。気持ちはわかる。自分が履いているものも、もう少しで擦り切れそうだから。

 支給品であるそれに穴があるということはそれ即ち、それだけの期間をこの戦場に身を置いていること。そんな人物ですらこうしてあっさりとその灯を消すのだから、なんともやるせない気持ちになる。

 頑張ったな。声を出せばどこまで響くか分からなかったので名も知らぬ兵士を称え、味方を探して歩き出した。




簡単プロット
視界に映るのは枯草。息を殺して死んだふりをする。人が去ったのを感じ取って兵士は体を起こす。吹き飛ばされた衝撃で靴が脱げていて、兵士は他の兵士の靴を取ることにした。取った相手の靴下に穴が開いていた。

完全に文体を変えて見ました。久々に商業本からインプットした影響ですね。
タイムは20分強。曲流しながらなので大分注意散漫なので、誤字が怪しいかもしれません。
クオリティは個人的には結構いい方じゃないかなと。このぐらいを維持して研ぎ澄ましましょう。

形式についてはタイトル付けがあんまり得意じゃないのでその練習がしたいからですね。
ジャンルは変わらず残します。日々新しいことをしていきましょう。日課だからと言って全く同じことを続ける必要はないですからね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。